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312 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:39:43 ID:xTnH8xTx 「お帰りなさいませ、ご主人様」 あくまで自然に。 「お疲れでしょう。お召しものをこちらへ」 気付かれてはならない。 「さ、最高だよっ、モンモランシィィィィィィィィィ!」 扉の前で固まった状態からルパンダイブに移行したギーシュを、モンモランシーのアッパーが撃ち落した。 313 名前:モンモンメイドになる。の巻 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:40:45 ID:xTnH8xTx 「あ、あの、モンモランシー?」 言ってモンモランシーがいつの間にか手にしていた杖を振ると、ギーシュの目の前にこぶし大の水の泡が浮かぶ。 「わ、わかったよモンモランシー」 モンモランシーは杖をしまい、ギーシュの背から脚をどける。 「…な、何よ」 はだけてもいないのにモンモランシーは思わず胸のあたりを隠す。 「モンモランシー。君は本当に何を着ても似合うなあ」 思わず照れて赤くなってしまうモンモランシー。 「そんな可憐なキミもステキだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 今度ははたきおとされた。 メイドに手を出せばどういう目にあうか、さんざんギーシュの身体に教え込んだモンモランシーは、まず最初に何をするべきか考えた。 「で。何かして欲しいことはない?」 ご主人様に尋ねてみるのが一番。 「どうせなら」 釘を刺すのも忘れない。 「うぐ」 やっぱりか。 314 名前:モンモンメイドになる。の巻 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:41:34 ID:xTnH8xTx 悶えるギーシュに、モンモランシーが歩み寄り、その肩に手を掛ける。 「や、やっぱりそうなんだねモンモランシぃぃぃぃぃ」 そして両手を広げて抱きつこうとする。 「止まれ馬鹿」 ごっちんとモンモランシーの拳とギーシュの頭が音をたてた。 「…やっぱり」 疑問を口にするギーシュには一切応えず、モンモランシーは無理やりギーシュを立たせると。 「最近、水精霊騎士団の演習とか出ずっぱりじゃない? 言って今度はギーシュの背中を押す。 「どう?きつくない?」 モンモランシーのマッサージは、それなりに気持ちがよかった。 「うん、なかなか上手だねモンモランシー」 それは、メイド実習で習った成果なのだが、褒められて悪い気はしない。 「ほんとにもう、凝りすぎ。何をこんなに頑張るんだか」 呆れたように言うモンモランシーに、ギーシュが応える。 「決まっているだろう、もちろん君のためだよ」 不意打ちだった。 「僕には君を守る力が無い。前の戦いでそれを思い知ったんだ。 いつもの演技くさい声ではなかった。 「まあ、お陰で毎日筋肉痛だけどね。普段鍛えてないとこういう目にあ」 ぎゅう。 モンモランシーは突然、ギーシュの首を後ろから抱きしめた。 315 名前:モンモンメイドになる。の巻 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 22:43:41 ID:xTnH8xTx 驚くばかりのギーシュに、モンモランシーは囁くように言った。 「…ばか。そんな頑張らなくたっていいのに」 自分のため。そう言ってくれたのがこの上なく嬉しかった。 「…私、守ってなんかもらわなくても、ギーシュがそばに」 よく見るとギーシュの鼻の穴が2倍ほどに膨らんでいた。 「モ、モンモランシィィィィィィィィ!ぼかぁ、ぼかぁもぉっ!」 器用に上と下を入れ替えて、ギーシュが上になる。 追記:モンモランシーに脅されて、ギーシュは合格を出したらしい。 |
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