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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:55:03 (5644d)

ほれ薬  205

 

 魔法学院の廊下にて、取っ組み合いの喧嘩を演ずる者が二人。

「くっ、ギーシュ、それをこっちに寄越すんだ!」
「バカ言えマリコルヌ、君みたいな変態にこんな薬を渡せるか!」
「いいからその『ほれ薬』を渡せ! それ使ってキュルケに踏んでもらうんだ!」
「せめて普通の使い方ができないのか君は!」

 ギャーギャー喚いて殴りあっていた拍子に、ほれ薬がギーシュの手から弾かれ、窓の外へと飛び出した。

「ああ、やばい! このパターンだと絶対誰か下にいるぞ!」
「貴重なほれ薬が!」

 慌てて下を覗き込む二人。するとそこに、地面から頭を出した巨大モグラが一匹。

「ヴェ、ヴェルダンデ!」
「やばいぞ、あのモグラ、ほれ薬を浴びてしまったみたいだ!」
「あの状態で女生徒でも見ようものなら、エロパロ板ですらキッツい獣姦天国になりかねん……!」

 青ざめる二人の前で、しかしヴェルダンデはしばらくの間動かなかった。
 かと思うと、何やら興奮した様子で鼻を蠢かし、もの凄い勢いで地面の下へと潜っていった。待ち続けても、戻ってこない。

「一体どういうことなんだ」
「何がどうなって……」

 その瞬間、二人は同時に事の真相に気づき、叫んだ。

「「『掘れ薬』か!」」

 

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