モンモランシー、ギーシュに振られる。どうする?
Last-modified: 2014-05-04 (日) 20:15:15 (3637d)

モンモランシー、ギーシュに振られる。どうする?
 その日、ギーシュからその言葉を聞くまではモンモランシーにとって
平和な一日だった。休み時間ギーシュは一つの方向に眼を向けていた。
その先にいるのはキュルケと話しているモンモランシーである。
ルイズはというとサイトと共にコルベール先生と学院長室に呼ばれて
居なかった。「どうしたんだい、ギーシュ?モンモランシーの顔ばか
りみて…」とマリコルヌが声をかけてきた。[そろそろ、決めるか]と
ギーシュは思い、モンモランシーに声をかけた。
「モンモランシー、ちょっといいかい?」「なに、ギーシュ?」
モンモランシーはすぐに分かった。ギーシュは大事な話をするとき、
いつも改まった口調になるのだ。「大事な話があるから今日の授業
が終わった後、土の塔の屋上に来てくれないか?」と続けた。
「ええ、分かったわ」それを聞いたキュルケは声を潜めて、「ついに
ギーシュからのプロポーズじゃないの?」といった。「そうかも、
どんな言葉か楽しみだわ!」といった。その後、モンモランシーは
授業の内容が全然頭に入ってこなかった。何故なら心がウキウキし
ていたからだ…。そして放課後、はやる気持ちを抑えながらモンモ
ランシーは土の塔の屋上に向かった。とっておきの香水をつけて。
「ギーシュ、お待たせ!」と声を掛けたらそこにはギーシュはいな
くて、代わりに一学年下のケティがいた。「あら、ケティ。何で貴
方がここにいるの?」とモンモランシーが尋ねるとケティは驚く言
葉をかけた。「ギーシュ様に土の塔の屋上に来てくれと言われたか
ら来たんです」と言ったのだ。「何で…何でなのよ!」と声を張り
あげた瞬間、「モンモランシー、そう言う事なのだよ」と何処にい
たのか、ギーシュが出てきた。「ギーシュ、説明してよ…」と涙を
堪えるモンモランシーを嘲笑うかの様にケティがいい放った。
「ですから、そういう事なんですの…ギーシュ様が世界で一番好き
なのは私だとおっしゃってくださったの…」「ウソ、ウソでしょ?
ギーシュ、ウソだと言って!!」大粒の涙を流すモンモランシーに
対し、ギーシュは冷たい宣告を続けた。「いやモンモランシー、
本当なのだよ。僕はもう君のその焼きもち焼きですぐに水魔法で僕
を痛めつけるだけでなく、惚れ薬を使ってまで僕の心を操ろうとし
た君に命の危機を感じたのさ…。だから明日からは僕とは深い
交流をしないでくれないか?」モンモランシーは泣き叫んだ。
「どうして、どうしてなのよ?!サイトがルイズにあれだけ苛
められても一緒に居るようにあんたもそうじゃなかったの?」
しかし、ギーシュは冷静な声で答えた。
「ああ、確かにサイトはそうだ。しかし、あの二人にあって
僕たちにはないものに気づいたのさ…、それは愛だよ。僕は
本物の愛が欲しいのだよ。ケティは約束してくれた。ずっと
僕を愛してくれると…。だからサヨナラ、モンモランシー…」
 モンモランシーは目の前が真っ暗だった。さっきまでの嬉しい
気持ちが今では絶望に代わっていた。ずっと思っていた相手から
言われた一番聞きたくない言葉、それを聞いてしまった。呆然と
していると勝ち誇った顔のケティがギーシュの腕に手を回して、
「ギーシュ様、用が済んだのなら早く行きましょうよ」と言った。
「ああ、僕の大事なケティ、行こうか」と二人は塔の屋上から楽し
そうに話しながら階段を降りていった。「待って、待ってよ。ギー
シュ!」モンモランシーの叫び声はいつまでも屋上に響いていた…。

 モンモランシーがギーシュから別れを告げられた頃、寮のサイトと
ルイズの部屋。いつもこの時間は二人だけでこの部屋にいるのだが今
日は少し違った。二人の前にはキュルケがいたからだ。急にキュルケ
がやって来て「話したい事がある」と言われたからお茶を出したシエ
スタも一緒に三人で話を聞いていたのだ。。
「こういう事なのよ。あんた達の意見、聞かせてくれない?」
とキュルケが三人に意見を求めると「あの二股かけたことのある
ギーシュがついにプロポーズ?アイツが本当の気持ちを伝えると
は到底思えねぇな…」とサイトが言えば、ルイズも「サイトの上を
行く浮気性のギーシュが一人の女の子にプロポーズして、他の
女の子を口説くのをやめるとは思えないわね…」と冷めた口調だ。
更にシエスタまで「ですよね…サイトさんに二股かけていたのを暴露
された腹いせに決闘を持ちかけてサイトさんを三日間意識不明にした
人が一人の女性を大事にするとは到底思えません」と三人揃って似た
様な反応を示した。さすがは何人ものライバルと取り合いになったサ
イトのハートをゲットしたルイズと一番のライバルであったシエスタ
の意見である。キュルケも黙って頷いて、「私もそう思ったのよ…、
でもモンモランシーがあまりにも嬉しそうでね、つい忠告出来な
かったのよ…」と情けない顔で言った。三人はキュルケに聞いた。
「それで、どういう事をギーシュが言うと見てるんだ、キュルケ?」
「そうよ、あんた。微熱のキュルケって呼ばれてるし、男女の関係、
詳しいんだから大体は想像つくでしょ?」
「そうですよ、ミス・ツェルプストーのお考えも是非聞きたいです」
「まあ、私の予想だと今までの関係のままでいこうってなるんじゃな
いかなと一応そうなることを祈ってるわ」と自分の考えを言った。
「一応ってどういう意味よ?」とルイズが尋ねるとキュルケは
「ギーシュに他に好きな娘が出来て、モンモランシーに別れを切り出
さないかと言うことよ」と答えた。「まさか!」とサイトとルイズは
言ったがシエスタは「あり得ますねぇ、あのミスター・グラモンの事
だから」と言った。 「そう他人事の様に言うけどな、あのモン
モンの事だから、ショックの剰り、寝こんじまうぞ!」とサイトが
言えば、ルイズも「へまするとサイトがアルビオンで生死不明に
なった時の私の様に自殺しかねないわ…」と悲鳴の様な声をあげた。
そんなことを話していると突然ドアがノックされた。
「俺が出るよ!」とサイトがドアを開けるとモンモランシーが
眼を真っ赤にして立っていて「サイト、キュルケ居るかしら?」
と聞いてきた。「ああ、いるぜ。どうせなら部屋に入れよ。
シエスタ、お茶を出してあげて」「はい、ただいま」
とシエスタに声を掛けながらモンモランシーを部屋に
招き入れる。 「どうしたのよ?泣いてるだけじゃ分からないわ」
と優しく声を掛けるキュルケを二人は尊敬の眼差しで眺めていた。
暫く様子を見ていたキュルケは二人に「ここじゃ話せない様だから
今夜、私の部屋でゆっくり話を聞いてあげるわ」
「じゃあ、キュルケ。頼んだ」と二人をサイトとルイズは見送った。

 そして、翌朝早く。サイトとルイズはドアのノックで起こされた。
「はい、どなた?」「私よ、朝早くからごめんなさいね…」と
キュルケの声が聞こえる。二人でドアを開けるとキュルケが
立っていて、「部屋の中に入っていい?」と聞いてきた。
「ええ、いいけど。ベッドの方をは見ないでよ…」と
ルイズは眼を伏せがちにして言った。
何故ならベッドは二人の熱をまだ充分に帯びていたからだ。
その意味を瞬時に理解したらしいキュルケは「あんた達って、
本当に体の相性がいいのね…あんな話を聞いた夜も抱き合って
いるなんて…。これじゃアンリエッタ様やタバサやテファや
シエスタが諦めたのも頷けるわ…」と呆れた口調で言った。
サイトとルイズは顔を真っ赤にして言った。
「そ、そんな事無いもん!サイトが責めてくるのよ!」
「嘘つけ!お前だって俺に抱きついて離れねえだろうが!」
「ハイハイ、痴話ゲンカは私の話を聞いてからにしてくれる」と
キュルケは二人を黙らせてから昨夜、モンモランシーから聞いた
話を語り始めた。「昨夜、大変だったのよ、泣いてたかと思えば、
急にお酒飲ませてって言うからゲルマニアの年代物のワインをご
馳走したら、一本一人で開けちゃったんだから…」
「それでモンモランシー、なんて言ってたの?」とルイズが
聞くと「やっぱり、別れ話だったみたいよ…」とキュルケは言った。
「ギーシュにか?」とサイトが聞くと「そうみたい。昨日の授業が
終わった後、土の塔の屋上に行ったって言ってたでしょう?」
「ええ」ルイズは頷いた。
「そこにいたの、ギーシュだけじゃなかったらしいの」
「誰がいたんだよ?」サイトが聞くと
キュルケは「あんたが最初、ギーシュと決闘した原因って、
モンモランシーと誰だったかしら?」と二人に聞いた。
ルイズが答えた。「確か、ケティでしょ?」
「おい、まさかギーシュの奴…」サイトが呟くと
「そのまさかよ、ケティと復縁してたみたい」
「でもモンモランシーなら彼女に勝てるんじゃない?」と
ルイズは言ったが、キュルケは「そう思っていたみたい…。
でもギーシュに『君と居るのは限界だ、もう別れよう』
って言われたみたいよ」と答えた。
それを聞いたサイトは、「でもケティの奴、良く一回二股
かけられたギーシュと復縁しようと思ったな…、しかし、
何があったんだ?急にケティに乗り替えるなんて…」
とサイトは呟いた。
「どうもあの事件が原因みたいよ、ルイズが惚れ薬を
飲んだこと、覚えてる?」
「ああ、ギーシュの浮気癖を止めようとモンモンが
造ったはいいけど、うっかりルイズが飲んじゃって
大騒ぎになった事だろ?」とサイトは返した。
「あの時、いつ効果が切れるか分からないって
モンモランシーが言ってて、それを聞いたギーシュ、
考えたらしいのよ…このままだといつか殺されると」
とキュルケは言った。「だったら女の子をすぐに
口説く癖、治せばいいのに…」とルイズが言うのを
聞いたサイトは「あのギーシュの性格が直る訳ねえだろ…」と
言った。話終わった後、キュルケは
「じゃあ、部屋に戻るわ、まだ早いから…」
と立った。「おう、また食堂で会おうぜ」とサイトは返した。


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