15-508
Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:46:40 (5644d)

508 名前:愛しい人 [1/5][sage] 投稿日:2007/05/18(金) 01:52:35 ID:30JmQmRv

507
勢いで書いちゃったよアンチャン。
初投稿だが・・・・まぁ読んでみてやっておくんな。

 熱い・・・・・・。

静まり返った密室。
月光に炙られた窓の桟が、涙でゆらゆらと揺れているのを見ながら、虫の羽音だけを聞いていた。
その白けた青の淡い光が、他の音全てを吸い取っているかのような。そんな静寂の中、彼女の世界は、その羽音だけだった。

頭・・・・・じんじんって・・・・する・・・・・・・。

最後に扉の前を人が通ったのは、いつだったか。もう何時間も経ったような気がする。
足音が耳に届くたびに、胸を高鳴らせ、朦朧とする意識を奮い立たせ、だが眦だけはきつく絞りながら、扉を睨みつけてきた。
今では、もうそんな気力も、ない。

・・・・・・まだ・・・・・・なの・・・?

 夏が近づいているとはいえ、夜中に素肌を晒すには、まだ寒い。
だが、シーツは床に剥がされいる。後ろ手に縛られて、それを拾い上げることもできず、裸のベッドの上をもぞもぞと這い回る。
そうすれば、少しは紛れるかと思ったのだ。仰向け、うつぶせ、横。ひたすらに楽な体勢を探そうとする。
だが、色々と試してみても余計に焦れるだけで、その感覚は紛れるどころか、強くなる一方だ。
その上、「羽音」が「ソレ」が鳴動してることを、休むことなく伝えてくる。その事実が一層、その感覚を煽り立てるのだった。

「サ・・・・イトォ・・・・」

いつしか、くぐもった声が口吻から漏れ出る。
ふと己の声色の淫靡さに気付き、彼女の頬にサッと赤みが刺す。それと同時に、僅かに身じろいだ体を、電流が走った。

「くひっいっ・・・・!」

瞳に涙をため、歯を噛み締め、甘美な電撃に耐える。

 も・・・・・だ・・・・・・め・・・・・ぇ・・・。

このままじゃ、おかしくなる。
彼女は直感的に、そう悟った。今や、自分の霞がかった脳が考えている事は、たった一つ。
 さ い と 
後にはもう、何も考えられない。少しでも気を抜けば、彼との記憶が、彼への想いが、とめどなく溢れ出すのだ。

510 名前:愛しい人 [3/5][sage] 投稿日:2007/05/18(金) 02:03:26 ID:30JmQmRv
「さぁっ・・・・・いんぅ・・・・とっ・・・。さい・・・・・とぉ・・・・・っ」

いつか盛られた惚れ薬とは違う。
脳全体を一瞬で覆い付くし、彼への想いをあらゆる事に優先させようとした、暴力的なまでの、魔性の感覚。
それとは対称的で、この感覚は、じっとしたっきり、動こうとしないのだ。
そう。
じっ・・・・・と、動かず。ただ、そこに在るのだ。いつしか、私自身が精神を明け渡すまで、じっと待ち続けているのだ。
時を経るにつれて、その誘惑が強くなるのが分かる。頭の疼きが、どんどん強くなっている。さっきよりも、今の方が確実に強い。
体が叫ぶ。何でこらえるのだ、と。楽になろうよ、と。
羽音が、止まない。

「だッ・・・・・・・めぇ・・・・・っ」

いけない。
彼には・・・・・・・サイトには・・・・・・帰る場所が、故郷がある。
この感覚に委ねれば、もう止まらなくなる。感情のままに、私はサイトを求め、そして恐らく、彼も喜んで私を受け入れるだろう。
約束した。帰る方法を一緒に探す、と。それを・・・・嘘にしたくない。何より・・・・・彼の想いをないがしろに、できない。
誰よりも大事な使い魔。私の・・・・・愛しい人・・・・・・・・。彼の想いを、踏みにじるようなことだけは・・・・・・・・。

・・・・ッ、トッ、トッ、トッ、

その時、心臓が跳ねた。
「!? っひ、きゃうっ!」
不意に耳に飛び込んできたその規則的な音は、紛れもなく足音。

「っ・・・・!・・・・・んくっ・・・・・ぅんっ・・・・・・!」

瞬時に事態を悟り、体を駆け巡る電流も構わず、身体をなんとか起こそうとする。
やっとの思いでベッドの上に座り、ふにゃふにゃに崩れた顔に、なんとか力を込めようとする。
寝静まった寮。階段の側からゆっくりと近づいてくる、その足音。それが誰なのかを、彼女は悟っていた。

「くっ・・・・・・・・・・・ふぅっ・・・・・・・・んすーっ、はっ・・・あぁ・・・・うっくっ・・・!」

とめどなく身体を襲う痺れをこらえ、平静を取り戻そうと呼吸を整える。
だが、今や体全体が浮かんでいるようだった。どこからが自分の足で、どこからがベッドなのか、よく分からない。
益々大きくなるその足音を、扉越しにきっと睨みつけようとする。快楽に耐え、身を振るわせながら、緩みに緩んだ顔の筋肉を必死に強張らせる。
この感覚に、負けないように。彼を、求めてしまわないように。

511 名前:愛しい人 [4/5][sage] 投稿日:2007/05/18(金) 02:05:04 ID:30JmQmRv
そして。

トッ、トッ、トッ、ト・・・・・・カチャ。

一瞬の静寂の後、小気味いい音と共にドアノブが動いた。
音もなく扉が開かれる。
灯火の柔和なオレンジを背負った、見慣れたシルエットが部屋の中に入ってきた。

「ただーいま・・・っと」
「っ・・・・・・・!」

パタン、という音と一緒に、暗がりに声が響く。
ドア脇に洗濯籠を下ろすと、彼はゆっくりとベッドの側にやってきた。
そして、そのまま何も言わず、私を鑑賞する。
「・・・・・・・・・・・・・」
うっすらと笑みを浮かべながら、瞳を妖しく煌かせて、私の隅から隅までを、眺め回す。
「・・・・・ふッ・・・・・・・ぅっ・・・・・・」
胸が高鳴る。誰に縛られたのかも忘れ、素肌を好きな人に晒している羞恥に、顔が赤らむ。
それでも、私は気丈であろうとする。
眉を寄せ、拒否の意思を視線にこめる。歯を食いしばり、怒りの風を装う。
そんな私を見ると、彼はまたいつものように、右手をゆっくりと伸ばしてきて、
「ふ、ぁっ・・・・」
顎に手をかけ、ほんの少し、上を向かせるのだ。
「ぁ・・・・い・・・・・や・・・。ぁぁ・・・・・・・」
洗剤のほのかな香りと、彼の臭いが、する。鼻腔に流れ込んでくる。いつも寝ている胸と同じその臭いを、無意識の内に、私は嗅ごうとするのだ。
それはそのまま鼻を通り抜け、こめかみを通り、脳へと至る。頭を覆う霞が晴れ、あの感覚が、一層強く体を打つ。
「あっ・・・・あぁ・・・・・ひゃぁ・・・だ、めぇ・・・・・・・い、いやぁぁ・・・・・・・」
私の喘ぎを一顧だにせず、そのまま彼は、親指をかけたままで、人差し指と中指を使い、私の唇を、そっと撫ぜる。
触れられた部分が、痺れるように疼く。甘美な電流に耐えるのとは違う理由で、私の体は震え出す。
「はっ・・・・・ふぁ・・・・ぁ・・・・」
うすく開けられた口、その中の歯に、彼の指がそっと触れられる。そのまま、唇と同じように撫でられる。
そして、私の舌が歯の裏側を、物欲しそうになぞり・・・・・・・・・・
「ひ・・っ・・・・あぁ・・・・あぅ・・・・ん・・・・・んん・・・」
僅かに触れられる、彼の指先を、舌先で愛しそうに撫ぜるのだ。
「はっ・・・・・・・ひにゃあ・・・・・あぁ・・・・・・っ・・・・・」
目を、肌を、鼻を、口を、彼が満たしていく。犯していく。
全てに彼が入り込んできて、それでも私は、気丈であろうとする。拒絶の意思を示そうとする。彼を想う故に。彼の願いを叶えるために。

なのに。

512 名前:愛しい人 [5/5][sage] 投稿日:2007/05/18(金) 02:06:49 ID:30JmQmRv
彼はゆっくりと顔を寄せてくる。目を瞑り、私の首筋に唇を近づけてくる。
触れるか触れないかの絶妙さで、首を上がってきて、私の顔の形をなぞり、またゆっくりと首筋をなぞり、また引き返し・・・・・・
「ひゃあ・・・ぁっ・・・・ぁぁぁあ・・・・・・ふ・・・・に・・・う・・・・・ひっ・・・・!」
それだけで、体中が喜びに打ち震える。電流がとめどなく流れ続ける。何も、考えられなくなる。
「ちゃんと・・・・・・お留守番できたか?俺の、ルイズ・・・・・」
そう言って、ふっと、彼が優しく微笑み・・・・・・
「だ、れが・・・・ぁ・・・・・・たの・・・・ルイズなの・・・・よぉ」
締め付けられるような胸の痛みを堪えながら、散り散りになった理性の欠片を必死にかき集めながら、私は抗う。
彼は満足気に目を細め、私の足元に手を伸ばす。
「ひっ!?」
紐を引き、唇の中から、鳴動する楕円形の魔法具を取り出す。
「ふぁッ・・・・ア・・・・・・や・・ぁ・・・・・・み、ない・・・・で・・・・・・・」
彼は糸を引いて魔法具からずり落ちる粘液を眺めながら、紐の先の、太ももにベルトで結わえられた四角い箱をゆびでずらし、鳴動を止める。
ゆっくりと腿に添えられる手に、私はもう抵抗できない。そのまま従順に、彼が押し開くままにしてしまう。
「はは・・・・・・・ぐっちゃぐちゃだ・・・・・」
嬉しそうに囁いて、淫靡にぬめり光っているであろうソコを、彼は啄ばむ。
「あっ、ひにゃあぁあぁぁあああああっ!?」
それだけで、私は達し・・・・・・・・
「ルイズ・・・・・・すげー可愛いい・・・・・・」
「ひゃっ」
彼の暖かい抱擁に包まれ、手の拘束を解かれる。
「可愛いよ、ルイズ・・・・・・・・ルイズ・・・・・・」
「あ!・・・・ぁっぁ、ダメ、さいとだめぇ、だめだめだ・・・・め・・・・え・・・・」
力の入らない腕で、必死に彼を押し返そうとする。だが、彼はぎゅっと力をこめて。
「ルイズ・・・・・・・・なぁ、ルイズ・・・・・・」
「ぁっ・・・・・あ・・・・ぁあ・・・・・だ、めなの・・・・・・に・・・・・・・・ぃ・・・」
耳に響く彼の声が、ゆっくりと、ゆっくりと脳に染み渡って・・・・・・・・。
「今日も・・・・・・・いっぱい、しような?」
「あ・・・・・・ぁ・・・・ぁぁ・・・・・・・っ・・・・・・ぁ・・・・・・・・・」
いつの間にか私は、
「す・・・・・き・・・・すき・・・・ぃ・・・・いと・・・・・さ、いとぉ・・・・・・・・好き、さいとっ・・・・好きっ、好きぃ・・・っ!」
彼を押していた腕を、彼の背中に回して・・・・・・・抱きしめていた。

そして、またその夜も・・・・・・・・・私は、彼を求め、彼もまた喜んで、私を受け入れた・・・・・・・。


URL B I U SIZE Black Maroon Green Olive Navy Purple Teal Gray Silver Red Lime Yellow Blue Fuchsia Aqua White
トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:46:40 (5644d)

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル