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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:47:59 (5644d)

728 :名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 04:51:26 ID:xLGoPgZM
ここはトリステイン高校。
少年少女が勉学に励む場である。

「ふぁ〜、ねむぅ…」
サイトは通学路をあくびをしながら眠そうに歩いていた。
「お兄ちゃん…大丈夫?」
隣で一緒に歩いている小柄な少女が心配そうに声をかける。
彼女はタバサ。
お兄ちゃんと呼んでいるが血のつながりはない。
彼女の両親は仕事の都合で一年の大半を海外で過ごしている。
そのためタバサは小さい頃から隣のサイトの家にあずけられていた。
そのため、いまではすっかり兄妹の関係になってしまっている。
「おはようタバサ、サイト」
「おはよう」
キュルケが挨拶してくる。
彼女はスタイル抜群で男子生徒からの人気が高い。
これは秘密なのだが、担任のコルベール先生と恋人の関係だったりする。
「もう、一緒に住んでるのに学校には別々に登校するのってイヤよねー」
「お前、みんなにバレたら大変なんだからもう少し危機感ってものをだな」
彼女は両親と離れて暮らしている。
なのでコルベール先生との関係は両親にも気づかれていない。
「わかってるわよ。ところでタバサ宿題あとでみせてね〜」
「うん」
「たまには自分でしてきたらどうだ?」
サイトの言葉にキュルケは反撃をかえす。
「どこかの誰かさんは家でうつせるからいいわよね〜」
「うつしてねーよ。
それだとためにならないからって、勉強みてもらいながら自力でやってる」
「あらあら、それはまた…」
キュルケがニヤニヤしてタバサに後ろから抱きつく。
「もしかしてノートうつさせないのは、ソレが目的なのかしら?」
タバサにだけきこえる声で呟く。
彼女はほんのりと頬を染めてうつむいた。

729 :名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 04:54:07 ID:xLGoPgZM
「おはようございます」
教室に入ると学級委員のアンリエッタが挨拶をしてきた。
「おはよう」
サイトたちも挨拶をかえす。
サイトは自分の席に向かう。
彼の席は窓際の後ろから二番目というとてもよい位置だった。
ここなら居眠りしてもそう簡単にはみつからない。
「おはようルイズ」
「あによ」
後ろの席のルイズに挨拶するが、機嫌が悪いのか睨まれる。
「ど、どうしたんだよ」
「ふん…あんたには関係ないでしょ」
「関係ないならいいや――ぐえっ」
前を向きなおした瞬間、ルイズが襟をつかんできたので窒息しそうになる。
「げほっ、げほっ…お前なぁ…」
「この前の小テストの成績が悪くて両親に叱られた」
「なんだ、そんなことか」
「そんなことって言ってくれるわね!」
ルイズは手に力を込めて殴るポーズになる。
「わ、悪かったって」
サイトはすぐにルイズを落ち着かせる。
彼女には二人の姉が居るが、どちらもかなり優秀なのだ。
なので末娘のルイズにも両親からかなりの期待がされている。
「ちなみに何点だったんだ?」
「91点」
「それで怒られたの?」
「そうよ」
自分がその点数とったら夕飯は焼肉間違いなしだぜ。とサイトは心の中で思った。
ちなみにサイトは51点だった。これでも頑張ったほうである。
「タバサはこの前のテスト100点だったんでしょ」
「そうなんだ」
「あんた、知らなかったの?」
「別に気にしてなかったからなー」
サイトは少し離れたタバサの席をみる。
その視線に気づいたタバサがサイトに微笑んだ。

730 :名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 04:56:25 ID:xLGoPgZM
「さて、今日は転校生を紹介しようと思う」
ホームルームが始まる。
コルベール先生はそういうと廊下に待たせていた少女を中に招き入れた。
「さあ、入ってきたまえ」
「はい」
少女がはいってくると「おおおおおおおおおっ」という男子生徒の叫びが響いた。
男子の視線が一点に集中する。
「あ…あの…」
それに気づいて少女はその分部を隠そうとするが
両手でも隠しきれないそのボリュームに男子は発狂寸前になる。
ちなみにその部分とは胸である。
彼女の胸は非常識なまでに発育していた。
「な、なんて胸なの…」
シエスタは彼女の胸に殺意のこもった視線を向ける。
そして次にサイトの席を覗き込む。
そこには転校生の胸をいやらしい表情で見つめるサイトがいた。
(これは思わぬライバル出現かもしれませんね)
シエスタの隣の席の男子がいきなり立ち上がって叫ぶ。
「おお、君は女神だ。どうか君の名を教えてくれないだろうか」
ギーシュが少女に語りかける。
「て、ティファニアといいます」
「おお、なんと美しい名前なんd…がふっ!?」
背後から頭をバットで殴られてギーシュは倒れる。
「先生、ギーシュが気分が悪いそうなので保健室に連れて行きます」
保険委員のモンモランシーがギーシュの足を掴み引きずりながら部屋をでていく。
『ちょっと可愛い子みるとすぐに色目つかうんだから!』
『だ、だぢげでぇー』
廊下からギーシュの断末魔が響いてきた。
その後、ちゃんとした自己紹介の後ティファニアは席に着いた。
タバサは彼女の胸をみて自分の胸にそっと両手をおいた。
(胸…やっぱり大きいほうが男の人は好きなのかな…)
気づかれないように兄の顔をみてため息をついた。

731 :名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 04:58:33 ID:xLGoPgZM
昼休みとなり教室では仲のよい者達で机を重ねてグループができあがっていた。
サイトはタバサ、キュルケ、ルイズ、シエスタ、アンリエッタといつも食べている。
そして今回は転校生のティファニアも一緒だった。
学級委員のアンリエッタが、ひとりで食べるのは寂しいだろうからと誘ったのだ。
サイトは心の中で「委員長ナイスだぜ」と褒め称えた。
「やあ、これは噂どおりの可愛い転校生だ」
「ワザワザ隣のクラスまで、なにしにきたジュリオ」
「噂の転校生をひとめみてみたくてね」
ジュリオは隣のクラスの男子で、女性から人気が高い。
勉強もできて運動神経も抜群。
隣のクラスのイケメントップツーの一人である。
「すまないね、サイト」
ジュリオの背後から男子生徒が顔をだす。
「う、ウェールズさん…」
アンリエッタの頬が真っ赤に染まる。
ウェールズと呼ばれた彼がイケメントップツーのもう片割れである。
彼はアンリエッタと恋人同士であり
この前の新聞部が行ったアンケートでベストカップルの栄誉を手にしていた。
「どうしてもみにいくと彼がきかなくってね」
「まあ、そのおかげで愛しの彼女と対面できたのだから
こちらとして褒めてほしいくらいなんだけどね」
「では褒めてあげるから教室に戻ろうか」
「いてて、耳を引っ張らないでくれよ」
そのままてジュリオを引っ張って教室を出ていくウェールズ。
「アンリエッタ、放課後にまた」
「はい、ウェールズさん…」
嬉しそうに手を振ってアンリエッタは見送った。
「あいかわらずラブラブね、アンリエッタ」
ルイズがニヤニヤと彼女の顔を覗き込む。
「か、からかわないでよルイズ」
その後は楽しく昼休みの時間は過ぎていった。

732 :名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 05:00:34 ID:xLGoPgZM
職員室ではコルベールが弁当を食べ終わって一息ついていた。
「お茶をどうぞ」
「ありがとうございます、教頭先生」
教頭先生と呼ばれた女性は美しい笑顔でお辞儀をしてその場から離れていく。
「あー、ミス・ロングビルや、わしにもお茶を一杯くれんかのう」
オスマン校長に頼まれてロングビルはお茶を運ぶ。
「すまないのう」
「どうぞ」
しかしオスマン校長の手は差し出されたお茶を通り過ぎて彼女のお尻へと向かった。
「あぢー!?」
ロングビルに頭からお茶をかけられてオスマン校長は転げまわる。
「まったく相変わらずね、あの校長は」
「あらあら、賑やかでいいじゃない」
楽しそうに笑っているカトレアをみてエレオノールはため息をつく。
「今日も保健室は男子生徒で大繁盛だったそうね」
「そうなの、みんな色んな病気でやってきて大変だったわ」
それは仮病というなの病気だとエレオノールは知っていた。
当のカトレア自身も保険の先生なのだからわからないわけがない。
だが、どうやらその状況を楽しんでいるらしい。
「まったく…昼食くらいのんびり食べさせて欲しいものだ」
アニエスが職員室にはいってくる。
「どうしたのですかなアニエス先生?」
「タバコを吸っていた生徒を叱っていました」
コルベールは「それはご苦労様でした」と労いの言葉をかける。
「まあ、生活指導はわたしの管轄ですからね」
「あなたにかかったらどんな不良も形無しですな」
彼女のすぐあとにはいってきたワルドが会話に乱入してきた。
「褒めているように聴こえませんよ? ワルド先生」
「これは失礼した」
ワルドは逃げるように自分の机に向かった。
職員室は今日も賑やかである。


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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:47:59 (5644d)

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