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Last-modified: 2008-12-19 (金) 00:01:42 (5606d)

才人が景品として王宮に連れ去られて四日目の朝。
トリステイン魔法学院の女子寮の一室では、制服姿のルイズが引き出しから何か細くて長いものを取り出していた。

「うふ。うふふふふふふふ…」

黒くて長いそれを、ふゅん、と鞭のようにしならせる。
そして、朗々と詠唱に入る。
最近、ルイズは一つ発見をした。
魔力というものは、充填しておけるのだ。
それを応用したのが、マジックアイテムを作る際に使われる、付与魔術である。
それは、虚無の魔力とて例外ではない。
普段、才人に対し振るわれるルイズの虚無も、実はそうした付与魔術によるものであった。
ただ、本人が自覚せずに魔力を充填していただけである。
黒く細く長い杖に、ルイズの虚無が充填される。
そう、今行っているこれは、彼女自身の意思に拠るもの。
その威力は、無意識に行われていた魔力の充填とは比べ物にならない。
普段の犬のお仕置き用エクスプロージョンを打ち上げ花火とするなら、今充填されている魔力は地震実験用のダイナマイト並みの威力があった。

「うふふふふふふ…。ふふ…」

ぱしぱしと放電していた杖が、元の様を取り戻していく。
魔力が消失したのではない。杖の中枢に、ルイズの虚無が納まったのだ。
それを確認したルイズは、その杖を、制服のスカートをたくし上げ、太股に巻かれたホルダーに刺す。
そこには既に、三本の杖が納まっていた。
そして、空のホルダーは右に二本、左に五本。
計十本の杖を、スカートの中に隠す事が可能だった。
そして。
引き出しの中には、残り八本の杖が。

「うふ。うふ。うふふふふ。ふふ…!」

嫉妬と独占欲を源とする彼女の魔力は、今、かつてないほどに膨れ上がっていた。
そう。
王都から聞こえてくる、『トリステインの盾』と『純白の女王』の噂を耳にして。
噂に曰く。

平民出の英雄が、トリステインの女王の結婚相手らしい。
公式の行事で、女王をエスコートする英雄を、何人もの貴族が目にしているのがその証拠。
そして、二人の仲を、枢機卿までが認めているということ。

「うふ。うふ。うふ。うふふふふふふふふふふふ!」

笑顔とは裏腹に、ルイズの声はドス黒く染まり、頬は歪に歪んでいた。
新しい杖に込められた虚無が、収束していく。
アルビオンの軍を退けたほどの虚無が、四本目の杖に充填された。
そこへ、黒髪のメイドがやってくる。

「ミス・ヴァリエール、ご注文の品、できましたよ♪」

そう言ったシエスタの満面の笑顔はしかし、全く笑っていないその目によって深遠の淵を思わせた。
彼女の持ってきたのは、大きなバスケット。
その中には、彼女の手料理が入っている。

「タルブ伝統の最悪の喰い合わせ…。
 ヌメリ魚とホロの実の塩漬けです♪」

単体で食べればとても美味な二品だったが、同時に食すと、とんでもない腹痛と吐き気に襲われるという、タルブでは禁忌とされている組み合わせだった。
普通にこの二品を組み合わせて供する事はないが、方やメインも張れる脂の乗った魚、方や付け合せの漬物、といった体なので、ぱっと見普通に見える。
ルイズはその品をどうするつもりなのか。

「よくやったわシエスタ。
 …きっと、女王陛下も満足なさるでしょうね…。ふふ、ふふふふふふふ…。
 さあ、行くわよ王都へ」
「はい♪」

計略によって、愛する人を攫われた二人は、王都に向かうつもりだった。
才人を攫った本人…アンリエッタから、才人を取り戻すために。

その日、才人は謁見の間で女王の警護をしていた。
女王の今日の公務は、昼まで各地の貴族との謁見で、その後は書類整理のみで大した仕事は入っていない。
そして、今朝の女王の言葉。

『今日の公務が終わったら、この間の続きをしましょうね』

その言葉を励みに、才人は張り切っていた。
なんせ、この二日の間、さんざん焦らされていたのである。
今日こそ、アンリエッタをベッドの上で調理できるかと思うと、滾って仕方のない才人であった。
そんな風に、才人が若い情熱を滾らせていると。

「陛下。よろしいですか」

謁見の間は王宮全体の警備を任されているアニエスが、謁見の隙間を縫って女王の脇に立つ。
アニエスは女王の耳元で何事か囁く。
アンリエッタはアニエスの言葉に一瞬驚いた顔をしたが、すぐに元の優しい笑顔に戻ると。

「分かりました。すぐに通してあげて。
 ラ・フォルテ卿には、灌漑用水の件、できる限り支援する旨を伝えてお帰り頂いてください」
「は。委細承りました」

どうやら、大事な人物の謁見のようだ。最後に控えていた地方貴族の嘆願にGOサインを出し、女王はその来客を謁見の間に通すように言った。
アニエスが謁見の間から出て行くと、才人は傍らの女王に問うた。

「ずいぶん偉い人が来るみたいっすね?飛び入りの謁見を割り込ませるなんて」

才人の疑問に、アンリエッタはこれ以上ないほど嬉しそうな笑顔で、才人を見上げて言った。

「いいえ、偉くはないですわ。でも、女王直属の女官が火急の用件で謁見したいというものですから」

その言葉に、才人は固まった。

「え。まさか」

固まる才人を気にも留めず、アンリエッタは次の間に控えるその賓客を、呼んだ。

「お入りなさい。
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

謁見の間の入り口に、桃色がかったブロンドの、背の低い少女が姿を現す。
貴族の証である家紋の入ったマントを羽織り、静々と謁見の間の中央に出る。
その後に、黒髪でメイド服姿の少女が手に大きなバスケットを持ち、続く。
才人は真っ青な顔で、口を『い』の形にしたまま、固まっていた。
謁見の間に現れたのは、言わずと知れた才人のご主人様とメイド。
ルイズとシエスタであった。
二人が何をしに来たのか、だいたい想像のついている才人は恐怖のあまりガクブルする。
逃げないと。俺死ぬ。コロサレル。
しかし、今は公務の真っ最中。しかも衆人環視の前である。才人は気丈にもその場に留まった。
恐怖で半分気絶しそうになっていたが。
そして。
桃色の魔王が、口を開く。

「女王陛下におかれましてはご機嫌麗しゅう。
 本日は、陛下にお願いがあってまいりました」

あまりに完璧な所作で頭を垂れるルイズ。
アンリエッタはそんなルイズに満面の笑みで応える。

「言って御覧なさい。可能な限り、その願い聞き届けましょう」

女王の言葉に、ルイズは顔を上げる。
二人の視線が見事にかち合う。
その瞬間。
才人は、謁見の間に風速四十メートルの台風がやってきたのではないかと錯覚した。
二人の視線は、まさに死線となり、気の弱い人間なら射殺せるほどの殺気に満ちていた。

…人の使い魔に手ぇ出してタダですむと思うなよこのうんこわたあめ…!
…女王の覚悟、その平坦な胸で受けきれるかしら?脳髄まで桃色のルイズ・フランソワーズ?

視線だけで行われる死闘に、才人は呼吸すらままならなくなる。
二人のただならぬ雰囲気を察したのか、謁見の間の各所に控える近衛騎士たちが、剣の柄に手をかける。
しかし。
次の瞬間、二人の間に満ちていた殺気が、きれいさっぱり消えて失せた
ルイズは突然少女の顔に戻ると、ほ、と顔を赤らめ、アンリエッタに言った。

「いえ、その、あのう…この場では、少し、恥ずかしくて。
 できれば、女王陛下のお部屋でお話したく」
「あら、乙女の相談事ですか?ルイズ・フランソワーズ?
 わかりました、私のお部屋でお話を伺いましょう。
 よろしいですかマザリーニ卿?」

まるで妹の相談事を受ける姉のような笑顔で、アンリエッタは傍らに控えるマザリーニに問うた。
その笑顔は慈愛に満ち、白の女王の名を関するに相応しいものだった。
表面上は。
マザリーニは女王に言う。

「…わかりました。書類の方は私のほうで処理しておきましょう」

今日の書類は主に王に対する嘆願書。内容の検分だけなら、マザリーニに任せても問題はない。
女王はマザリーニの言葉を聴くと、玉座を立つ。
そして、玉座の前で畏まるルイズに、手を差し伸べる。

「では、参りましょうかルイズ・フランソワーズ。
 ふふ、どんな可愛らしいお願い事なのかしらね?ルイズ?」
「いやですわ女王陛下ってば」

二人はまるで無二の親友のように寄り添い、談笑しながら、謁見の間を出て行く。
その後ろに、シエスタが続いた。
三人が出て行く直前、マザリーニが胸をなでおろす才人の肩を叩いた。
無事に済んだ、と安堵していた才人に、マザリーニは言った。

「何をしている。お前も行くんだ」
「へ?」
「たとえ親友との会談とはいえ、お前は女王直轄の近衛だろう。
 女王陛下が言われない限り、お傍を離れてはならんのだぞ」

え、マジッスカ、それ全力で修羅場フラグっすよ、王宮消えてなくなるっすよ、と才人は視線で訴えたが。

「何、心配するな。あのミス・ヴァリエールの様子だとお前と陛下の婚約を祝いにきたのだろうよ。
 あのメイドの持っている荷物はさしずめ祝いの品か?いい主人を持ったな、シュヴァリエ・サイト」

全力で勘違いをしているマザリーニに、その視線に篭められたメッセージは伝わるはずもなく。
才人は泣きそうになりながら、かなり遅れて三人の後を追ったのだった。

そして。
先に三人の入った女王の寝室のドアを、才人はノックする。

『どうぞ』

アンリエッタの声が応え、才人は中に入る。
女王が眠るにはあまりに質素な寝室の中では。
ルイズとシエスタが床に仰向けに倒れていた。
よく見ると、ぐっすりと眠っている様子だ。
どうやら、争いごとになる前に女王が得意の水魔法で眠らせたらしい。
荒事にならずにほっと才人は胸を撫で下ろしたが。
すぐに気づく。

「どーするんすか。コレ二人起きたら王宮が消し飛びますよ」
「そうみたいですわね。この子ったら、こんなに虚無の魔力を充填した杖を準備してるみたいだし」

アンリエッタはそう言ってルイズのスカートをめくる。
白い飾り気のないショーツとともに、その太ももにくくりつけられた十本の杖が露になる。
アンリエッタはその杖をホルダーごと外してしまうと、鏡台の引き出しに仕舞い込む。
これで、引き出しを開けられない限りルイズの企みは意味を成さなくなった。

「それに、この『お土産』もとんでもない食わせ物ですし」

言ってアンリエッタはベッド脇の円卓の上に置かれたバスケットを開ける。
その中には、旨そうな匂いをたてる蒲焼の魚と、添え物として何か真っ赤な実の漬物。
アンリエッタは続ける。

「ヌメリ魚にホロの実の漬物。それぞれ、単品では非常に美味しい珍味ですわ。
 でも、一緒に食べると酷くお腹を下してしまいます。
 …私も、お料理についてはお勉強しましたからね。タルブ名物についても、かなり」

うなぎと梅干みたいなもんか、と才人は納得する。
そんな才人に、アンリエッタは悪戯っぽく言った。

「サイト様が私がお腹を下すところをご覧になりたいのなら、食べてもよろしいですけど。
 どうされます?」

何を言い出すのかこのわたあめは。

「い、いいですよ!俺そんなへんたいさんじゃないっすよ!」
「あら。そうなんですか?そういうのもお好きなのじゃないかと。
 …人前で裸でおしっこさせるようなお方ですし」
「…ひょっとしてアレまだ根に持ってる?」

才人の疑問に、アンリエッタは『うふふ、どうかしら』と誤魔化し、そして、続けた。

「さて。確かに起きたら暴れそうですわね、この子たち。
 暴れられてもコトですから…サイト様?」
「何ですか?」
「少し、血をくださいな。私に、いーい考えがあります。
 それにサイト様も、お預けされて溜まっておいででしょ?」

満面の、何か黒いものを湛えた女王の笑みに、才人は尋ねた。

「…何企んでるんですか」
「うふふ。いいコト。と〜っても、いいコトですわ…♪」

言って女王は二人のライバルを見下ろす。
その瞳は、淫靡に光り輝いていた。

「起きてください、ミス!ミス・ヴァリエール!」

ルイズの目が覚めたのは、耳慣れたともだちの声によって。

「う、うう〜ん…」

女王の魔法による眠りの目覚めは重かった。
水魔法、『眠りの霧』による眠りとは、質が違っていた。
魔法によって眠り薬に変質した空気中の水分を吸い込ませ、眠りに誘うのが『眠りの霧』。
しかし女王のそれは違っていた。
相手に接触する必要はあったが、相手の血液の一部を直接眠り薬に変質させる事で、相手をより深く、一瞬で昏倒させる。
それが女王の『眠りの魔法』だった。
重い頭を振りながら、ルイズはキングサイズのベッドの上で目を醒ます。
周囲を見渡してみる。
そこは女王の寝室ではなかった。
まず目に付いたのは部屋の暗さ。
小さなランタン数個で照らされる部屋の中は、目を凝らさなければ部屋の隅の調度が見えないほど。
そして、その暗さを作っている原因。それは。
この部屋には窓がなかったのである。そもそも外界とこの部屋を隔てているのは一枚の古びた扉だけだった。

「ここ…どこ?」
「さあ…王宮内のどこかじゃないでしょうか」

ルイズの質問に、シエスタの回答は要領をえない。
それもそうだ。彼女も、目が覚めたらここにいたのだ。
しかも、二人は普通の格好ではない。
二人とも、揃いの白いスケスケのネグリジェに着替えさせられ、やたら面積の小さなショーツを履いて、ベッドの上に寝かされていたのである。
それをした犯人はただ一人。
二人に魔法をかけ、眠らせたメイジ。

「あんのクソわたあめ…!何企んでるのよ…!」

悔しそうにそう吐き捨てるルイズを、シエスタは見つめる。
二人の脳裏には同じ名前と容姿が浮かんでいた。
アンリエッタ女王。

「そんなクソわたあめなんて…せめて腹黒女王にしてあげましょうよ」

さらりとそう言ってのけるシエスタ。
二人の言の葉に、国王に対する忠誠心は欠片もない。
あるのはただ、自分達に罠を仕掛けた恋敵に対する怨嗟のみ。

「…あんまりな物言いですわね・・・」

その言葉と同時に、古びた扉が音を立てて開く。
そこに居たのは。
二人によく似た白い薄絹を身に纏う、トリステインの白き女王。
アンリエッタだった。
即座にルイズがベッドから飛び降り、アンリエッタに詰め寄る。

「また今度は何を企んでるのよ!サイトを返しなさいよ!」

女王の胸倉をひっつかみ、才人を返せと訴える。
しかし女王はどんなに詰め寄られても薄ら笑いを浮かべたままだ。
そんな二人に、シエスタが近寄ってくる。

「ダメですよミス。ちゃんと首を絞めないと。ね?」

にっこり笑ってさらりととんでもない事を言い放つシエスタ。
どうやらシエスタも相当おかんむりのようである。

「何も、企んではいません。ただ少し…お二人に協力していただきたくて」

ルイズに胸倉を捕まれたまま、アンリエッタはいけしゃあしゃあとそう言ってのける。

「あによ!アンタのする事になんかこれっぽちも協力する気なんかないわよ!」

貴族とは思えない台詞を仕えるべき王に向かって吐くルイズ。
アンリエッタはようやく、ルイズの腕を振りほどく。

「コレを見ても…そんな事が言えます?」

そう言ってアンリエッタは開いた扉の外に向かって手招きをする。
すると。
そこから、上半身裸の、簡素な茶色いズボンだけを履いた、黒髪の少年が現れた。

「サイトっ?」
「サイトさん!?」

二人は驚いた。
まさか、女王がこんな素直に才人を返すとは。
だがしかし。
アンリエッタははなっから才人を返すつもりはなかったのである。
次の瞬間、二人の目が点になった。

「協力していただきたいこと、というのはですね」

女王の言葉に合せるように。
『二人目の』才人が部屋に入ってきた。

「え?サイトさんが二人?」

驚くシエスタにアンリエッタは続ける。

「実はちょっと…スキルニルの取り扱いを誤りまして…」

続けた女王の言葉に合せ、三人目、四人目が現れる。
そして。
合計五人の才人が、その部屋に勢ぞろいした。

「ほんとはね?二人に増やすつもりだったんです。
 でもちょっと手元が狂って、箱に入れておいた全部にサイト様の血がかかっちゃって…えへ」

可愛らしく舌をぺろ、と出して誤魔化すアンリエッタ。
その仕草はその年齢相応に愛らしかった。
魔法人形、スキルニル。血を吸った相手と寸分違わぬ姿に化けられるその魔法人形を、アンリエッタはちょっとアブノーマルなプレイに使うつもりだったのである。

「なにやってんのよ…」

呆れたようにそう言うルイズ。
だが彼女は肝心な事に気付いていない。
それに気付いたのはシエスタだった。

「あ、あのーう…?サイトさんの目がものすごっくヤバげなカンジなんですけども」

スキルニルは化けた相手の状態をコピーし、支配したメイジの命令を忠実に守る。
その才人に化けたスキルニル達は、目の前のあられもない格好の少女達に、発情した視線を送り、息を荒げていた。
ぶっちゃけ発情犬モードであった。

「本当は私のほうで制御できるはずなんですけども…ちょっと、なんていうか、おあずけしすぎたみたいで…。
 ぜっんぜんいう事きいてくれないんです」

才人はさんざんアンリエッタにおあずけを喰ったせいで溜まりに溜まっていた。
その滾る青い情熱が、アンリエッタの支配を跳ね除けたのである。
さすがは伝説のガンダールヴ。

「今も、その、襲われそうになって…。
 二人連れてくるからガマンしてって言って納めてもらうのがやっとで…」

よく見ると五人とも、限界までフル勃起である。
今にも襲い掛かってきそうな五人の才人のうち一人が言った。

「い、いやまあ流石に俺も五対一とかってなんか集団レイプみたいでイヤだからさ。
 と、とりあえず二人加わればなんとかなるかなぁって」

言いながらもその息は荒い。
正直、目の前の三種類の肌も露な薄着の女の子達に、理性を保つのがやっとであった。

「まあ、そういうわけですから。
 お二人とも、お好きな数のサイト様のお相手をして頂きたいんですけど」

困ったような顔で、アンリエッタは改めて二人にお願いをする。

何この展開。

半分呆れて話を聞いていたルイズだったが、ちょっと考えてみた。

…複数のサイトにめちゃめちゃにされるのかぁ…。

きっと、発情した才人はルイズの身体中の穴という穴を犯し、入りきれないほどの精液をルイズにぶちまけるだろう。

…ちょ、ちょっといいかも。

ちょっと考えた結果、ルイズはアンリエッタの提案に乗ることにする。

「しょ、しょうがないわね。乗ってあげるわよ」
「え、み、ミス・ヴァリエール?本気ですかっ?」
「な、なによ、しょうがないでしょ?だ、駄犬が増えちゃったんだもの、ほっとくと何人の女の子が襲われるかわかったもんじゃないわ」

真っ赤な顔でそう言いながら、ルイズは自分に言い訳する。

そうよ。犬の性欲処理をしないと、またどっから女ひっぱってくるかわかんないんだし…!

それまで渋っていたシエスタも、そんなルイズの態度に女王の提案の肯定に傾く。

「ミス・ヴァリエールがそうおっしゃるんなら…」
「でしょ?しょうがないでしょ?増えちゃったんだし!あのバカチンポどうにかしないとなんだし!」
「…なんか言い訳くさいですミス・ヴァリエール」

二人のそんな掛け合いを見守っていたアンリエッタが、不意にぱん、と拍手を打つ。

「はいそのへんで。
 そろそろサイトさまが限界くさいので、お相手していただける人数を仰って」

そのアンリエッタの後ろでは、既に吐息のかかる距離まで才人たちが接近していた。
耳元で聞こえるはぁはぁという獣じみた声に、アンリエッタの美麗な眉がひくついていた。
二人はごく、と息を呑んで、そして見つめあう。
そして。
せーの、で息を合わせ、同時に言った。

「せ、せっかくですから。お一人頂きますっ」
「しょ、しょうがなわよね。さ、さんに…ってえ?シエスタ一人なのっ?」

てっきり二・三で二人占めにして、とか思っていたルイズだったのだが。

「…あのぅ、ミス?さすがに三人は欲張りすぎですよ」
「…ルイズ。さすがの私も引いたわ。三人同時とかどんだけへんたいさんなのあなた」
「え、ちょっと待って?いやいまの自然な流れじゃないのっ?」

慌てるルイズに、二人は呆れたような視線を送ると、両端の二人の才人の手を引いて、いそいそとベッドに向かった。

「ちょっ、なによ、せっかく増えたんじゃないのっ。
 こら、二人とも話きけっての、誰がへんたいさんだ、待って、言い訳させてっ」

あわあわと腕を振って慌てるルイズだったが。
そのルイズの腕を、二人の才人ががっしりと掴んだ。
そして、余った一人がルイズの顎をつまみ、その瞳を覗き込んだ。
それだけで、ルイズの目がとろんと夢心地になる。
心臓がとくんとくんと早鐘のように鳴り出し、今から訪れる背徳の瞬間に文字通り胸が躍る。

あ、やば、私、メチャクチャ期待してる…かも…。

「それじゃあ、ルイズ」
「あ、あによ」

才人の言葉に、ついいつもの調子で応えてしまうルイズ。
そんなルイズに、才人は彼女の期待通りの言葉をかけたのだった。

「メチャクチャにしてやるよ、望み通り」

つきゅん。

ルイズの心臓に、背徳と言う名のマイナスの電流が流れた。

「ば、ばか、そんなメチャクチャにしろって言ってな、あ、こら脱がすな、や、耳だめ両方からとかだめぇ!」

一応抵抗はしてみせるものの。
ほとんど手間を取らさずにルイズは全裸にされ、床の上に押し倒されたのだった。

先にベッドを占領されてしまったため、シエスタは部屋の隅にあった大きなソファに腰掛けた。
その前に、股間をはち切れんばかりに膨らませた才人が立つ。

「あは。もうこんなになってますね」

嬉しそうにそう言って、シエスタは才人の前を撫で上げる。
う、とその刺激に呻いた才人は、そのままの勢いでズボンを引き摺り下ろそうとしたシエスタを肩を掴んで止める。

「ちょ、ちょいまちシエスタ!」
「え?なんですか?」

折角ギンギンのうまい棒を丸飲みしようとしていたところだったのに、興をそがれてシエスタの眉が曇る。
そんなシエスタに、才人は続けた。

「今日はご奉仕ナシ。全部俺がするから。いい?」

意外な申し出に、シエスタは目を点にする。

「え?なんでですか?サイトさんご奉仕されるの好きでしょ?」
「いやまあたしかにそうだけどさ。でもなんつうか…さんざん焦らされてさ。
 今日は俺が攻めたい気分なのよ」

言いながらズボンを下ろし、ソファの上に掛けるシエスタに覆いかぶさる。
シエスタは少し戸惑ったが。

「じゃあ…サイトさんの好きにしてください♪」

笑顔でそう応えた。
才人はシエスタの肯定を受け取ると、そのまま欲求に任せて唇を奪う。
まるで茹でたての卵のような、滑らかさと弾力を兼ね備えた唇を堪能する。
その隙間から、粘液で覆われた柔らかい肉の塊が才人の口の中に入り込んでくる。
シエスタの舌だ。
才人はそのまま自分の舌をシエスタのそれに絡める。
まるで別の生き物のように、舌と舌同士が絡み合い、互いの口腔内で暴れまわる。
その刺激に、唾液が唇から溢れ出し、お互いの顎を、頬を汚していく。
お互いの口内を犯しあう間、才人はそっとシエスタのネグリジェをたくし上げていく。
完全にシエスタの胸を露にすると、キスをしたままその豊満な胸を揉み解す。
強い刺激にシエスタの舌の勢いが弱くなる。
才人は好機ととってか、そのままシエスタの中に己の舌を押し込んでいく。

「ふぐ!?」

互いを愛撫しあっていた状態から、一方的に犯される状態になって、シエスタは目を丸くする。
シエスタは、本当は奉仕するのが好きなのではなかった。
奉仕するふりで、才人を責めるのが好きだったのだ。
しかし今、その立場は完全に逆転していた。
才人の唾液を流し込まれ、口内を蹂躙される。
柔らかい胸をこねるように揉まれ、乳首を押しつぶされる。
そして。
才人の指が、どろどろに濡れたショーツにかかる。
そのままショーツを引きのばし、才人は己をシエスタの牝の裂け目に押し当てる。
シエスタが脚を閉じる間もなく、才人は一気にシエスタを奥まで犯す。

「ふぅーーーーーーーーっ?」

唇を塞がれたまま、シエスタの唇から喘ぎが漏れる。
そのまま才人は、激しく腰を使い始める。
軽く濡れていただけの肉穴は、最後の抵抗を襲い掛かる肉棒に対し、試みる。
しかし理性のタガの外れた野獣は、少々の肉の摩擦など全く意に介さず、膣道を削り続ける。
被さる雄の暴虐に、牝はやがて生理的な反応を示す。
粘膜を守るため、粘液を分泌し始めたのである。
それがさらに、才人の陵辱を加速させていく事になる。
ぐちゃぐちゃぐちゃと、リズミカルに、淫靡に、シエスタの股間が鳴る。
その間も、口内を舌で犯され、唾液を啜られ、唾液を流し込まれる。
そして胸を蹂躙され、快楽を上乗せされていく。

「ふぅっ、ふぐっ!」

息苦しさがさらに陵辱感を押し上げ、シエスタの膣は才人をより一層喰い締める。
そして。

ぐに!

「──────────!!」

激しく最奥を突かれた瞬間。
シエスタは、最初の絶頂に押し上げられたのだった。

シエスタが才人に陵辱されている間。
ルイズは、三人の才人にとんでもない責めを受けていた。

「やぁ、らめ、らめぇ」

ルイズは全裸に剥かれ、拘束されていた。
元々捕虜を監禁、拷問する用途で作られたこの隠し部屋には、様々な拘束具が部屋に埋め込まれている。
っしてそれらの拘束具は、女王が自らの騎士との行為の際に使うよう、いくつかが新調され、いまだもって現役であった。
そのうちの一つ、床に備え付けられた歪な台の上に、ルイズは拘束されていた。
それは、上に丸い板を渡され、普段は小さな円卓にカモフラージュされている。
しかしその丸い板を取り払うと、長方形に並んだ鉄製の四本の脚と、そのそれぞれの間に渡された四本の鉄棒と、短い辺同士を結ぶ細い木の棒に分けられていた。
その四本の脚の天辺には、同じく鉄で出来た小さな滑車がはめ込まれている。その滑車には、鉄製のワイヤーがかまされ、その先にある皮製の輪に繋がっていた。
ルイズは背中をその木の棒に預けさせられ、両肘の少し上、両太股の中ほどを革の輪で拘束され、鉄で出来た拘束具に繋ぎとめられていた。
三人同時に与えられる快楽にあっというまに達してしまったルイズを、三人がかりでこの拘束具に繋いだのである。
そんなルイズの全身を、三人の才人が執拗に陵辱していた。
うち一人は長方形の下辺からはみ出た臀部を割り開き、肛門を嘗め回していた。
うち一人はその上で、とろとろと愛液を零すルイズの女陰を嘗め回していた。
残りの一人は、ルイズの脇に陣取り、その平坦な胸板を嘗め回していた。
愛する人の分身に、三箇所の性感帯を同時に責められ、ルイズは何度も達していた。

「ひ!く!いくぅっ!」

ルイズの宣言と共に彼女の体が跳ね、がちゃがちゃと拘束具が鳴り、びくん、と腰が跳ねる。
それと同時に股間からぴしゅっ、と可愛らしい潮を吹き、ルイズは何度目かの絶頂に達する。

「も、やめ、こんなの、やらぁ…」

ルイズは、他の誰よりも『普通に』愛されるのが好きである。
前から抱かれ、唇を塞がれ、お互いの名を呼びあいながら甘い時間に融けていくのがルイズの最も好きなセックスである。
こんなふうに、拘束され、無理矢理絶頂させられるのは、彼女の好みではない。
しかし。

ぺろ。

「ひう!」

肛門を再び舐めあげられ、ルイズの喉が踊る。

やあ…キモチイイ…っ!

ルイズの身体は、確かに快感を得ていた。
理性は否定しても、熱く疼く牝の芯が、四肢の先端まで快楽の電流を走らせる。
嫌なはずの行為に、快感を得てしまう身体に戸惑うが、その原因は自分でも分かっていた。
相手が才人だからである。
才人にされることで、キモチイイことならなんでも受け入れてしまうように、ルイズは知らず知らずのうちに順応してしまっていたのである。

やなのに…!やなのにぃ…!

必死に奥歯を噛み締め、与えられる快楽を否定する。
しかし、結局それは無駄な努力に終わる。
才人の歯と指が、硬くしこり勃った両の乳首を押しつぶす。
才人の指が、ルイズの陰核を剥きあげ、唾液に濡れた唇で優しく愛撫する。
才人の舌が、彼の両手で割り開かれた肛門に侵入する。

「ひゃぁ!」

快楽を与えられ硬くしこったルイズの乳首は今、才人の指にこね回され、歯で軽く甘噛みされていた。
淫欲に染まった血液の流れ込んだそこは、硬く勃起しており、確かな弾力をもってルイズの快感を表現している。
指で包皮を剥かれ、ぷるんと外気に晒されたルイズの陰核は、才人の唇に優しく咥えられ、こね回されていた。
普段包皮に包まれ保護されている快楽の中枢を優しく愛され、ルイズの腰の奥で稲妻がはじける。
すっかり快楽に解きほぐされたルイズの肛門は柔らかく、簡単に才人の侵入を許してしまっていた。
そのまま、襞の隅々まで舐めあげられ、ルイズの直腸はまるでそこが性器であるかのようにひくつきはじめている。
三箇所を同時に責められ、ルイズの意識は混乱する。
抵抗しなきゃいけないのに、どこに抵抗すればいいのか分からない。

「ちょ、ど、どこなめてっ…ひ!や、だめだめだめっ、全部だめぇっ!
 そんなしたらまたいっちゃ…あぁぁあぁぁぁぁぁっぁ!!」

再びルイズの腰がびくん!と盛大に跳ね上がり、身体中からくたん、と力が抜ける。
そして。

ぷしゃあああ…。

完全に気を失ったルイズの股間から、膀胱に溜まった尿が溢れ出す。
三人の才人たちは気絶させたルイズの拘束を外す。
そして、うち一人が脱力したルイズを抱え上げ、床の上に寝転がると。
本人の意思とは関係なく、愛撫によってぱっくりと開いた肛門に、いきり立った剛直を押し当てた。
脱力しきったルイズの肛門は、ぱく、と才人の先端をまるで彼女の唇がそうするように牡の先端に食いついた。

「あ…?」

その刺激に、ルイズの喉が鳴る。
しかし意識は快楽の電流に焼き切れたまま。刺激による脊髄反射であった。
床に寝転がった才人は、そのまま剛直をルイズの中に差し込んでいく。
すっかりほぐされたルイズの肛門は、むりむりと音をたてながら才人の竿を飲み込んでいった。

「…あ?って、何、なにぃぃぃぃぃっ?」

その刺激に、覚醒したルイズが声をあげた。
と同時に、括約筋がきゅうっとすぼまり、才人を喰い締める。そのせいで、ルイズは熱く滾る才人のカタチを、よりはっきり意識してしまう羽目になる。
ルイズ自身のの体重で深く深く差し込まれた肉棒は、直腸からルイズの子宮の裏側を押し込んでいた。

「くっ、ルイズ、んな締めんなよ…!」
「やっ、ばかいぬっ、どこ入れてんのよぅ!や、だめ、動いちゃだめっ。
 なんかきちゃうからだめぇ!」

子宮を裏側からノックされ、腸を削られ、ルイズは肛門で達しようとしていた。
しかし、この程度で済むはずもなく。

「ルイズ、三人指名したの、忘れてないか?」
「ふ、ふぇ?あ、なに?」

不意にルイズの目の前が暗くなった。
才人の上で肛門を貫かれるルイズの前に、もうひとりの才人が、立ち塞がっていた。
そして。
ルイズの意識は、さらなる快感で掻き乱されることになる。
愛液と尿でグチャグチャになったルイズの女陰を、もうひとりの才人が貫いた。
あまりにもあっさりと、才人の剛直は奥までルイズを貫く。
先だって差し込まれていたもう一本が、ルイズの内壁と、子宮を圧迫する。

「や、は、くるひっ、子宮つぶれりゅっ、くちゃくちゃになっちゃうっ!」

空気を求め、ルイズの口がはくはくと開く。
その頭を、がっしりと掴む手。
無理矢理横を向かされたルイズの目に、そそり立つ才人の肉棒が目に入る。

「まだ一人残ってるって、忘れてない?」
「ひ、も、もうむりぐぅっ?」

ぱっくりと開いたルイズの口に、才人の剛直が押し込まれる。
才人は乱暴にルイズの口を犯す。
口を、肛門を、女陰を同時に犯され、ルイズの意識が朦朧とし始める。
しかし、才人たちの暴虐で送り込まれる負の快楽の電流が、飛びそうになる意識を無理矢理繋ぎとめる。
揺さぶられる子宮に何度も軽い絶頂を覚える。その度に、どんどん子宮が深い場所に堕ちていく感覚がルイズを襲う。

「むぐぅ、む、ぐぅぅぅっ!」

そして、深淵の底まで堕ちた瞬間。
ルイズの身体が、まるで進入してくる才人たちを抱きしめるように、絡みつく。
舌が肉棒に絡みつき、無意識に先端を吸い上げる。
括約筋が根元に噛み付き、直腸が蠢いて吸い上げる。
膣口がぎゅっと竿を抱きしめ、膣道が細かく蠕動し、子宮口が亀頭に喰らい付く。

「くっ、ルイズっ…!」

三人が同時にルイズの名を呼び、そして。

どくどくどくどくどく!

一足先に深淵に堕ち、意識を手放したルイズの中に、大量の精液が注ぎ込まれたのだった。

ルイズが三人の才人に責めあげられている間、シエスタはたった一人の才人を責めていた。
射精し、一息ついた才人を押し倒し、その柔らかい胸で才人を挟みこんだのである。

「ちょ、シエスタ、今日はご奉仕なしって言ったじゃんかっ」
「うーふーふー。だーめーでーすっ。
 私はサイトさんのメイドなんですから、ご奉仕は義務なんですよ♪」

言いながらぐにぐにと胸の谷間の中で才人を犯す。

「ほら、サイトさんの大好きなおっぱいですよー。
 ほーら、ほーら」

胸を両側から押さえ、才人の肉棒を変幻自在に変形する肉の隙間で刺激していく。

「ちょ、だめだってシエスタ、けっこうソレ痛いんだって!」
「痛いのもイイんでしょ?こーの、へんたいさん♪
 ほらほら、揉むぜ〜。超揉むぜ〜♪」

むにむにと、容赦なく才人を胸の柔肉で揉みあげる。

「くぁ、だ、だめだあっ!」

どくどくどくどく!

シエスタの胸の中で果てる才人。そのまま萎えていく才人。
しかし、シエスタは才人を逃がさない。
胸から才人を開放し、今度は口で咥えこむ。

「ちょ、休ませてよシエスタっ?」
「はにひってるんれふは、ほほはらはいいほこれふよ〜」

今日は徹底的に才人を搾り取るつもりの、シエスタであった。

そしてその頃、ベッドの奥に陣取ったアンリエッタは。
才人と向かい合って抱き合い、繋がっていた。
だが一切動かずに、お互いの身体を愛撫しあっていた。
この方法を提案したのはアンリエッタ。以前、安宿で行った動かずに愛撫しあう行為を、女王はいたく気に入っていた。
最初、才人はゆっくりとアンリエッタの張りのある胸を揉みしだいていた。
そのうち、行為がエスカレートし、下半身にも手が伸び、今は、胸と女陰を同時に刺激していた。
アンリエッタははじめ、才人の首筋に顔を埋め、その肌に何度もキスをしていた。
だが、そのうちガマンがきかなくなり、直接才人の唇を吸いだした。

「ん、ちゅ、んむ…。やらしいですよ、姫さま…」
「ん、ぷ、はぁ…。ああ、融けてきてます、サイトさまぁ…」

深く深く繋がった部分が、少しずつぐにぐにと蠢き始めていた。
そして、先に音をあげたのはアンリエッタの方。

「あ、あの、サイトさま…。
 も、も、もう、ガマン、できませぬ。う、うごいて、よろしいでしょうか…?」

いいながら、既に腰が蠢き始めているアンリエッタ。
実は、才人の方も限界であった。

「う、うん。お、俺も限界っぽい…」

才人の言葉に、最初に応えたのはアンリエッタの声ではなかった。
膣肉が最初にきゅうきゅうと蠢き、肯定を返したのである。

「あ、やだ、私の中、勝手にうごくぅ…」
「くぁ、い、いきなりだなっ、姫さま…!ナイス淫乱っぷりですよ…!」

そう応えて、才人は。
アンリエッタをそのままベッドに転がし、女王の背中をベッドに押し付け、背中を大きく曲げさせ、腰を浮かせた。
そのまま膝裏に手を押し当て、姿勢を固定させる。

「や、やだっ、こんな格好っ」
「このほうが、姫さまをぐちゃぐちゃにできますからね…!」

嗜虐的な笑みを漏らし、才人はそのまま腰を引き抜く。
ぶちゃぶちゃと溶け合った性器が淫猥な音を響かせる。

「や、やあ!抜けちゃう、私の中、ひきずられてぬけちゃううううう!」

才人の返しに削られる感覚は、アンリエッタに蕩けきった膣肉を引きずり出される錯覚を覚えさせた。
そしてそのまま、才人はどちゅ、と溢れる愛液を押し込みながら、もう一度アンリエッタを奥まで犯す。

「あひ!ひびく、奥まで響いてますぅ!」

その衝撃に子宮どころか内臓までびくびくと震わされ、深い快楽に落ちていくアンリエッタ。
そして、才人は抵抗のほとんどないアンリエッタの膣内を激しく犯し始めた。

「あぁぁぁあぁぁぁ!やら、きちゃう、きちゃうううう!」
「ひ、姫さま、俺も、俺もっ!」

その行為はすぐに限界を迎えた。
互いに限界を伝え合い、震える女王と騎士。
アンリエッタの中に、才人の精液が注がれる。
二人は絶頂の余韻に、そのままくたん、と重なり合ってベッドに倒れる。
まだ、股間は繋がったままだった。
そして。
先に覚醒したのは、アンリエッタの方。
自分の中で徐々に硬さを取り戻し始めた才人に、目が覚めたのである。

「ねえ、サイトさま」
「ん…何?姫さま」
「今度は、私が上になりますわ…。ですから、もう一回…」
「しょ、しょうがねえなあ、この淫乱女王は…」

そして二人は笑い合い、今度は寝転ぶ才人の上にアンリエッタが腰掛けながら、また繋がったまま動かずに愛撫を始めたのだった。

さてその頃。
この隠し部屋の、カーテンで仕切られた、普段は調度を飾っておくべき場所で。
頑丈な木の椅子に縛り付けられ、猿轡をかまされ、ギンギンに股間を勃起させ、血の涙を流す才人がいた。
この才人が、本物の才人である。
アンリエッタは仮にもトライアングルクラスのメイジである。
そのアンリエッタが、スキルニルの支配を失うなど、ありえない話である。
つまりは、先ほどアンリエッタの話していたことは、嘘である。
本物の才人はここで縛られ、三人の行為のあられもない声だけを聞かされ、ただでさえ溜まっている劣情をさらに滾らせていたのである。

なにこのnmgrs?死ねと?俺に死ねというのかッ?神よ!?

必死に暴れるが、アニエスによってぎっちりと締められた縄がほどけるはずもなく。

「や、は、も、もうらめ、らめなんらからぁ…!」
「ほらほら〜。今度はぱふぱふですよー」
「ああ、サイトさま、融けます…これ、いっぱいとけてしまいますぅ…!」

響き渡る淫声に、自慰も許されずただひたすら生殺しに逢う才人であった。

結局才人が開放されたのは、全員が満足しきって、各々の居場所に帰った後。
才人は開放してくれたアンリエッタに襲い掛かり、そのまま水魔法で眠らされる事になったのである。〜つづく

35-656ぼくらの七日間戦争〜四日目


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Last-modified: 2008-12-19 (金) 00:01:42 (5606d)

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