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Last-modified: 2010-08-30 (月) 08:57:03 (4982d)

シエスタの日記
〇月×日
ふう、今日も貴族の子息達の相手は大変
何で、何時もあんなに偉そうなんだろう?
私にも魔力が有ったら、ああなるのかなぁ?
死んだひいお爺ちゃんみたいな人って、中々居ないもんだなぁ
マルトー料理長は凄く嫌ってるけど、理由も良く解るなぁ
ひいお爺ちゃん、シエスタに、明日も頑張る元気を下さい

〇月×日
今日は学院での大変重要なイベント、使い魔召喚の授業があったけど、人間の使い魔が召喚されたって、大騒ぎ
また、ゼロのルイズがやらかしたって騒いでたたけど、確かミスヴァリエールの事ですよね?
貴族の皆様は馬鹿にしてましたけど、何時も一人ぼっちで寂しそうにしてたから、良かったんじゃないかな?
使い魔さんて男なのかな?女なのかな?
会ってみるのが楽しみ
でも、マルトー料理長の頭痛の種が、また増えます
使い魔達に、ご飯上げる貴族様って、本当に少ないの
皆、お腹空かせて可哀想
私も、マルトー料理長に習って、頑張らないと
ひいお爺ちゃん、私は元気です

〇月×日
噂の人間の使い魔さんに会えちゃいました
びっくりです。凄いびっくりです
ひいお爺ちゃん聞いて下さい
何と、ひいお爺ちゃんと同じ日本から来たんですって
私と同じ黒髪で、背は170サント位あって、身体付きも貴族達に比べて、筋肉が付いてて均整取れてる人で
黒髪の人自体凄い珍しいから、私の自慢だったんだけど、その人の髪見たら、ちょっと自身喪失
うぅ〜、男の人なのに、何であんなにサラサラなの?
顔はうん、ちょっと好み
私がね、ひいお爺ちゃんが日本人なんですよって言ったら、驚いてくれて
「そっか、だから懐かしい感じがしたのか。でも日本には、こんな可愛い娘は中々居ないなぁ」
ですって
此はたらし?たらしだよね?
でも、凄く柔らかく笑うんです
ちょっと、卑怯でしょう?
ひいお爺ちゃん、日本人って、皆こんな感じなんですか?
日本人侮り難し
マズイです。テンション上がってます
深い意味は絶対無いんだ。落ち着け、シエスタ

〇月×日
今日は、その使い魔さんが、お腹空かせて途方に暮れてました
なんだ、所詮ミスヴァリエールも貴族様だったんですね。幻滅です
でも、ちょっとチャンスかも。此処で出るのは、伝家の宝刀マルトー料理長です
私からお願いしてみました
「何でぇ、人間の使い魔にすら、飯食わせねぇのか、貴族ってのは。本当にムカつくわ」
「おぅ、シエスタ。賄い全部食わせて構わねぇから。食わせろ」
「有り難うございます、マルトー料理長。早速才人さん呼んで来ますね」
才人さんを調理場に入れて、私がシチューを出したら、目頭を抑えて、涙拭いてるんです
「あ、あの大丈夫ですか?これ、只の賄い料理ですよ?」
「情けない所見せちゃったな。只のじゃ無いよ。此は、俺には最高のご馳走だよ、シエスタ」
私、ズキンと来た
「頂きます」
両手を合わせて、一口々々、大事そうに食べた才人さん
「その合図、ひいお爺ちゃんと一緒」
「そうかい?そりゃ、良かった」
「何が良かったんですか?」
「君のひいお爺ちゃんが、立派な人だと解ったからね」
「何で、そんな事が解るんですか?」
「日本人なら、解っちゃうんだよ」
「合図でですか?」
「そうだよ。ひいお爺ちゃんの事、好きだったでしょ?」
「はい。厳しかったけど、凄く優しいひいお爺ちゃんでした」
「ほら、当たった」
私に微笑する才人さん
何だろう?日本人同士にか、通じない何かが、あんな合図にも有るんだ?
ズキンと来たり、ドキドキしたりするのは何だろ?
きっと、私が知らないモノを、色々知ってるんだろうな
才人さんに近付ければ、ひいお爺ちゃんが、時折寂しそうにしてた事も、解るかもしれない
でも、何より、あの微笑みは卑怯です!たらしです!ロマリア男より凶悪です!
絶対、引っかかったりしないんだから!
………凄く自信無いけど

〇月×日
ひいお爺ちゃん、聞いて下さい
才人さんが、賄いをちょくちょく食べに来る様になったんですけど、本日、マルトー料理長に会わせてくれって言うから、会わせたんです
そしたら、何て言ったと思います?
「食べさせて貰ってばかりで悪いから、何か働かせてくれ。皿洗いでも何でも構わない。やらせてくれ」
って、言って来たんです
びっくりです。ひいお爺ちゃんの教えと一緒です
『恩を受けたら倍にして返せ』
本当に、この目で見れるとは思いませんでした
此が、ひいお爺ちゃんの産まれ育った国の人なんだ
どうしよう、ドキドキが止まらない
「ほう。お前さん、包丁は持てるか?」
「家で飯作ってたんで、多少は」
「ふむ、流石にシェフの仕事や賄いは任せられん。賄いは若い連中の修業場だからな」
「確かお前さん、使い魔だったな?」
「えぇ」
「そしたら、こうしよう。実はお前さん以外にも、使い魔に飯を食わせてんだが、他にも色々困ってる連中が居るかもしれん」
「そいつらに、飯を作ってやってくれねぇか?もし必要なのがあったら言ってくれ。可能な限り用意すらぁ」
「解りました。でも使い魔に話通じますかね?」
「其処は安心して構わねぇ。使い魔にはきちんと話通じるから、話かけりゃ大丈夫だ」
「解りました。作業すんのに不慣れな場所なんで、シエスタ借りて良いですか?」
「おぅ、良いぞ。シエスタ、手伝ってやってくれ」
「はい」
才人さん外に出たと思ったら、低空を飛んでる風竜さんに声をかけたんです
「お〜い、其処の竜。お前さん使い魔か〜?」
「きゅい!?」
風竜さんが降りて来て、才人さんの前に座って
「へぇ、竜ってカッコイイなぁ。俺の言ってる事解る?」
ぶんぶん首を縦に振る風竜さん
「他の使い魔達には、話出来るかなぁ?」
風竜さんが何か悩んだ様な感じから、首を縦に振りました
「出来るのか?そりゃ有難い。今、食い物に困ってる連中を、集めてくれないかな?」
「きゅい」
風竜さんがまた飛んで、暫くすると沢山の使い魔さん達を乗せて、降りて来ました
「食い物探ししてる所悪いな。マルトー料理長に言われてさ、可能な限り、皆の食い物、何とかしたいんだよ」
「其でさ、皆の食べるモノを俺に教えてくれないかな?」
ざわざわ、使い魔さん達が騒ぎだす
「あ、そうか。言葉喋れないんじゃ無理か」
サラマンダーさんの頭の上に、鼠さんがちょこんと乗りジェスチャーを始めます
「おんや?」
「あ、学院長の使い魔のモートソグニルさんですよ」
「もしかして、一番の古株かい?」
鼠さんが頷きます
「ピクサーのアニメみてぇ。もしかして、ジェスチャーで、意思疎通を図ろうって事かな?」
鼠さんが頷きます
「おっけ。じゃあ練習だ。モートソグニルの趣味は?」
前足で何かいやらしい曲線描きました
ね、鼠の癖に
「…もしかして、人間の女の裸か?」
鼠が頷きます。もう、さんなんか付けない
「おま、種族として、アブノーマル過ぎんぞ、それ」
才人さんが苦笑します
「じゃあ、シエスタ。メモ用意して。文字書ける?」
「はい、大丈夫です」
「それじゃ、皆の取り調べやるぞ」
「はい、解りました」
「それじゃデカブツから、竜は肉食?骨食える?」
「きゅい」
鼠と一緒に頷きます
「おけ、次……」
凄いです。私達も知らない使い魔さん達の食性が、才人さんにどんどん調べられていきます
鼠が、また上手いジェスチャーするんだ
流石、学院一番の古株
「次、えっと、バグベアーだったっけ?」
「このロリコン共め!」
スコーン
才人さんが、バグベアーさんにチョップかましました
えっと、何で?
あぁ、バグベアーさんが、おっきい一つ目に涙溜めてる、ちょっと可愛い
「このロリコン共め!」
「…まさか、そういう鳴き声なのか?」
「このロリコン共め!」
「そうですよ、才人さん。知らなかったんですか?それより酷いですよ?いきなり、チョップするなんて」
「嫌、日本語だと、ちょっとあれな鳴き声だったんで。知らなかったとは言え済まん、謝る」
才人さんがバグベアーさんに頭下げました
才人さんって、人間も使い魔さんも、扱い変わらないんですね
其処も素敵です
バグベアーさんも、機嫌直したみたいです
「食い物はなんだい?」
バグベアーさんに問いかけると、鼠が何か嫌なジェスチャーをします
あれ、吸血鬼の噛みつきだよね?
「もしかして、血か?」
鼠が頷きます
「種類限定行くぞ。魚類,爬虫類,昆虫類,鳥類,補乳類,幻獣,竜種」
補乳類で縦振り
「補乳類全般か?」
横振り
「熊,牛,豚,馬,羊,犬,猫,猿,人」
人で縦振り
「量は?」
隙間を上手く表現
「少しで良いのか?」
鼠が頷く
「主人はその事知ってるのか?」
首を横振り
「解った。シエスタ、ナイフ持ってきて」
「はい」
私がナイフを持って来ると、才人さん躊躇いなく、自分自身の指を傷つけちゃいました
「俺ので我慢してくれ」
「このロリコン共め!」
また、涙浮かべるバグベアーさん
「良いから、さっさと飲め。次が控えてる」
「このロリコン共め!」
バグベアーさんが才人さんの指先に移動して、得体の知れないモノを伸ばして吸引して、すぐに離れました
「もう良いのか?」
「このロリコン共め!」
「そうか、次行くぞ」
その後も、どんどん食性が集まります
才人さん、せめて指治して下さい
「此で全部か。必要なのは肉と魚と骨とミミズと昆虫と、俺には良く解らん植物だな」
「才人さん指治して下さい」
「んなもん、後で良い。それより、マルトーの親父さんにそのメモ渡してくれ」
「……でも、指」
私が鼻につんと来たのを才人さんが見て、頭に手を乗っけて撫で始めました
凄い気持ち良い
「良いかい?俺はこの程度じゃ大丈夫。でも今調べた使い魔の中じゃ、此方に来てから、満足に食えて無い連中も居るんだ」
「何より優先するのは、そちらの方だ。ひょっとしたら、もう飢餓の限界に来てるかもしれないんだぞ?」
「だからほら、マルトーの親父さんにそれ渡して、用意出来る奴を早く用意して貰うんだ。解った?」
「グスッ、はい」
マルトー料理長に渡す為、厨房に行く途中、ちらりと振り返ったら
才人さん、使い魔さん達にもみくちゃにされてました
ああ、なんて凄い人なんだろう?
ひいお爺ちゃん、日本人って凄いです
私にも、ああ出来る血が、1/8入ってるんですよね?
私、テンションだだ上がりです
頑張るぞ、おー

〇月×日
次の日、マルトー料理長が農家の皆様に協力して貰って、色々揃えてくれました
はっきり言って全部です
才人さんも凄いって思ったけど、マルトー料理長の底力も凄いです
メモを渡した時の料理長、凄い鋭い目でメモを見て
「こりゃ、学院周辺じゃ、確かに集まらねぇのがある。昆虫とか種類迄特定してらぁ。此をきちんと調べるたぁ、あの兄ちゃん只者じゃねぇな」
「才人さんは日本人ですよ」
「シエスタ、そりゃ何だい?」
「私のひいお爺ちゃんと、同じ祖国の人です」
「へぇ、ほぅ、随分自慢気だな」
「だって、本当に凄かったんですもん。聞いて下さい、バグベアーさんなんて、人の血が食料なんですけど、才人さんは、其を知るなり、躊躇いなく指切って、自分の血をあげたんですよ?」
「……普通は躊躇うわな」
「そうなんですよ。才人さんは凄いんです!!」
「クックック。惚れたろ?」
「えっ?」
かぁって、顔がほてるのが解っちゃった
「いやいや、良いって事よ。シエスタに懸想してる、内の若い連中が泣くだけだから、気にすんな」
「……えっと、あの、その」
「仕入れしてる農家とかに、全力で集めて貰うが、今すぐはちと無理だな。早くて明日の朝だな」
「……若いコックさん達から、そんな風に思われてるなんて、全然知らなかったです」
「シエスタ?」
「そりゃ、気持ちは嬉しいですけど、やっぱり何というか。面と向かって言ってくれないと、お返事出来ないと言うか」
「お〜い」
「やっぱりですね、その、黒髪の男の人に心惹かれると言うか」
「もしも〜し」
「ひいお爺ちゃんみたいに、厳しくても優しい人が良いと言うか」
「シエスタ」
「ひゃ、ひゃい!?」
「俺が何言ったか、憶えてるか?」
「えっと、何でしたっけ?」
「食材が届くのは明日の朝だと言った。それと、その兄ちゃん、血与える為に指切ったんだろ?厨房のポーション使ってやれや」
「そうでした、ポーション持って行きます!!」
私、あれ位ダッシュで走った事は初めてだ
マルトー料理長や、周りに居たメイド仲間が、ニヤニヤしっぱなし
恥ずかしいなぁ、もう
「…成程ね、皆。明日迄、我慢出来るか?」
使い魔さん達が頷く
「良し、それじゃ、今日は此で解散。明日の昼前位で予定しててくれ」
使い魔さん達が解散する
そういえば、才人さんの指は?
…何で、ざっくりやったまんまなんだ、この人?
「才人さん、指。これ付けて下さい」
「ああ、有り難う」
上手く片手で使えないみたい
「私がやります」
「良いって」
「駄目です。何か才人さん、自分自身の事になると、もの凄いいい加減です」
「そうかね?」
「絶対、そうです」
「そうか」
才人さんが苦笑してる
ええい、構うもんか。強引にやっちゃえ
ポーション塗ったらキョトンとしてる
「え?もう傷治ったの?」
「こんなの普通です」
「魔法の有る世界の薬って凄いな」
一体、どういう意味だったんだろう?

食材が来た日に、生きた昆虫とかミミズとかは、流石に厨房に入れられ無いから、倉庫に持って行ったんだけど、何分量が有るから、ちょっと気持ち悪い
でも、才人さんを案内したら、凄い目を輝かせて
「スゲー、やっぱり違う場所の虫は違うなぁ」
「虫、好きなんですか?」
「子供の時は、虫取りとか良くしたっけ」
「そうなんですか」
「あぁ、さてと、活きが良い状態で皆にあげないとな」
そういって、使い魔さん達を呼び始めたら、例の風竜さんが使い魔さん達集めて来て、降りてきたの
「ようし、昆虫食とミミズ食の連中は、このままで食えるか?じゃあ、皆で分けあって食べろよ」
「調理して欲しい連中は?肉と魚と植物食か。植物は刻むだけ?おっけ。肉と魚は調理する?するのね。了解」
才人さんは、厨房に入ると包丁握って食材を刻み始めます
びっくりです。凄い速いです、あの包丁捌き、マルトー料理長より速いかも
「おっかしいな。俺、こんなに包丁使えたっけ?」
何で、才人さん自身が驚いてるんだろう?
本当に色々謎が多い人です
料理自体は薄めにしたみたいです。人間用だと、味付けが濃すぎるから駄目だって
以前の職業は、動物の調教師でもしてたのかしら?

〇月×日
ひいお爺ちゃんごめんなさい。私、逃げました
才人さん、置いて逃げました。ひいお爺ちゃんの曾孫失格です
才人さん、貴族の方に平気で屑って言って悪びれないんです
確かにそうかも知れないけど、全然謝らないんです
其所か、決闘申し込まれても平然として
私、あんな事出来ない
ひいお爺ちゃんでも、才人さんみたくするのかな?
怒った貴族は、私達平民には恐怖の対象
とにかく怖かった、私、必死に逃げて、様子を伺える場所に陣取って、其処から才人さんの様子見て
私、卑怯だ。調子の良い事ばっかりで、本当に大事な時に逃げてしまう
もう、自分自身の情けなさに泣きたくなった
でも、才人さんは違うんです
凄い、素手でミスタグラモンのゴーレム一体倒しちゃいました
その後ミスタグラモンのゴーレムにボロボロなのに、決して倒れないんです
ミスタグラモンも決して手抜きません。あんなにボロボロなのになんでです?
酷いです。そう思ってたら。剣を出して才人さんに投げました
何で最初から渡さないんだろう?
ボロボロになってからじゃ、ズル過ぎる
ミスヴァリエールもそう思ったみたい
「ルイズは黙ってろ!!」
あれ?何で才人さんが怒鳴るんだろ?
ミスタグラモンも何故か笑いかけてる
才人さんも笑いかけてる
決闘者同士でしか、通じない何かがあるんだ
才人さんが剣を握る
ひいお爺ちゃん凄い
才人さんたら、剣を握った途端に、まるで別人
いや、人間とは思えない速さで動いて、ゴーレムを両断していく
嘘嘘嘘、そのまま倒したミスタグラモンの側に剣を突き立て倒してしまいました
才人さんって強いんだ
凄い、凄い、凄い、こんなに強いのに、あんなに優しいんだ
強い事を鼻にかけたりしないんだ
こんな人、初めて見る
あ、才人さん気絶しちゃった
其から、私はもう無我夢中
浮いた才人さんが、貴族に運ばれる所に駆け寄って
「すいません!!」
「何よ?」
「私に、才人さんの看病させて下さい!!」
「あんた、さっきサイトに寄ってきたメイドじゃない」
「シエスタって言います。お願いします!!」
「嫌よ」
「何でですか?」
「あたしの使い魔だから、あたしがするの。サイトはあたしのなの」
ピンときた
思い切りピンときた
こ こ は 絶 対 引 か な い 引 く も ん か
「御言葉ですが、ミスヴァリエール」
「何よ?」
「その才人さんに、随分酷い仕打ちしてませんでしたか?」
「ああああれは躾よ」
「躾と称して、随分お食事抜いたみたいですね?」
「ああああんたがあたしの馬鹿犬に、餌付けしたのね」
「動けなくなる位、抜いた癖に、そんな事言うんですか?」
「うぐっ」
「ちょっと、ルイズそれ本当?」
「…やり過ぎ」
良し、ミスタバサとミスモンモランシを引き込んだ。頑張れ私
「其に世話ってのは、排泄物の処理迄するんですよ?失礼ですが、ミスヴァリエール、男性を見て、動じる事無く全てを世話する事が、出来るんですか?」
あ、泣きそうな顔したまんま赤面した
ちょっと所か、凄い可愛い
「ででで出来るわよ」
「男性のシンボルに触れるんですね?」
「ええええっと」
「ウンチに触れるんですね?」
あ、がくりと折れた
「わわわ解ったわよ。あんたも世話して良いわ」
「有り難うございます、ミスヴァリエール」

勝 っ た ♪

もう決めた
私の将来は今決めた
この人を絶対、私の旦那様って呼んでみせる
ちっちゃい旅館に、板前が才人さんで、私が女将で
そんな未来を手に入れるんだ
その為なら何でもやろう、とにかくアピールだ
ひいお爺ちゃん
私、凄い人に出会えました
その人は、ひいお爺ちゃんと同じ日本人で、人も使い魔も関係無く優しい人で、凄い強いのにちっとも鼻にかけない人
私以上に綺麗な黒髪と、私を魅了する笑顔を持った人
本当に謎が多くて、でも其すら魅力的な人
ひいお爺ちゃん、待っててね
墓前に、この人のお嫁さんになったって、必ず報告するからね
この戦いは、貴族を敵に回すけど、絶対引かない、絶対負けない
才人さんが見せた勇気の1/8は、私にも出せるんだ
いくぞ、おー

〇月×日
しまった、しくじった
自ら、敵増やしてどうするんだ?シエスタの馬鹿馬鹿馬鹿
事の起こりは決闘後の晩
私はついつい才人さんを自慢したくて、マルトー料理長に色々話しちゃったんです
マルトー料理長も決闘の話で大感激
「あの兄ちゃんの呼び名は、我らの剣で決まりだ。良いな、てめえら」
「「「我らの剣に、祝福を」」」
この統率力、毎度見るけど、一体なんなんでしょう?
此が料理人なんでしょうか?
マルトー料理長は本当に凄い
「さてとシエスタ、其を嬉しそうに話すのは良いんだが、自分のした事、解ってんのか?」
「才人さんは凄いんです!!」
「おぅ、その通りだ。我らの剣は凄い」
「じゃあ、何が問題なんですか?」
「周りを見てみろ、特にお前さんと同じメイド仲間をな」
マルトー料理長がニヤニヤしながら話すので、周りを見回したら
あれ?
「も、もしかして?」
「ハッハッハ。随分ライバル増やしちまったみたいだなぁ、シエスタ」
マルトー料理長が腹を抱えて笑う
「くっ、シエスタ一生の不覚……です」
「自分で蒔いた種だかんな。俺は高見の見物だ」
くうぅぅぅぅぅ
まさか、同僚迄参戦する気配を見せるとは
「皆、まさか」
「あ〜ら、シエスタ。話は全部、貴女からしたじゃない」
「凄い素敵よね、才人さん」
「才人さん平民だから、私でも大丈夫だもんね」

私は大馬鹿です
ひいお爺ちゃん
墓前に報告出来ないかもしれない
ぐすん


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Last-modified: 2010-08-30 (月) 08:57:03 (4982d)

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