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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:52:53 (5645d)
それは蒼から始まった物語 (6):ダブルフェイス 4 バレット氏
獣の鳴き声が聞こえた。気が、した。
しかもかなり近くで。もっと具体的には、すぐ隣で。
「ひぃ、あっ、はひっ、あっ、あ゛あ゛あ゛っ!!」
目が覚めた。ここは自分の執務室だというのは分かる。
しかし何時の間にやら、自分の両手首はソファーの手すりに結び付けられて固定されていた。
犬のような体勢から、身動きが取れない。
さっきから聞こえてくる悲鳴というにはあまりに甘さが混じった声、何なのかとヴィットーリオは隣に視線を向け。
グジュッジュッジュッズプププッ!!
「あ゛あ゛ああぁぁぁぁっ!!」
自分と同じ腰を高く上げて手首をソファーに繋ぎとめられた体勢で、はしたない嬌声を上げる自分の使い魔の姿に驚愕した。
日頃の飄々とした様子はどこにも無く、中性的な甘い顔を涙と涎で汚している。
・・・夜ヴィットーリオとシてる時も、ここまで乱れた事は1度も無いほどの、快楽に蕩けきった表情であった。
「あ、気が付いたみたいですね」
ジュリオを一方的に攻め立てていた張本人はサイトだった。
「な、何をしているのですか、貴方は!?」
「何って、ナニですけど?ってか最初にヤッてたのそっちの方じゃないんですか」
口を動かしながら腰も動かす。
一際大きく前後に動かしたかと思うとサイトはビクリと震えて、ジュリオはそれ以上に戦慄きながら殊更獣染みた嬌声を上げて、ぐったりとなった。
サイトが自身を引き抜くと、大量の白濁液がジュリオから溢れ出した・・・なだらかなお尻の割れ目から。
量からして、多分1回や2回じゃきかないと思う。入れっぱなしで続けてたようだ。
「『男』のフリしてたって事で後ろの方だけやってみたんですけど、やっぱりキツイと思ったんで置いてあった薬使ってみたんすけどね。
すっげぇ効き目ですね、これ」
サイトが手で弄ぶのは、ヴィットーリオがサイトに対して使おうとしていた薬。中身が目減りしている。ジュリオに対して使ったらしい。
どうも媚薬の効果もある代物だったようだ。
幾ら伝説の系統とはいえ、薬物に関しては殆ど門外漢なのは仕方ない。
むしろこっちに来てからの経験ゆえ、毒薬などに関しても教え込まれたサイトの方が詳しかったりする。
「それじゃあ次は、そっちの番ですよ」
「いけません、こんな事、神と始祖ブリミルはお望みになりませんよ!」
「何言ってんすか、さっきも言いましたけど、最初にしてたのはそっちですよ。
それに、俺のコレ舐めてて濡れてたのはそっちもでしょーが」
白とジュリオの腸液に塗れたサイト自身は、何度か果てた筈なのに萎える気配も無く存在を大いに主張している。
嫌悪を覚えるべきそれに、ヴィットーリオはゴクリと唾を飲み込んでしまった。
何故か、下腹部の辺りがキュン、と熱くなる。
その間にサイトは男装の女教皇の足を膝で押さえつけると、整った尻の膨らみを割り開く。
濃い桃色と薄い桜色の前後は既に両方とも濡れていた。しかし、これぐらいじゃまだ足りない。
なので、まずは薬の入った小瓶とさっきヴィットーリオが使った杖を手に取る。
杖は長く大きな聖杖では無く、普通のメイジが使う持ち運び便利でコンパクトな一般的な魔法の杖。
杖を、チュプッと先端だけ差し込む。
「んひぃっ!?」
突然の異物感。どうも、こちらは初めてのようで。
しかしサイトは止まらない。というか、今のサイトは誰かが止めてもまず止まらなさそうだ。
なんつーか、顔に掛かった陰影がものっそ恐ろしい。
「安心してくださいよ、しっかりほぐしてあげますからねーvv」
しかも声だけは軽いときてる。そのギャップがまたなんとも恐ろしい。
少しだけ挿し込んだ杖の先を中心に大きく円を描く。それに合わせて後ろの窄まりも、少しずつ少しずつ広がっていく。
「だ、ダメッ、そこは不浄なっ!!」
「いやいや、中々綺麗ですけど。もっと中まで綺麗にしてあげますから」
ちゅぷぷぷぷっ!
いきなり杖が半ばまで挿し込まれた。一点集中的な衝撃が駆け巡る。
杖は締め付けに合わせてピコピコ揺れて立っている。揺れるだけでも刺激が伝わってくる。
続いて拡張作業も再開。杖の動きに合わせてヴィットーリオの身体がはねるはねる、ソファーもガタガタ揺れるほどに。
お尻がっ!・・・杖がっ!・・・腸中で、グリグリあちこち擦れる・・・!!
更に出し入れも追加。僅かに凸凹した杖の表面が腸中から入り口の窄まりまで擦りたてる。
出し入れされている杖はもう先から握りまでべとべとであるが、とっておきはまだこれから。
ある程度広がってポッカリ開いた後ろの穴に、サイトは挿さった杖に伝わせる形で小瓶の中身を流し込んだ。
瞬間的な直接内部に流し込まれる冷たさは次の瞬間、熱になって身体を駆け巡り。
凛々しさを何とか残していた顔も、あっさり蕩けた女の顔へと変貌してしまう。
熱い、こんなの、初め・・・て・・・・
数回杖を抜き差しされた。さっき以上の刺激―――いや快感が全身に広がった。
頭が痺れる。意識がどんどん上り詰めていく。
気が付けば、勝手に口が動いていた。
「もっと・・・私の不浄な穴を、苛めてくだしゃい・・・・!」
「ハイハイ分かってますって。でも、杖だけじゃもう足りないだろ。もっと凄いのをやるよ」
杖を荒々しく引き抜くと、それだけで透明な液体を前から噴き出したヴィットーリオの割れ目の底の窄まりに、サイトはそのまま自分を、根元まで突き入れた。
「はっ、ああああああああああっ!」
コレ、凄い、熱くて逞しくて・・・ずっと、イイ。
これが・・・男性の・・・・・・
サイトの先端まで引き抜かれたかと思うと、根元まで突き込まれて重い衝撃が何度も何度もヴィットーリオを攻め立てる。
今までずっと、色々と抑圧されてきた男装の教皇の身体、薬の相乗効果でたった数突きでもう、快楽の虜になっていた。
「どうだ、男のも気持ち良いもんだろ?」
「はひっ、いいです、気持ち良過ぎますぅ!堕ちてっ、しまいます!」
「どーぞどーぞ、ぜひ堕ちりゃいいさ。俺が救い上げるからな」
「ふあひっ、ではっ、でわっ、れひっ、わたくひを、堕とひて、くだひゃい!」
ヴィットーリオも詳しい事は知らず、サイトは単に媚薬だと思っていたあの薬だが。
アレの実際の効果は、性的な交わりの際『男性』が『女性』に対して使いそれぞれの体液と混ざって直接体内に取り込まれる事で効果を発揮するという代物である。
混ざり合った薬を取り込んだ女性は、相手の男性に対して潜在的に隷属するようになる。
効き目の強い即効性の媚薬としての効果は、そのおまけみたいな物。
その事をヴィットーリオは誤解したまま持ち出し、サイトは本当の効果を全く知らないまま、その薬を使ってしまったのだった。
何度も後ろを犯され、大量の精液を注ぎ込まれたヴィットーリオは―――2重の意味で、確かに堕ちた。
数日後・・・・・・
出発間際の竜籠の中で、サイトは見事なまでに頭を抱えていた。見事なorzぶりである。
ジュリオとヴィットーリオを犯したあの後、我に返ったサイトは顔を目の前の現状に青褪めて、出来る限り証拠を隠蔽するとそのままばっくれた。
今日この日まで会談は1度もしちゃいない。2人揃って『急病』という事で面会謝絶だったのだが―――
真相、と言うかまんま元凶であるサイトはその間、ひたすら頭を抱えて身悶えてたのであった。
正直言って、穴掘ってモグラになるだけじゃ飽き足らず、そのまま一個艦隊に自分の頭上に砲撃を要請したい気分だ。
ぶっちゃけ、罪悪感と自分への嫌悪感で押しつぶされそうだったりする。
幾ら後の祭りとはいえ、強姦同然の事をしてなんとも思わない位に人間捨てちゃいない。
ジョゼフの怪しむような視線に突き刺されながら、刻一刻と竜籠が出る時間をサイトは待っていた。
その時である。
ヴィットーリオとジュリオが突然現れて竜籠の傍までやってきた。2人とも、最初と同じ神官と教皇の服に身を包んでいる。
思わずサイトは、竜籠から飛び出して2人の足元で土下座していた。
何だかあまりに勢いよく滑り込みながら土下座したお陰で、どこか焦げ臭いのは気のせいか。
「ほんっっっっとうに、ゴメンなさい!!」
「いえ、気になさらずに結構です。元々はわたくし達があのような事を行っていたのが悪いのですから」
「そうそう、あまり気にしなくてもいいんだぜ。今度からもっと気を配ればいいだけだしね」
2人、ペロッと悪戯っ子の様に愛嬌のある仕草で下を出してみせた。
拍子抜けしてサイト、思わず脱力した顔で2人を見てしまう。
いや、流石に軽く許される問題じゃないと思うんですけど!?
「い、いやでも、アレはその、何て謝りゃいいのか分かんないけどえっと、俺が悪いのであってだな・・・」
「ふふふ、ですからそこまで気になさらなくてもいいと言ってるでしょう。それに・・・」
おもむろにサイトの手を握ったヴィットーリオは、教皇服の隙間からサイトの手を内側に潜り込ませた。
指に触れたそこは、嬉しげに多分に濡れてひくついている。
「女としての新たな悦びを教えてくれたあなたには・・・サイト様には感謝する他ありませんから」
「サイト『様』ぁ!?って聖下何言ってんですかアンタ!!?」
「また君が来るのを期待してるよ、ガンダールヴ。また伝説に相応しい悦びを教えてくれるのを楽しみにしてるからね」
知っている、この2人の目は知っている・・・!
この目は―――エロい方向で興奮してる時の目だ!!
どう反応していいのか分からなくなって愕然と固まったサイトを見、その傍で何だかえらく艶っぽい顔をして頬を染めている若き宗教指導者とその副官を、竜籠の中から交互に見たジョゼフは、ふと思った。
――――意外と幅が広かったんだな、サイトよ。
もしかすると、ハルケギニアが『統一』されるというのは・・・・・・
自分の娘婿による、性的なものによる『統一』なのかもしれないと、ジョゼフは考えざるおえなかった。