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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:50:23 (5639d)
695 :戦場のメリー・クリスマス ◆mQKcT9WQPM :2007/11/19(月) 22:39:55 ID:IcP1OiS2 「ふっふっふ〜ん、ふっふっふ〜ん♪」 寒空に似合わない明るいジングル・ベルを聞きつけたのは、洗濯物を運んでいたメイドだった。 「サイトさん、その曲なんですか?」 シエスタの質問に、才人は応える。 「ジングル・ベルって言ってね。俺のもといた世界の、そうだな、冬のお祭りの曲」 シエスタは才人の言っている事がよく分からなかったが、その『くりすます』とやらが、楽しいイベントであることは、楽しげな『ジングル・ベル』の曲調から感じ取れた。 「よくわかりませんけど、楽しそうなお祭りですね」 盆に正月、クリスマス。日本の三大お祭りイベントと言えばこれだろう。 697 :戦場のメリー・クリスマス ◆mQKcT9WQPM :2007/11/19(月) 22:40:58 ID:IcP1OiS2 シエスタと別れ、水精霊騎士団のたまり場、ゼロ戦の格納庫に向かうと、そこには眩く輝くハゲ面がいた。 「なんすかこれ」 才人の質問に、よくぞ聞いてくれた、という顔になって、コルベールは応える。 「これはだな、『夢見の水晶球』といって、一対の水晶を持った人間に、同じ夢を見させられるというものなんだよ! 才人の関心が水晶球に向いたのを確認したコルベールは、興奮したように続けた。 「さらにだな!この水晶球のすごいところは、青い球を持った方の人間が、夢を自在にコントロールできるところにあるんだ!」 才人は、コルベールの言う『すごいところ』の意味が分からない。 「それがそんなすごいことなんですか?」 つまり、この水晶球は、夢を媒介にしたヴァーチャル・リアリティを作り出すマジック・アイテムらしい。 「先生、この水晶球貸してくれません?先生には今度とっておきの日本の夢見させてあげますから」 コルベールは一瞬うーむ、と考え込んだが。 「分かった、貸して上げよう。私も他の研究があるしな。 言ってコルベールは、才人にその水晶球を手渡す。 「で、どう使えばいいんです?」 才人は一瞬、コルベールと同じベッドに眠る自分を想像して吹き出しそうになったが。 「わかりました。ありがとうございます」 なんとかこらえ、格納庫を後にした。 才人は二つの水晶球を手の中で転がしながら、考えた。 24-39戦場のメリー・クリスマス〜ルイズの見た夢 |
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