ルイズの危機
Last-modified: 2014-11-24 (月) 00:05:36 (3441d)

 学院の隅の暗い教室に何人かの影があった。
それはマリコルヌを始めとした数人の騎士隊員
達だ。彼らの前には桃色の髪の少女が手首を後
ろ手に縛られ、拘束されていた。「ちょっとマ
リコルヌ!どういうつもりよ、これ離しなさい
よ!!」叫ぶルイズにマリコルヌはいい放った。
「いや、ルイズ。サイトがシュヴアリエで
平民上がりの癖に僕たちの副隊長になってか
ら僕たちは毎日怪我をしてるんでね…、そこで
彼の御主人様である君にその責任を取ってもらお
うと思ってさ…」と言うなり、マリコルヌ達はル
イズに襲い掛かると制服を引きちぎり、
ルイズの身体を攻め始めた。
「いや!なにするのっ!」と抵抗するが、
「そんなこというくせに感じてるじゃないか」
とマリコルヌの手はルイズの秘部に延びると
そこはもうしっとりと濡れていた。「こんな
事するとサイトが許さないわよ!」とルイズ
が言うとマリコルヌは「ここは普段生徒があん
まり来ない場所だからさ…サイトは助けに来な
いさ、ああー、残念だなー!どうせなら半殺し
にしたあいつの見ている目の前で大切な御主人
様の君の処女を奪ったのを見せた後に止めをさ
せたらさらに気持ちいいのに!」と言うなり、
己の剛直をルイズの口に近づけてきた。ルイズ
が固く口を閉じていると魔法で口を開けさせて
押し込んできた。マリコルヌは眼の前の欲望し
か考えておらず完全に抜けていた。と言うのも
ルイズは眼を閉じ、「父様、母様、すみません
私は恋人でもない虫けら貴族に乙女を取られます。
そして、サイトごめんね」と心の中で厳しくても
優しい両親と姉、そしてサイトに謝っていたその
時、「誰を半殺しにしておいてだと?」と声がし
たと思った次の瞬間、ドアが音をたてて破られ、
サイトがデルフを片手に飛び込んで来た。
「おい、てめえら!この状況説明して貰おうか…」
と獲物を見る蛇の様な眼付きのサイトに睨みつけら
れた下級生の騎士隊員達は震え声で答えた。
「マ、マリコルヌさんが言ったんですよ。訓練をし
たくなけりゃミス・ヴァリエールを襲うのを手伝え
って」サイトはマリコルヌを睨み付けると言った。
「おい、マリコルヌ。人の御主人様を襲おうとする
なんててめえ、いい度胸してやがんな…」マリコル
ヌは叫んだ。「くそったれ!サイト!何で気付い
たんだ?」サイトは馬鹿かっといった顔で「毎
日のルイズの行動で分かるだろうが…。訓練が
終わる頃俺を迎えに来るだろ。モンモンと一緒
に。それが今日は来なかった。モンモンに聞い
たらマリコルヌ、てめえがルイズに俺が怪我し
て保健室にいるって嘘いって連れていったと教
えてくれたからお前がルイズを襲おうとしてる
のはすぐに勘づいたさ」といった。するとマリ
コルヌはサイトにいい放った。「いいじゃない
か、サイト。君は他に相手がたくさんいるんだ
から僕達が少しぐらいルイズと遊んだって…」
その言葉を聞いた瞬間、サイトの中で何かが音
をたてて切れた。いや、目の前が真っ暗になる
と同時に言葉では表しようもない怒りが沸き上
がってさらにマリコルヌの姿がルイズを殺そう
とした時のワルドに見えたからサイトは決めた。
「俺のルイズに触れた。いや、それどころか襲
って遊ぼうとした。そんな奴を生かしておけね
え。シュヴァリエだ、副隊長だ、そんなことは
どうでもいい、ルイズを汚そうとしたこいつを
殺してマルトーさんに頼んでコース料理の食材
にしてやる!!」そう思った瞬間、サイトの手
の甲のルーンが輝き始めた。
デルフが慌ててサイトに囁いた。「相棒。落ち着け、
この怒りだとこいつらを全員、殺しちまうぞ」
サイトはそれに対し、ドスを聞かせた声で答えた。
「こいつらを殺そうが殺さねえがそんなことはどう
でもいい、それで俺がどうなろうがな…でもよ、惚
れた女にこんな卑劣な事をする奴は許しておけねえ。
ま、ちょうど剣の腕が鈍ってねえかチェックするい
いチャンスだ。この悪党ども、ルイズを襲った=俺に
喧嘩を売ったという事を叩き込みに普段以上にたっ
ぷり遊んでやるから覚悟しとけよ…」と冷やかな声
でいいながらデルフを振り回した瞬間、側にあった木
刀が一瞬で真っ二つに折れたのを見てさらにはサイト
の全身から醸し出されるどす黒い怒りのオーラを感じ
たルイズ以外は全員震え上がった。いくらマリコルヌ
に誘われたとは言え、襲った相手が悪かった。『ゼロ
のルイズ』と呼ばれているがトリスティンきっての名
門、ヴァリエール公爵家の三女だ、最悪な話、実家が
お家断絶を喰らうかも知れない。そして目の前でどす
黒いオーラを放つサイトは平民上がりとは言え、七万
のアルビオン軍を単騎で止めた最強の勇者なのだ。
サイトは続けて、「安心しろ、本当に殺しはしねえ…、
でもよ、数日はベッドから起き上がれねえかもな…」と
楽しそうに言うサイトの眼は完全に据わっていた。
「へますると本当に殺されるかも知れない」全員が覚悟し
た時、命の危機を感じたマリコルヌが一人で逃げ出した。
「コノヤロウ、待ちやがれ!話、終わってねえぞ!」
と叫ぶサイトに下級の騎士隊員達は「あ、嘘つい
た!みんなで楽しもうって言ってたくせに!!」と
叫んだのを聞き逃さずに「おめえら、全員騎士隊
員頚だ!それが嫌だったらあのブタ捕まえろ!そ
したらトリスタニアまでの往復マラソンで許して
やる!!」とドスの効いた声で怒鳴り付けると全員真
っ青な顔で飛び上がって「は、はい!サイト副隊
長!この裏切り者!!」とマリコルヌを追い掛けて行
き、捕らえた。

 捕まったマリコルヌはすぐさま騎士隊の小屋に引
きずられて、座らされた。「さっきはよくも私を
襲おうとしてくれたわね、覚悟なさい!!」」とルイ
ズが睨み付けるとキュルケも「あんたが人気ない
理由がよくわかるわ、こんな悪事を働けばね…」と
冷やかなな口調である。レイナールが「困ったな、
誇り高いオンディーヌ騎士隊隊員がレイプ未遂、
それもヴァリエール家の三女であるルイズを相手に
しようとは…」と怒りに声を震わせたらギムリが
「ヘマすっと無期限謹慎かな」と呟く。するとギー
シュが「こないだの女子風呂覗きの件がまだ尾を引
いているからな。最悪、騎士隊解散かもしれんぞ 」
と深刻な顔で返した。サイトも「俺もこの不祥事の責
任とってシュヴアリエのマント、返却しねえとな…」
とぼやいた。モンモランシーが続けて「マリコルヌ、
あんたがしでかしたことルイズのお父様のヴァリエ
ール公爵の耳に入ったらあんたの家、どうなるかし
ら、ねえシエスタ?」と脇に控えるシエスタに聞く
と「さあ、多分お家断絶じゃないですか。ミス・モ
ンモランシ」とシエスタが答えるとサイトが「いや、
俺がルイズを御父さんが見てる目の前で押し倒した
とき、晒し首だと怒ったから今回はお家断絶+晒し首
だな。ま、仕方ねえよ自業自得さ」と答えた。騎士隊
解散は避けられないかもしれない。
そう思った全員が溜め息をついたとき、マリコルヌが
「どうか、公にしないでくれ、どんな罰でも受けるか
ら」と哀願した。「どうする?ル
イズ」とタバサが聞くと「なら王宮には報告しないけ
ど、みんなの魔法をくらってもらいましょっ♪」とル
イズがいった瞬間、みんな、にっこりとして、「それ
はいい案だね」と口を揃えて言った。そして杖を構え
たり鍋を手にしたり、鞭を手に持った。それから暫く、
マリコルヌにとって地獄の様な数時間となった。
まず、キュルケが「私ね、男は好きだけどね…、こう
いう方法で女を支配しようとするの、一番嫌いなのよ
!!」と攻撃を始めたのを皮切りに全員の魔法でマリコ
ルヌは徹底的に痛め付けられ、全治三ヶ月の大ケガを
負った後、サイトのゼロ戦で空を振り回されたのだ。
翌日からマリコルヌに加担した下級の騎士隊員達はト
リスタニアまでの往復マラソンを課され、空からシル
フィードに乗ったタバサとルイズが見張り、地上では
サイトとギーシュに怒鳴られながら走らされた。
この過酷な訓練は一ヶ月続いたそうな。
 さらに追記するとテファの忘却魔法によって、マリ
コルヌが大ケガをした理由は女子寮に忍び込もうとし
て失敗したためとされたのだった。


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