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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:50:16 (4545d)

「これで虚無の使い手が一堂に集められるのね!」
 ルイズの説明にアンリエッタが歓声をあげた。
 新しく始祖の書に見つけた魔法「属性召喚」。魔法の媒体と同じ属性のものを召喚するのだという。ということは、ルイズ自身を媒体とすれば虚無の系統を召喚できるはずだ。幸い、この魔法では媒体とする者を傷つけないらしい。
 アンリエッタは学院周辺に周辺に軍を配置した上で庭の中心にルイズを立たせた。万が一の護衛役と魔法の集中力を高めるためにサイトはルイズの隣に立っている。
「大丈夫かしら」
「練習したんだろ、大丈夫だろ」
「ああああんた、魔法のことなんかわかんないくせに!」
 珍しく優しい声をかけるサイトに、ルイズはいつものように悪口で返す。だがそれでもサイトの手を握るとルイズは呪文の詠唱を始めた。
 端で友人兼緊急対応係として立ちながら、コルベールがどこかから入手してサイトが翻訳してくれた地球の本「キャラ辞典」を読んでいたタバサが怪訝な顔でルイズを見つめた。再び本に目を落とす。タバサは再びルイズを睨んで叫んだ。
「駄目!この呪文では、違う者が!」
「え?」
 だが、タバサの声が届くより先に呪文は完成していた。草原の上に複数の光の柱が立ち、そして召喚された者たちが姿を現した。
「ここはどこ?紅世の徒はどこに行ったの?」「キョン!ついにSOS団は異世界を発見したのよ!」
「まあた変な武器使ったの?ソースケいいかげんにしなさい!」
「久城、この様式の建築は欧州ではないね」「ヤクモ、鬼眼王はどこじゃ?何かの陰謀か?」
 ルイズは集まった五組の男女をぼんやりと見つめる。何か……何か間違ったらしい。タバサが二人の間に割り込んで本を広げて言った。
「召喚は成功。ただ……召喚したのはツンデレ属性」

 

「で、とりあえず私が仕切るわ。ルイズ、状況説明しなさい」
 せーらー服を着た、ハルヒと名乗った女がやたらと偉そうにルイズを指差した。「団長」と書かれた腕章をしているのは何なのかよくわからないが一応は偉いらしい。さすがのルイズも引け目はある上、三つ目だの火を纏った長刀を振り回す女だの老婆の声を発するお子様だの得体のしれないのが多いので、下手なことは言わずに魔法の説明をした。
 一連の話が終わると、豪奢なドレスを纏ったヴィクトリカが立ち上がり、全員を眺めながら言う。
「だがルイズ、そっちの三つ目女や刀女なら魔法の関係はあるが、私には超常を操る力はないぞ?」
 白いパイプから紫煙をくゆらせながら少女がさらさらと金髪を揺らせて冷静に訊く。ルイズはごもごもと呟いてタバサに目を向けた。タバサは冷静にツンデレ属性を説明する。
 説明を聞き終わった女集団は口々に叫び始めた。
「无は儂ら三只眼吽迦羅の奴隷じゃ!」「あいつはトーチ!私が悠二を守ってるのはただ宝具を守ってるだけ!」「あんな戦争バカのこと、好きなわけないじゃない!」「下っ端団員を何で団長の私が!」「時折、言語化しようかと気が向いたときに久城がそばにいるだけなのだが」
 男ども欠点をあげつらう集団に、いつのまにかルイズも加わって叫ぶ。
「そうよ!何でラ・ヴァリエール家の私が平民出で下品な犬!それに使い魔!犬が好きで好きでなんてあるわけないじゃない!タバサやっぱり実験が失敗だったのよ!もう一回魔法を使えば」
 うかされた目で叫ぶルイズに、タバサは冷めた目でパラパラと本をめくって言った。
「次はヤンデレがくるだけ」

 

 ハリセンを背負ったせーらー服のかなめが怪訝な顔で男集団を指差して言った。
「ねえあの軽薄そうな子、何話してるの?」
 サイトとギーシュが武器を山ほど背負った男を何やら説得しているようだ。隣には久城少年が正座して不安げにこの武器男―ソースケ―を見上げ、サイトに対して「日本男児として」などと言っている。次いでキュルケが久城少年の手を胸に当てさせ頬を赤らめさせていた。
「悠二?お洒落とかしないはずなのに?」
 髪を梳く悠二の姿を目にした炎髪灼眼の少女の体に炎が取り巻き始める。武器男の説得組にやたらと平凡過ぎな男子高校生も加わってきて、額に文字を書いた少年も一緒になってシエスタやティファニアを指差している。
「仙術で声を聞いてみようか」
 三つ目娘が印を結び、次いでツンデレ娘の耳に会話が入り始めた。
『学院の少女たちは素敵な女性ばかりだよサガラくん。君のような戦闘のプロは騎士としてモテる』
『俺は重量のある武器も携行出来るよう鍛えている。杖のみ持てればよいお前らとは違う』
『だから相良、せっかくだから羽を伸ばすのも重要だぞ?女たちだって異世界に浮かれてるって』
『キョン、俺はこの世界の軍事的脅威を把握しているわけではない。情報収集がより重要だと思う』
『大事な娘を守るのは仕事で重要かもしれないけどさ、俺みたいに不死身でも休むもんだよ』
『休みなら戦死のあとでいくらでも取れる』
『とりあえず付き合いも重要だと思う。相良君もここは穏便にさ。久城君も大人の世界は勉強だよ』
『悠二先輩、誤魔化しがある気もしますが……大人になるための勉強なら』
『だ・か・ら、ハルケギニアの娘と色々話せばこの世界のこと、お前らもわかるって。俺はこの世界
に来てすぐ貧乳にこき使われててわけわかんなかったんだし!だから硬いの抜きで合コン合コン!』
『なるほど、では君の計画したハルケギニア大巨乳合コンとやら、参戦しよう』
 仙術に聞き耳を立てていた女たちがすっくと立ち上がる。
「犬っ!この駄目犬ーっ!」
 ルイズが叫んでエクスプローションの準備に入る。
「ソースケ!」「悠二のバカーッ!」「ヤクモのたわけが!」「キョンのくせに」「久城がここまで愚かとは思わなかった」
 かなめがハリセンを握って草原を駆け抜けシャナが長刀を抜き払いハルヒが巨人を呼び寄せ三只眼の三つ目が輝きヴィクトリカが殲滅作戦の指示をツンデレ集団に飛ばす。
 ほんの一日でトリステインは生物一つない焦土と化した。

 

 数年後、ルイズがサイトの子を連れて再興された新王室に謁見した日、虚無最大の禁呪「ツンデレ」の脅威がなくなったとハルケキギニア全土で祝賀会が行われたという。


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