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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:46:09 (5617d)
313 名前:1/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:08:11 ID:J37G4WVk 「エルフが追ってきたら、あの二人が頼りなんだから、 エルフと戦えるのがこの二人しか居ないのは分かるけれど。 ……疲れ果てる? 宿に泊まるのは、疲れを癒すためなのに。 それは良い。 ……でも、 「何やってるの、タバサ?」 二人そろってわたしをベットで待っている。 ……あの、あのね、ここツインだよ? ルイズとサイトが同じベットに入った時、やっとキュルケの言葉の意味が分かって、 「夜更かしは駄目よ?」 ……どうして当然のように三人で同じベットに寝ようとするの? この二人の常識は、徐々に一般常識から乖離しつつあったが…… 「タバサ、ひょっとして寝付けないの?」 ……うん、今まさに大変な目に遭ってるよ? 「「三人で運動でもする?」」 ……ふぇ? 「寝る」 サイトとルイズの言葉に、ちょっぴり恥ずかしい妄想をしてしまったタバサは、 314 名前:2/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:08:50 ID:J37G4WVk ――ルイズの隣に寝かせれば良いものを、いつもの癖でサイトを中央に、 「……布団が小さいわね……ちょっと詰めて」 ……わざと? わざとなの? 「…………ん」 思い切ってサイトに密着してみる。 ……サイトって逞しい。 後になって考えて、思わず取り乱してしまったことを、ごくごく自然に思う。 「…………タバサ? タバサ?」 いけない考え事に夢中で、二人が…… 「「シャルロット?」」 っ! 「は……はい」 うれしくて、ついしっかりと抱きつきながら返事をする。 「あ、やっぱり名前間違えたの怒ってたのね」 ……ち、ちがうの。 暖かいね。 「もうねるの?」 顔を上げないわたしを置いて、二人は笑って目を閉じた。 315 名前:3/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:09:31 ID:J37G4WVk のんきにすぴすぴ寝息を立てている。 「どうして? 隣に好きな相手がいるのに、二人ともそんなに寝つきがいいのっ?」 答え そんな二人に取り残されて、タバサ――シャルロットは一人悶々としていた。 316 名前:4/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:10:04 ID:J37G4WVk 二人の女の子に添い寝してもらっておいて…… 寝返りが打てない。 ここ暫く寝ているサイトの両手が自由な日は一日も無く、 ……つまり、タバサを助けてやっと熟睡できる上、 「……ん……るぃずぅ…………」 ころころと、思うままに転がりながら心地よい夢に溺れる。 夢の中のルイズは本物より優しくサイトを抱きとめて、 317 名前:5/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:10:36 ID:J37G4WVk 眠りに落ちる寸前、背後からいきなりサイトに抱きつかれた。 「っ! だ……だめっ」 寝惚けてる? 「うん……ルイズだー」 ふくらみかけの胸は強く触られると痛みを覚えるが、寝惚けているサイトの力ない指は、 「ちょっ……ダメっ……」 身体を捻って逃れようとするタバサの耳にルイズの声が届いた。 「ん〜、サイトぉ……」 タバサが暴れた所為で布団が引っ張られ、隙間風でルイズの眠りが浅くなったようだった。 (……ル、ルイズに見られたら……) 自分を助けてくれた二人の喧嘩なんて、見たくなかった。 「んっ……んんんっ……ん〜〜っ」 タバサは下唇を薄く噛みながら、必死で枕に口を押し付けていた。 318 名前:6/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:11:08 ID:J37G4WVk 望み得る最高級の抱き枕。 足を引っ張られるお陰で、ぴんと張り詰めた上半身は更に敏感になり、 さらに後ろからサイトが組み付いたことで、 「ルーイズー……むにゃ……」 (そーゆーのは向かい合ってやってぇぇぇぇ) ルイズに気を使って、喋ることの出来ないタバサの悲鳴は誰にも届かず…… (だ、だめ……本当に、ちょっ……やあっ……とまってぇぇぇ) 執拗なサイトの手によって、じりじりと寝巻きが捲り上げられていく。 (しまっ……これじゃ……) サイトを起こすことは、今の自分の姿を見られることになる。 ……タバサの選択肢がまた一つ減った。 319 名前:7/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:11:39 ID:J37G4WVk 「ひっ……」 「ルーイズー♪」 サイトに触れられている所が、どこもかしこも熱かった。 「……っ……っ……ふ……あっ……」 (ひゃぁあっ、びくってしたっ、熱いのがびくってしたぁっ) ぐいぐい押し付けられるサイトの形を、タバサはすっかり覚えてしまいそうだ。 (だ……め……こんなの……だめ……) 既にどれだけの時間が経ったのか、タバサには分からなくなり始めていた。 もどかしい刺激だけが止まる事も無く送り込まれ続け、 強い熱と淡い湿り気を始めて感じ始めた自分に、 (……ど、どし……て? にげられないよぉ) 浅い寝息を立てるサイトの顔が、すっかり全身の力が抜けたタバサの目の前に有った。 タバサは始めて自分から行動を起こす。 ゆっくりと自分の唇を合わせた。 320 名前:8/9[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:13:25 ID:J37G4WVk 眠るルイズが見えた。 ……わたしを助けてくれた友達が……そこに居た。 「ぁ……っ……ご……ごめんなさっ……」 サイトの腕がまたわたしを捕らえる。 ごめんなさい、ルイズ。 ぽろぽろと涙がこぼれる。 「い……や……も、だめ……だめだ……よ?」 逃れようとするわたしの上で、動きを止めたサイトの重さを心地よく感じてしまうわたしが、 「ごめ……さっいっ……も……やめ……てぇ……」 涙がどうしても止まらなかった。 321 名前:9/9[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:14:03 ID:J37G4WVk 「もー、またシエス……タ……?」 って、ここにシエスタは居な……いんだっけ? 身体を起こして、周りを…… 「ごめ……さっいっ……も……やめ……てぇ……」 ……は? ……ゆ、夢よねー? 「もう……だめ……これ以上は……ルイズに……」 ……ルイズの全身から不可視の怒りが噴出された。 ――サイトはルイズの殺気に敏感だった。 「へ?」 ちっちゃい胸が剥き出しのタバサが腕の中で泣いて…… 「え? え?」 サイトは恐々と回りを見回した。 ――サイトの目が自分を捕らえた瞬間引きつる。 二人の唇には、揃いの朱が入っていた。 「こぉぉの、いぬぅぅぅぅ」 まともに話を聞くものは誰も居なかった。 「おっきいのが好きなんじゃなかったのぉっ!」 「……なんですって?」 ルイズの狂乱は物音に宿中の人間がおきだすまで…… 正確には、取り押さえられるまで止まらなかったとか…… めでたくなしめでたくなし。 |
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