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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:55:07 (5637d)

青春時代F  ツンデレ王子

 

 王宮へと帰ってきたのはいいが、サイトとアンリエッタを同じ部屋で休ませる
訳にもいかず、だからと言って彼らが入れ替わってしまったなどと城の者に知
られる訳にもいかない。
 そこで、もし誰かに見つかっても不審に思われないようにと、サイト(躯はア
ンリエッタ)は女王の部屋で、アンリエッタ(躯はサイト)は国賓用の寝室に割
り振られる事となった。

■アンリエッタ(躯はサイト)

 姿見の前に立って、アンリエッタは全身をくまなく見詰めている。
 夜着を着たままではあるが、普段着の姿からでは窺い知れない線が浮き彫
りになり、気恥ずかしさを感じながらも彼女は興奮を隠せないでいた。
 部屋全体に響いているのでは無いかと錯覚してしまうほどに彼女の鼓動は
高まっており、顔は緊張に強張っている。

「…ゴクン」

 唾を飲み込む音がやけに響き、一瞬ビクンと身を竦ませる。

(……)

 自分一人しか居ない部屋できょろきょろと辺りを見渡して、警戒を強め――
彼女は上着のボタンを一つ、また一つと外していく。やがて上半身が露わに
なると、今度はズボンをゆっくりと、己を焦らすかの様にたっぷりと時間を掛け
て下着と一緒に下ろすのだった。

(これが、サイト殿の…)

 初めて目にした異性の全裸、しかも意中の相手のものである。
 たとえ鏡越しとはいえ、彼女にとってそれはとても眩しく映っていた。

「サイト殿…」

 夢におかされたかの様にふらふらと歩み寄ると、そっと顔を近付け――
鏡の中のサイトに唇を重ねていった。

「ん…ぁん…」

 瞳を閉じて舌を這わせながら、アンリエッタは元の躯で彼と肌を合わせてい
る場面を想像する。逞しい腕に抱かれ、唇を奪われ、口の中を彼の舌が這い
回り、更には荒々しく乳房を揉みしだかれ……
 その時、彼女は何やら異変を感じた。過去に女の躯で感じたものに多少似
てはいたが、やはりそれとは全く違う感覚なのである。恐る恐る瞼を開いて下
半身を見てみると、果たしてそこに在ったのはいきり立った男のシンボルで
あった。

「――っ!!」

 その異様な姿形に、アンリエッタは目を閉じてしまう。
 彼女とて、男が興奮した際にそうなる事は知らされていた。ゲルマニアの皇
帝へと嫁ぐ事が決まった際、母から教わっていたのだから。
 だが、異性の裸体を見るのも初めてなら、誇張した男性の性器を見るのも
勿論初めてなのだ。この反応は至極当然と言えよう。

(こ、こんなに…)

 恐怖を感じながらも、やはりそこは想い人の一部である。
 意を決して目を明けると、そっと手を近づけた。

「きゃっ」

 指先が触れたと同時に、己の意思とは関係なくピクンと跳ねる。女の心は
びっくりして思わず声が漏れ手を引いてしまったが、男の躯はそのわずかな
刺激に快感を感じ始めていた。

(こう…かしら)

 先ほどの感覚をたよりに肉棒へと手を伸ばすと、今度は手のひら全体を使
って包み込むように添わせる。徐々に力を加えていき、強すぎず緩すぎずの
感覚を掴むと、彼との性交を想像して手を上下に動かし始めた。
 やがて先端から漏れ出した透明な液体が手のひら全体に広がり、潤滑油
となってその動きを滑らかにしていく。静まり返った部屋に手の動きによって
発生する卑猥な音が大きく響き、それが却ってアンリエッタの性感を刺激し、
麻痺させていくのであった。
 だんだんと摩擦のスピードは増していき、躯が快感に打ち震え……ビクン
と身を震わせ、白く濁った液体が肉棒から吐き出された。その勢いは彼女
が思っていたよりも激しく、姿見に映し出されたサイトの顔に降り注いでいく。

「これ…が…サイト殿…」

 うっとりと見つめ、己の躯から吐き出された白濁に指を添わせて絡め取ると、
それを口へと運ぶ。

(ん…)

 ちゅぱちゅぱと音を立てて吸い付き、舌の上で転がし、じっくりと味わってか
ら嚥下しようとする。躯は拒絶を訴えるものの今の彼女はそれを気にする余
裕もなく、心が求めるままに実行に移したのだ。
 ところが、それが余計に彼女にえもいわれぬ寂しさを与える事となってしまう。
 それもそのはず、先ほどの快感は男の躯が得たものなのだ。この世に生を
受けてから十数年、女として女の躯で生きてきた彼女の心は、数秒前まで
握っていた男の証に貫かれ、今しがた口にした白濁を体内に注がれる事を
望んでいるのだから。

「うっ…うっ…」

 漸くその事に気付いたアンリエッタは、同時に不安を感じて涙を流す。
 彼女が知っている限りでは、ハルケギニア史上類を見ない症例である。よっ
て何時元に戻るのか、どうすれば戻る事が出来るのか、まったく予想が付か
ないのである。
 一度の放出では満足しきれていないのか、彼女の股間では未だに象徴が
力を漲らせてはいたが、これ以上独りでの行為を続ける気力も失せてしまい
彼女は倒れこむようにベッドへと身を投げたのだった。

◇サイト(躯はアンリエッタ)

 一方、女王の寝室――

 ベッドに仰向けに寝転がり、頭の下で両手を組んでアンリエッタの躯が寝そ
べっていた。大の字になったその姿は、凡そ女性らしかぬ姿である。中身が
サイトである為、致し方ないのだが――

「はぁ〜」

 その可憐な唇から、悩ましげな溜息が漏れる。
 彼は今、学院に残してきたルイズやシエスタに想いを馳せていた。

(心配してるだろうな)

 アニエスに呼び出され、朝早くに皆に黙って出て来てしまったのだ。当初は
目的が分らなかったとは言え、予定としては夕飯の時間までには戻るつもり
をしていた。ところが、いざ街に来てみるとアンリエッタの子守をさせられ、仕
舞いには彼女とのデートを楽しみ時間が経つのを忘れていたのだ。空が暗く
なり出したところで初めてルイズたちを思い出した彼は、まずはアンリエッタを
馬車まで送り届けようとして――アクシデントに見舞われたのだった。

(ま、なっちまったもんは仕方無いか)

 しかし、彼は元来何事にも動じる事の無い性格をしているのだ。
 聞いた事も無いような自体に巻き込まれたからと言ってそれが変わる事は
無く、既に彼は今の状況を楽しもうとしていた。

「よっ」

 足を振り下ろす反動を利用して起き上がったサイトは、ベッドから抜け出し
テーブルに置いてあったランプを灯すと、それを手にベッドに腰掛けなおす。
炎に照らされてオレンジにそまる躯を眺めながら、いそいそと夜着を脱ぎ始め
たのだ。

「…ゴクン」

 彼とて健全な青少年である。ハルケギニアに呼び出されてからというもの、
ルイズの使い魔として寝食を共に過ごし、何度か欲望に負けそうになった事
も有った。だが、彼女はプライドだけは人一倍高く、またその真面目な性格の
お陰かこちらからモーションを起こしたとしても、貴族だからとか使い魔だから
とかで心を開いてはくれなかったのだ。
 実のところ、ルイズもサイトに惹かれており、許してもいいと思っていたのだ。
だが、やはりそこは彼女とて年頃の女の子である。ムードをより大切にしたい
という想いからのすれ違いなのだが、そんな事がサイトに理解できるはずも無
く、彼が勘違いしてしまうのも仕方の無い話なのである。
 その為に、彼にとって今の状況は願ってもいないチャンスでもあった。
 地球に居た頃、悪友に見せられた青年向け雑誌。しかしながら世の男性諸
君ならご存知の通りに、地球で一般的に販売されている青年雑誌というのは
大事なところが隠されている。そして、隠されると余計に見てみたくなるのは
人間の本能的な欲求であり、サイトもまたご多分にもれず、その様な欲求を
抱いていたのだ。

(すげえ…)

 心の期待に比例したかのように、アンリエッタの躯はわずかではあるが秘
部を潤わせており、それにランプの灯りが反射して輝いている。
 その美しさに思わず手を伸ばしたサイトだが、触れた瞬間に走った微弱な
電流にびっくりして、即座に手を引っ込めた。

(な、なんだ今の…)

 男の躯では感じることのなかった感覚に、これ以上進むのを躊躇ってしまう。
しかし、これまた彼の元来持ち合わせている好奇心が、今しがたの感覚の更
に向こう側を知りたいと切望して止まないのだ。
 サイトは先ほどとは打って変わってゆっくりと手を陰部に添わすと、中指をク
レヴァスに宛がい慎重に沈み込ませていった。

(柔らけぇ、しかも気持ち良い)

 まだ完全に蜜が分泌されていない為に引っかかりは覚えるものの、媚肉が
指をきゅっきゅっと圧迫してくる様は彼にある種の感動を与えていた。同時に
秘部から湧き上がる切なさに、知らず知らずのうちに空いた手が乳房を揉み
しだいている。

「あはぁ…」

 意識せずとも漏れ出す女の吐息に、サイトの心は更なる興奮を覚えていた。
そして、躯が欲するがままに緩急をつけて乳房を揉みながら、頂にある乳頭
を二本の指を使って刺激を加える。
 初めのうちこそきつく圧迫を受けていた指に、今では内部から溢れ出す蜜
が絡み付いている。そっと引き抜いて観察してみると、男の迸り程では無い
が先ほど見たときより僅かに濁りが見受けられた。

「…んむ」

 蜜を絡ませた指を口に運び、丹念に下を這わせて舐め取る。
 初めて味わうそれは何とも形容しがたいものがあり一瞬顔を歪めるが、じっ
くりと味わう内にとても甘美なものに思えてきた。
 ちゅぱちゅぱと音を立てて舐め、愛液の代わりに唾液をたっぷりと絡ませる
と、再び指を秘肉へと突き入れる。膣内で動かしながら出し入れを繰り返して
いる内に、彼の中で何かが膨らんでいくのを感じていた。やがてそれは空気を
入れすぎた風船の如く弾け飛び、サイトはアンリエッタの躯で絶頂を迎えたの
だ。

「はぁ…はぁ…」

 荒い息を吐きながら、サイトはベッドに横たわる。
 ややあって漸く落ち着いたのか、彼は今後の事へと思いを馳せ始め――
ある事を思い付いた。

(いけるかも!)

 明日、アンリエッタに切り出してみよう。
 可能性を見出したサイトは、絶頂を迎えた気だるさも手伝って、やがて規則
正しい寝息を立て始めるのだった。

 

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