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Last-modified: 2009-02-19 (木) 23:32:52 (5538d)

<反・胸革命>

第2話

大通りの人混みの中を、一人の黒髪の少年と、情熱的な紅い髪の少女が歩いていた。
ただ歩いているのではない。二人は心通い合う男女がそうするように、少女は少年の腕に腕を絡め、頬を肩に乗せるようにしていた。
今のサイトは学院生の制服姿のキュルケと身を寄せ合っていても不自然ではないように、ちゃんと水精霊騎士隊の外套をパーカーの上から羽織っていた。これで一応社会的には問題ない。
が、そもそも東洋系の人間がいないらしいここハルキゲニアで、サイトの姿とゲルマニア出身のキュルケのカップル姿はずいぶんと目立っていた。
人混みでなければ振り返る者もあったかもしれない。
サイトはつい先刻、キュルケの熱意に結局押され、何よりナース服という魔力には勝てずに手頃な場所を探すこととなったのである。
ルイズには後で戻って、はぐれたとでも言い訳を考えておかなければならないのが憂鬱だ。

「んふふ、ダーリンっ」

頬に軽い接吻を受けた。
このように、心底嬉しそうに自分の片腕にしなだれかかっているキュルケのほのかな香水の香りは、それを差し引いてなお余りある満足感があるのだった。

(ああ、こんな日がやってくるとは思いませんでした)

鼻の下を伸ばさんばかりに腕をサンドイッチするキュルケの豊乳と、女の子と連れだって歩くという夢のような状況に、彼は幸せをかみしめずにはいられない。
こちらの世界へやってきて結構な時間が経った気がする。
数多の美女美少女と出会い、少なからずの好意を受けてきたが、考えてみればここまで彼氏彼女の関係に発展した例はキュルケのみだ。
ルイズは……

(どうなんだろうな……?)

使い魔以上、恋人未満。
特別には違いないが、一線を越えてはいない間柄。
サイトはそこだけが引っかかっているのだった。


・・
・・・

チクトンネ街にある大衆酒場兼宿場『魅惑の妖精』亭に到着し、入り口を通ると、まだ昼間とあってか客の数はまばらだった。

「あの、スカロン店長」

サイトはテーブルを拭いている屈強な体躯をした男性に声をかけた。
いわゆるラブホテルのようなものがどこにあるのか皆目見当もつかなかったし、キュルケの話では危ない貧民街にそういった生業の店が多く、自分はあまり行きたくない旨を伝えられていた。
となると、宿屋と言えばここくらいしか思いつかなかったのである。

「あら〜ん、サイトちゃんじゃなぁ〜い! 久しぶりねトレビア〜ン!」

くねくねとその男らしい身体を女っぽくよじりながら、スカロンがサイトの声に反応した。

「あら……そちらのレディは確か」
「ああ、その、ちょっとね! えーとその、ちょっとだけ部屋で休んでいこうって話になってさ!」

いざキュルケと二人で部屋を取ることになると、堂々とはできなかった。
言い訳じみた話でスカロンに質問をさせないよう矢継ぎ早に部屋の空きがないか尋ねる。

「日没前までなら何部屋か空いてるわよ〜ん」

さすがは宿屋の経営者といったところか、学院の制服姿のキュルケを見ても問いただす様子はない。
幸いにして、シエスタの親戚にあたり、自分とキュルケにも面識のあるジェシカは今店にはいないようだ。
ジェシカはシエスタの味方であり、情報が漏れれば一大事である。ほっと胸をなで下ろした。

「じゃ、じゃあ一部屋……」
「わかったわ! じゃあ、そちらのレディはお先にお部屋へどーぞ、部屋番号は三○三号よん」

スカロンはカウンターに戻ると部屋の鍵を取り出してキュルケに渡した。

「じゃあサイトちゃんはこっちの宿泊者名簿にサインとかしてってちょうだい」
「うん、じゃあキュルケ、先に行っててよ」
「ええ……うふ、待ってるわね」

とんとんと階段を上がっていくキュルケを見送り、言われた通りに宿泊者名簿に自分の名前を書くことにする。

「……ねえねえちょっとちょっと」

スカロンが声を落として耳打ちしてきた。

「キュルケちゃんといつの間に付き合うようになったのよん?」

好奇心というより、老婆心といったような口調だった。

「え? い、いや付き合ってはいないんだけ、ど……」
「付き合ってないのに二人で腕組んで街歩いてるワケ?」
「う……」
「今からお楽しみなんでしょ?」
「ま、まあぶっちゃけそうなんだけど」
「……これで何回目?」
「に、二回目」
「トレビアン。いいわ、ちょっとこっちにきなさい」
「へ?」

裏方のほうへ招かれると、スカロンは自室からタバコ箱二つ分ほどの小さな箱を持ってきた。

「これ、アタシからの二人へのお餞別」

受け取ると、中身を見てみる。

「なんだこりゃ……?」

中には薄い油紙の包装の四角い何かが数十枚は入っている。

「あら〜ん、レディと交際する殿方がそれを知らないのは無粋よ〜ん」
「は、はあ?」

サイトは訳が分からずに一枚を取り出してみる。
包装紙の中には何かグニグニとした感触がした。

「えっ!? これって……」

そこにきて彼もようやく合点がいく。

「夜の社交界必須のお品よん」

スカロンが胸を張った。

(ま、まあロケットランチャーやゼロ戦あるくらいだし、コンドームが伝わっててもおかしくはないか……)

サイトは手のひらの中の、男性用避妊具を見つめる。
コルベールが錬金術でガソリンを複製したように、きっとこちらの世界で誰かが生産しているのだろう。
サイトは昔何かのエロ知識本で、そもそもコンドームは世継ぎ問題を軽減するためにヨーロッパの貴族社会が創り出したもの、というのを読んだ覚えがある。
複製されているのはゼロ戦のような機械と違い、用途がこちらの世界の人間にも理解できる範囲だったためだろう。
何はともあれハルキゲニアで今まで見てきた自分の世界の物の中で最もリアクションに困る存在である。

「うちも職業柄、指名とるために身体使っちゃう娘が多くって困ってるのよ〜ん。
だからお客様にご奉仕する時は絶対にコレ使いなさいって指導してるワケ」
「は、はあ、なるほど……」

サイトが対応に困る顔をしていると、スカロンが満面の笑みで尋ねる。

「あら、使い方分からないなら今から手取足取り教えてあげるわよ〜ん?」
「 結 構 で す っ ! 」

椅子から立ち上がり、さっさと階段へ向かうことにする。
パーカーのポケットの中へコンドームの箱を突っ込み、三○三号室のドアを叩いた。


・・
・・・

「あら、遅かったのね……」

とろけるような声で自分を迎えたのは、褐色の肌の純白の天使だった。
サイトが目を見張る。

(おおっ!)

飛び込んできたその光景に感動を禁じ得なかった。

「んふ……」

腰に片手をあて、彼女は身体のラインが際立つような姿勢を取る。
キュルケの身を包む純白の制服は、清楚と禁欲の象徴であるはずのもの。
しかし、ナースキャップを被り、白のガーターストッキングで脚を覆ったその姿には、禁じられているがゆえに漏れ出すような色香が漂っていた。
純白の中に除く健康的な褐色の肌、結い上げた紅い髪から続くうなじのライン。
ぴっちりと身体を締め上げる白いナース服は、その豊かな乳房に負けてボタンを数個外した状態でなおはちきれんばかりに押し上げられている。
スラリと長い脚は今にも純白の下着が見えてしまいそうな丈しかなく、スカートとガーターストッキングとの合間には淫らな褐色の生足の絶対領域が広がっていた。

(こんなナースがいれば自発的に事故起こしたくなるわな)

サイトは満面の笑みで、完璧以上の姿に変身したキュルケナースの姿を堪能した。

「あん、見ているだけじゃつまらないわ」

キュルケはサイトに歩み寄ると、背後のドアの鍵をかける。
そして、そのまま彼に身を寄せ、首に腕を回した。

「ん……」

二人の唇が重なる。
まだ経験豊かとまではいかないサイトだったが、前回に比べればかなり上手にキュルケの舌を受け入れ、互いに舌を愛撫し合った。
キュルケの舌は熱を持った軟体動物のように恋人の舌を責め立て、貪るようでいて同時に男の快楽を誘発する。
悲しいかな、サイトの青い性はそれだけで既に臨戦態勢を整えようとしていた。

「ん…んちゅ……ちゅ……あふ……」

サイトも彼女の腰に手を回し、互いに抱きしめ合ってキスを楽しんだ。
その隆起したズボンを、密着する白衣の股間に押し当てる。

「ぷは…」

今にも暴発しそうな彼の股間をその繊細な指先でそっとさすり、まだまだ序の口とばかりに頬を紅潮させ、キュルケはベッドへと彼を無言でいざなった。
腰を降ろして脚を優雅に組むと、続けて座った隣のサイトに微笑みを向ける。
発情期の獣のように一度紅い唇を舌なめずりし、彼女は言った。

「……今日はどんな戯れをご期待かしら?」

サイトは息を飲んだ。

「じゃ、じゃあさ」
「ええ」
「ご奉仕、してくれないかな?」


・・
・・・

サイトは下半身を露出し、キュルケは彼の座るベッドの前に跪く。
ナース服姿で、膝をついて男の股間に向き合うだけで、その光景はどこか淫らな印象を見る者に与えた。
サイトはそのいつものキュルケとは別人のようなナース姿に、すっかり心奪われていた。
きっと、こんなナースを見ることなど、彼が元の世界にいたとしても生涯訪れるか怪しいものだ。

「キュルケ、とっても似合ってるよ」

彼がそう言うと、キュルケはにっこりと笑った。

(あ、かわいい……)

サイトが胸の奥でそんなことを感じていると、彼女は半立ちの彼のものを両手でそっと握った。

「あぅっ……」

サイトはその見下ろす視線からの相乗効果もあって、思わずピクンと反応してしまう。

「んふふ……ダーリンのここ、とっても敏感ね」

しゅ、しゅ、と彼女の両手が上下し、彼のペニスに固さを与えていく。
そう、ナースといえばメイドに肩を並べる奉仕の存在。
それを生かさずしてナースプレイは語れない。
サイトの頼みに、キュルケは快く応じてくれたのだ。
しかし言い出しっぺの当人は、キュルケの丁寧な愛撫にただただため息を漏らすばかりだった。

「ちゅっ」

十分に彼のものが天井へ向けられたあたりで、彼女は一度その先端にキスをした。
サイトが喘ぐのを妖しく笑い、躊躇いなくその屹立したものを口へと含む。

「んー……」

彼女がゆっくりと肉の棒を口内へと埋没させていく。
粘膜のようにぬめる舌の感触が男根に絡みついてくる。
人生初のフェラチオに、サイトは天井を仰いで声を漏らした。

「くぅ〜っ……!?」

熱い彼女の舌が亀頭を這うように包み込み、やがてその筋へと舌先がなぞっていく。
奉仕される一方で、その主導権は完全にキュルケのものだ。

「んっ んっ んっ ちゅぷ ちゅっちゅっ」

揺れるナースキャップを眺めながら、サイトはその快楽に酔いしれた。
舌先で先端をそっとすくったかと思うと、今度は大胆に根本まで口に収め、抜きざまにカリ裏をなぞる。
キュルケの奉仕は、清楚なはずの純白の制服ゆえにその淫らさが倍増され、どこか背徳的な気分にさえなってくる。
サイトは今まで、ここまで濃密な悦楽を誰かに与えられたことなどなかった。
いくら前回ガンダールヴの力で乗り切ったとはいえ、本来はまだまだ未熟な少年である。
キュルケに余裕をもって対することは難しかった。

「あ……その、キュルケ」
「ん?」

口が塞がった状態で上目遣いに彼女が答えた。

「……おっぱいで、ええと」

キュルケは煮え切らない態度のサイトの異変に気づいたのか、ちゅぷん、と口内からペニスを引き抜いた。
唾液を拭い、うっとりとした表情で言った。

「挟んで欲しいのかしら?」

限界まで勃起した目の前のサイトのものを人差し指で悪戯ぽく突っつく。

「うひっ!? よ、よく分かったね……」
「だってぇ、ダーリン私の胸に腕挟まれてる時すっごく嬉しそうだったもの」

ああ、顔に出てたのね、とサイトは苦笑いする。
キュルケは白衣の胸元のボタンを更に外す。
すると、窮屈そうに収まっていた二つの褐色の巨乳が元気よく服からまろび出た。

ばるんっ!

そんな音がしたような気がサイトにはした。

「ほぅーら」

キュルケが両手で胸を寄せると、すっぽりと彼のものを挟み込んでしまう。

「うあぁ……」

柔らかで温かな人肌の感触だった。それでいて弾力も絶妙なバランスで、男の欲望に十分過ぎるほどに応えている。

「どう? 気持ちいいかしら?」

上半身を上下させてパイズリを開始すると、唾液が円滑油になってすんなりとペニスに刺激を与えてくれた。

「うん、最高だよ……キュルケ」
「ああん、嬉しいわダーリン」

今度は左右の乳を交互にこすり合わせる愛撫に変える。
徐々にキュルケの与える快楽は激しさを増し、その紅潮した彼女の表情には明らかな性的興奮が見て取れた。
サイトはあまり早く果てるのも格好悪いので、歯を食いしばってその責めに耐える。
胸の谷間から聞こえる粘着質な音は、キュルケの唾液ではなくサイトの我慢汁の方が多いに違いなかった。
抵抗もむなしく射精前の腰の違和感を抱き、サイトはキュルケに叫んだ。

「うああっ! キュルケ、俺もうっ!」
「はぁはぁ、いいわダーリン、私のいやらしい胸にダーリンのたくさん出してぇっ!」
「うおおぉっ!」

次の瞬間、キュルケの双乳の中でサイトは爆ぜていた。
腰を大きく痙攣させ、駆け上ってくる白濁液をビュクビュクと先端から放出する。

「あはぁぁっ! あ、熱いわ! ダーリンのとっても!」

勢い余った液体が、彼女の胸元に白い溜まりを作る。
キュルケは両手で胸を締め付け、サイトに最も気持ちよく射精できるよう図ってくれていた。

「はぁーはぁー……」

ぐったりとサイトが息も絶え絶えに脱力した。
ようやく終わった射精に、キュルケがそっと胸から男性器を抜き取った。
ちゅる、と糸を引いてサイトの半分萎えたものが離れる。

「あふ……すごいわ、こんなにいっぱい……」

べったりと褐色の肌に白い色合いを添える強烈な臭いを放つ液体。
あまりに濃いその液体は、彼女の肌にへばりついて離れない。

「それに濃いわ……」

彼女は指でその液体をすくうと、その粘性を確かめる。
その光景だけで、サイトは二回目の勃起を取り戻しそうな気がした。
と同時に、サイトはキュルケがこれだけ無条件に奉仕してくれていることに引け目を感じる。

「キュルケ……」
「なあに?」
「ベッドいこうか」


・・
・・・

ダブルベッドに褐色の裸体を横たえ、サイトはそっと彼女に寄り添うようにして彼女を愛撫していた。
その乳房をほぐすように優しく揉み、片手は彼女の花弁から蜜を溢れさせている。
ショーツは愛液で染みをつくらないように既に脱がしており、ナース服も脱ぎ捨てられている。
腰からは白のガーターベルトがむっちりと張った太ももに下り、ストッキングを吊っている。ベルトにゆるみはまったくない。
ルイズとはまったく違う。それなのに、美しい。これが自分と同年代の少女なのかとさえ思う。
すみずみまで気を配られた完成した女の体。
171サントのモデル体型とあいまって、サイトにはそれが、絵画に描かれた女神の姿のように見えた。

「あ……ダーリン……あぁ……ん……」

切なげな声を漏らすキュルケは、いつもの責めの彼女とは違った表情で、サイトはどこか嗜虐感と、いじらしさのない交ぜになった気持ちで彼女の快楽を徐々に高めていく。
ガンダールヴの力が補助になっているので、幸いなことに彼女の性感帯は手に取るように分かる。

「あぁ……すごい上手……」

うっとりとした表情でキュルケが囁く。
サイトは唇を重ね、そしてうなじに舌を這わせた。
少女特有の甘い香りが鼻孔をくすぐる。
首筋に意識が行っているところで、膣内へ侵入させていた中指で彼女のスポットを刺激する。
不意を突かれた彼女は、反射的に身体を波打たせた。

「あはぁっ」

ゆさりと揺れる乳房に咲いている淡い色合いの乳首は、もうツンとした固さを持っていた。
膣内は指がスムーズに出入りするほどの愛液に満たされている。
褐色の肌にはうっすらと汗が滲み、健康的な光沢を放っていた。
一方、サイトも入念に彼女を愛撫する内に、あれだけの量を出した後にも関わらず、再び熱くたぎっていた。
いや、キュルケのこの裸体を前に、若いオスが欲情しないわけがないのだ。
サイトは我慢しきれずに、卑怯にもイク寸前の彼女の膣内から指を抜いた。

「キュルケ、いいかな?」

耳元で尋ねると、キュルケはそれが何を意味するのか理解したように目を伏せて頷いた。
サイトはパーカーを脱ぎ、全裸になる。
と、ポケットから小さな箱がぽろりとベッドへ転がった。

「あ、ダーリン……それ」
「うわっ!? こ、これは、その」

サイトは慌てた。
それはスカロンからもらったコンドームの箱だった。

(やば! これじゃあエロいことしか考えてないみたいに思われるんじゃ……)

相手もいないのに財布にゴムを入れている奴がいたりするが、それがバレたときの惨めさといったらない。
キュルケという相手がいたとしても、示し合わせたわけでもないのに事前に持っていたらそれしか頭にないように思われるのではないだろうか。
そんな考えが一瞬脳裏をよぎった。
キュルケが箱を手に取り、中身を取り出した。
ナースキャップに白ガーター姿の女性がそれを手にしているのは、暗喩的なエロさがある。

「……用意してくれたのね」
「え、ああ、うんまあ」
「嬉しいわ……」

キュルケは当然というか、それが何なのか理解しているようだ。
開放的な彼女の性格からは少し予想外に、笑いも嘲りもしない。
サイトが意外に思っていると、多くは語らず、彼女は一枚を口で封を切った。

「んふ……じゃあ、着けてあげるね」

サイトが何かを言う前に、彼女は薄紫の避妊膜を口にくわえていた。
サイトはキュルケの行為に一瞬驚いたが、シーツの上をすり寄ってくるナースに、すぐに彼女が何をしようとしているのかを理解した。
彼はペニスを彼女の顔の前へ差し出す。
そして、キュルケはそのままサイトのそそり立ったものをくわえ込むように被せた。

「あ……」

サイトは思わぬ口内の熱い感触に呻いた。
ゴムを着けるつまらない動作が、この淫乱ナースにかかれば快感の一種になってしまう。
キュルケが口を離すと、ペニスには根本までしっかりとゴム膜で覆われていた。
こちらの世界のコンドームなので、分厚い粗悪なものかと思っていたが、意外にも薄くちゃんとしたゴムだった。
サイトは保険体育でもらった一枚で一度試しに装着したことがあったが、それとほとんど変わらない感覚だ。
これならそこまで快感を損なわないかもしれない。

「……ダーリン」

キュルケが扇情的なポーズをとってベッドで横になっている。

「キュルケ……俺の、欲しいか?」
「……欲しいわ」
「どこに?」
「ここ……」

すらりと伸びた長い脚を大きく開き、彼女は自らの花弁を見せつけた。
そこは一見するだけで熱く、湿っているのが分かる。
透明な粘液が、白いシーツにトロリと落ちる。

「うずいて仕方ないの、早く……」

サイトは倒れこむようにキュルケにのしかかった。
その亀頭を膣口に押し当てる。
サイトが突き出したタイミングに寸分ずらさず、キュルケは腰を浮かせてペニスを迎え入れた。

ぬぷりゅ

「ああっ!」

二人の叫びが重なった。
押し入ったペニスが愛液をあふれ出させる。
細かい飛沫を跳ねるほど、サイトはペニスを激しく打ちつけようとする。
だが、焦りすぎて抜けそうになる。
すかさずキュルケがそのストッキングに美しく覆われた両足を折り、体ごと彼の腰をくわえこんだ。
たまらない密着感が身体を襲う。
サイトはキュルケのナースキャップと結った髪を解いた。

「あぁっ ダーリン外れちゃった……」
「いいんだ! ナースよりもキュルケが欲しい!」
「ダーリン……」

折り重なり、情熱的な口づけを交わす。
キュルケの膣内はいっそう強く彼を絞り上げ、快楽を与えて射精を誘発しようとぬめり始めた。
それが本能なのか愛なのか、もう当人にも分かりはしない。

「んぁあダーリンっ いいわっ! もっとぉ!」

確実な挿入でキュルケの中を突いていく。
褐色の体が激しく上下し、乳房が円を描いて丸く流れる。
それを鷲掴むと、荒々しく揉みしだいた。
激しい交わりの中、サイトはペニスが限界まで膨張するのを抑えきれなくなった。
キュルケもそれによって膣内で何が起こるのか知らないわけがない。
彼女はサイトの首に腕を絡めた。

「あはぁ……いいわ、どうする?」

サイトは無言で彼女の子宮口を先端でつついた。
ここにいい、と同意を求める表情を浮かべる。

「あんっ! ……いいわ、いっぱいきて」

最後を目前にした、彼の最後のピストンが始まる。

「いっ いいっ あっ すごいっ いやっ!」
「ううっ おっ!」
「ダメぇ もう いっいく イクぅ! イッちゃうぅ!」

キュルケが達したその瞬間、サイトは深く深く彼女の膣奥を突き上げて静止した。
ストッキングに包まれたキュルケのつま先が強烈に伸びきり、くっきりと腱を浮かび上がらせた脚がオスを逃がさないよう腰を締め付けた。
細かく震える乳房を、強く眉をしかめたサイトが、形が変わるほどに握り締めていた。
キュルケの後を追うように、サイトも男の絶頂を迎える。

ビュッ! ビュルッ!

「あ……」

絶頂感と同時に膣内へ注ぎ込まれる精の熱さを感じ、キュルケは短く声を漏らした。
互いのアンダーヘアが絡み合うほどに密着しあい、サイトはまるでオスの生殖欲求を少しでも満たそうとするかの如く彼女の膣内へ射精を続ける。
コンドームを着けているので、心おきなく膣内へ射精できる安心感もあるのだろう。
時間が止まったような一瞬の後、彼女の身体にサイトが倒れ込んだ。
荒い息をつき、額の汗をぬぐいながら、キュルケと視線を交わす。

「ん……」

どちらが求めるでもなく、二人はそっと唇を重ね合った。


・・
・・・

日が傾き始めていた。
虚無の曜日も終わろうとしている。

「あの、さ……」
「なあに?」

いつもの学院生の制服に着替え、ロングブーツを履いているキュルケに遠慮がちに言う。
ルイズの手前、一緒に帰れないこともあってここで解散することになった。
ピロートークなりもう少ししたい気分だったが、時間がそれを許さない。
サイトはキュルケとの行為の合間に覚えた感情について、話すことにした。

「俺、キュルケのこと……」

しかし、言い終わらない内に、キュルケが人差し指を彼の口に押し当てていた。
サイトが目を白黒させていると、キュルケは苦笑いのような表情を浮かべた。

「……二回だけじゃ、分からないわよ、本当の愛なんて」

う、とサイトは痛いところを突かれた気がした。
キュルケの言うことはもっともだ。もともと彼女はルイズには言わないということを前提にしている。
それが意味するところは、友達以上恋人未満。キュルケの部屋を訪ねていたその他大勢のようなポジションだ。
すぐには整理できない複雑な気持ちだった。
そんなサイトを見て、キュルケはにっこりと笑った。

「でもね、こういうこと言うの、ダーリンだけなんだからね?」

ひらりと身を翻すと、彼女は部屋を出て行く。
と、ドアを開けて振り返ると、頬を赤くして付け加えた。

「あ、でも、避妊具気を遣ってくれたのは本当にありがとう。私の身体のこと大事にしてくれたの、ダーリンが最初だよ」

サイトの言葉を待たず、ドアが閉まった。


・・
・・・

翌日

昨夜ルイズにムチ打ち二百回とマウントとられての鉄拳制裁二十発を食らったせいでパンがかじれない。
食堂でサイトはスープをちびちびと飲むことにした。
と、背後で気配がする。
小柄だが、圧倒的な殺気を揺らめかせている彼の主人だ。
恐る恐る振り向くと、さっとスープの入った皿を取り上げられる。

「誰がエサ食べていいって言ったわけ!? アンタは今後一週間三食飯抜きよ!」
「えっ!? ちょ、それって普通に餓死するんだけど?」
「うるさいわね! ご主人ほっぽってどっか遊びに行く使い魔なんだから拾い食いでもしてりゃいいでしょ!」

食堂内ではそんなやりとりをもはや恒例とばかりに遠巻きに見ている連中ばかりだ。
ギーシュたちも呆れ顔で、まあ今回は仕方ないよとばかりにサイトへ手を合わせている。

「あ……」

そんな視界の中に、赤い髪をした少女がこちらに微笑を向けて座っているのが目に飛び込んでくる。
隣い青い髪の少女、タバサがいることでもすぐに分かる。
キュルケだった。
彼女はサイトと目が合うと、にっと笑って小さく何かを口した。
そして、投げキッスをすると、さっさと席を立って行ってしまった。

(マア・ガンバッテネ・ダーリン……)

読心術の心得なぞないのに、はっきりとサイトにはそう聞こえたのだった。

「なに人が話してんのによそ見してんのよぉーっ!」

ルイズの右パンチが彼を襲った。

<終>


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