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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:50:16 (5643d)

380 名前: 平賀サイトの溜息 [sage] 投稿日: 2007/11/10(土) 23:20:36 ID:rMLpYEKy
ここはトリスティン学院の文芸部部室。
俺は放課後、いつものようにこの部室の扉を開く。

部室にはすでに3名の部員が来ていた。

一人は隅の椅子に座って厚めの本を音もなく読んでいる。
もう一人は最近転校して来たいつも爽やかなにやけ面をしている同学年のキザ男。
そして最後の一人は輝くスマイルで俺をいつも癒してくれるメイド服を来た後輩だ。

俺は真っ先にこの麗しい後輩に声をかける事にした。
おはようございます。今日も似合ってますよ。
「おはようございます。サイトさん。」
彼女は両手をお腹あたりで重ねてぺこりと可愛らしい仕草でお辞儀をしてくれた。
ああ、そんあ深く頭を下げられたらチャームポイントが強調されて、
男である俺の眼が強制的にロックオンしてしまいますよ。ティファニア。
毎日この瞬間のためにここに来ていると言っても過言ではない。

この幸せの余韻にひたりつつ、今後は本に夢中な眼鏡っ子に声をかけるとする。
・・・おっす。調子はどうだい。こいつは本好きなうえ、無口なもんだから正直言うと話しづらいことこの上ない。
ところが、最近になってある出来事がきっかけかどうかは不明だが、
その出来事があってからこいつが何かと俺に世話を焼いてくれるようになっているのだ。

青髪の眼鏡っ子は本から一瞬目を離して、俺と視線を合わせた。
そして俺にしか分からない程度に首をこくりと下げるとそのまま本に視線を戻したのだった。
タバサ、今お前一瞬ニコッとしなかったか?

最後に社交儀礼としてキザ男に声をかけておくとするか。
よう。ロマリオ学院から転校してきてしばらく経つが、こっちにゃ慣れてきたか。
「おかげさまで、慣れてきましたよ。この部活動もこの学院に溶け込む一助になっているようです」
やれやれ。いつもながら爽やかなもんだ。並みのオンナじゃイチコロだろうね。ジュリオ。

俺はいつものパイプ椅子に腰を下ろすと、待っていたかのようにテファがお茶を運んできてくれた。
「はい。淹れたてのお茶ですよ。ヤケドしないでくださいね。」
天使のような声色にうっとりまったりしちまうぜ。
俺はテファのいてくれたお茶をヤケドしないように一口啜った。

このまま至極の一時を満喫したかったのであるが、そうは世間様は甘くはなかった。

バンッ。部室の扉を勢い良く開けてこの部室の主がお越しになった。

「サイト〜あんたよくも掃除さぼってくれたわね。
怒らないからこれからじっくり理由を聞かせてもらうんだからね」

主の名前はルイズ・フランソワーズという。
桃髪を振り乱しよく俺につっかかってくるんだこれが。
しかも同じクラスで席は俺の真後ろときたもんだ。
こいつのおかげで俺はいろいろなトラブルに巻き込まれていくわけだが、詳しいことはまた今度話すとしよう。


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