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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:49:47 (5643d)
130 名前: 明日 (1) [sage] 投稿日: 2007/10/14(日) 18:12:50 ID:rxDwfIgI 「才人、今日は鍋だからね、早く帰ってきなさいよ」 俺はいつも通り「う、あ〜、・・・うん」と気の無い返事をする、きっと明日もそうなんだろう 親父は朝食を前に新聞を広げながら、「VAIOの修理、今日上がるんだってな」と言う 俺はいつも通り、「うん、たぶん」と曖昧な返事をする 教室 クラスの悪友が話しかけてくる 今まであまり話したことのない女のクラスメイトが俺に近づいてきた きまぐれで顧問の先生に聞いた剣道部の話がこんなことになるなんて、明日はこっちから話しかけようと思った あれ?こいつらの名前、何だっけ? 131 名前: 明日 (2) [sage] 投稿日: 2007/10/14(日) 18:14:05 ID:rxDwfIgI 空から何かが降ってきた 魔方陣 ピンク色の魔方陣が空から落ちてきて、俺のクラスメイトも両親も、何もかもを押しつぶしてしまった 大切なことを明日に先送りした自分のせいだと思い、自分を責めた 俺には理解できない文字や図案が描かれた魔方陣はなにもかも奪われた俺をあざ笑い、俺の上にのしかかってきた 俺を潰そうとした ピンク色の何かに押しつぶされながら、俺は自分にはもう明日が来ないことをぼんやりと思った ピンク色は俺を押しつぶしながら耐えがたい嫌悪感を催す音を発する 「サイト!起きなさい!使い魔が主人をさし置いていつまで寝てるの?」 俺は夢から覚めた、見上げると寝巻きのネグリジェ姿のルイズの姿が像を結んでくる 俺の父と母、俺のクラスメイトの名前をもう一度思い出そうとしたが、俺はすぐに諦めた 「わかった、起きるよ、ルイズ」 132 名前: 明日 (3) [sage] 投稿日: 2007/10/14(日) 18:15:01 ID:rxDwfIgI ルイズが転がる藁束の隣には、立派な装丁の本が詰まった分厚い書棚があった、数百kgはありそうだ 俺は 本棚に 手をかけ 俺の明日は、ピンク色に押しつぶされた (完) |
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