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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:55:38 (5644d)
子作りしましょ! せんたいさん
※事前にせんたいさんの「ヴァリエール三姉妹編」を読んでおくと幸せになれるかもです。
ルイズが夜になっても帰ってこない。
こんな事、このお屋敷に来てからはじめての事だった。
こんな時間までサイトさんが帰ってこないことはあっても、ルイズが帰ってこないなんてこと、今までなかった。
私は心配になって、三人の寝室のベッドの上で、サイトさんに相談した。
そしたら、
「どうせ親父さんと一緒に社交界かなんかだろ?心配すんなよ」
…この人は、ホントにもう。楽観が過ぎるんじゃないかしら?
だから、アナタの婚約者ですよ、心配じゃないんですか、って言ったら。
「たまにはこんな事もあるさ。それよりシエスタ、今晩はルイズいないんだし」
…って何エロい目して人のおっぱい凝視してんですかこのおっぱい魔人。
まーあー。期待してなかったかって言われたらそりゃあ期待してましたけどぉー。
そのためにわざわざスケスケの寝巻き着てますけどぉー。
「…ほんとにもう。婚約者より先にメイド孕ませる気ですか」
「いいじゃんその婚約者公認なんだし♪たまにはシエスタのやーらかいおっぱいに埋もれたいなー♪」
…毎週爆乳姉妹の胸に埋もれてるクセに、この種馬はほんとに。
でも、呆れながらも私は断れない。
だって、そんな甘える仔犬みたいな目で見られたら…ねえ?
「…じゃあ、一回だけですよ。それと、明日ルイズが帰ってきたら、ちゃんとしてあげること」
「はーい、わかりましたシエスタせんせー」
そして。
サイトさんは、私のおっぱいにむしゃぶりついた。
で、結局、抜かずの三発になっちゃいました。
…ほんとにもー。このひとわー…♪
次の日の昼を過ぎてもルイズは帰ってこなかった。
二十四時間以上ルイズの顔を見ないのは、たぶんこの屋敷に来て初めてだ。
…いやまあ流石の俺もおかしいと思った。
だから、俺はヴァリエール本邸に向かう事にしたわけだが。
「…えー。帰ってくるまで待ちましょうよぅ〜」
朝食の席で、ルイズの行き先を聞きに本邸へ行ってくる、と言った俺に、不満げな声でシエスタはそう応えた。
お前昨日ルイズの心配してなかったか、と突っ込んだら。
「それはそれ、ですよ〜。『鬼のいぬ間に』って言うじゃないですか。せっかくのチャンスなのに〜」
まあ確かにルイズがいるとシエスタ単独とにゃんにゃん、ってのは難しい。
ルイズ単独はあるが、シエスタとだと、大概三人で絡むか、こっそり隠れて、ってのが定番だったりする。
当然普通にスル時は部屋でなんだが、ルイズも一緒に寝てるんでそうなるのは致し方ないわけで。
でもまあ、シエスタとは昨日しっかりしたしな。
俺はまあ心配だし迎えにいくよ、と言ったが。
「…せっかく今晩、『シエスタさんのメロンちゃんフルコース』を用意しようと思ったのに」
待て。
なんだその魅惑的な響きわ。
「…追加で、『禁断の果実コース』もOKだったのに」
どこのどの果実がどういうふうに禁断なんですカーっ!?
…い、いかん、危うく妄想だけで正気を失うところだった。
俺はなんとかかんとか、ま、まあ、ソレは今度にしような、と言って、本邸に向かう決心を固めたのだった。
本邸に行く途中の道。
才人は、一台の馬車を見つける。
真っ白な、小さな一頭立ての馬車。
毎週才人達の住むヴァリエール分邸にやってくるその馬車は、カトレアのもの。
同じように才人の馬を見つけて止まったその馬車の横に、才人は馬を着ける。
才人の予想通り、馬車の扉の窓を開けたのは、カトレアだった。
「あらサイト君。丁度良かったわ」
そうにっこり笑って言うカトレアに、才人は疑問を投げかける。
「…なんすか?お薬はまだですよね?」
才人がカトレアに口とお尻で搾り取られてからまだ四日しか経っていない。
次の『お注射』までは日にちがあるはずだった。
カトレアは笑顔のまま、首を振って否定した。
「違うわ。今回はお薬じゃないの。
ルイズのことよ」
「へ?」
いきなり出た婚約者の名前に、才人は首を傾げる。
カトレアが、ルイズの行き先を知っているのだろうか?
「カトレアさん、ルイズどこ行ったか知ってるんですか?」
才人の言葉に、今度は笑顔で首を縦に振るカトレア。
「ええ。だってルイズを攫ったの私ですもの」
「…へ?」
才人の目が、今度こそ本当に点になった。
才人は驚いて思わず聞き返してしまう。
「ど、どーして実の妹を攫うんですか!?」
カトレアはその柔らかい笑顔を絶やすことなく、応えた。
「私もお姉さまも、そろそろガマンが効かなくなってきてね」
「…へ?」
大体何の事か想像はつくのだが、才人は間抜けにそう返してしまう。
「…後ろばっかりだとね、切ないのよ、すごく。アソコが」
美麗な眉根を曇らせ、カトレアはそうのたまわった。
あまりにもダイレクトな物言いに、さすがの才人も軽く引く。
そして、至極真っ当な疑問を口にした。
「…あのーう?それとルイズを攫うのと何の関係が?」
もし二人が攫うなら、才人の方だろう。
そして、姉妹で好きなだけ貪ればいいのだ。
才人は知らなかった。
この三姉妹が、とんでもない密約を交わしている事を。
カトレアはその事を才人に話す。
「実はね…」
ルイズが孕むまで、自分とエレオノールは、一切子宮に才人の精を入れない、と約束した、と。
確かに、この一ヶ月あまり、二人とはお尻か胸かお口でしかしていない。
不自然なまでに、普通の行為はなかった。
「でもそのガマンもそろそろ限界。だからルイズを攫ったのよ」
「…だからなんで?まさかルイズを洗脳とかしようってんじゃ」
思わず浮かんだその可能性は、しかしすぐにカトレアが否定する。
「そんな事しないわよ実の妹に。まあ、一緒に来れば分かるわ。お姉さんに着いてらっしゃい」
言ってカトレアは馬車を反転させ、本邸へと戻っていく。
才人は疑問を抱えたまま、その後を黙って着いていくしかなかった。
辿り着いたのは、ヴァリエール本邸のカトレアの部屋。
元々病弱な彼女を喧騒から隔離するため、その部屋は渡り廊下によって本邸から隔たれている。
そのお陰で、ちょっとやそっと物音を立てたくらいでは、本邸に聞こえる事はない。
だから、元気になったカトレアは、この部屋で思う存分趣味の生物研究に打ち込むことが出来たわけで。
もちろんナニの声も届く事はないわけで。
「さあ、ルイズはここにいるわ」
言ってカトレアは部屋の手前で立ち止まり、自室の重厚な扉を指差す。
才人は疑問に思った。
「カトレアさんは入らないんすか?」
当然の疑問である。
しかしカトレアはにっこり笑って反論した。
「遠慮しておくわ。私、夫婦の営みを邪魔するほど野暮じゃないもの」
…いやまだ婚約の段階なんですけども。
突っ込もうと思った才人だったが、カトレアの『ほら、早く行かないとルイズがお待ちかねよ』という言葉に後押しされて、才人は扉を開いた。
そして、カトレアは部屋の中に入っていく才人の背中を見送りながら、ぽそりと呟いた。
「…私は別に、3Pでも構わないんだけどね」
扉を開けると、緑の匂いが才人の鼻を突いた。
カトレアの『お薬』のたびに嗅いでいる匂い。カトレアの部屋で栽培されている植物が、この緑の匂いの元だった。
しかし、数歩奥に進むと、緑以外の匂いが鼻をつく。
何か湿布薬のようなスーっとする薬品の匂いに、きついユリ科の花の匂いに、そして僅かに香る鉄サビの匂い。
その奇妙な匂いに鼻をひくつかせながら、才人は奥へ進む。
すると、天蓋の下ろされたベッドの前に、奇妙なマスクをしたエレオノールがいた。
鼻から下を丸ごと覆う灰色のマスク。頬の部分に、楕円に膨らんだ袋が一対、付いている。
見ようによっては防毒マスクに見えなくもない。
そのエレオノールは、やってきた才人を見て一言。
「あ、やっと来たわね。間に合わないかと思ったわよ」
マスクの内側からなので奇妙に声がくぐもっていたが、きちんと聞き取れる。
とりあえず才人は尋ねた。
「…なんでマスクなんかしてるんすかエレオノールさん」
当然の疑問に、エレオノールはしれっと応えた。
「そりゃ、この部屋いっぱいに媚薬まじりのお香が焚かれてるからよ」
エレオノールの回答にぶは、と吹き出す才人。
そ、そーいやさっきから下半身のえくすかりばーがえらいことに…!
後悔したが遅かった。
才人の目には、目の前に立つルイズの姉が、半分獲物に見え始めていた。
防毒マスクのエレオノールたんハァハァ、と思考し始めた才人を、エレオノールは誘導する。
「…目がエロいぞ平民。ま、その調子でルイズを襲ってあげなさい。ルイズ、そこのベッドの上で待ってるわよ」
天蓋の中には、確かに人影がある。
その人影に才人の注意がそれた瞬間、エレオノールは才人の背後に回りこむ。
「じゃ、頑張りなさい。ルイズを幸せにしたげて」
エレオノールは言って、才人の背中をどん、と押した。
「わっ、たっ!?」
突然勢いよく押され、才人は思わず踏鞴を踏んで天蓋を割りながら、ベッドに倒れこむ。
ぼふ、と柔らかいマットに体が沈む。その瞬間、別の場所で何かが動くのを感じた。
そして、聞きなれた声が聞こえる。
「むー、むー!」
才人がベッドの上を観察すると。
そこには、猿轡をかまされ、両手両足を縛られた、トリステイン魔法学院の制服姿の、ルイズがいた。
「だ、大丈夫か、ルイズっ!?」
慌ててベッドの上に登り、ルイズの拘束を解く才人。
丁寧に蝶結びされている両手と両足の縄を解き、そして、猿轡も外す。
そして、全ての拘束が外れた瞬間。
ルイズは、才人に問答無用で抱きついた。
それは、不安を打ち消すための優しい抱擁、などではなかった。
首筋に抱きつき、その薄い胸板を才人の身体にすりつけ、腰を押し当てる。
はぁはぁと荒い熱い吐息が才人の耳朶を撫で、たまらない牝の甘い香りが才人の鼻腔を浸食する。
「サイト、さいとぉ…」
泣いている様な、怒っているような、切ない声で呼ばれると、思わず才人はルイズを抱きしめ返す。
才人は、ルイズの耳元で尋ねる。
「…い、一体何されたんだよ、お前?」
才人の言葉に、ルイズはぎゅうっと締め付けていた腕を解いて。
才人の顔を覗きこむ。
その顔は朱に染まり、瞳は零れそうな涙で潤んでいた。
「聞きたいの?言わせたいの?」
「え」
真っ赤な顔で恥ずかしそうに言うルイズに、才人は間抜けにそう返してしまう。
それを、肯定と取ったのか、ルイズは続けた。
「さ、サイトが聞きたいなら…は、恥ずかしいけど…話すね…」
「う、うん」
ごくり、と才人は息を呑み、ルイズの話に耳を傾けた。
その日。
ちい姉さまに呼び出された私は、いきなり水魔法で眠らされた。
気が付くと、裸で、例の白ローパーの椅子に座らされてた。
私の目が覚めたのも、お尻の下でもぞもぞ動く触手の刺激のせい。
目が覚めたときには、私の身体の奥の奥まで触手が入り込んで、腸の中はからっぽだった。
そのせいで私の体は火照りきって、目が覚めてすぐに、イってしまった。
目の前にはちい姉さまがいて、事情を説明してくれた。
『今から丸一日かけて、あなたを全力で発情させるから、サイト君と子作りなさい』
私は耳を疑った。
だって、ちい姉さまも姉さまも、ヴァリエール家当主の事は諦めたって言ってたから、これからゆっくりサイトに孕ませてもらえばいいって思ってたから。
でも、隣にいる姉さまが説明を引き継いで、私はどうしてこんなことをされているのかやや納得した。
『いい加減、私たちも普通に彼とシたいの。だから、さっさと孕んでくれないと困るわけ』
…だからって、こんな乱暴な。
呂律の回らない言葉で反論した私に、ちい姉さまが言った。
『うんと発情させて、身体中綺麗に磨いてあげる。どこ使っても大丈夫なように、身体中綺麗にしてあげますわ』
ちい姉さまは手にスポンジと、お湯の入った桶を持っていた。
そして、姉さまが続けた。
『あと、特製の懐妊薬もあるからね。強制的に排卵を促す薬だから、使えば一発で孕めるわよ』
その手には、一本の注射器。中身は姉さまの言うとおりのお薬が入っているんだろう。
そして。
抵抗できない私は薬を打たれて、体を隅々まで洗われて。
そうして、完全に発情した状態で、私はトリステイン魔法学院の制服を着せられ、縄で縛られて、サイトを待つ事になった…。
ルイズの生々しい告白に、ごくり、と再び才人の喉が鳴った。
その才人の腕の中で、ルイズは俯いていた。
才人は耐え切れず、ルイズに語りかける。
「じゃ、じゃあ今、ルイズ…」
「う、うん。すごく、したいの。サイトと、子作り、したいの…」
才人の言葉を途中で遮り、ルイズは顔を上げる。
潤んだ瞳。上気した頬。ルージュも引いていないのに朱に染まった柔らかい唇。
そしてその朱に染まった肌から立ち昇る、たまらない牝の香り。
媚薬交じりの香の影響もあって、才人の理性は既に吹っ飛んでいた。
どさ。
両手の指を絡ませ、柔らかいベッドの上に、制服姿のルイズを押し倒す。
ふわりとルイズの柔らかい髪がベッドの上で広がり、白いシーツの上に桜色の華が咲く。
才人の目の前で咲いた華は、甘い甘い声で、甘い甘い吐息の匂いで、囁いた。
「キス、して…」
ルイズの言葉のまま、才人はルイズのうっすら開いた薄紅色の唇を塞いだ。
最初はお互いの唇の形を確かめるように、表皮を擦り合せる軽い口付け。
そして何度も何度も、吐息と汗に湿った表皮が合わされる。
やがて絡み合っていた指が解け、ルイズの腕が才人の首に柔らかく絡みつく。
それが合図となって、唇が合わさった瞬間、お互いの舌が互いに口腔内に忍び込む。
お互いの舌と舌が上下を入れ替え、時には相手の口内を犯し、時には侵入してきた舌を優しく愛撫する。
上になった才人の唾液がルイズの口に流れ込み、混じりあった唾液を才人が啜る。
じゅぷ、ちゅる、とお互いの口の中で溢れる唾液が粘った音を立てる。
二人は夢中で、口だけで愛し合う。
まるで、それが性交であると言わんばかりに、口だけで互いを高めあっていく。
やがて、荒い息をつき、どちらからともなく絡めあった舌を解く。
とろ、と互いの体温で煮詰まった粘性の高い唾液が、二人の間で銀色の糸になる。
それがすぐにちぷん、と千切れ、ルイズの開いた唇の隙間に滑り込む。
ルイズは体外で冷えた唾液の刺激に一瞬だけ『あ』と呆けたが、すぐに目に光を取り戻し、才人の耳元で囁いた。
「キス、すき、だいすき…。サイトとキスするの、大好きなの…。
だから、キスしながらして。いっぱい、犯して…」
甘い甘い声で、精一杯の我侭で、ルイズはねだる。
だってこうでも言わないと、この犬ってば…。
ルイズは知っていた。
才人は、ルイズの卑猥な鳴き声を聞きながらルイズを犯すのが大好きなのだ。
特に、後ろから犬のように犯しながら、言葉で嬲るのが才人のツボであると、ルイズはとうの昔に見抜いていた。
しかし。
ルイズは、正面から、キスの雨を降らされながら、息が詰まるほど犯されるのが大好きなのである。
息苦しくなるほど口付けをされ、ねっとりと熟した股間を裂かれるのに、無上の喜びを感じる。
それが番の本能だとしても、唇を塞がれて達する瞬間、ルイズは『愛』を感じているのだった。
だがしかし。
ルイズのおねだりに、才人はんー、と一瞬考える。
…こーいう顔してる時のサイトって…。
果たしてルイズの予想通り。
「んじゃこうしよう。
ルイズがイクまで、キスしててあげる。でも、一回逝ったら、俺の好きにする。
それでどう?」
嬉しそうにそう提案してくる才人。
そしてルイズは内心呆れた。
…条件にもなってないじゃないのよう…。
そんなもの、すぐ逝ってしまうに決まっている。
さんざん身体を発情させられ、強制的に排卵まで促され、さらに部屋には充満した媚薬入りの香。
入れただけで、ということはないだろうが、この状態では数合もしないうちにルイズの堰は決壊するだろう。
だが、そう判断したにも関わらず、ルイズはその言葉を否定できない。
体の奥で熱く疼く器官が、ルイズを屈服させる。
「わ、わかったわよ。
で、でも、一回イクまでは、ちゃんとキスしてなさいよ。約束だかんね…?」
言いながら、きゅ、と再び才人の首筋に抱きつき、目を閉じてキスをねだる。
「はいはい、わかりましたよご主人様」
ちゅ。
才人は応えて、主人の言いつけどおりに、柔らかいルイズの唇に自分の唇を重ねる。
そのまま唇を合わせ、器用にズボンのファスナーを下ろす。完全にいきり立った雄が、ぼろんと飛び出る。
そして、才人はルイズの下半身に手を伸ばす。
スカートの中に手が入った瞬間、異変に気付いた。
才人の手に伝わってきたのは、火照って少し汗ばんだ、きめ細かい柔肌の感触だけ。
この娘。
はいてない。
「あの、ルイズさん?」
唇を離し、突っ込もうと思った才人だったが。
「何キスやめてんのよ!」
ぶちゅう。
無理矢理唇を奪われた。
いやあのその、と口の中で文句を言う才人だったが、ルイズは唇を離そうとしない。
それどころか、下らない突っ込みなんかどうでもいいから、さっさとしなさい、と目だけで命令を下す。
やれやれ、と心の中だけで溜息をつきながら、才人は自分のモノに右手を沿え、ルイズの入り口に導く。
お互いのぬくもりが、溢れ出たぬめりが、敏感すぎる器官を通して伝わる。
どくんと、互いの心臓が同時に脈打った。
それが、合図だった。
ぬる、とあっという間にルイズの裂け目はあまりにもあっさりと才人を飲み込む。
いつも感じる肉の抵抗は、一切と言っていいほどなかった。
その原因は、薄く濁ったルイズの愛液。
さんざん発情させられ、媚薬によって煮込まれた彼女の潤滑油は、粘りを持つまでに濃度を増していた。
そのお陰で才人は入れた時の勢いを全く緩めず、ルイズの底に到達する。
その瞬間びくん!とルイズの体が震える。
一番敏感な奥を圧迫され、膣が蠕動しそうになる。
…だめっ、いっちゃったらキスしてもらえないっ…!
ルイズは脚と腕でぎゅう、と才人を抱きしめ、最初の衝撃に耐え切った。
しかし。
無情にも、才人は普段よりずっと抵抗の少ないルイズの中を、容赦なく削りだした。
子宮内を満たし、膣道を埋めていた溢れんばかりの粘液が、剛直のピストンにぶじゅぶじゅと卑猥な音を立てる。
その速さに愛液が泡立ち、より一層ルイズの中をかき乱す。
そして。
数合繰り返すと、ルイズの背筋がびくん!と反り返った。
刺激に耐え切れず、膣道が容赦なくびくびくと痙攣する。
「あ…かはっ…!」
それでもなんとか声だけは抑えるルイズ。
そして次の瞬間。
「くぁ、出るっ!」
どくんどくんとルイズの中で才人が脈打つ。
「ひ、あっ、だめっ、いってる、今いってるからぁぁぁぁぁっ!?」
あふれ出した灼熱の白濁がルイズの子宮口を灼く。
その瞬間、ぱくりとルイズの聖域の門が開き、白い濁流を飲み込んでいく。
びくんびくんと痙攣する子宮に、生命の奔流が流れ込んだ。
子宮の奥、ピンク色の肉のベッドの上には、薬によって吐き出されたルイズの遺伝子情報の塊が眠っていた。
そこへ、堰を破った白い濁流が降り注ぐ。
愛しい人の遺伝子を乗せたその濁流に、ルイズの卵はあっさりと飲み込まれ───────。
「あ、奥、きた…サイトの、きたぁ…」
絶頂に蕩けた顔で、ルイズは呟く。
不思議なことに、彼女には子宮の一番奥で起きている変化が手に取るように分かっていた。
混じりあった卵と精が、今、命を紡ぎ始めた。
ルイズのゆりかごの中で、今、新しい命が芽吹いた。
自らの中に種が撒かれたのを、ルイズは感じていた。
「サイト…。サイト、サイトぉ…」
それと同時に心の中に満たされる歓喜。
それはすぐに溢れ出し、歓喜の涙となって目尻から溢れ、そして愛する人の名前となってルイズの唇から溢れる。
「ど、どしたんだよルイズ」
普段の性交ではありえない、ルイズの涙に、才人は思わずルイズの身を案じてしまう。
ルイズは泣きはらした顔のまま、聖母の微笑みを、才人に見せた。
「サイト…今ね、私、赤ちゃん…できたよ…」
「え」
そんなのわかるのか、女の子ってすげえな、と思わず感心してしまう才人。
そして、ルイズは才人の下でにっこり笑って言った。
「最初は女の子がいいわ。それで、二人目に男の子」
「お、おい、気が早くないか?」
「一人目はもう確定だもん。二人目もすぐじゃない」
笑顔のまま、ルイズは力を失い裂け目からひりだされた粘液まみれの才人を、きゅ、と握る。
「だから、お腹が大きくなる前に…ね。
いっぱい愛して…」
そして、ルイズの次の台詞が、才人の理性を完全に吹き飛ばした。
「いっぱい愛して…あなた♪」
妻の淫らな笑顔に、才人は完全に復活する。
そして。
部屋の中の香が完全に抜けるまで、二人は愛し合ったのだった。
裸のまま、二人はベッドの上に重なるように横たわっていた。
「…私、子供は三人欲しいな。女の子、男の子、女の子の順で」
「そんな上手くいくとは思えないけど…」
「あら。知らないの?水魔法で産み分けする研究が今進んでるのよ」
「…しらねえよ。俺メイジじゃないもん」
「…そうね。でも、あ、あなたが頑張ってくれればう、上手く、いくんじゃないかしら」
先ほどは行為の最中だったので、素直に、自然に呼ぶことが出来たが。
いざ冷静になると、少し恥ずかしいルイズだった。
才人は照れて真っ赤になるルイズに、くすりと笑って言った。
「それも気が早いんじゃね?まだ婚約の段階だし」
「…な、何言ってんのよ、もう孕んじゃったんだし、確定だもん。
…ふ、夫婦になるんだから、い、いまのうちから慣れておかないと」
真っ赤な顔でそう反論するルイズに、たまらない愛しさを感じる才人だった。
具体的には、ルイズを思わず抱きしめてしまうほど。
「あーもう可愛いなあ、ルイズ可愛い」
「ちょ、な、何調子に乗ってんのよ、ば、ばかい」
思わずいつもの調子に戻りそうになったルイズは、思いとどまる。
…そうだ、『バカ犬』の呼称も、変えてあげないといけないのよね。
そして、思いつく。
「調子に乗るんじゃないわよ、この…。
ダメパパ♪」
つきゅん、と才人のハートに鋭い矢が刺さった。
あーもうガマンきかん。
「もーパパ全力で調子に乗っちゃうぜーっ!」
そして、再びルイズに覆いかぶさったのだった。
その三日後。
王都から取り寄せた、水魔法で調合した妊娠検査薬を使った結果。
ルイズは正式に、ラ・ヴァリエールの次期当主となったのである。
そして、二人の結婚式はルイズが安定期に入ってから執り行う、とヴァリエール公爵は決定した。
しかし。
その結婚式が、とんでもないものになろうとは────────。
毎晩ベッドでいちゃつく二人には、予想だにつかなかったのである。〜fin