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Last-modified: 2012-03-15 (木) 06:27:52 (4425d)

「ふぁ〜、あたたたた、頭痛ぇ。呑みすぎた」
才人が起きると、下半身がぬるぬるしている
「おはよう、才人」
「おはよう、モンモン」
モンモランシーは股間を才人に擦り付けている
「起きたら股間が何か濡れてんだけど、おねしょ?」
「あんた、解って言ってるでしょう?」
「いででででで」
モンモランシーは、思い切り才人の頬をつねる
「ててて、悪い悪い。モンモン、一人でしたのか?」
「したわよ、あんたの胸の上じゃ、我慢出来なくてつい」
「可愛いぞ、モンモン」
「こんなの見せるの、あんただけよ」
「最近、モンモンと言っても怒らないな」
「モンモンと言うのはあんただけ、言って良いのもあんただけよ」
「最高の殺し文句だな、それ」
「この程度で殺される相手なら、私も楽なんだけどね」
クスクスとモンモランシーは笑い、水差しから水を飲み、才人にも口移しで飲ませた後、杖を手に取り詠唱を始める
「済まないモンモン、楽になった」
そのまま詠唱を行い、下半身の洪水跡を浄化する
「此で良しっと、そろそろギーシュも来るわね」
「それじゃ、何時も通りにいきますか」
才人は伸びをし、服に着替える
「……せて」
「え?」
「服を着せて!!」
「はい?」
「ルイズにはしてるんでしょう?」
「…何で知ってる?」
「ルイズから聞いた。『あたしのサイトは、こんなに優しく着替えさせてくれるの〜』ですって」
「んな事迄、バラしてんのか。やきもちか?」
「ん」
「解りました、姫。不肖、この犬、姫様の珠玉の玉肌に衣服を纏わせる栄に浴する事を、誇りに思いまする」
「ウム、良きにはからえ」
「ハハッ」

身繕いが終わった頃、扉がノックされる
「才人、そろそろ良いかい?」
「良いぞ」
ガチャ
「おはよう。昨日は済まなかったな、ギーシュ」
「おはよう。構わないよ。独りになりたい時もあるしね」
「ギーシュ、お前は良い男だよ」
「そうかい?」
ギーシュは寂しそうに笑うが、才人は気付かない
「…何も、聞かないのね」
「僕は才人を尊敬してるんだ。それに、僕のモンモランシーにも、自分の気持ちを大事にして欲しい」
「本人の前で、言う台詞じゃないな」
才人は苦笑する
「だから二人共、何時も通りに接して欲しい」
「了解」
「解ったわ」

*  *  *
パタン
モンモランシーが部屋に戻ると、ルイズは既に起きていた
「モンモランシー、一晩中何処に行ってたのよ?」
「才人の所よ」
「嘘!?」
「本当よ、凄い荒れてたわ、彼」
「サイトが荒れる? 冗談でしょ? 何時も笑ってるじゃない」
「そうね。特にルイズの前では、優しく笑ってるわね」
「じゃあ、何で?」
「そうしたのは貴女よ、ルイズ」
「あたし、何をしたの?」
「それが解らないなら、貴女はずっとゼロのルイズよ」
「教えて」
「嫌よ。今度のは、才人は優しく教えてはくれないわ。自分で考えるのね」
「うぅ〜。所で、酒の臭いは解るけど、何でサイトの匂いが付いてるの?」
才人の体臭に付いてだけは、ルイズの嗅覚は犬並である
「一緒に寝たからよ」
「なっ!?」
「別に良いでしょ。貴女も婚約者が居るじゃない」
「…サイトはあたしの使い魔で」
「使い魔の恋愛に、難癖付ける主人なんて初耳ね」
「……でも、貴族と平民」
「関係無いわよそんなもの。貴女の言う通り、才人の代わりなんて、ハルケギニアには居やしないもの」
「うっ」
「そうそう、ワルドと結婚したら、才人の使い魔職をクビにして、ワルドに守って貰ってね。才人は私が貰うから」
「…そんな」
「さてと、先に朝食に行くわね。早く行かないと、才人と朝食取れなくなっちゃうわ」
全てをポーカーフェイスで言い切り、モンモランシーは部屋を後にする
「……嘘、サイトが私から離れるの? 嘘、嘘だよね?」
ハルケギニアに喚んでから、自分の事を唯一認め、いつ如何なる時にも、傷を負う事すらいとわず守り、今居る仲間達との仲すら取りなした。
今となっては、絶対の信頼と、それ以上の感情を、知らずに寄せる存在
その存在を知らずに傷つけ、その事に自分自身だけが気付かない事実に、暫くルイズは呆然とし、動く事が出来なかった

「聞こえてたわよ、モンモランシー。話を聞きましょうか?」
廊下にモンモランシーが出ると、キュルケとタバサが居た
表情は、キュルケは撫然、タバサは剣呑
それにもポーカーフェイスで、モンモランシーは答える
「あらあら、二人共恐い顔しちゃって、聞きたい話って何かしら?」
「…才人としたの?」
「イエスと言ったら?」
「タバサが止まらなくなるけど」
タバサからは、感情の高まりを表すかのように、制御出来ない魔力が冷気として放出されており、実際に気温を下げている
「あらあら、タバサ迄。残念、答えはノーよ」
「…本当に?」
「本当よ。此方からも質問。才人の何処に惹かれたの?」
「…私達には無い思考。それに驕らない姿勢。それに優しい手。男女貴族平民の別なく接し、こんな私にさえ優しい。こんな事、家族にさえされてない」
「使い魔の特性じゃないのね?」
「…それは、彼の本質じゃない」
「流石、良く解ってるじゃない。じゃあ、私からも。私やルイズに遠慮せずに、アタックしちゃいなさいな」
「…良いの?」
タバサはモンモランシーを見上げる
「勿論。でも、始祖ブリミルより手強いわよ」
「あら、其処で始祖ブリミルを出すのかしら?」
「ええ、そうよ。荒れてる時でも優しくて。何をやってもかわされる。感情をぶつければ全て受け止め、包み込んでくれる。その上、誰よりも強いだなんて反則よ」
「それは確かに反則ね」
「でしょ?」
「…ん」
タバサは手を出す
「どうしたの、タバサ?」
「仲直り」
「気にしなくて良いのに」
「一個借り」
「律義ね、タバサ」
モンモランシーは握手を交わしながら話す
「そうだ、一つ約束して欲しいんだけど」
「…何?」
「もし、落とす事に成功したら、貸し出してくれないかしら?」
「…逆も有り?」
「そうね。有りにしましょうか?」
「乗った」
「交渉成立ね」
「プ、ク、アハハハハハハハ。最高に面白いわよ、アンタ達」
キュルケは爆笑し、モンモランシーはつられてクスクス笑う
「それじゃ、先ずは食事ね。恋の戦も腹が減っては、戦は出来ないのよ」
「アッハッハッハ。モンモランシー、それ迷言よ」
「あら、そんな事無いわよ。あれにも体力使うじゃない。ひょっとして、タバサもそれ見越して食べてるんじゃ?」
キュルケの胸を杖で差し示し
「…羨ましいから」
「才人が喜べば良いのよ」
「…才人は胸が大きい女に目が行く」
「…それじゃ私も頑張らないとね」
「も、駄目。アッハッハッハ」
キュルケは笑うに任せながら、三人は階段を降りて行った

*  *  *

「何だ、キュルケが笑ってんな?」
「笑えるのは良いことさ」
6人用のテーブルで、才人とギーシュは食事を取っている
ギーシュの手には、食後の紅茶
「にしても、良く食べるね、才人」
「ムグムグ、そりゃメイジと違って、アグアグ、身体が資本だからな、モグモグ、昨日棄け酒で食わなかった分食わないと、ぷはっ」
水を飲み、一息入れて、また食べる
「悪いが才人、食事に集中してくれないか? 食べ滓が飛んでくる」
「お、済まん」
全てを空にし、更に注文する
「まだ、食べるのかい。タバサ並だね」
「よせやい、あれには敵わねぇよ」
三人が降りて来て、才人達に挨拶を交わす
キュルケはモンモランシーの肩に手をかけ、必死に笑いを噛み殺している
「「おはよう」」
「「おはよう才人」」
「僕には挨拶無しかい」
ナチュラルに無視され、軽く凹むギーシュ
「どしたのキュルケ?」
「上で話した時の話題が、壷にハマったみたいなの。気にしないで大丈夫よ」
「そうなのか、タバサ?」
モンモランシーが事も無げに言い、タバサは頷く
「お、おは。駄目、もう限界。アハハハハハハハ」
才人の顔を見た瞬間爆笑しだすキュルケに、才人とギーシュは顔を見合わせた
三人が席に座り注文する。その際、ちゃっかり才人の隣に座ったのはタバサである
モンモランシーはタバサの対面に座り、視線が交差する
それを見たキュルケは、笑いの発作が止まらない
「クックック」
「随分面白いネタだったのか?」
「そうみたいだね。そういえば、ルイズはどうしたのかな? 僕のモンモランシー」
「まだ、準備してるみたいよ」
「昨日の髭親父も来てないな」
「髭親父とは僕の事かね?」
「お、来たか色男」
「名前で呼んでくれたまえ、使い魔君」
「聞いて無いのに呼べんよ」
「おっと、此は失礼した。ジャン=ジャック=フランシス=ド=ワルド。爵位は子爵。トリステイン王国魔法衛士隊グリフォン隊隊長をしている」
「魔法衛士隊隊長だって?」
「知って居るのか雷電。じゃなくて、ギーシュ」
「雷電って何だい? そういえば、才人は知らないか。魔法衛士隊ってのは、トリステインに3つ有る衛士隊の事で最高の軍人が集うんだ。その隊長ってのは、凄い事なんだよ」
「って事は、此処に居るのはトリステイン最強の軍人の一人って事か?」
「そうなるね」
「ふむ」
才人は考え込む
『こりゃ、思った以上に厄介な依頼だな。全員守れん可能性が高い。ルイズだけでも任せるか』
「君は魔法衛士隊を知らんのかね?」
「俺は異邦人なのでね」
「成程、それで珍妙な格好なのだな」
才人は立ち上がり、握手を求める
「これから宜しく、隊長殿。俺の事は使い魔で構わんよ」
「宜しく頼む、使い魔君。ワルドと呼んでくれたまえ」
二人は握手
「で、隊長殿、朝食は済んだかい?」
「まだだ(パンの耳と水だけとは言えん)」
「では一緒に取ろう。ギーシュは朝食が終わってるから、悪いが席を代わってくれないか?」
「了解だよ、才人」
「済まないね、え〜と」
「グラモンです。ミスタワルド」
「もしかして、グラモン元帥の?」
「はい、息子です」
「父上には御世話になっているよ。君からも、宜しく伝えてくれたまえ」
「解りました。父も喜ぶでしょう」
「と、いう訳で、朝食は隊長殿の奢りだそうだ。タバサ、存分に食べろよ」
「…解った」
コクリと頷き、追加注文をする。その量を聞き、ワルドはこめかみをひくつかせる
「ちょっと待て、使い魔。誰が奢ると?」
「おんや? 普段世話になってる元帥の息子には、返さないとね。それとも、学生と無報酬の使い魔にタカる積もりかい?」
貴族の見栄に伴う正論
「ぐっ、わ、解った」
才人は済ました顔で漂々としている
「あらら、ダーリン凄いわね」
「何でそんな事が出来るんだい?」
「…才人に付いて行けば、食事には困らない」
「本当に逞しいわね」
「皆、礼を言おうぜ」
「「「「有り難うございます。ミスタワルド」」」」
トドメである
「ウ、ウム」
周りからは、笑いを噛み殺した声が聞こえてくる
その日のワルドの朝食は、少々塩味がきつすぎた

ルイズが階段を降りると、仲間が朝食を取って居る
6脚の椅子の内、一席が空き、ギーシュが立っている
これから来る仲間の為に、其処までの気遣いを見せるのは一人しか居ない
そう、自分の使い魔だ
『昨日は荒れてたって言ってたけど、機嫌直ったのね。だって、あんなに笑ってる』
『大丈夫よルイズ。何が悪かったか、サイトから、さりげなく聞けば良いのよ。サイトなら、きちんと答えてくれる』
『やだ、学院で一人ぼっちだった時より、ずっと怖い。ずっと緊張する。勇気を出して挨拶するのよ』
呼吸を整え、声を出す
「おはよう、皆」
「「「「おはよう」」」」
その後に各々の呼び方が追加されるが、一つ違和感を感じる
声自体は一番欲しい声
でも、その言葉は
「おはよう。ミスヴァリエール」
ルイズはその瞬間、視界が真っ白になった

「……ズ、ルイズ」
「…何?キュルケ」
「呼びかけても、返事しなかったのは貴女じゃない。朝から白昼夢? しっかりしなさいよ、ヴァリエール」
「ほら、さっさと席に付いて、今日の朝食はミスタワルドの奢りだから、礼を言って存分に食べなさい」
「本当?」
「その通りだよ、僕のルイズ」
先程迄涙を流してたのを、微塵も見せずキリっとしてるワルド
それを見た才人とギーシュは、小声で会話する
「クックックック、狙い通り」
「才人、君は悪魔かね?」
「タバサの食費を受け持って貰えるなら、喜んで崇拝するね」
「確かに」
実は用意された路銀は、タバサの食費により窮乏の状態に陥っているが、タバサも遠慮してるのを皆が知ってる為、誰も何も言わない
其処に、鴨が葱背負ってやって来たのだ
しかも、この鴨はフェラガモらしい
美味しく頂くとしよう
「ギーシュ、耳貸せ」
「………了解」
ギーシュはワルドが視線を反らした隙に、ルイズに近寄り、耳打ちをする
「才人から伝言。ワルドに甘えて、これからの食費を受け持って貰える様に頑張れ」
ルイズはギーシュに耳打ちを返す
「確かに路銀はキツイけど」
才人を見ると、ウインクをしてる
『あれ? サイトが期待してる。さっきのミスヴァリエールも気のせいよね? 何か記憶曖昧だし』
『そういえば、誰かから期待されたのってあったかしら? 家族でも、慰められた事はあっても、期待は無かったよね?』
『もしかして、初めて期待されてる? その期待がサイトから? やっぱり、私の事認めてくれてるの、サイトだけなんだ』
『駄目で元々だし。良し、やろう』
「ねぇ、ワルド」
「何だい? 僕のルイズ」
「今回の任務が成功したら、どうなるかな?」
「殿下の覚えがめでたくなり、私とルイズの結婚式に殿下を招待して、盛大に出来るだろうね。私の両親の墓前やヴァリエール公にも素晴らしい報告になるだろうね。僕のルイズ」
「私のワルドなら、きっと凄い活躍をして、素晴らしい報告が出来るわね」
「そうだね、私に任せておけば万事解決だ。御学友の活躍も、併せて報告出来るだろうね。僕のルイズ」
「私のワルドなら、これぞ貴族の鑑って気前の良い姿を見せて、私達の手本になってくれるでしょうね」
「勿論だとも、僕が後進の君達の手本として、鑑になる事は一切の妥協をしないさ。僕のルイズ」
「なら手本として、これからの私達の食費を全て受け持ってくれるわよね。私のワルド」
「勿論だとも。この僕に任せれば万事解決。この先快適に…………あ!?」
「全員、礼だ」
「「「「有り難うございます。ミスタワルド」」」」
「つ、使い魔」
「俺が何かしたか?ルイズと喋ってたのは、隊長殿だろう?」
ワルドは暫く呆然とし、顔を伏せ、男泣きを始める
それを尻目に全員で親指を立て、ぐっとルイズに突き出す
周りで見聞きした客達は、最早遠慮なく爆笑を始める
「ブワッハハハハ」
「もう駄目。腹痛ぇ」
「良いぞ、桃髪の姉ちゃん」
「ギャハハハハ」
「はい、皆さん。此方の貴婦人に拍手!!」
才人が音頭を取ると、周りから拍手と歓声、更にチップ迄飛んで来る
「うっそ、観衆を味方に付けちゃった」
「只のお調子者よ」
「才人、君には脱帽だ」
「…此で満腹出来る」
「…あたし、出来たの?」
「そうよヴァリエール、しかも最高のカタチでね」
「ハメたな、使い魔」
「さてね。まさか婚約者の前で、吐いた唾を飲むのかい?」
「ぐっ、飲むわけ無かろう」
「では、此から宜しくお願いします。パトロン殿」
才人は立ち上がり、大仰に礼をする
「…当然だ」
ワルドの顔には、嫌な汗が滴り落ちた

「ふぁあ。アタイは何時まで待機かねぇ。寝よ」
別の宿で、女は男との合流を待つ迄、寝る事にした

*  *  *

キィ
扉が開く音で目が覚め、傍らの杖を手に取る
「フーケ起きろ、うっ」
「触るな、既に詠唱は終えている」
フーケを揺り起こそうとしたら、杖を向けられ、男は硬直する
「解った。解ったから杖から手を離せ」
「ふん」
男が椅子に腰掛けてから、フーケは一度手を離す
「嫌われたもんだな」
「アタイが欲しいのかい?」
「遊びで良ければだがね」
「そんな男はゴメンだよ」
其処で、男のマントの止め具が無くなってるのに気付く
「止め具、どうしたんだい?」
「してやられた」
「へぇ、誰に?」
「あの使い魔だ。あの使い魔が私をハメて。お陰でこの私が借金生活に。最近は子爵領も芳しく無いのに。糞、何度思い出しても腹が立つ」
「あんたの事だから、見栄切ったの利用されて、全額奢らされたんじゃない?」
「…更に今後の食費迄、負担するハメになった」
「アッハッハッハ。そりゃ、ハメた相手のが二枚も三枚も上手じゃないか」
「…私はそんなにハメ易いのか?」
「気付いて無かったのかい?」
「くっ、だが戦いでは負けん」
「そうかい? アタイは、アンタより強くて速くて面白い男を知ってるよ。アタイはそいつに絶対勝てないから、もし会ったら逃げるからね」
「フーケ相手では、私でもキツイと言うのに」
「自信家だねぇ」
「私に勝てるのは、烈風カリン位だ」
「先代のマンティコア隊長かい?」
「そうだ」
「そいつはね、凄い強い剣士さ」
「メイジですら無いのか?」
「そうだよ、詠唱する暇なんぞ無いね」
「そんな男が居る等と、私の戦歴でも聞いた事無いぞ?」
「ハルケギニアも、まだまだ広いってこった」
「信じられん」
「そうかい? 足元掬われ無い様にな。しかし、変な仕事だねぇ、成否関係無しだなんて」
「困難さを演出するのが目的だ」
「そうかい。で、どうするんだい?」
「移動だ、今夜仕掛ける。彼方のこの宿に誘導するから待機してろ」
地図で場所を示す
「了解だよ。移動迄時間有るんなら、ベッドで遊ぶかい?」
シナを作り、悩ましい表情をするフーケに、ワルドはゴクリと喉を鳴らす
「良いのか?」
ベッドに座るフーケに近付き、顔が5サントに縮まると、杖が突き付けられ、動きが止まり、冷や汗を足らす
「こういう所が、ハメ易いのさ」
ニヤリと笑みを浮かべた後、ケラケラ笑って、フーケはベッドに転がる
「くっ、からかうのもいい加減にしろ」
「アハハハハハハハ」
男は部屋から出る
暫く経った後に、フーケは一人ごちる
「ふん、アイツに借り返す迄、誰にも触れさせるもんかい。本当に、デかい借りになっちまったよ。お陰で、妹達に仕送り出来る」
「アイツ、今何してんだろ? きっと、アイツの側なら、貧乏でも面白いんだろうねぇ。今度は、仕事無しで相手して欲しいねぇ」

二人は、同じ人物を指してる事に、未だに気付いていない


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Last-modified: 2012-03-15 (木) 06:27:52 (4425d)

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