23-412
Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:50:21 (5644d)
412 :冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM :2007/11/11(日) 23:07:49 ID:f1EK/b0V 学院の中庭をうろついていた才人から、豪快にくしゃみが出る。 「うぃ〜、さぶさぶ」 両肩を抱いて、才人は震えながら、暖を取るため、水精霊騎士団のたまり場になっているゼロ戦の格納庫に向かう。 『おぉぉまぁぁぁえぇぇぇぇわぁぁぁぁぁぁ! かっきぃぃぃぃぃぃぃん! 「…なんか更に寒くなりそうだなぁ…」 少ない冬の空気中の水分が凍りつく音を聞いて、才人は格納庫で暖を取ることを諦めた。 そういえば、食堂に暖炉があったっけな。 「なんだよ、食堂の暖炉壊れたんだって?」 食堂の方からやってきた生徒たちのそんな会話が、耳に入った。 「…冗談だろおい…」 呟く才人を尻目に、その生徒たちは、しょうがない火の魔法で暖でもとるか、とか言いながら寮の方へ向かっていった。 「あーくそ、コタツが恋しいぜ…」 容赦なく冷え込む冬の空を眺めながら、そんな事を呟く。 「そうだ、コタツ作ろう」 寒いのなら、自前で暖房器具を作ればよいのだ。 そして二時間後、ルイズの部屋。 古くなったテーブル、少し厚手の布団、木炭を少し!ぜんぶ混ぜるとムッチャあったかいコタツができる! 413 :冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM :2007/11/11(日) 23:08:34 ID:f1EK/b0V 才人は即席のコタツの中から、真っ赤に燃える木炭を載せた古ぼけた黒い鉄鍋を引っ張り出す。 「どうしたもんかねー」 それでも布団の中はあったまっている。 「…なにやってんの?」 そこへ。 「これ、『コタツ』って言って、俺の世界の暖房器具なんだよ」 ルイズはそう言いながら、コタツの周りをひとしきり眺めると。 「なんか貧乏くさ」 ただし、それは木炭を抜くまでの間だけだったが。 「ふーん。じゃ、私も使ってみよ」 言ってコタツに入ろうとしたルイズを、才人が止めた。 「あ、靴は脱いでからな」 確かに、暖を取るのに革でできた靴は邪魔だった。 「…ぜんぜんあったかくないじゃない」 木炭を抜いてから結構経つ。コタツの中の空気は、外気と大して変わらない程度まで冷え切っていた。 「ちょっと待ってろ、すぐあったかくなるから」 言って才人は、まだ火の燻る木炭の入った鍋を、もう一度コタツの中に入れるべく、手に取る。 「何してんのよ、犬ぅーーーーーーーーーーっ!」 げしっ! 反対側から伸びてきた脚が、才人の顔面を蹴っ飛ばした。 414 :冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM :2007/11/11(日) 23:09:40 ID:f1EK/b0V 「なにすんだよ!」 何をいまさら、と才人は思ったが、ルイズにしてみれば、何の予告もなしにスカートの中を覗かれてはたまったものではない。 「あのなあ、今そのコタツが冷えてんのは、熱のもとになるこの木炭を外に出しちゃったせいなの! 才人の言葉に、ルイズはコタツ布団を口許に寄せながら言った。 「…だったら、顔突っ込まずに入れなさいよね」 ルイズの言う事にも一理ある。 「ふわー…。いいわね、コレ…」 現金なもので、ルイズはコタツが暖まり始めると、猫のように丸くなって、天板の上で緩んだ表情になる。 「いいだろ?俺の故郷じゃ、こうやって冬はみんなであったまるんだ」 言いながら、ルイズは今まで組んでいた脚を伸ばす。 こつん。 「「あ」」 伸ばした足が、才人の足に当たった。 「うりゃ」 むに。 「やぁんっ!」 才人は布団の中に手を突っ込んで、ルイズの足をつまんだ。 「ちょっ、何してんのよ犬ぅ!」 真っ赤になってルイズは足を引っ込める。 415 :冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM :2007/11/11(日) 23:10:55 ID:f1EK/b0V 「コタツで足を当てたら、いたずらされてもしょうがないんだよ」 もちろん大嘘である。 「嘘でしょそれ」 一発で嘘を見抜かれ、才人はしどろもどろになる。 「え、え?なんでそう思うわけ?」 赤い顔で天板の上で才人をジト目で見つめながら、ルイズはそう言う。 「…だったら、こういう時どうすんのよ」 ルイズは、あっという間にコタツに潜り込むと。 ばふ。 そして、才人の股間から、顔を出してきた。 「え、ちょ、ルイズっ?」 半眼で慌てる才人を見上げ、にやにやと笑うルイズ。 ぴくん! ルイズの背筋が急にぴん!と伸びる。 「…ちょっと」 照れたように笑う才人。 「…ほんと、見境のない犬ね」 怒ったように言うルイズに、才人はそんな間抜けな言い訳をする。 「…ばかいぬ…」 熱に浮かされたようにそう呟いて、一気にズボンのジッパーを下ろした。 416 :冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM :2007/11/11(日) 23:12:02 ID:f1EK/b0V 「お、おい」 ルイズは才人の言う事など無視して才人の先端を咥える。 「る…ルイズ…」 才人はルイズの舌遣いに必死に堪える。 「だ、だめだっ、出るっ…」 才人の声と同時に、彼の茎が震える。 どくどくっ ルイズの喉の奥で才人がはじけた。 「さいと…」 その表情は獣欲に曇り、その瞳は牝の淫靡な輝きで才人を誘っていた。 「ルイズ…」 才人は唇を離して主人の名を呼び、そして。 「はんッ…」 丸くカーブを描くその白い丘に才人の指が触れた瞬間、ルイズの喉から艶やかな声が漏れる。 「はぁ…」 才人を咥えていたルイズは、声も、身体も、濡れていた。 くちゅ…。 小さく響く水音が、ルイズの身体が既に準備を整えている事を告げた。 「じゃ、いくよ、ルイズ…」 合意が済んだ瞬間。 417 :冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM :2007/11/11(日) 23:13:04 ID:f1EK/b0V 「さいと…奥まで…きてるよ…」 足と膣奥を才人に絡みつけながら、ルイズは蕩けたような笑顔で才人を見つめる。 「ルイズの中…最高だっ…」 才人は絡みつくルイズを引き抜き、もう一度ルイズに差し込む。 「ルイズ、俺、俺もうっ!」 互いに限界を告げると、お互いを抱き合う。 きゅぅぅっ…どくどくどくっ! 「ルイズ、ルイズ、ルイズぅっ…!」 二人はそのまま抱き合い、くったりと床に伏せたのだった。 「うん、いいわねこれ。暖かい」 才人は膝の上に陣取るルイズに文句を言う。 「狭くてもいいじゃない。何よ、私と一緒じゃ嫌な訳?」 言ってじゃれつく二人。 ばたん。 「ただいま帰りましたー!」 元気よく、シエスタが部屋に帰って来た。 「あー!何してんですか二人ともっ!ずるいです私も混ぜて欲しいですっ!」 メイドの闖入で二人の甘いひとときは崩れ去り。 418 :冬の風物詩 ◆mQKcT9WQPM :2007/11/11(日) 23:13:55 ID:f1EK/b0V 画期的な暖房器具『コタツ』はトリステイン魔法学院にとどまらず、トリスタニアにまで広がったという。 「アニエスぅー。そこの本とってぇー」 「ジョゼフ様…それ、ロンです」 そして、『コタツ』は各王家のご家庭で、円満な年末をコーディネイトするのに一役買ったという。 |
|