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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:54:22 (5643d)

とても奇妙な物語  せんたいさん

 

「んぁ?」

目を醒ますと、馬車に乗っていた。
目の前にはルイズが、盛装のピンク色のドレスを着こんでちょこん、と座っている。

「ほら、行くわよサイト」

ルイズにいきなり手を引っ張られる。
才人はボーっとした頭で考える。
俺何やってんだっけ…?

「今から教皇庁の聖歌隊の歌を聴きに行くんじゃない。
 ほら早く」

ぐい、と手を引かれ、外に出る。
野外コンサート場のような奥にステージの備え付けられたすり鉢状の会場には、既に沢山の人が集まっていた。
中にはギーシュやモンモランシーなど、見知った顔もいる。
あー、姫さまあんな前なんだやっぱり。ってタバサも前にいるし。あ?なんでシルフィードが一緒なんだ?
などと考えていると、ルイズに引っ張られいつの間にか席に着かされていた。

「ほら、始まるわよ。間に合ってよかったわ」

ルイズの言葉に合わせたように、舞台の上に人影が現れる。
それは。
才人の想像していた、見目麗しい少年少女たちではなく。
ごっつい鎧に身を包んだ、中身も相当ごつそうな、オジサンの群れ。
彼らは一糸乱れぬ動きでステージ上に陣取る。
その前に、教皇ヴィットーリオが立つ。どうやら指揮を執るのは彼らしい。
ヴィットーリオは客席に向かって軽く一礼すると、ささっと聖歌隊(?)に振り向く。
そして、指揮棒を振るった。
才人は一瞬疑問に思う。
アレ?楽器は使わないのかな?
そしてその疑問は一瞬で雲散霧消した。

聖歌隊(?)の面々は、その図体に相応しい野太い声で、各パートに分かれて、歌い始めた。

らぁぁああぁああぁぁ
るっだぁぁあぁぁぁああぁあぁ
らっだぁぁぁああぁ
るっだぁぁあぁーらーぁぁあーーぅ

れっでっでっでれぇれれっでっでっ
れっでっでっでれぇれれっでぇぃ
れっでっでっでれぇれれっでっでっ
れっでっでっでれぇれれっどぅぅぇえ
れっでっでっでれぇれれっでっでっ
れっでっでっでれぇれれっでぇぅ
れっでっでっでれぇれれっでっでぇ
れっでっでっでれぇれれっ

レロレロレロレロ

ラッダッダッダラーラダララッダー
ララダララーラララッダーララダラダーァ
ラッダッダッダラーラダララッダー
ララダララーラララッダラァァアアィィェ

(中略)

たちつたちつたつたーったったー
たちつたちつたたたーったったー
たちつたちつたつたーったったー
たちつたちつちんこたーったったー
たちつたちつたつたーったったー
たちつたちつたたたーってっとー
たちつたちつたつたーったったー
たちつたちつたたたーってっとっ♪

歌(?)を聞き終わった才人は。

「まてええええええええい!」

その電子音を模した聖歌(?)に思わず突っ込みを入れ。

そして、その自分の声で目が覚めた。

「んもぅ、なによいきなり大声出してぇ…」

隣で眠っていたルイズが、目を擦りながら起きてくる。
時刻は夜明け前。起きるには少し早い時間だ。

「わ、悪い、変な夢見ちゃってさ」

ぽりぽりと頬を掻きながら才人は苦笑い。
そうだよな。そんなことあるわけねえよな。
そして、ルイズは言う。

「ふふ。今夜の事考えて興奮してたんじゃないの?」
「へ?今夜の事?」
「忘れたの?…今夜、トリスタニアに、音楽隊の演奏を一緒に聞きに行く約束したじゃないの…。

『ラン・ラン・ルー卿魅惑の夕べ』に…ふふふふふふ…楽しみ。ふふふふふふふふふふ…」

「嘘だあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

げに恐ろしきは、夢よりも現実なのでございます…。〜fin

※イメージ曲※
http://www.youtube.com/v/4MKrYxtCLyY&hl=ja&fs=1&rel=0&color1=0x5d1719&color2=0xcd311b


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