37-167
Last-modified: 2009-04-03 (金) 22:04:16 (5501d)
少し、才人は考える。
目の前の小さな少女の、一番喜びそうな回答を。
「俺は、今のままのシャルロットが好きだなあ」
その言葉に、タバサの頬に朱が注す。
そして、才人は続ける。
「それに俺は大きさなんてどうでもいいと思うぜ」
チョットマテ。
何の話をしている。
「まあ確かにサイズも大事だけどもさ。やっぱ形とか感度とかも大事だと思うし」
…何を言い出すのかと思えばこのおっぱい魔人め…!
滔々と己の理想のおっぱいについて語りだした目の前の変態さんに、タバサは呆れた。
そして、思わず手にした大きな杖で才人の頭をごつん、と小突いてしまう。
「あで!あにすんだよシャルロット!」
「…誰も胸の話なんてしていない」
眉根をへの字に歪め、タバサは不機嫌そうに杖を才人に突きつける。
確かに。
タバサの聞きたいのは、『成長した自分がいいか、それとも今のままの自分がいいのか』である。
胸の大小などどうでもいい。
それに、いかに将来大きくなるとはいえ、今の自分を捕まえておっぱい談義とは。
「…もうちょっとデリカシーを持って」
タバサは軽く怒った顔のまま、杖を引く。
さすがの才人も、ここまで来ると自分の失敗に気が付く。
「…悪い、調子に乗りすぎた」
才人はぽりぽりと頭を掻きながら、素直に謝る。
「…分かればいい」
そして、タバサは改めて尋ねる。
「大きい私と今の私、どっちがいい?」
少し質問の内容が変わっている。
先ほどの才人の間抜け発言を受けてのことだろう。
そして、才人は。
答えの代わりに、タバサを抱きしめる。
「あ」
才人の思わぬ行動に驚き、しかしその腕の中でうれしそうに微笑み、タバサは愛しい人を抱きしめ返す。
手にした大きな杖がその拍子に、がらん、と音をたてて魔方陣を敷き詰めた床に転がる。
そして、才人は腕の中で自分に身を任せるタバサをお姫様抱っこで抱え上げる。
「あ、ちょ」
慌てて抗議しようとするタバサだったが。
「あ。イヤだった?」
ちょっと困った笑顔を向けられると。
「い、イヤじゃなぃ…」
その瞬間にタバサの頬が真っ赤に火を噴き、思わず顔を逸らしてしまう。
そういえば、普通の『抱っこ』は何回もしてもらっているが、こんな風に抱き上げられるのはあまりない。
ちょっと嬉しくなって、でもやっぱり無駄に赤くなった顔を見せるのは恥ずかしいので、顔を逸らしたまま、タバサは才人の首筋に抱きつく。
そして、才人はベッドに向かって歩き出そうとする。
だが。
「あ、待って…」
きゅ、とタバサが首筋に絡めた腕に力を篭め、才人を制する。
才人は足を止めて尋ねた。
「何?」
「も、もう少しこのまま…」
もう少し、この状態でいたかった。まるで、物語に出てくるお姫様のように、王子の腕の中で甘い時間に融けていたかった。
だいぶ赤面が収まったので、タバサは視線を才人に合わせる。
少し桜色に染まった頬と、眼鏡の下で潤んだ瞳。腕の中の少女の身体から、服の布地を通してときんときんと動悸の音が聞こえているのは、気のせいなどではないだろう。
普段凍りついたように表情を動かさない雪風の少女が、自分の腕の中で融けている。
それだけでなんだかもう滾って仕方のない才人だった。
どれだけの間、そうしていただろう。
かなり長い間その格好のまま動きを止めていた才人が、我慢がきかなくなってタバサに尋ねる。
「…あのさ。そろそろ…」
「う、うん…」
改めて、ベッドに向かう事を告げられると、タバサの頬がいよいよ赤くなる。
何度も繰り返してきた行為とはいえ、やはり性交に対する背徳感は拭いきれないタバサだった。
そして。
才人の体温と匂い、優しく抱き上げられるという行為が、彼女の『おんな』を焚き上げていた。
体中が火照り、臍の内側に特に熱を感じる。普段は動かさない、牝の器官が、ホルモンの分泌によって準備を始めていた。
度重なる行為が、タバサの身体を、才人専用の牝へと造り替えていたのである。
そして、才人にも、タバサの身体の変化が手に取るように分かっていた。
頬を染めて腕の中で融ける少女の身体から、牝の匂いが立ち昇っていた。
それは、どんな香水でも出す事のかなわない、『シャルロットの匂い』。
牡を、いや才人だけを誘うためにタバサの身体から溢れる、彼女の想いの証。
少しつんとしたその匂いを堪能しながら、才人はタバサをベッドの上に横たえる。
その通り名のとおりまるで風に舞う雪のように軽い少女を、雪原のように白いシーツの上に横たえる。
シーツの皺の陰影に縁取られた青い髪の少女は、ベッドの上で才人を潤んだ瞳で見上げたまま、軽く両腕を広げ、きゅ、と両手を軽く握り締め、ふわりと広がった短いプリーツスカートから伸びる、白いタイツに覆われた細い脚を軽く内股にして、才人の次の行動を待つ。
才人はベッドの上で切なそうなため息を吐いた少女に覆いかぶさると、その細い顎に軽く指を絡めた。
それだけで、タバサの心臓がどくん、と痛いほど脈打つ。そして、タバサはきゅ、と目を閉じて、顎を突き出す。
柔らかいキス。一度ついばんだ後、しっかりと唇を重ねて重いキス。もう一度唇を離し、今度は重ねたまま内側の歯の感触が分かるほど押し当てる。
自然と唇が開き、舌が入り込む。どちらが先に侵攻を始めたのかわからないほど、そのタイミングは同じ。舌の先同士を舐めあい、そして、お互いを絡ませあう。
互いの唾液の味が口の中に広がり、嚥下しあう。唇の中だけは飽き足らなくなった舌が勝手に暴れだし、唇を、その周囲をなぞるように舐めあう。
しばらくそうした行為を続けていたが、先に我慢できなくなったのは牡のほう。
唇を離し、今度はその通り名のごとく白い、今は興奮で桜の色に染まっている細い首筋に吸い付く。
「ふぁ」
動脈の上を舌で吸い上げられ、タバサの喉が反射で囀る。
そうして才人はいくつも、タバサの首筋にマーキングを重ねる。
首筋だけでは飽き足らなくなり、胸元のボタンを外して素肌をさらけさせ、鎖骨の上あたりにまでその版図を伸ばす。
桜色に染まった肌の上に、痛々しい赤い花がいくつも咲く。
少しぴりぴりするキスマークの余韻に、タバサの表情が蕩けていく。
「いっぱい…。サイトの、しるしがいっぱい…」
嬉しそうに微笑みながら、はだけられた胸元に刻まれた紅い刻印を、タバサの細い指がなぞる。
その指にまで、才人は喰らいつく。それはまるで、骨の一片までもしゃぶりつくすような、肉食獣を髣髴とさせる。
細い指を咥えられ、ちゅるちゅると吸い上げられ、時には甘く歯を立てられる。
性感帯ではないはずの指の関節に感じるその感覚すら、タバサの身体は快感と感じ、くべられた薪をそのまま炉に運んでいく。
タバサの炉は既に火が入り、あとは燃え盛るのを待つのみ。
あと少し、焚き上げられれば理性を融かしつくし、どろどろとした本能のみにおぼれる事ができる。
しかし、指を咥えられる程度では、胸を撫で回される程度では。
感覚が、もう一段上に上がってくれない。
そして、次に折れたのはタバサのほう。
指を丹念に犯し続ける才人に、タバサは語りかける。
「あ、あのっ」
「ん?」
呼びかけられ、顔を上げる才人。
興奮したその頬は上気し、そしてその目は完全にけだものの目だった。
その視線に射抜かれた瞬間、ずくん、とタバサの臍の奥が啼いた。
今までどろどろと渦巻いていた炉の入り口がたまらずぱく、と開き、ぬる、と溢れて下着を汚す。
タバサは自分の欲求に素直に、才人に語りかける。
「もっと、ちゃんと、してほしい…」
その言葉に、才人の嗜虐心が疼く。
そして、彼はタバサの期待の斜め上をいく。
「ちゃんとって何?具体的にどうぞ?」
えぐ、とタバサの顔が羞恥に歪む。
しかし、これは自分のわがまま。仕えるべき相手に対し、欲求を通そうとする、あってはならないこと。
だから、耐えなければいけない。
桜色に染まった頬をさらに紅くし、タバサは応えた。
「わ、私の感じるところ、直接、弄ってほしい…」
その感じるところ、は既に零れた粘液でぬるぬるにコーティングされ、今か今かと愛撫を待ち構えているのである。
才人はにやり、と笑うと。
「よくできました」
そう言って、タバサの上から一旦身体を退けると。
「それじゃあ、四つんばいになってみて」
体位の変更をタバサに要求する。
犬のように四つんばいになれ、と要求され、タバサの顔に一瞬、困惑が浮かぶ。
しかし、愛しい主人の命令を、この小さな従者が突き放すはずもなく。
ころん、と一旦うつ伏せになると、肘と膝を立てて、白いタイツに包まれた臀部を才人に向けて差し出すように持ち上げる。
タバサの突き出されたお尻を見て、才人はんー、と考える。
思いつきだけで四つんばいを要求した才人だったが、タバサの恥ずかしいポーズを見て、ティンときてしまった。
つい、とベッド脇に目をやると、水差しの乗った小卓が目に入る。
「これで、いい…?」
肩越しに才人を振り返るタバサ。
すると、才人は手に小さな果物ナイフを持っていた。
それは、タバサが夜食用のりんごを剥くために、部屋に備え付けておいたもの。
ベッド脇の小卓に置かれていたそれを、才人が手にしていた。
当然、タバサは疑問に思う。
「それで何をするの…?」
少しおびえたようなタバサの言葉に、才人は、突き出された丸いお尻を覆うプリーツスカートを捲り上げる。
その微かな感触にひぅ、と喘ぎを漏らしてしまうタバサ。
露になったタバサの下半身は、恥ずかしいほど潤っていた。
白いタイツの股間は、既に広がった染みで、その純白を濁らせていた。
才人はその上部、芸術的な丸みを帯びる双丘を撫で回す。
「あ、ふぁ」
臀部への愛撫。
それはタバサにとって、背徳を帯びた極上の快楽への準備。
タバサにとって一番『好き』ではないが、一番の『キモチイイ』。
才人によって一番変えられた、タバサの最も恥ずべき、最も愛しい感覚。
タイツと下着の下で、ぱくぱくとタバサのもう一つの性器が物欲しそうに蠢いている。
だめ…!違う、そっちじゃない…!
心の中でタバサは否定するが、執拗に撫で回される臀部から、容赦なく刻み込まれる優しい愛撫が、より一層切なくもう一つの性器に火をくべる。
そして、粘液を分泌する機能のないそこの代わりに、牝の器官が次々涎を零す。
タイツの染みが広がり、よりいっそうタバサから『牝』の匂いが立ち上る。
膝が勝手にひくんひくんと跳ね上がり、淫らに腰を震わせる。
はぁはぁと荒い息をつきながら突っ伏してして腰を震わせるタバサを見下ろし、才人は果物ナイフを構えた。
「そろそろ、かな」
そして。
タバサの下半身の中央、女陰と臀部の境目にその先端を突き立てる。
ぴり…と軽い音を立てながら、冷たい刃の峰が、タバサの肌に当たる。
「ひ!」
ぞくり、と刃物に秘部を舐められる恐怖と、背筋を這い回る負の快楽が、タバサの喉を震わせる。
そして、才人は果物ナイフの峰をタバサの谷間に滑らせる。
ぴぃぃぃぃぃ…!
谷間の終焉までナイフを走らせ、布を切り裂いていく。
「や、やぁっ!」
タバサは思わずお尻に手を伸ばし、才人の暴虐を止めようとする。
才人は果物ナイフを放ると、その手を掴んで言った。
「イヤだった?」
そしてタバサは当然の疑問を口にする。
「ちが、そうじゃない…!
で、でも、何も切ることはないんじゃ…!」
しかしそこはさすがの才人。タバサの想像を軽く斜め上に超える回答を返してきた。
「いやあ。たまには着たまんまもいいかなーって」
照れ隠しのように頭を掻く才人に、タバサは。
「この、へんたいっ…!」
精一杯の強がりで、タバサは顔を逸らしながら、才人に罵声を浴びせる。
才人はそんなタバサの強がりをふふん、と鼻で笑って流すと。
「それは我々の業界ではごほーびといいます」
「…ばかっ…!」
この総天然色の変態に何を言っても無駄だと悟ったタバサは、これから訪れる最高の、そして最低の瞬間に備えて、枕を抱え込んで顔を埋めてしまう。
そして、才人は。
剥かれて露になった、白い谷間をぐに、と広げる。
その奥には、ありえないほど桃色をした、色素の沈着など一切ない、完全に牡を受け入れる事を期待している、タバサの肛門。
それはまるで大陰唇のようにはくはくと蠢き、奥の壁まで覗かせている。
腸内が蠕動しているのか、ふ、ふ、とそこからため息のように空気が漏れている。
その匂いは信じられない事に柑橘系の果物の香りがした。
つまりは。
「嫌がっといて、しっかり準備してんじゃん。
すっかりけつまんこ大好物になっちゃったなシャルロット」
才人の言葉どおり、タバサは肛門性交に備え、丹念に腸内を洗浄し、肉襞に香水交じりの薬液を浸透させ、肛門から腸までを才人専用の精液処理器官に変えてしまっていた。
もちろん、タバサの肛門の色は、数日でできるものではない。
度重なる肛虐と、タバサ自身による薬品を使った度重なる『準備』によって、肛門の組織から色素が抜け落ち、内側に流れる血液の色を滲ませ、綺麗な桃色に染めているのである。
もう、タバサの肛門は、排泄ですら小さな快楽を得られる、淫らな器官に成り果てていた。
自らの器官を『けつまんこ』と称されて嬲られる言葉すら、タバサの背筋にどくどくと負の快楽を注いでいく。
「さ、サイトのためだからっ…!」
「へ?」
不意に聞こえた、タバサの強い声。
タバサは枕から顔を上げ、泣きそうな、真っ赤な顔で才人を肩越しに見つめ。
「サイトが私の『けつまんこ』大好きだからっ…!
いつでも使える様に、してあるんだからっ…!」
後ろ手に手を回し、臀部を自ら割り開く。
そして。
「シャルロットの『けつまんこ』で、いっぱい気持ちよくなって…」
蕩けた表情で、『最低』のおねだりをする。
「わかったよ、シャルロット」
言って才人は、ズボンをずりさげ、いきり立つ自分自身を今か今かと陵辱を待ち受けるタバサのもう一つの性器に押し当てる。
ぱく、とその入り口が開き、牡を迎え入れる準備をする。
既にその動きから、タバサの肛門は一般のそれを遥かに凌駕する逸物といえた。
ぶちゅちゅちゅ、と鈍い肉の音を立てながら、タバサの肛門は才人の男根を飲み込んでいく。
「はぁぁぁぁぁぁ…!」
細く長い喘ぎは、挿入に押し出された空気が肺から出て行くせい。
そして息を吸い込むと同時に、タバサはきゅ、と自らの意思で括約筋を締め上げる。
「く…!やっぱさいこーだな、シャルロットのけつまんこは…!」
才人の賞賛の言葉に、タバサの中で嬉しい、という感情と恥ずかしいという感情が二律背反を成しせめぎあう。
そして、勝ったのは。
「あっ、あっあっあっ、いいのっ?わたし、の、きもち、いいのっ?」
「ああっ、最高だ、最高だよシャルロット…!」
「あは、ふは、うれ、うれしい、い、いぁっ!」
だらしなく緩んだ眉、とめどなく溢れる涎。
恍惚としたその表情は、普段の『雪風』からは想像もつかないほど、乱れた娼婦の顔だった。
そして。
「く、出るぞシャルロット、シャルロットのけつまんこに出すぞ!」
「あ、ひ、だひて、わたひのおしりにっ、だして!」
限界を告げる才人とタバサの声が重なり合い。
どくどくどく!
熱い迸りが、タバサの腸内に満たされていった。
絶頂に完全に脱力したタバサが、どさ、とベッドにうつ伏せに沈む。
絶頂してなお貪欲にすがりつくタバサの肛門から才人は己自身を引き抜くと、肛虐に真っ赤に染まったタバサの臀部をひとしきり眺める。
牡を飲み込み、なおもひくひくと物欲しげに蠢く双丘は、未だ扇情的に才人の牡を誘う。
そして、その下でタイツに覆われた牝の本体は、白いタイツをべしょべしょに濡らし、はっきりとその形を浮き上がらせていた。
その様子が気になった才人が前に手を回し、まだ無事なタイツの前をつまむと。
ちゃぷ。
まるで水に浸したように、そこはしとどに濡れていた。
「すげえなシャルロット、けつまんこでお漏らししたみたいにたぷたぷだぜ…」
ちゃぷちゃぷと水音をたてるタイツの中は、下着とタイツの吸水要領を超えた液体でぐちゃぐちゃになっていた。
「やぁ!」
絶頂の余韻に浸っていたタバサの喉が踊る。
「これ、おつゆだけじゃねえよな…」
そして、才人は。
タバサを一度仰向けにひっくり返すと、タイツに手をかけ、ショーツごとずりおろす。
むわ。
そこから匂ってきたのは、牝の性臭だけではない。
少し生臭い、アンモニアの混じったにおい。
「シャルロット、お漏らししたろ」
「…!!」
才人の指摘に、タバサの顔が羞恥に火を噴く。
確かに、肛虐によって絶頂した瞬間に気が緩み、少なからずお漏らしをしてしまっていた。
それを指摘され、タバサの顔が羞恥の赤に染まる。
両手で顔を覆い隠し、真っ赤な顔を見られないようにする。
「そんなだらしないお漏らしっ娘には、お仕置きがいるな」
そう言うと、才人は。
今度は、愛液と小水でどろどろに煮溶けたタバサの前を貫いた。
「っふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
熱い滾りが膣道を埋める快楽に、タバサの視界が虹に染まる。そして。
ぶちっ…!
重い、何かの裂ける音。
そして才人の根元を伝う、紅い液体。
「…え…?」
才人の目が点になる。
これは…まさか。
「さい…とぉ…!」
痛みを伴った目もくらむような快感に翻弄され、タバサは愛しい人の身体を抱きしめる。
「ちょ、待ってシャルロット、今の…!」
才人の疑問に、タバサは耳元で囁くように答える。
「処女膜を、再生、した…。
サイトに、ちゃんと、はじめてを捧げる、ため、に…!」
タバサの処女喪失は、半ば才人の意思を無視して行われた。
強力な術式のために才人の精を胎内に取り込むことが必要だったため、無理やり才人を挿入したのである。
それは、半ばタバサからの強姦に近いものがあった。
だから、タバサは、もう一度才人に処女を捧げるべく、自らの処女膜を再生したのである。
しかし、そんなコトを言ったところで。
「…お尻まで全身開発済みなのに、何を今更」
思わず突っ込んだ事を、才人は後悔することになる。
むか。
今の一言はさすがに腹に据えかねた。
タバサはぎゅむ、と才人の腰を両足で抱え込んだ。
それこそ、痛みを感じるほどに。
「え、ちょ、シャルロットさん…?」
「人の決意を何だと思ってるの」
そして、腕でもぎゅっと才人を抱きしめて。
耳にがぶ、と噛み付いた。
「って、いってぇ!何すんだよ!」
「もう許さない」
そして、いつの間にか手にした手のひらに収まるほどの小さな注射器を、ずぶ、と才人の首筋に突き立てる。
それは、この日のために手に入れ、準備しておいた薬。
注射器の中身の赤い液体…『オーガの血』が、才人の中に流し込まれる。
「っつ!な、何したんすかシャルロットさ…ん?」
そう言った才人の目から、理性が消えうせていく。
自らにしがみつく、牝の身体と匂いに、血液中に直接打ち込まれた『オーガの血』が反応し、才人を発情しきった牡に変えていく。
タバサの胎内で、才人がそのサイズを増していくのが分かる。
「私の気が済むまで、頑張ってもらうから。
いつもの三倍なんかじゃ、済まさないんだから…!」
「…ったく、しゃあねえなあ…!
そんなら気が済むまでやぁってやるぜ!」
獣の笑みで才人は激しく腰を使い始める。
じゅぽじゅぽと、粘ついた音が部屋中に響く。
「ひ、あ、ふぁっ、あっ!」
「すげっ、今日のシャルロット、すっげえやわらけえっ…!」
融けきったタバサの身体は、粘液の効果もあいまって、何時もより遥かに柔らかく牡を迎え入れる。
そして、奥に達するたびに軽い絶頂を迎え、そのたびにきゅむっ、と才人を切なく締め上げる。
「それにっ、突くたんびにっ、締めてくれるっ、最高だなっ」
「あっ、ひ、いわな、そんな、いわなひれぇ!」
言葉で嬲ると、さらにタバサは官能を掻き乱され、感じているはずの破瓜の痛みすら快楽に変換されていく。
何度か突き上げると、タバサの中が激しく蠕動し、まるで指できつく握り締めたようにぎゅりっ、と才人を締め上げる。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っあぁあぁあぁあぁああああぁ!」
最初は声にならず、そして後半はただの鳴声。
蹂躙された牝は牡の下で完全な絶頂を迎え、くたん、と事切れた。
そして。
「よ、よし、出すぞシャルロット…!」
才人の言葉に、かろうじて身体にこびりついていたタバサの意識が、声を発する。
きゅ、と才人の腰に手を回し、力の入らない足をぴくぴくと震わせながら。
朱に染まった頬で、潤んだ瞳で、湿った唇で。
「な、なか、なかにぃ、中に出してぇ」
必死に訴えるタバサに、才人は。
「もちろん、そのつもりっ…!」
どぷどぷどぷどぷどぷ!
びゅるるるるるるるるるるっ!
「あーーーっ、あーーーーっ、あーーーーーーーー…!」
薬の影響でいつもの倍以上に量を増した才人の精液が、タバサの胎内を焼く。
タバサの身体が射精の衝撃で海老のように丸まり、勝手に脚が才人の腰にからみつき、腕が才人を抱きしめる。
視界は既に白く染まり、射精の区切りのたびに色のある世界とない世界の明滅を繰り返している。
そして射精がひと段落すると、くたん、とタバサの身体から緊張が解ける。
しかし。
「わり、シャルロット、まだ出る…!」
タバサの胎内で牡が再び膨れる。射精の前触れだ。
「あ、らめ、いまらめっ…!」
こ、この状態で出されたら…!
私、ヘンになるっ…!
自我を破壊されるほどの連続絶頂に、畏れを抱くタバサ。
しかし、その望みは砕かれる。
びゅるるるるるるるるるるるるるるっ!
「く、くぁっ!」
「らめっ!らめっていったのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!
──────っ!っ!あ!あ!あああああああああああああっ♪」
才人の下でだらしなく身体を開ききって、タバサは堕ちた。
才人が目を覚ますと、ベッド脇の小卓に、手紙が置いてあった。
あの後、二人は気絶するまで交わりあい、つながりあったまま、二人は泥のように眠ったのだが。
机の上に置かれた手紙には、こう書かれていた。
『サイト、最後の思い出をありがとう。次に逢う時は、たぶんきっと『タバサ』はもうこの世にはいません。
だから、今度逢うときは、必ず『シャルロット』と呼んでください。
誰がいても、かまいません。私はあなたのシャルロットです。
間違えたら、おしおきします。大人になった私のおしおきは、ちょっとすごいと思います。
それでは、また逢う日まで。
シャルロット・エレーヌ・オルレアン、あなたの永遠の従者より』
「…シャルロット…」
才人は、窓から覗く青い空を見上げた。
昨日愛しあった少女の髪と、同じ色の、美しい空を見上げていた。
「…腰いたい…」
ガリアに向かう道中。
シルフィードの上で、タバサは腰を抑えていた。
腰が抜けるまで行為を繰り返していたのである。当然の帰結の腰痛であった。
「…腰抜けるまでするからなのね。当然の報いなのね」
当然のシルフィードの突っ込みに、タバサは。
ごいん。
杖の一撃で応える。
「いったー!なんなのねなんなのねもう!シルフィは当たり前のこと言っただけなのね!
ああもうなんなのねこの淫乱色魔は!」
「黙れ」
ごっすんごっすんと景気よくタバサの杖がシルフィードの頭の上で上下する。
シルフィードも殴られるのがイヤならばタバサを振り落とせばいいのだが、そうもいかないのが使い間と主人の悲しい性であった。
そして、タバサ───シャルロットは、杖を上下させながら、己が下腹部にそっと手を添える。
注がれた彼の精が、どろりどろりと自分の胎内でうごめくのが分かる。
その胎内では───卵巣から吐き出された卵子が、彼の精子を受け入れている最中だろう。
そう。
タバサの準備は、大人になる『成長』の術式だけではなかった。
彼の証、才人と愛し合った証拠を、己が身に宿すため。
彼女は、懐妊の秘薬をあらかじめ飲み、才人に抱かれたのである。
この子が、私を強くする。
母として、負ける訳にはいかない。
現ガリア王家に。トリステインに。アンリエッタに。
全てを手に入れ、シャルロットはその全てを才人に捧げるつもりであった。
そしてごっすんごっすん殴られながら、シルフィードは言った。
「そんな山ほど溜め込んだら双子以上は確定なのね。
そんな小さい体で産めるのかしらかしらー?」
「余計なお世話」
そして、タバサは竜態のシルフィードの頭に一ダースほどこぶを作るまで、この間抜けな使い魔の頭をど突き続けたのであった。
…それは、竜騎士隊の警護する、ガリア国境まであとわずか、という地点での出来事であった。〜fin