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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:56:39 (4544d)

400 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/07(土) 14:27:27 ID:F5rhPsca
才人は寝ぼけていた。
しかも喉が渇いていた。
だもんで、ルイズの棚を冷蔵庫と間違えても仕方なかった。
さらにもって、その中にある変な薬の瓶を、ペプシの500mlボトルと勘違いしたのは当然のことで。
一気にぐびぐびと飲み干し、ルイズの寝ているベッドに戻る。
あー、寝てる時は可愛いもんだよなあ、とか思いながら、才人はそのままばたんきゅーと眠りに落ちる。
妙なしゃっくりが出て、その後才人は熟睡した。

ルイズは夢を見ていた。
それは、サイトが自分にベタボレで、他の女の子なんか目もくれなくて、何故か貴族で身分の差なんか気にしなくてもいいサイトで。
そんな才人が、今目の前に跪いて自分の手に口付けている。

『ああ、愛しのルイズ・フランソワーズ。キミはなんて美しいんだ』
『イヤだわサイトったら。またそんな冗談』
『キミが美しいというのが冗談だというのなら、この世界に真実など存在しないよ』
『もう、お上手なんだから』

…誰だよコイツ、とかどこかで聞いた声が突っ込みを入れるが、夢の中の二人には聞こえていない。

『ああルイズ、愛しのルイズ。どうか、ボクだけのものになって欲しい』
『…なら、誓って頂戴。永遠の愛を、この剣に!』
「なー虚無の嬢ちゃーん」

最高の夢は、最悪のタイミングで伝説の剣に一刀両断された。

「なー虚無の嬢ちゃん。夢見がとてつもなく良かったのは認めるが、それでオイラを溶かすのはお門が違うってもんだぜ?」
「ななななななにが良かったのよ!アンタのせいで最悪だわ!もう!」

デルフリンガーの呼びかけで目覚めたルイズは、二重の意味で不機嫌だった。
一つは最高の夢を最悪のタイミングで邪魔されたこと。
もう一つは、隣に才人がいないことだった。
最近のルイズの楽しみの一つに、才人より早く起きて、彼の起きる前のアホ面を眺める、というのがあった。
たいていはバカみたいに大口を開けてぐがぐが言っているだけだが、たまに自分の名前を寝言で呼ばれたりすると、ルイズの自尊心は思い切り満たされる。
ほら、夢の中までこの犬私に夢中なのよ!メイドなんかメじゃないわ!なんて思ったりする。
そんな日は、才人が起きるまで彼の胸で寝たフリをして、ひと時の幸せに身をゆだねたりするわけで。
で、メイドの名前なんか呼んだ日には、「何ご主人様より遅く起きてんのよっ!」と蹴りが飛んだりするわけだが。
でも、今日はその才人がいない。
だもんで夢の邪魔をしたこの棒っきれに怒りの矛先を向けたわけである。

401 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/07(土) 14:28:22 ID:F5rhPsca
「ちょーどいいわ!保護者のサイトもいないことだし、今日が年貢の納め時ね!キレイに溶けたら包丁にして再利用してあげるわ!」
「イヤ目がマジだし…。溶かす前に、相棒からの言伝を聞く気はないか?」

才人からの伝言と聞いては、ルイズも杖を納めざるをえない。

「い、いいわ。溶かすのは聞いてからにしてあげる」
「あー、んじゃ言うぜ。
『愛しのルイズ』」
「溶かすわよ」
「待て待て待て!マジでそう言ったんだって!」

導入からして怪しさ過積載なカンジだったが、どうやらデルフリンガーの言葉は本当らしい。
溶かされてまで冗談を言いたがる剣はいないだろう。
…っていうか喋る剣じたいそうそういない気がするけど…。

「続けるぜ。
『キミの美しい寝顔を見ていて気づいた。
 オレはキミに相応しくない男だ。
 オレは旅に出る。ガンダールヴの力なんかに頼らなくてもキミを守れるほど強くなって必ずキミの許へ帰ってくる。
 それまで待っていてくれ、愛しのルイズ』
 …だってよ。なんか妙な薬でも盛ったか嬢ちゃん」

妙な薬…?

「あーーーーーーーー!」

ピンときて、ルイズは棚に駆け寄る。その足が、ガラスの空き瓶を蹴っ飛ばした。
それは、モンモランシーから買った惚れ薬。
『胸の大きさだけが戦力の差じゃないってこと思い知らせてあげるわ!』『恋愛は策略なのよ!』と自分に言い聞かせ買ったはいいが、使う機会が得られず、棚にしまっておいたのである。
どうやら何かの拍子に、才人はそれを飲んでしまったらしい。
ってことは。
才人が起きた時に気づいてれば、夢は現実のものになってたかもしれないわけで。
血の涙を流して、ルイズは杖を振り回す。

「やっぱ溶かす!このボロ剣溶かしてやるっ!」
「わーまて嬢ちゃん!同じ伝説同士仲良くしようじゃないかっ!ねえっ!」

シエスタが騒ぎに気づいて止めに入った時には、デルフリンガーの柄頭がちょこっと溶けていた。

402 名前:せんたいさん[sage ] 投稿日:2006/10/07(土) 14:29:29 ID:F5rhPsca
夜勤明けにつきそろそろ限界ッス。
続きは飯食って風呂入って寝たら書きマス。
エロ抜きでいけるかどうか。そこが心配だ<根っからの変態

438 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/08(日) 07:44:05 ID:wG+Q+fjv
「事情はよっっっっっくわかりました」

シエスタは半分呆れた声で、床に正座するルイズを見下していた。

「だ、だって!あの犬タバサにまで手ぇ出したのよ!アンタもなんとかしなきゃなー、とか思わないの?」
「だからって薬を使っていい道理はありません」

正論に、ルイズはしゅんとなる。

「あまつさえ、デルフさんを溶かしていい事にはなりません。まったくもう」
「まったくもう」

シエスタの声真似をするカベに立てかけられた伝説の剣に、ルイズはぎろりとガンを飛ばす。

「元はといえばアンタがサイトが出てく時に起こさないのが悪いんでしょー!」
「だってしょうがないじゃんよー。あんなマジな相棒めったに見ないしよー」

おほん、と咳払いするシエスタに、ルイズとデルフリンガーは口をつぐむ。
こういう時のシエスタはなんだか強い。

「で、行き先の心当たりはあるんですか?デルフさん」
「まーだいたいはなー」
「で、ミス・ヴァリエール。解除薬はちゃんとあるんでしょうね?」
「あ、あるに決まってるじゃない。セットで買わされたわよ」

ふむふむ、とシエスタは頷き、ちょっと考えたあと、言った。

「じゃあ、解除薬を持って、その心当たりを当たってみましょう。
 異論はないですねお二方とも」

問答無用の笑顔で、シエスタは言い放つ。

「…分かったわよ」
「へーい」

過去に似たようなことをした前科のあるシエスタには、今のルイズの気持ちは良く分かる。
さらに、最近才人と仲良くしているタバサという女の子のことも知っていた。
…これ以上余計な虫が着く前に、釘を刺しておかないといけないかもいけません…。
実は、既に手遅れだったりするわけだが。

突然の才人の来訪に、アニエスは驚いていた。
たまたま所用があって屋敷に戻っていたから良かったようなものの、もし王都で公務だったらどうする気だったんだ、と思った。
でもまあ、可愛い弟子がわざわざ逢いにきたことだし?お姉さんがんばっちゃおっかなー、などとウキウキするアニエスだった。

「どうしたんだサイト、わざわざお前から逢いに来るなんて珍しいな」
「アニエスさんにお願いがあります」

いつになく真摯な眼差し。
な、なんだコイツ、こんな顔もできるんじゃないか…。
ひょ、ひょっとしてアレか?いつの間にか本気になってました結婚を前提に以下省略、とかってアレか!?
いやまあ確かにキライじゃないしどっちかっていうと好みだしこないだシュヴァリエになったし認めてるしアッチも上手になってきたけど!
なんて想像を逞しくして軽く赤面するアニエスだったが、その後の才人の台詞で見事に肩透かしを食らってしまった。

「オレと、勝負してください」

439 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/08(日) 07:48:25 ID:wG+Q+fjv
二人は木剣を手に、中庭で対峙していた。

「…本気なんだな、サイト」

ヘンな妄想を抱いていた自分をちょっと恥じながら、アニエスはゆっくりと木剣を構える。

「はい」

言った才人はしかし、木剣を構えずに、柄の根元を左手で逆手に持ち、腰に当てた。
なんだあれは?見たことのない…構え、なのか?
才人はそのまま軽く腰を落とし、剣の柄に手を掛ける。

「いつでもどうぞ」

才人は動かない。どうやら、あれで構えが完成しているらしい。
どういった意図を持つ構えなのか分からないが、この構えには決定的な弱点があった。
自分から攻められない。
あの状態から剣戟を放てるのはおそらく一度だけ。初太刀をかわしてしまえば次はない。

「その状態で、どうやって攻める気だ?」

その初太刀を見極めるべく、アニエスは自分からは攻め込まない。
ならば。
才人は構えを保ったまま、間合いを詰める。
腰溜めに構えているせいで、アニエスからは才人の剣が見えない。間合いが計れない。
どこまでが才人の攻撃範囲なのか測れないアニエスは、自分の間合いギリギリを保つため、あとずさる。
才人はさらに間合いを詰める。
そうこうしているうちに…アニエスは、中庭の隅に追いやられた。

「…なかなか嫌な構えだな。どこから攻めていいのかわからん」

才人は自分の間合いにいる。どうする?攻めるか?
才人の狙いが分からない以上、うかつに攻めるべきではない…が。
負けるわけにはいかない。
そう思った瞬間、アニエスは踏み込んでいた。
この初太刀は囮だ。踏み込むと見せかけて…。
そう考えていたアニエスだったが、踏み込んだ瞬間に、すでに才人は動いていた。
予想外の踏み込みの深さと剣閃のスピードに、慌てて木剣を立てて、防御に徹する。
才人の剣は、その防御ごとアニエスを吹き飛ばしていた。

440 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/08(日) 07:50:09 ID:wG+Q+fjv
「だ、大丈夫ですかっ!?」

思い切り吹き飛んで中庭の植え込みに叩きつけられたアニエスを、才人は慌てて助ける。

「つつっ…なんだ今の、間合いもスピードも段違いじゃないか」

アニエスは驚きを隠せない。

「『居合い』っていいます。オレの国の剣術ですよ」

言って、才人は倒れたアニエスに手を差し出す。
アニエスはその手を取り、微笑む。

「そうか。『イアイ』…覚えておこう。
 強くなったな、サイト」

認めざるをえないだろう。
自分は今…サイトに負けたのだと。

「私の負けだよ。よくやったな」

にっこり笑い、アニエスは言う。
不思議と悔しさはない。
二人は互いの健闘を称えあい、握手を交わした。

441 名前:せんたいさん[sage ] 投稿日:2006/10/08(日) 07:52:09 ID:wG+Q+fjv
起きたら出勤前でしたーーーー!orz
スマソ、気合で書いたがここまででタイムオーバーです。
ていうかコレどこのバトル小説デスカーーー!!
あれー?甘甘はどこいったのかなー?あれれー?
というわけで仕事いってきますノシ

565 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/09(月) 13:13:27 ID:vv+/UCrZ
才人がアニエスの屋敷から出てくると、そこにはルイズとシエスタがいた。

「な、なんで?」
「まー結構長いこと相方やってるからな。相棒の考えくらい読めるってもんよ」

どうやら才人がアニエスの屋敷に向かったであろうことを教えたのはデルフリンガーらしい。
伝言役にしたのは間違いだったか…?

「…サイト」

そんな才人をじっと見つめるルイズ。
その視線を受け止め、才人も同じように見つめ返す。
まるで、何年も逢っていなかった恋人を見つめるような目で。

「ルイズ…」

だんだんルイズの瞳が潤んできた。
才人が一瞬、ぐっ、と拳を握って、何かに耐える仕草をする。
二人の間に、何か甘ったるい空気が流れ始めたその時。

「はいはいそこまでにしましょーねー」

ぱんぱんぱん、と手を叩きながら、二人の間にシエスタが割って入る。
何いいとこで邪魔してんのよこのバカメイド、とルイズは視線で語りかける。
何言ってんですかここに来た目的忘れてませんか、とシエスタも同じく視線で語り返す。
そして才人に向かってガラスの小瓶を差し出す。

「はいサイトさんこれ飲んでくださいね」

その中には、解除薬が入っている。
もちろん才人はそれが何かは知らない。

「ごめんシエスタ!気持ちは嬉しいけど、オレはルイズを愛してるんだ!」

シエスタの目が点になる。
会話が噛みあってない。惚れ薬のせいで、才人のオツムは完全に出来上がっているようだ。

「あ、あのーサイトさん?」
「さ、サイト…」

やばいこっちも出来上がってる。
もう完全にラブロマンスモードのルイズが、潤みきった瞳で才人を見つめていた。
…まったくもー、どっちも似たもの同士なんだからー…。
とりあえず理性の残ってそうなこっちを。

「ミス・ヴァリエール、ちょっと」

シエスタは、ルイズを引きずって才人から引き離す。

566 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/09(月) 13:15:07 ID:vv+/UCrZ
「な、なによ」
「目的、忘れてませんか?この薬をサイトさんに飲ますんですよ」
「わ、わかってるけど…」
「ミス・ヴァリエールが責任を持って飲ませてあげてくださいね」

言って、ルイズの手に薬瓶を握らせる。
目の前に薬瓶があれば、本来の目的を忘れることはないだろう。
シエスタはルイズに瓶を手渡すと、才人の前にルイズを押し出す。

「ほらっ、サイトさん。ミス・ヴァリエールがお話があるそうですよっ」
「あ、こらっ」

押し出されたルイズは、否応なしに才人の前に立たされる。
自分をじっと熱い視線で見つめる才人に、ルイズの頭の芯がぽーっとなる。
しかし、手の中の薬瓶が、ルイズを現実に繋ぎとめていた。
このサイトはサイトじゃない。

「あのね?サイト、そのね?」
「…ダメだルイズ、それ以上言わないでくれ!
 キミの声を聞くだけで、オレの決心はぐらついてしまいそうなんだ!」

声を聞くだけでぐらっとくるときたもんだ。
この状態で、『私だけのものになって』なんて言った日には。
…じゃなくてっ!
あやうく妄想の世界にいってしまいそうになる自分を奮い立たせ、ルイズは才人を見つめる。
で、才人は熱い眼差しで見つめ返してくるわけで。
…ああもうこうなったらっ!
ルイズは薬瓶の蓋を開け、その中身を口に含んだ。

「あー!」

シエスタはルイズが解除薬を飲み干してしまうのではないかと思い、思わず声を上げる。
ルイズはシエスタの声を無視し、解除薬を口に含んだまま、おもむろに才人にキスをした。
才人はそんなルイズを抱きしめ、さらに深く口付けるため、舌でルイズの唇を割り開く。
その隙間から、何かが流れ込んできた。
ルイズは、口移しで、才人に薬を飲ませるつもりだったのである。
そして、ルイズのすることに、今の才人が抵抗するはずもなく。
長い長いキスのあと、二人は身体を離した。

「ななななな、なにやってんですかー!」

ルイズの目論見など知るはずもないシエスタが、目の前で繰り広げられるラブシーンに半切れになる。

567 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/09(月) 13:15:50 ID:vv+/UCrZ
抱き合う二人を無理矢理引き剥がし、シエスタはルイズの肩をがっくんがっくんゆする。

「黙ってるのをいい事にー!なにやってんですかー!」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ!ちゃんと飲ませたわよ!」

そう言ってルイズは才人を指差す。
見ると才人はなにやら不思議そうな顔をして二人のやり取りを眺めていたが、急に変なしゃっくりを一つすると、まるで石像のように、完全に固まった。

「あ、あの、サイトさん?」
「…サイト?」

二人はおそるおそる才人に歩み寄る。

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

才人は、ルイズと目が合った瞬間、一気に赤くなり、ガンダールヴが発動した時のようなスピードで逃げ出した。
そのスピードに、デルフリンガーが感心する。

「おー速い速い」

その場に残されたのは、メイドと虚無の担い手と、一本の伝説の剣。

才人がものすごい勢いですっとんでいったのは、学院の方角だった。
きっと才人は学院に戻っているだろうという予測でもって、二人と一本は学院に戻っていた。
帰ってくるなり手分けして学院の捜索に当たる。
はたしてその予測の通り、才人は学院にいた、のだが。
才人を最初に見つけたルイズは呆れた。

「…またモグラなわけ…?」

ギーシュの使い魔のヴェルダンデとともに、中庭のすみっこに大穴を開け、さらにその隅っこで体育座りをしていた。

「…正直、恥ずか死にそうでしゅ」

穴の淵から見ても、耳まで真っ赤なのが見て取れる。
確かに惚れ薬の効果は抜群で、この丸一日ほどの間、才人の頭の中はルイズで一杯だった。
いや、元々才人のオツムの中はかなりルイズで占められているのだが、今回のソレは尋常じゃない。
なんていうか、完全に沸いている時の200%増しで、才人のアタマの中は暴走していたのだ。
ルイズは可愛い=自分はルイズに相応しくない=強くなって帰ってくる、なんてアホな論法は、普段なら天地がひっくり返っても、ルイズがネコミミモードでごろにゃんしてきても思いつかないだろう。
しかも、事もあろうにあんんんなこっぱずかしい台詞の数々…!!
確かにオレルイズ好きだけどさ!惚れてっけどさ!あれはないんじゃねーの!流石に!
思い出すだに顔が赤くなる。

568 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/09(月) 13:16:23 ID:vv+/UCrZ
「…もう、上がってきなさいよ」

穴の隅っこで小さくなっている才人に、ルイズはそう言うが、才人は地面にののじを書きながらうずくまるままだ。
…少しは、私のキモチわかった?
心の中だけでルイズは才人に問いかける。
自分が惚れ薬を飲んで、才人にベタボレになったとき、そして、その効果が解けたとき。自分がどれだけ恥ずかしかったか。
…本当は、嬉しいのも、ちょっとだけ、あったんだけど。
今穴の中で恥じ入っている才人を見ると、その時のことが思い出される。
あの時も、今回も、悪いのは私、なのよね…。
そう考えたルイズは、穴の淵から身を躍らせると、才人の背後に立った。

「いつまでもこんなトコにいるわけにはいかないでしょ?行くわよ?」

言って才人の襟をひっつかむ。
が、ルイズの細腕で本気で固まった才人が動くわけがない。
…もう、しょうがないわね。

570 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/09(月) 13:17:39 ID:vv+/UCrZ
「…嬉しかった」

ルイズは、そう言うと、おもむろに才人を後ろから抱きしめた。
才人の体が一瞬、ビクン、と震える。

「薬でああなってるってわかってても、サイトが私のことだけ考えてくれてるって思うと、すっごい嬉しかった」

日の届かない穴の中だから、言えているのかもしれない。ルイズは続ける。

「サイトも、前に私がああなった時、嬉しかった?」

俯いている才人の表情を伺おうとするが、俯いているのと、穴の中の暗さのせいで、才人の表情は良く見えない。

「…嬉しかったよ」

搾り出すような声で、才人は応える。

「…でもさ、ルイズはオレにとって大事な人で。そんなコをどうにかできるわけなくて」
「…私も、サイトが大事よ」

言ってルイズは、手を解いて才人に背を向ける。
…きっと自分の顔は今、真っ赤だ。こんな顔、サイトに見せらんない。
真っ赤になった顔のルイズの口が勝手に動き、言葉を紡ぎだす。

「…たぶん、きっと、世界で一番大事。一番大事で、一番大切で、一番独り占めにしたいオトコノコ」

わー、なに言ってんの私!
言ってしまってから思わず自分の発言に心の中で突っ込みを入れるルイズ。
その言葉に、復活した才人が応える。
…少なくとも、ルイズはオレのこと、「大事だ」って思ってくれてる。

「オレも、ルイズが大事だ。全力で守りたいって、いつも思ってる」

才人の言葉に、ルイズの肩がビクン!と震える。
おそるおそる振り向くと、才人と目が合った。
…もう、そんな目、しないでよ…。

571 名前:サイトがんばる![sage ] 投稿日:2006/10/09(月) 13:19:16 ID:vv+/UCrZ

「…言葉だけじゃ信用できないんだから」

言って、才人を抱きしめると、目を瞑ってつい、と顔を上げた。

「ほら、態度で示しなさいよ、サイト…」

…あのつまりあれですか、『キス』で信用させて、って解釈でよろしいんで?
才人はルイズを抱きしめると、その柔らかい唇を、自分の唇で塞いだ。

「ちょっと二人ともナニやってんですかー!」

しかし二人の甘い時間は、穴を発見したメイドの闖入によって容易く崩されるのであった。

「ちょっと、邪魔しないでよバカメイド!」
「ちょっと目を離すとすぐこれなんだから!サイトさん、私にもしてください!ぶちゅーっと熱いのを一発!さあ!」
「ちょ、サイトから離れなさいよバカメイド!」
「嫌です!サイトさんとするまで離れません!」
「サイトもなんとか言ったらどうなのよ!」
「…非常に言いにくいんだが」
「何よ」
「何ですか?」
「こんな穴の中で暴れたら…」

ぼずずずずずずずず。

才人の掘った急造の穴は容易く崩れ、三人は泥まみれでヴェルダンデに救助され、勝負の決着は風呂の中で付けられることになったのだが。
それはまた別の話。 〜fin

572 名前:せんたいさん[sage ] 投稿日:2006/10/09(月) 13:23:52 ID:vv+/UCrZ
しまった切るトコ間違えたorz
ムダにレス消費してしまいましたゴメンなさいorz

…なんか、当初の予定と大幅に違ってるんですが。
甘いルイズを書こうとしたのにちっとも甘くない気が…orz

ちなみに勝負の決着はいつものエロシーンなので割愛しましたっ!<阿呆
…リクがあれば書くかもですけど、思い切りアホな内容の3Pなので、自分の気が乗るかどうか…。

では、駄文失礼しましたー。

wikiの件>自分、某ゲームのwikiで書き込みしてたこともあるんで自作の編集くらいはお手伝いできるかもですよ?


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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:56:39 (4544d)

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