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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:53:55 (5639d)
それは蒼から始まった物語 (7):HEAT 3 バレット氏
「え・・・・・・・」
思わず、目を疑ってしまう。
視界一面に広がっているのはコルベールの背中。そして途中で止まって――否、止められている獣の爪。
コルベールが掲げた左腕を、爪は深々と貫いていた。
しかしコルベールはたじろぐ様子は無い。一歩も引かずに獣と正面から睨み合っている。
動けぬ彼女を守る為に。
「あっ・・・・ミスタっ!?」
その背中にどんな男達よりも逞しさを感じて一瞬見惚れていたキュルケを我に返らせたのは、傷から肘へと伝い落ちる血。
当の本人はちっとも気にした様子を見せず、無造作に杖を掲げると、
「今回ばかりは逃がすつもりはありません―――――私の生徒を襲った報いを受けろ」
冷たく熱い殺気の篭った呟きを漏らし・・・杖を獣の口内へと、右手ごと突っ込んだ。
その時見開かれた獣の目に浮かんでいたのは、恐怖だったのかもしれない。
コルベールが二言三言ルーンを唱え、次の瞬間、くぐもった爆発音が獣の体内で起こった。
口と耳からから肉の焼ける生々しい煙が漏れ出、眼球は熱で破裂し、眼窩が虚空と化す。
コルベールの左腕から惰性のまま力無く爪を引き抜きつつ、獣はゆっくりと横へ倒れ伏した。
無感情にその様子を見つめながら、ローブで右手と杖を拭うコルベール。
そしておもむろにまたルーンを唱えると、杖からいきなり噴き出た炎が左腕に傷口を焼く。
キュルケはその行動に愕然としたが、コルベールは対照的に少し眉を潜めてみせただけ。
あんまりと言えばあんまりだが、とりあえず出血は止まった。
「立てないのですかな、ミス・ツェルプストー?」
打って変わって暢気な声をかけられてキュルケは一瞬呆けた。
「はい、恥ずかしながら・・・」
「ふむそうですか。ならば少し失礼しますぞ」
そう言ってコルベールはキュルケの膝の裏と背中に腕を差し入れて抱き上げた。
問答無用、(多分一部の)恋する乙女憧れのお姫様抱っこ。鍛えてなければこうは容易く出来まい。
いきなり抱え上げられてキュルケは柄に無く赤面した。しかし、伝わってくる体温と心臓の鼓動がとても心地いい。安心する。
助けられてホッとしたせいだろう。見かけより遥かに逞しい、自分を助けに来てくれた男の胸に抱えられたのもあるかもしれない。
唐突に、下腹部の切なさが格段に増した。
「ひぁっ!?」
熱い。股がむず痒くてしょうがない。
コルベールが1歩歩く毎に秘裂から漏れ出る液の量が増えている。
マズい。とんでもなくマズい。
しっかり彼女を支えてる両腕の力強さとか、さっきの冷酷な炎使いとしての冷酷な一面と恐怖に捕らわれかけていた彼女を安心させようと優しげな笑みを浮かべてる今とのギャップとか。
とにかく、今のコルベールの全てが、獣に塗りつけられた粘液の媚薬成分に犯されたキュルケを興奮させる要因となってしまってる訳で。
彼にだけはこんな姿見せたくないと何故か強くそう思ってしまい、我慢していた彼女だったが。
体が擦れる度に小さく達してしまい、しきりにビクビクと震えてしまっているキュルケをまだ怯えていると勘違いしたコルベールが覗き込んでしまい。
「安心して下さい、ミス・ツェルプストー・・・もはや貴女を傷つける相手はいませんから」
今まで聞いた事も無い、誰もがホッとしそうな優しい声を柔和な笑みと一緒に掛けられて――――
限界が来た。
気が付けば、キュルケは目の前の唇を貪っていた。
「んむぉっ!?」
「ミスタぁ・・・ミスタぁ・・・・・・」
いきなりの事にバランスを崩し、足がもつれてコルベールはキュルケ共々倒れた。しかし咄嗟にキュルケを怪我させまいと自分を下にして倒れたのは流石だろう。
それが原因で、キュルケに馬乗りで押さえ込まれる体勢になってしまったのだが。
「ミスタぁ、体が熱くて・・・押さえられないのぉ・・・」
「のっひゃあ!?ミミミミミスツェルプストー!?」
哀れなくらい素っ頓狂な声を上げてしまうコルベール。そんな裏返った声を聞いただけで、キュルケの背筋を電流が駆け上る。
欲しぃ、ミスタのが、欲しくてしかないのぉ・・・!
欲望のままに、キュルケはコルベールのズボンに手をかけた。
慌ててコルベールは抑えようとしたが、さっきの獣以上にキュルケの動きは素早くそして手馴れており。
ぼろん、と。
そんな擬音が似合いそうなぐらい黒光りしたのが曝け出された。大蛇レベルである。ちなみにこれで通常モードだ。どんだけー。
「あっはあ、ミスタのおっきい」
熱に浮かされてそうのたまいながら、キュルケは躊躇い無くそれを口に含んだ。
コルベールの方は「や、止めるんですミス!」と口ではそう言ってるが悲しいかな、年季の入った分身はご丁寧に加えられる刺激に反応してしまっている。
どんどんどんどん大きさと逞しさを増し、月の光に照らされて黒光りするソレはあっという間に天を衝いて直立した。
ご立派だ。見かけによらずとにかくご立派だ。
どうもコルベールの場合、見た目と反比例して魔法とコッチはかなりの代物である。ぶっちゃけキュルケが見てきた誰よりも逞しい。
「とっても大きくて、ビクビクしてますわよぉ」
血に濡れて(彼女自身でもコルベールのでもなく、馬の血だ)身体に張り付いていたシャツを脱ぎ捨て、コルベールをその同年代から嫉妬の眼差しを集めてきた豊満な胸で挟み込む。
それだけでまた軽く達した。ソコからもコルベールの鼓動が伝わってくる。
胸に抱かれていた時よりも幾分激しい鼓動。彼も、やっぱり興奮してくれてるんだろうか。
そう考えるだけで、キュルケは無性に嬉しくなった。
挟んで捏ねて、上下に動かして先っぽを舐めてみて、コルベールの反応を楽しむ。
「うあ、ううっ、止めるんです、ミス・ツェルプストー、こんな事は・・・」
「でもぉ、仕方ないんですのぉ。ミスタの熱いのが、欲しくて、欲しくて、身体がうずいてぇっ」
そのまま腰を両腕で支えると、コルベールの腰の上に落とす。
もはや失禁以上に滴って濡れていたキュルケの膣内は、コルベールを根元まで飲み込み。
ぐりゅっ
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぁっ!!!」
先端が子宮の入り口に激突して、彼女はこれ以上無いほど達して仰け反った。
身体中から力が抜ける。くったりと、キュルケはコルベールの胸元に倒れこんでしまう。
身体が言う事を聞いてくれない。動きたくても力が入らず、中でコルベールが脈打ってるのを感じるだけで何度も小さく達しているが、満足できない。
腕に力を込めて身体を起こそうとしても、すぐにまたコルベールに圧し掛かる。この繰り返し。
疼きは止まらない。身体中が切ない。なのに動けない。
「何でぇ、どおしてぇっ・・・・・・ミスタぁ、切ないのぉ・・・・・・」
泣いた。泣けてきた。子供みたいにいやいやと首を振って、コルベールの胸に縋りつく。
涙を流して切なさと快楽に染まった泣き顔を浮かべてコルベールを見る。
一方コルベールの方は自分は教師で彼女は生徒で、年齢差どれだけだああでもスタイルは秘書のミス・ロングビル並で子供とは思えないいやいやでもあーだーこーだ。
ま、ぶっちゃけ思いっきりテンパッている。
だがま、彼女から挿入されて尚且つ求められていても未だこうして本能と理性が鬩ぎあってる辺り、自制心はとんでもないと言えるだろう。
並の男なら、最初にキュルケにキスされた時点でその妖艶さに理性がプッチンしてただろうに。
だがしかし、コルベールの理性を密かに蝕み出している物があった。
それはキュルケの下腹部周辺に擦り付けられていた獣の先走り汁。
その効果はキュルケがコルベール自身を膣内に収めた事で伝染し、着々と・・・・・・
「ミスタ、お願いです・・・ミスタのおチンチンで、私をメチャクチャにしてくださひっ・・・!」
グサッ!
あ、理性に止め刺さった。
遂に本能に犯され、コルベールは腰を激しく動かし始めた。1突きごとに先端と子宮がぶつかり合い、キュルケは達する。
「あひっ、はげひ、凄いでふわミスタぁッ!」
次の瞬間最初から刺激を受け続けたせいか、唐突に熱い奔流がキュルケの下腹部を駆け抜ける。
ウットリとした声が漏れた。
「熱ぅ・・・いっぱい出てますわぁ・・・」
「・・・すみません、ミス・ツェルプストー」
「ふぇっ?」
「・・・どうも私自身・・・自分をもう押さえ切れないようです」
みちみちっ!
「!?〜〜〜〜!!!?」
・・・・・キュルケの中で1度出したせいか少し硬度を失っていた筈のコルベールが、次の瞬間大きさと逞しさを更に増して膣内を埋め尽くした。
突然の衝撃に声にならない喘ぎ声。
上下入れ替わるとコルベールはローブを脱ぐと繋がったままキュルケの背中に回り、膝立ちになってキュルケの両膝を持ち上げる。
キュルケの上半身は地面に敷かれたローブに押さえつけられる体勢になり、下半身はコルベールの両手とイチモツに持ち上げられる体勢。
先端周りの出っ張りが、身じろぎする度にキュルケの敏感な部分をグリグリと抉ってくる。
「ひゃひっ、ダメ、そこは、ミスタ弱いのぉぉぉっ!」
更に剥き出しになった尻の割れ目の底の窄まりに人差し指をぬっぷし奥まで差し込まれた。突く勢いは激しさをどんどん増す。
あまりの激しさに、1突きする度泡立った精液がボタボタ隙間から滴り落ちるほど。
そして2度目の発射。ギチギチにキュルケを埋め尽くすコルベールによって、精液の大半がそのまま子宮の奥へと注ぎ込まれて殊更深く達した。
ここまで奥まで注ぎ込まれた事は、1度も無い。
しかし。駄菓子菓、じゃなくてだがしかし。
まだまだコルベールは収まらない。もーどーにもこーにも腰と愚息が止まらない止められない。
「ひぁっ、まだっ、ミスタぁの固いのぉ!!」
3発目――――
「はぁぁぁぁっ・・・ミスタの熱いのが・・・またいっぱい・・・」
5発目――――
「ひくうっ、む、むひぃ、もうわらひの子宮ぱんぱんれひゅう!」
8発目、体勢変えて対面坐位―――――
「ひゅぅ・・・・ふあぁっ・・・・・・」
結局ようやくコルベールが納まった頃には・・・キュルケの下腹部は、ウエスト10サント増しぐらいポッコリ膨れてたそうな。
「腰が抜けて立てないなんて初めての体験よ・・・」
「本当に申し訳ない、ミス・ツェルプストー。教え子に手を出すなんて、私は教育者として失格だ・・・・・・」
所変わって魔法学院の医務室。
ベッドに横たわるキュルケの傍らでコルベールはこれ以上暗くしようがあるのかってな位重〜いバックをして頭を抱えている。
直後我に返ったコルベールは慌ててキュルケの身体を出来る限り綺麗にして――股間から滴るというか、ボタボタ流れ出てた精液も掻き出してから連れて帰ったのだった。
何と言うか、しっかり証拠隠滅を行ってしまった事に尚更罪悪感を感じてしまっている。
当のキュルケは気にする所か獣に犯される直前に助けられた事でコルベールに感謝してるのだが。
いやまあ本物の獣に犯される代わりに、眠っていた野獣(一見冴えないハゲオヤジ、中身は色んな意味で百戦錬磨のベテラン)に犯されちゃった訳だけど
もちろん2人して今日の授業はお休みだ。コルベールは純粋な怪我人、キュルケは足腰に力が入らず立つのもままならないので医務室にて休息中。
「それにしても凄かったですわミスタ・コルベール・・・魔法もの方もアッチの方も」
「ハハハ、昔は色々と経験を積んだものですから――――今は殆ど使おうとも思ってなかったものですが」
「あれだけの魔法の才能が有るのでしたら、他の生徒や教師からバカにされるような事は無いと思いますけど・・・」
「いや、私はこうして研究に打ち込んでいる方が性に合っているのですよ。私の力をひけらかしたとしても・・・それだけでは何も変わりません。
ただ、貴女の危機を救えた事に対しては、この力に感謝すべきなのでしょうが・・・・・・」
そう言ったコルベールの顔に浮かんでいたのは、笑みに見えない自虐的に歪められた表情。
乾いた悲しみの目で自分の掌を見つめているコルベールのその姿に、キュルケはまた普段とは違う彼の様子に、胸の奥で何かが疼く。
同年代の少年達とは一味違う、酸いも甘いも噛み分けて彼女の想像もつかない哀しさを背負った『大人』の男―――――
既に身体を交わしてしまった相手ではあったが・・・・・・漸くキュルケは、この一見冴えない教師に対して抱いた物を自覚した。
それは『恋心』という名の、多種多様な形を持つ想い。
「とにかく、本当にどう償えばいいのか分かりませんが・・・本当にすまない事をしました。ミス・ツェルプストー」
深々と、頭を下げる。
ぺかーんと鏡並みに差し込んでくる日光を反射させているコルベールの頭頂部に思わずクスリと笑ってしまいながら、キュルケは優しげな声を発した。
「・・・・・・キュルケ、ですわ」
「はい?」
「キュルケと呼んで下さいまし。フフフ、確かにアレだけミスタに染められてしまったからにはしっかり『責任を取って』もらわないといけませんわねぇ」
「み、みみみミス・ツェルプ・・・」
「キュ・ル・ケ、ですわ」
「ゴホン・・・あーキュルケ、どどうも私の考えている『償い』と、君の考えているその『責任を取る』というのはどうも何だか大きなズレが生じてるみたいなんだが・・・」
「ウフフフフフフのフ」
うわーい、何だか背後に炎を纏ったヘビが見えるぞー?
炎蛇はむしろコルベールの方なのだが、今の頬を引き攣らせてまぶしい額に脂汗を浮かべた彼はむしろヘビに睨まれた蛙。
もちろんヘビは赤と褐色である。こんな色のヘビいたら確実に毒蛇だろうが、実際今のキュルケはそんな感じだ。
―――――今ここに、身体から始まったカカア天下、誕生。