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Last-modified: 2008-12-18 (木) 23:56:48 (5606d)

ティファニアの様子がちょっと尋常ではないことに、タニアは気づいていた。
何を言っても上の空で、生返事しかしない。
原因は分かっていた。
この五日ばかり、学院で目にしなくなった、ティファニアの想い人。
才人がいないのがその原因である。
タニアは、才人とデキちゃってからのティファニアを見ていて気づいたことがある。
ティファニアは、才人と逢わない日が増えてくると、だんだんおかしくなってくるのだ。
ちょっと前までなら、十日くらいまでならそんな兆候もなかったが、最近はちょっとひどい。
まあ二日くらいまでならそわそわする程度で見ていて不自然じゃない。
でも、三日目あたりから鼻息荒く才人を探し始める。
さらに四日目に入ると、ルイズの部屋の前を行ったりきたりを何時間も繰り返す。
そして、今。
半分死人の目で、ティファニアは中庭のベンチで伸びていた。
天を仰ぎ、口を半開きにして、完全に生気の抜けた顔でぼーっとしている。
普段はその美貌とスタイルで男子の視線をほしいままにしているティファニアだったが、その尋常でない陰の気に、今日ばかりは誰一人として声をかけない。
さすがにこのまま放置するのはまずいと思ったタニアは、中庭で伸びるティファニアに声をかけた。

「あのー?お姉ちゃ〜ん?」

しかしまともな返答は返ってこない。
隈のできた顔で中空を見つめ、『あー。うー』とか言っている。
実際に見たことはないが、何かの薬の中毒患者のようだ。
言うなれば『才人依存症:末期』と言った所か。

「おいこら、いい加減マトモに戻れよー!」

ゆっさゆっさと肩をつかんで揺さぶると、凶器に例えられるティファニアの胸が、ばるんばるんと左右に揺れる。
それでもまだティファニアの瞳は中空をさ迷ったまま。
しかし、今度は少し反応が違った。
ティファニアがびくん!と急に背筋を正したのだ。

「あ、やっと気づいたか」

しかしタニアの期待は見事に外れた。
ティファニアはそのまま直立姿勢で不気味ににへらあ、と笑うと、ブツブツ小声で何か言い始めたのだ。

「えへへ…サイトぉ、そんないじわるしちゃやだよぅ…」

ついに幻覚まで見え始めたらしい。

「こらー!起きろー!」

本格的にティファニアの上半身をシェイクすると。

「ほえ?あ、タニア?」

ようやく現実に戻ってきたティファニアは。
何故かむっとして、タニアに言った。

「なによう…せっかくサイトの出てくる夢見てたのに…」
「ええいもー!なにやってんのよこのちちおばけはー!」

わけのわからないいちゃもんをつけるティファニアに対し、タニアは気丈に言ってのけた。

「そんなに弱るくらいまでスキなんだったら、王都まで行っちゃえばいいじゃんさ!
 お兄ちゃんに逢いに!」

しかし、タニアの指摘に、ティファニアはしゅんとなる。

「だってサイトお仕事だもん。
 邪魔したら悪いし…」

そう、ティファニアが才人に逢いに行かないのは、彼が任務で王都に出向いているため。
才人が許可しない限り、この従順なペットは彼のもとへ赴くことはない。
だから、いつ帰ってくるのかと、毎日学院中を徘徊しているのだ。
そんなティファニアにタニアがキレた。

「あーもー!仕事とかどーとか!
 そんなんで自分体おかしくしてたら意味ないじゃん!」

タニアの指摘どおり、ティファニアはここのところの寝不足で物凄く体調が悪そうに見える。
才人に逢えないせいで夜ろくに寝ていないのだ。
…もちろんその長い夜の大半を才人をオカズにしたオナニーで過ごしているせいなのだが。
そんなことは露知らず、タニアは最後の決定的な一言をティファニアに放つ。

「いい、今から準備して逢いにいきなさい!
 そんな状態のお姉ちゃん見たら、絶対お兄ちゃんも許してくれる!私が保証してやるっ!」

どん、と胸を叩き、タニアはそう言ってのけた。
ティファニアは、少し考え込むが。

「考えるな!周りからどー見てもお姉ちゃんはおかしくなってきてるんだから!
 考えないで行動するのっ!」
「そ、そうかなぁ…」

結局、タニアに押し切られ、軽く湯浴みをして身奇麗にすると、王都へと馬を走らせたのだった。

そしてその日、才人は。
仮病で任務を休んでいた。
朝の謁見の間の点検を終えた後、立ちくらみの振りをして柱に倒れ掛かったのだ。
『す、すんません、ちょっと風邪ひいたみたいで』とアニエスに言うと。
『なんだ、だらしのない。仕方ない、今日一日は部屋で休んでいろ』と一日休むことを許可してくれたのである。
ちなみにその後、『なんだったらお姉さんが看病してやろうか?』と続くのだが、その『なんだったら』の辺りでアンリエッタ女王が来てしまい、アニエスの計画は水泡に帰してしまう。
もちろん女王も、アニエスにぶっとい釘をさした後、才人の体調を気にして、一日の休息を許可したのであるが。
これは、才人の計略であった。
さんざん焦らされ、昨日に至っては椅子に縛られさんざん情事を聞かされた挙句の放置プレイである。

もーサイトくんキレました。

才人は今日一日、正しくは明日の公務開始まで、アンリエッタと顔を合わせるつもりはない。
もし女王が部屋に来ても。
一日かけて自慰でヌきまくり、本気で体調不良になってしまえば、立たない息子相手に女王はどうしようもなくなるだろう。
そうして、女王を焦らすつもりなのである。
…なんと幼稚な計画なのだろうか。
しかし才人は本気でその計画を実行に移すつもりだった。
とりあえずゴホゴホ言いながら部屋に戻り、寝巻きに着替えると、ベッドに潜り込む。
そして。

「さー、ヌきまくるぞっと」

なんとも間抜けな台詞を放ち、さー最初のオカズはダレにすっかな、とりあえずお尻で感じてるシャルロットかな、と考えた。
その時。

トントン。

ドアがノックされた。
今の時間、アニエスもアンリエッタも公務の真っ最中である。
では、誰なのだろう?
才人は、誰何の声をあげる。

「はーい、どなたー?」

ドアの外からは、才人の傍仕えを命じられている、メイドの声がした。

『あの、シュヴァリエにお客様です』

誰だろう、そう考える前に。
ドアがばたん!と勢いよく開き。
金色の流れる髪とともに。
宙を跳ねる、巨大なももりんごが才人に襲い掛かってきた。

「え、テファっ?」
「サイトだっ、サイトだっ!
 逢いたかったよサイトぉ!」

そのままの勢いで才人をベッドに押し倒し、ティファニアは久しぶりの主人の胸に顔を埋めたのだった。

胸板に顔を埋めたまま、体中をぐりぐり押し付けてくるティファニアに、寝巻きの才人は正直軽く引いていた。
が、しかし。ぐりぐり押し付けられるももりんごに、息子が反応しはじめる。
さんざん放置プレイを食ったあとのこの攻撃に、才人の体は完全に堕ちていた。
なんとかこびりついた理性にすがり、なんとか才人はティファニアを押し返す。

「ちょ、テファなんでっ?」
「逢いたくなったから、逢いにきちゃった♪」

嬉しそうに笑い、ほほを染めてティファニアは才人に跨ったままそう言う。
そして才人は考える。
さてこの状況、どうしたものか。
一人寂しく抜きまくろうと思っていた矢先の、エロエルフの来襲である。
この状況を利用しないテはない。
そして状況は才人の望んでいる状況になっていく。
ティファニアは、トリステイン魔法学院の制服の、短いスカートから覗く柔肉に当たる、暖かいモノに気づいていた。
だから、あえて気づかない振りで、才人を誘う。
恥じらいを見せつつも期待した眼差し。ティファニアの奥義の書、『夜伽の達人 〜ひと目でわかる殿方の悦ばせ方講習〜』教則三十二、『殿方を誘う目線の作り方』である。

「でね。私ね。ずっと我慢してたから、その、ね?」

もちろん才人はティファニアが気づいていることなど百も承知だ。
だから、先手を打つ。
才人は恥らうふりをしながら視線をそらすティファニアの顎を、軽くつまんで自分のほうを向かせる。
ティファニアは才人の突然の豹変に、思わずきょとんとなる。

「したいんだろ?テファ」
「え、あの」

いきなり図星を突かれ、面食らうティファニア。
しかし、この状況は彼女も望んでいる事だ。
ティファニアは潤んだ瞳で才人を見つめ返す。
そして。

「うん」

期待をこめて、頷いた。
才人はその答えを受け取ると、そっとティファニアを抱き寄せる。

「あ」

ティファニアの喉から思わず漏れる声。
期待に心臓が早鐘のように鳴り響き、無意識に舌が唇を湿らせる。
才人の腕に抱きしめられ、背筋、腕、脚と、力が抜けていく。
才人の抱擁に、ティファニアは半ば反射的に、体中の力を抜くようになっていた。

ちゅ。

唇がふさがれる。
まるでそこから電流が流れたように、ティファニアの神経を電気が走る。
唇をふさがれるだけで体中が歓喜に震え、今まで鳴りを潜めていた雌が疼き始める。
すぐに才人は唇を離し、ティファニアをじっと見つめる。
その指が、ティファニアの制服の胸のボタンにかかる。
ティファニアはもちろん抵抗しない。
才人が一つ一つボタンを外すたび、規格外のティファニアの胸が、内側から制服の薄布を押し返し、ぱつん、ぱつんとボタンが弾けるように外れていく。
やがて、制服の前が完全に外され、ティファニアの胸が露になる。その先端は、彼女の期待で大きく膨らんでいた。
才人の手が、スカートのホックにかかる。あっという間にそれはぱちんと外され、ティファニアはそれを自ら脱ぎさる。
ついでに、股間を覆っている薄い布切れも脱いで、制服の上だけを羽織った格好になると。

「サイトぉ…♪」

甘く鳴いて、ベッドの上の主人に覆いかぶさっていた。
その瞬間。

とんとん。

ノックの音がした。

『おーい、大丈夫かサイトー?』

そして聞こえる、アニエスの声。
風邪をひいた才人を見舞いに、公務の合間を縫ってやってきたのである。

やばいまずい。一応俺風邪で寝込んでるってことになってんのに、こんな事してるってバレたら…!

先ほどまでのやる気もどこへやら。
才人はあわてて、ティファニアを隠す方法を考える。
しかしこの部屋には、人を隠す場所などどこにも…。
あった。
才人は三重に重ねられた毛布と布団をがばぁ、と巻き上げ、空間を作ると。
下半身だけを突っ込んで、ティファニアを手招きした。

「テファっ、ここに隠れて!」
「え?あ、はいっ!」

才人の言うがまま、ティファニアは脚からその隙間にもぐりこんだ。
ティファニアの頭までが、才人の下半身に重なる格好になると。
才人は、布団をがばぁ、とティファニアにかぶせてしまう。
ぱっと見、いつもより余計に布団をかぶっているだけのようになった才人は。

「ごほごほ!あー、どうぞアニエスさんー」

調子の悪いふうを装って、外にいるアニエスに呼びかけたのだった。

…どうやら、サイトは風邪をひいて寝込んでる、ってことになっているらしい。
私は布団の中から、サイトとアニエスさんの話に耳を傾ける。
なるほどー。サイトったら仮病でお仕事ズル休みしてるんだ。
普段まじめなのにな。どうしたんだろ。
私は疑問に思ったけど、そんなことはどうでもいい。
サイトがお仕事休んでるおかげで、できるんだもん。
とりあえず、今日は思いっきり甘えるんだー♪

『で、だ。ほしいものはないかサイト?持ってきてやるぞ』
『い、いいですよそんな気を遣わなくても。寝てれば治りますし!』
『まあまあ遠慮するな。お前と私の仲じゃないか』

…話長いなアニエスさん。
もう薄い詩集くらいなら読み終わるくらいの時間、二人はお話してる。
いよいよこれから、ってところで止められて、サイトに密着してる私は、もうだんだんガマンがきかなくなってきていた。
だって、目の前にサイトがいるし。
このズボンの中身、サイトのおちんちんなんだよ…。
匂いもいっぱいサイトで、もう私どうしていいか…。
あ、だめ、一回考えちゃったらもう…。

「うわひゃうっ?」
「な、ど、どうしたサイト?」
「い、いえなんでも!急に寒気がごほごほ」

才人は脚全体に絡みつく妙にやわらかい感触に、思わず声を上げてしまっていた。
布団の中で、ティファニアが、突然右足に絡み付いてきたのである。
布団の中でさんざん主人の匂いを嗅がされ、理性の吹っ飛んだティファニアが、才人の右足に体をすりすりし始めたのである。
そして。

ぷにゅ。

立てられた右のつま先に当たる、何か湿りけのある柔らかいもの。
付け根に当たるコリコリとした弾力のある感触からすると。

くぉら淫乱エルフ!人のつまさきにおまたスリスリするんじゃありません!

心の中だけでそう叫ぶが、もちろん布団の中で悶えるティファニアには聞こえていない。
ティファニアは布団の中で必死に声だけを殺し、才人の右足に裸体を押し付けて自らを慰めていた。

や、やばい、これ以上動かれたら布団の動きでバレるっ…!

才人はなんとかアニエスを追い返すべく策を練る。

「あ、アニエスさん、そういやありましたほしい物!」
「お、なんだ言ってみろ」
「アニエスさん『魅惑の妖精亭』はごぞんじ…っ、ですよね?」

危なく声が出るところだった。
今度はティファニアは、ズボンの上からでもはっきりとわかるほど膨らんだ前に、頬ずりを始めたのだ。

ええい!少しはガマンなさい!おあずけ!

しかしそんな心の声など聞こえるはずもなく。
一刻を争う事態に、才人はアニエスに言った。

「あそこの、シチュー!ひさびさに食べたいなって!」
「よし、わかった。すぐに行ってもらってこよう」

アニエスは腰を上げ、そして部屋の外へ出て行く。

「じゃあな。おとなしく寝てるんだぞ?」
「ひゃ、ひゃいっ」

最後のアニエスの挨拶に思わず変な声が出たのは、ティファニアがズボンをずりおろして勃起した才人の一物を口に含んだせい。

「こ、こらテファ!」

アニエスの出て行ったのを確認し、才人はふとんをはだけると、自分のナニをもぐもぐと咥えるペットに、文句を言う。
ティファニアは主人の声に顔を上げ、上目遣いに見上げて、言った。

「こんなのガマンできるわけないじゃない。サイトがいけないんだよ」

言い放って、そしてもう一度才人を咥える。
しかし、才人は、そんなティファニアの肩を掴み、起き上がらせると。

「ちょいまち。せっかくだからさ、口じゃなくて…」

言って、才人はすでに濡れそぼったティファニアの股間に手を伸ばす。

にちゃ…。

「やんっ」

ひどく粘り気のある音をたてると同時に、ティファニアの喉が鳴る。

「こっちでしようぜ?テファ」
「う、うん…」

嬉しそうに微笑み、ティファニアは才人の申し出を快諾したのだった。

「あ、あ、いく、いっちゃう、だめ、またいっちゃうっ!」

びくんびくんと派手に震えて、俺の下でテファがたぶん七回目の絶頂を迎える。
そして俺は。

「く、くそ、なんでだっ?」

あとちょっとのところで、逝けないでいた。
なんでだー?あと少しでイケそうなのに、そっから先に行けないぞ?
例えて言うなら、思い出しかけた言葉が喉の奥でつっかえているカンジ。
もうあとちょっと!のもどかしさが俺を襲う。
く、くそー!
俺はいったん休んで原因を考えようとしたが。

「あ、サイト、まだ元気ぃ…」

俺の下でティファニアが嬉しそうににしゃあ、と笑うもんで。
まあ次でいっかあ、とか思ってしまう。
自分の中でビンビンになっている俺のムスコを感じて、腰を動かそうとするけど。
もう二回前から、テファは腰が抜けているみたいで、動けていない。

「ねえ、動いてサイトぉ…もっといっぱいシテぇ…」

く、くそ、なんだこのエロエルフ!誰がこんなになるまで調教しやがったんだ!
俺はたまらず、テファの両足を掴んでまんぐり返し、腰を乱暴に打ちつけ始めた。
テファのお尻の肉と俺の腰がぴしゃんぴしゃんとぶつかり合う音が響く。
テファの中はすっかりほぐれてどろどろで、押し込むたんびにぶに、ぶにとテファの奥が俺の先端に当たる。
これがまた。
キモチエエわけで。

「やらぁ、こんなあぁ、はずかしっ、でも、あ、いいのっ、おちんちんいいのぉ!」

恥ずかしがりながらエロ語とか!この、くの、こここここの、けしからんエロエルフめ!
おしおきしてやるっ、おしおきしてやるっ。
俺はターボをかけて腰を前後させる。ごちゅ、ごちゅん、とテファの奥で肉と汁が鳴る。

「らめ、らめぇ、いっちゃ…うっ!」

テファの体がびくん!と内側に海老のように巻きかえり、俺の体をぎゅう、っと抱きしめる。
そしてその刺激に俺も…。
逝けなかった。
また、まただ!体が寸前で止まっちまう!
くぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!キモチわりぃぃぃぃぃぃぃ!
くっそ、一体なんだってんだ?

そんな二人の絡みを、アンリエッタは執務室から見ていた。
もちろん、事前に才人の部屋に仕込んだ、魔法の水晶を通してである。
この水晶は写ったものをそのままもう片方の水晶に送り届けるもので、主に牢屋の監視などに使われる。
何度しても逝けない才人を眺め、女王はほくそ笑んでいた。

「ふふ。サイト様が誰かを部屋に連れ込むことなど予想の範囲内です」

ひとりごちて、女王は今までサインに使っていた羽ペンを器用にくるん、と回す。
そして、昨日才人に施した術式を思い出す。
それは、水魔法を応用した魔法。
元来は呪いの類に分類される魔法で、かつて、権力欲に狂った王妃が、側室たちに子供を生ませないため、王にかけた魔法。
逝く直前で、体液の循環がコントロールされ、一瞬でクールダウンしてしまう魔法。
これをかけられた男性は、どれだけ刺激を受けても逝く直前で止まってしまい、逝けなくなるのだ。
ただし効果はそれほど長くなく、丸一日程度。
ちなみに女王が才人にその魔法をかけたのは昨日の深夜。さんざん焦らされて、その後水魔法で眠らされた才人に、女王はその魔法をかけたのである。

「まあティファニアは楽しんでるみたいだけど…まあそこはよしとしますか」

あとで、どうして才人と関係を持つに至ったのか従姉妹に聞いてみよう、と女王は考え、サインを続ける。
やがて、水晶の中では、逝き過ぎて気絶したティファニアの横に横たわる才人が写った。
どうやら、疲れきって眠ってしまったらしい。
最後の書類にサインをすると、アンリエッタは席を立つ。
この後、才人の部屋に向かい、ティファニアを学院に帰すのだ。

「さてサイト様、運命の日まであと一日…頑張って耐えてみせてくださいましね」

女王は妖しく笑い、才人の待つ部屋へ、王宮の廊下を歩いていくのだった。

〜つづく


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