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Last-modified: 2010-12-03 (金) 11:30:41 (4887d)

〇月×日
6日目です
昨日の夕食は、私お得意のヨシェナヴェでした
夕食に出たお肉は蛇ですよ。デッかい大蛇を、仕留めて来てました
淡白で美味しかったです
そして昨日の賭けは、ミスタバサ33、ミスグラモン27、ミスモンモランシ25、ミスツェルプストー15、私……6です
ひ、酷い、まさかピンゾロ三連発なんて……神様のバカ〜〜〜えぐえぐ
まぁ、そんなこんなで、今、木の上で書いてます
何でこんな所に居るかと言うと、翼人に招待されちゃいました
も、びっくりです
一体、何がどうなったやら
それじゃ、今から出来事を書きますね
「んっと、次のは此処等辺を縄張りにしてる狩人達の噂の、森の奥に潜む宝って訳ね」
「ふ〜ん、眉唾もんか?」
ミスツェルプストーが確認し、才人さんが信憑度を尋ねます
「まぁ、狩人が何かに襲われて気を失った後に、森の入口付近に移動してたって事が、頻発してるみたいね」
「何がしかの、マジックアイテムの可能性って事か?」
「そういう事みたい」
ふむ、と皆が考え込んでます
私はさっぱり解らないので、後ろから付いて行くだけです
暫く森の中を進んでたら声がしました
「風よ、我と契約せし「相棒、今直ぐ俺を抜いて上に掲げろ!!」
デルフさんが切迫した声で鯉口切って警戒したので、才人さんが反応して、直ぐに抜刀したんです
そしたら、皆眠気が来たと思ったら、暫くしたら何も起きなくなりました
「今、一瞬眠くなったな」
才人さんがデルフさんに尋ねます
私達も眠気で膝を付いたんですけど、頭を振ってます
「今のは先住の眠りの魔法だ。全員警戒しろ」
デルフさんがそう言ったので、皆の顔に緊張が走ります
「人間よ、何故眠らない?」
声をかけられた先には、翼をはためかせた人が数人、宙に浮いてました
「翼人ね」
ミスツェルプストーが杖を構えます
「キュルケ、ちょっと待て。いきなり攻撃しなかったんだから、何か理由が有りそうだ。俺らが縄張りに入っただけかもしれん。ちと、聞きたい。最近頻発してる狩人の睡眠中の移動ってのは、あんた達の仕業かい?」
「その通りだ。人間」
「何か理由でも有るのかい?」
「我々の子育ての季節だ。人間に邪魔されては困る。この先に我らの巣が有るからな」
「それじゃ、しょうがないな。邪魔して悪かった。獣の狩り位は認めてくれないかね?」
「此所から先に、近寄らねば構わぬ」
翼人さんって、話が判るんだ
「話が判るね」
「ねぇ、ダーリン。本当に良いの?」
「別に彼らに恨みが有る訳じゃないし、オークみたいに害が有る訳じゃないんだろ?」
「其もそうね。邪魔して悪かったわ、翼人さん」
ミスツェルプストーを筆頭に、全員謝って立ち去ろうとしたんです
「…待て、人間」
「へ、俺らに用?」
才人さんが振り返って、話かけました
「青髪の娘。お前に聞きたい事がある」
「…何?」
ミスタバサが振り返り、皆も倣いました。何か用なのでしょうか?
「アイーシャと言う名に、聞き覚えは無いか?」
「……ガリアの翼人の娘?」
「やはりそうか。聞いた風体とそっくりだったものでな」
翼人さんが一人、降りて来て、ミスタバサの手を取りました
「我が姪の結婚に尽力してくれたと、この前訪れた時に聞いている。ささやかながら、礼をさせて欲しい」
「あらん、タバサ。貴女、翼人に知り合い居たの?」
ミスツェルプストーがびっくりしてます。私達もびっくりです
「…皆居るし、使い魔も居る。子育ての迷惑になる」
「客人となれば話は別だ。其所の男、アヌビスに縁の者では無いのか?」
「アヌビス?」
ミスタバサが、思わず問い返しました
「エルフの6000年前の聖人だ。我等もエルフと同様、大いなる意思に基で生きて居る。多少は交流がある」
「なぁ、アヌビスってのは何だ?俺の国だと、異国の神様になっちまうんだが?」
思わず才人さんが聞いてます
「お前の左手だ。輝く左手を、アヌビスも持っていた」
「はぁ?」
才人さんがまじまじと、使い魔のルーンを覗き込んでます
「つまり、エルフの聖人は、人間の可能性が有るって事か?」
「6000年前だからな。何が有っても、不思議ではあるまい」
私はさっぱり解らないんですけど、貴族の皆様はどうなんでしょう?
「ミスモンモランシ。解りますか?」
「解る訳ないじゃない。エルフの聖人なんて、今初めて聞いたのよ?」
皆も頷いてしまいました
才人さんだけ、何か考え込んでます
顔を上げると、翼人に話かけました
「タバサのついでで悪いけど、お邪魔するよ。後、うちらには、大食漢の肉食の使い魔が2体居るんだが、大丈夫か?」
「ふむ、では我等が用意しよう。ではお客人。我等の巣に招待させて頂こう」
あっさり、才人さんがまとめてしまいました
「あの、才人さん。良いんですか?」
「人間と違う知的種族は、俺の国には居なかったからね。凄い興味有るんだわ。反対は居る?」
才人さんの目が、好奇心で一杯です
ミスグラモンが、肩をすくめて言いました
「ほっとくと、才人とタバサだけで行っちゃうし、僕らも行くよ」
そう言って、まとめてしまいました
私も翼人さんの生活に興味深々です。何か、私に知らない野草知ってるかも

で、木ノ上に翼人さんに上げて貰ったんですけど、立派な家が幾つか建ってました
通されたのは、族長さんの家みたいです
「客人。急な招待に応じてくれて感謝する」
ミスタバサが応えました
「私は任務でやっただけ」
「其でも、人間と翼人の婚姻は、我の知る限り、例が無い。人間と歩み寄れる路を示した事に、感謝しておるのだよ。だから、森に狩りに来る狩人達にも、傷を負わせず帰そうという事になった」
「人間と翼人が……結婚!?」
ミスツェルプストーが驚いてます
私達もびっくりです
「うむ、我が姪は、きちんと身篭る事が出来た。人間と翼人は歩み寄れる」
今度は族長さんじゃなく、アイーシャさんの叔父さんが、話してくれました
「つまり、翼人と人間は近縁種って訳か」
才人さんが、また考え込んでます
そんな才人さんを、興味深そうに族長さんが話します
「そなたの物言い、まるでエルフだな」
「そうか?」
「うむ。やはり、アヌビスの縁では無いのか?」
「いや、此は使い魔の刻印だ。俺は何処にも縁は無い」
「ならば、どうやって産まれて来た?まさか、木の股からではあるまい?」
「似た様なもんさ。使い魔召喚で呼ばれて来た。此方には本当に縁が無いんだ」
「…難儀しておる様だな」
「まぁね。此処に居る皆には助けられてるよ」
「我等としても、アヌビスに縁の者とは、縁を結びたいのだが?」
「いやいや、だからアヌビスとは関係無いって」
「其は大いなる意思が定める事だ。其所の娘が我等と人間を結びつける縁となったのも、大いなる意思の思し召しだろう。全ては必然だ」
「へぇ、そういう考えか」
才人さん、随分と楽しそう
私達は、会話に付いて行けません
ってか、何か縁を結ぶって古風に言ってますけど、どういう事でしょう?
「必然を、必然として結びつけるのは我等の務め。我等の中には血縁の関係で、つがえぬ者が居てな。そなたが血縁が居ないので有れば、まさに我等にはうってつけだ」
へ?まさか?
そう思った途端、叔父さんが才人さんをがしりと掴んで引きずります
「ちょっと待て、いきなり何すんだ〜〜〜!?」
あ〜あ、別の家に飛んで行っちゃった
「…才人を何処にやったの?」
「何、我等の娘達とつがって貰うだけだ。この季節を過ぎると、暫く無理なのでな」
「知り合って間もないのに?」
「そなた達は、あの男の雌だろう?」
皆、ぎくりとします
「ええと、解りますか?」
ミスグラモンが聞いてます
「無論だ。我も伊達に齢を重ねておらぬ。済まぬが、本当に困っておってな。他の巣と交流する時間も無いので、承知して欲しい」
「嫌だと言ったら?」
ミスツェルプストーが剣呑そのもので聞いてます
「我等の子を産むか?。此処は我等の契約の場所。そなた等では、我等には敵わぬよ」
「才人以外の子なんてお断り」
ミスモンモランシが杖を構えて睨み付けます
すると、私達に枝が絡み付いて、身動き取れなくなってしまいました
「もう一度言う。我等は時間が無い。次の季節迄、娘達を放ってはおけぬ。済まぬが、一晩だけ貸してくれ」
「…一晩で出来るの?」
ミスタバサが聞きました
「言ったであろう。子育ての季節だと。今なら子を作れる。次は5年後だ」
5年……ですか
皆、黙ってしまいました
ミスタバサが、続けて聞きます
「貴方達の繁殖の都合は解った。でも、何故才人?」
「其が大いなる意思に叶うからだ。アヌビスに、縁の者だと言ったろう?」
「貴方達がそう考えるのは構わない。でも、才人自身が否定している」
「其はきっかけに過ぎない。此方に縁が無いと言って居たのでな、新しい血を入れるのに最適だと判断した。娘達には、アヌビス縁の者と言えば、嫌がる娘は居るまい」
最早私達には、どうする事も出来ません
「相手の娘達の人数は?」
「二人だ。どちらも初季節だ。群れにつがえる相手が居なかったので、酷く落胆していた。先程の男の従姉妹はな、私の娘をあちらの族長の嫁にやった娘だ」
「息子さん、ですか?」
私が聞きます
「そうだ。其に、つがえぬ娘達の親でもある」
「はぁ」
「娘の婿探しに必死なのかぁ。何か、他人事に思えない話よね?」
ミスツェルプストーが言って、私達も頷いてしまいました
「私達に手を出さないって誓える?」
ミスモンモランシが確認します
「無論だ。歳若い男達は、つがい相手が皆居る。他に手を出す暇なぞ無い」
そう言って、私達を解放してくれました
「其に我等は、翼が美しい娘が好みだ。残念ながら、趣味に外れておる」
「失礼しちゃうわね」
ミスツェルプストーが、ぷんぷん怒ってしまいました
「さて、客人。ささやかながらもてなそう。我等、翼人の文化を味わって頂きたい」
そう言って、軽く微笑んでくれました
料理は木の実がメインで、私達が知らない果実と果実酒や、多少のお肉も提供してくれました
焼いたり蒸したりしたモノで、生もありましたけど、結構美味しかったですよ?
「あの、この木の実ってどれから採るんですか?」
私が聞くと
「あぁ、其は断崖絶壁に生える樹木の実でな、我等翼人で無ければ取れぬ。中々に美味であろう?」
「本当に美味しいわ。此、人間に売っても儲かるわよ?」
「我等に、人間の貨幣は必要無いのでな」
「そう言えばそうね。残念だわ」
ミスモンモランシが、本当に残念そうに言ってます
「実は沢山採れる。土産に持って行け。栄養豊富で我等に取って、不可欠な物だ。特に男の種作りに効果が高いので、子育ての季節には欠かせぬ」
「有り難うございます」
此で才人さんを絶倫にしちゃいましょう
あ、イケナイ、涎がって思ったら、ミスモンモランシとミスグラモンからも、涎が出てます
皆、考える事は一緒ですね
はぁ

ひいお爺ちゃん
才人さんが翼人さんのお婿さんに、強制的になってしまいました
実は、取り返そうとミスタバサがフライで飛んだんですけど、件の家の前で、弾かれてしまったんです
先住魔法は強力です
私達は諦めて、才人さんが帰って来るのを待ちましょう
翼人さん、最初から才人さんが狙いだったんじゃないんですか?
グスン

〇月×日
7日目です
才人さんが翼人の娘さん二人に両側から抱かれて、族長さんの家に戻って来ました
「有り難うな」
「いえ、妻として当然ですわ。アナタ」
「私達、あなたの子を頑張って産みますから、季節でなくても来て下さいね。出来れば、会いに行っても構いませんか?」
「あぁ、まぁ」
「クス。昨晩だけでは足りませんわ。アナタ」
「カチュア、ラクチェ。余り困らせないでくれ」
「「嫌ですわ」」
えぇ、私達の前でそりゃもう睦ましく、金色の髪の毛の娘さん達は艶を出してますよ
ムカムカムカムカ
「貴女達、名前は?」
「私はラクチェ」
「わたしはカチュア、貴女は?」
「私はモンモランシー=マルガリタ=ラ=フェール=ド=モンモランシ。モンモランシ伯爵家が一女。そして平賀才人の女。才人はあんた達の男じゃない。才人は私のよ」
完全に努気を発したミスモンモランシ
彼処迄怒ったミスモンモランシは、初めて見ました
そんなミスモンモランシに近付いて、クンクン匂いを嗅いでます
「あら、貴女からは、余り旦那様の匂いがしないわね」
「そうね。余り、可愛いがって貰ってないみたい」
「そういうあんた達は?」
「私は10回」
「わたしは11回。見る?」
そう言ってたくし上げて、股間から才人さんの精が垂れてるのを、私達に見せます
むう、回数もそうですが、人間の女の人より身体が細いですよ
羨ましいなぁ
「ちょっと、待ちなさいよ。何で男の限界超えてるのよ?変じゃない?」
「お爺様に聞かなった?あの赤い実の事」
「即効性なの?」
「そうよ。私、憶えて無い位イカされちゃった」
「わたしは途中で失神何回もしちゃった。でも初めての時は凄い興奮しちゃった。私達翼人には無い、逞しい身体の旦那様を精霊の力で組み伏せて、上から乗って。はぁ、さ・い・こ・う」
二人共、うっとりしちゃってます
「…つまり、無理矢理なのね?」
「最初だけよ〜。赤い実を大量に食べて貰ってからは、ノリノリだったもの。ねぇカチュア」
「そうね、ラクチェ。わたし達はもう、身も心も旦那様のモノよね」
「私達は此処で子供産むから付いては行けないけど、才人様の事宜しくね。お妾さん」
「いい加減にしなさい!!あんた達が妾なのよ!!本妻は私!!」
「じゃあ、私達より先に子供産めば良いのにね」
「人間にはタイミングってのが有るのよ。あんた達も5年に一度なんでしょ?」
「あら、何か勘違いしてらっしゃるみたいだけど、私達に子供が出来るのが5年に一度なだけで、可愛いがってくれるのは、貴女達人間と同じで、殿方次第よ?」
そう言って、クスクス笑ってます
あはは、参った
才人さんは堅いから、中々可愛いがってくれないのに
「才人」
「……イエッサ」
「…翼人って、良かった?」
「赤い実の効果があったから、ノーコメントで」
「私より良かった?」
「どっちも魅力的。日本じゃ有り得ねぇ。此だけは断言するわ」
バシーン!!
あ〜あ、思い切り叩かれてます
「此で許してアゲル。ラクチェ、カチュア」
「なぁに?」
「旦那様叩かないでよ」
「才人は使い魔で、非常に嫉妬深い女の主人が居るの。逢い引きする時は、気をつけるのね。私達はトリステイン魔法学院の生徒よ。才人はその生徒の使い魔。桃髪の女子生徒に気をつけるのね」
「逢い引きしても良いの?」
「私はね、許すと決めてるの。でも翼人は想定外よ」
「有り難う。ええっと、モンモン?」
「モンモランシーよ。モンモンは才人だけよ。間違っても呼ばないで」
「そう、宜しくね。モンモン」
「カチュア!!呼ばないでって、言ってるでしょ!!」
「余裕無い女は嫌われるわよ。モンモン」
「ラクチェ迄」
ミスモンモランシはがっくりしてます。二人共からかってますね
才人さんは、完全に頭抱えてます
でも、先住魔法と赤い実の組み合わせじゃ、才人さんでも抵抗出来ないですもんね
仕方ないです
「ねぇ、ダーリン」
「何?」
「何でデルフで、魔法吸わなかったの?」
「デルフは色事に付いては、完全に敵なんだよ。吸う訳がねぇ」
「へぇ、良い事聞いちゃった」
ミスツェルプストーも、無理矢理やる積もりでしょうか?
「じゃあ、次行くか。悪いけど下に降ろしてくれ」
「はい、アナタ」
「名残惜しいですわ、あなた」
「はぁ、まぁ今度な」
「「はい!!」」
あ〜あ、才人さんにお嫁さんが出来ちゃった
よ、翼人だからノーカウントです
ぜ、絶対にノーカウントなんです
先住魔法なんてずる過ぎる〜〜〜〜〜!!

ははは、え?今日の移動後ですか?
外れでしたよ
魔獣が出たけど皆やる気無し状態で、才人さん一人で掃討しちゃったそうです
才人さんの剣技は荒れてて、死体を斬り刻んでたらしいです
それ見て怯えた他の魔獣は、逃走しちゃったとか
本日は、夕食にあの赤い実を擦り潰して火を通して、あげちゃいました
此で準備万端かと思ってたら
「この色はもしかして」
「はい、栄養豊富だって、お土産に持たせてくれました。たっぷり食べて下さいね」
「…頂きます」
才人さんは覚悟して口にしたみたいですけど、食べ終わっても、普通にしてました
「あれ?才人さん、何かこう、ぐわって来るって、翼人さんに聞いたんですけど?」
「多分、火を通したせいじゃないかな?美味かったけど、昨日みたいな気分にはならないな」
し、しまったぁぁぁぁぁ!?
生食限定ですかぁぁぁぁ!?
あ、期待してた皆が、あからさまに落ち込んでます
「ちょっと、シエスタ。何失敗してんのよ?」
「私だって、初めての食材なんです。ごめんなさい」
ミスモンモランシから責められてしまいました
この一夜の為に、お土産全部使ってしまったから、もう出来ないです
ぐすん

ひいお爺ちゃん
翼人は敵ですよね?
絶対そうですよね?
まさか、空から鳥にお肉浚われるとは思わなかったぁ〜〜〜
あの二人とは、いつかケリ付けさせて頂きます
待ってなさい、鳥女

〇月×日
8日目ですよ
本日も宝探しは外れでした
才人さんは黄昏てます
本日も、魔獣狩りは才人さん無双だったそうです
翼人さんに、無理矢理されたのがショックなのかなぁ?
女のコ好きって言ってるのに、何故か他の男性みたいには動かないんですよね
本当に不思議な人です
「あら、また日記書いてるのね」
「ミスツェルプストー。他の皆様は?」
「才人は、フレイムに寄りかかって寝てるわ。狩りには、三人で行って貰ってる」
「あ、そうなんですか。才人さんは狩りに出さないんですか?」
「シエスタも解ってるでしょ?少々荒れてるのよ。動物相手じゃ察知されちゃうわ。其に、なんだかんだ言って、一番働いてるのよ?」
「魔獣狩りって凄かったんですか?」
「ヘルハウンドだったんだけど、交叉した瞬間に、相手の首一撃で落とすのよ?後はその繰り返しで、あっという間に、10体居た魔獣が全滅。逃げた連中を魔法でやろうとしてたら、そんな事する必要無かったもの」
「ヘルハウンドって、馬より速い狼より強い魔獣じゃないですか」
「一斉に襲いかかった連中を2刀を数閃したら、終わってたわ。詠唱してる時間も無かったもの」
「何か、更に強くなってませんか?」
「なってるわよ。信じられない位。翼人が種欲しがるのも解るわ」
ミスツェルプストーが、肩をすくめてます
「ミスツェルプストーは、才人さんが翼人さんのお嫁さんを貰った事に付いて、どう思います?」
「私達が迂濶だったのよ。貴女は先住に対抗出来る?」
「無理に決まってるじゃないですか」
「じゃあ、才人の事を責めるのは、お門違いなのは解るわね?」
「はい、でも」
「彼らには彼らの理由が有るのよ。族長に聞いたんだけど、初季節か2回目迄に相手を見つけられないと、行かず後家になるらしいわ。男はそんな事無いらしいんだけど」
「2回目に見つけるのは、相当大変みたい。アイーシャさんの話は聞いたでしょ?」
「はい」
「アイーシャさんの人間との結婚が認められたのは、その2回目だからなのよ」
「あっ」
「解った?人間と結婚でもしないと、子供も出来ず、ずっと一人なの」
「何か、私達よりシビアですね」
「数が元々少ないし、近隣の氏族とは、血縁殆ど結んでしまってたんですって。二人の婿探しに遠征するには、他の夫婦の子育てを放棄する事になる。本当に苦渋の選択だったみたい」
「はぁ、翼人さんも、大変なんですね」
「エルフの聖人云々は、本当にきっかけに過ぎないみたいね。要は、後押し出来る相手かどうかだったみたい」
「少し、話しただけじゃないですか」
「ダーリンの事、凄い気に入ってたわよ。本当にしつこく聞かれたもの。アヌビスに縁ってのも、半ば本気なんじゃないかしら?」
「でも私達、才人さんの事なんて」
「そう、才人の国や技術はともかく、才人個人の事は、私達は何も知らない。ハルケギニアを、どう思ってるのかすらね。ただ、腐った貴族が大嫌いって事しか、知らないわ」
「ミスツェルプストーは、腐った貴族ですか?」
「ダーリンが傍に居てくれてるから、そうじゃないと思いたいわね。私がどう思われてるか解らないわよ。私も知りたいモノ。只、ダーリンが言い寄って来たら、喜んで捧げるのは間違いないわ」
「ミスツェルプストーにそうされたら、とても困ってしまうんですが?」
「あら、貴女メイド服に隠してるけど、スタイル抜群じゃない。肌なんて私も敵わないし。あの赤毛のメイドみたいな、メイド服着たら?一番人気になれるわよ?」
「才人さん以外に、近付かれても嫌ですから」
「一途ねぇ」
ミスツェルプストーは気だるく髪を掻き上げました
うぅ、凄い色っぽい
「まぁ、ダーリン攻める方法を、教えてくれたのは感謝よね」
「攻める方法ですか?」
「袋小路に追い込む」
「…成程」
「シエスタ、貴女も何回もかわされてるんでしょ?」
「はい」
「なら、絡め手で行ってご覧なさい。ダーリン仕留めるのは、其しか無いわね」
アドバイスしてくれてますけど、構わないんでしょうか?聞いてみました
「はい。その、良いんですか?」
「貴族に愛妾はつきものよ。そんなの一々気になんかならないわ」
「寛大なんですね」
「ヴァリエールが狭量なのよ。勘違いしないで欲しいのは、私でも嫉妬位はするわよ?」
「翼人さんとの事は?」
「そりゃ、もう。彼らの家じゃ無かったら、燃やしてたわ。全く、私の様な美女を置いておいて、他の女ばっかり」
「あの、まさかわざと、寝相悪くしてるんですか?ミスグラモンが女性だと知れてから、胸はだけっぱなしですよね?」
「下も穿いてないわ」
「へ?」
「汚れるのよ、すんごく。替えが中々洗濯出来ないじゃない」
あぁ、つまり、濡れちゃうんですか
ミスツェルプストーは顔真っ赤にしてます
「でも、何時も男性が声かけてますよね?」
「他の男達とダーリンは違うわ。ダーリンの傍だと安心出来るし、落ち着くのよ。欲望にぎらついた男は、もう飽々してるの」
「美女も大変ですね」
「あら、有り難う」
「もしかして、本当に才人さんを、貴族にする積もりですか?」
「えぇ、そうよ。ダーリンが一番貴族らしいもの」
「じゃあ、今回の報酬出たら、貯めるんですか?」
「勿論。タバサとそう決めちゃった。モンモランシーは、薬代に充てるから使うって言ってたわ。ダーリンに薬は必須だしね。ギーシュは、実家の借金返済だって。貴女はどうする?」
「特に考えて無いです」
「実家に幾ばくか送金して、後は私達に協力しない?」
「ですが、ゲルマニア貴族になってしまったら、トリステインから離れてしまうじゃ無いですか」
「あ〜そっか。じゃあ問題、タバサはガリア、私はゲルマニア、二つの国に丁度良い距離の場所は何処でしょう?」
「…トリステインです」
「正解、どう?」
「私は頭が良くないですが、少し考えさせて下さい」
「ん〜そっか。別に封建貴族は領地に篭ったまんまじゃないのよ?領地は代官に任せて、国に奉公する貴族が居るのも知ってるでしょ?」
「はい」
「だからね、ダーリンにやって貰うのは、その代官を選任して、トリステインにずっと居れば良いのよ」
「はぁ」
「良い返事、期待してるわ」
ミスツェルプストーが、テントから去ろうとしてます
「あの、どちらに?」
「ダーリンと添い寝。私、賭事弱いんだもの。実は、さっき迄してたのよ」
「あぁ、ズルイ!!」
「だったら、さっさと日記終らせるのね」
クスって笑って、出て行ってしまいました
こ、こうしてはいられません!!

ひいお爺ちゃん
私はお嫁さんになれるんでしょうか?
貴族の皆様の陰謀が始まってます
あぁ、何をどうすれば良いのでしょう?
私は、お世話しか出来ません
それでも、頑張れ私


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Last-modified: 2010-12-03 (金) 11:30:41 (4887d)

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