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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:56:55 (5639d)

236 名前:アンリエッタとアニエスちゃん 1/6[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 01:08:11 ID:sxUgNSG1
夜も更け、すっかり人の気配の無くなったトリステインの城。
一定間隔で配置されているランプは戦時から続く倹約の為にほとんど灯される事はなく、
暗闇に包まれた長い廊下を何者かの影が蝋燭を灯りにして歩いていた。
ほぼカーペットに吸収されるとはいえ、遅れを取り戻そうと少々急いでいたこともあり
時折外で吹く風以外は何ら音を立てるものが無いこの空間ではその足音が僅かに響いた。
やがて足音はある部屋の前で止まり、かわりに扉を叩く音と若い女の声。
「私です」
数秒の沈黙の後、扉の中からさらに幾分か若く、より上品な女の声がした。
「どうぞ」
影はその声を聞くと扉を開けて素早く部屋に入り、廊下はふたたび闇に還った。

「銃士隊隊長、アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン、ただいま参りました」
普段より幾分小さいとはいえ部屋中にはっきり通る声と共に、月の光が二つの影を照らし出す。
扉の前で直立の姿勢を取っているアニエスに、部屋の主が答える。
「アニエス、よく来てくれました」
アンリエッタ女王陛下その人であった。すなわちここは女王の寝室である。

「こんな時間に呼び出してしまってごめんなさいね」
「はっ、私の事でしたら平気です。陛下のお呼びとあらばいつ何時でも」
アニエスにとって、何時呼ばれたのかは些細なことであった。
「そんなに畏まらなくていいわ。今はもう夜、公務の時間じゃないから」
「は。では早速ですが、今宵私を呼んだのはどのような用向きでしょうか?」
「ええ。それは・・・・・・」

アンリエッタは言いにくそうに指を遊ばせる。その様子にアニエスはただならぬものを感じた。
「何でも御言い付けください。私などに出来る事ならば何でもやってみせましょう」
この言葉に勇気付けられたか、アンリエッタはやがて決心したように顔を上げた。
「ありがとう、アニエス。あなたのような臣下を持った私はきっと幸せ者ですね」
毅然としたアンリエッタの口調。もとより先の言葉に嘘は無い。
いつでも女王の為に命を捧げる覚悟は出来ている。
「それじゃあ、聞いてちょうだい」
緊張に、アニエスの喉は大きく鳴った。

237 名前:アンリエッタとアニエスちゃん 2/6[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 01:08:57 ID:sxUgNSG1
「うずくの」
「・・・・・・は?」
想像の斜め上どころか二つの月が朝起きたら一つになっていたくらいありえない言葉に
アニエスの脳は思考を末端から強制的に停止させられ完全に真っ白になった。
「私とて王である前に一人の女。時には人肌が恋しくなる事もありますわ」
「・・・・・・」
「その度に夜な夜な一人慰めてきたけれど、もう限界。かといって未だ殿方を知らぬ私が
おいそれと何をどうこうするという訳にも参りません」
「・・・・・・」
「そこで私は一つの結論に至りました」

アンリエッタは熱っぽく語り続けるが、停止中のアニエスにはその言葉が届いていない。
「・・・・・・」
「ニエス? ・・・・・・アニエス!」
「えっ、えっ。あ、はっはい! 何でありましょう!」
「もう、聞いてなかったの? ならもう一度、最初から言うわね」
アンリエッタは先の言葉を一字余さず繰り返し、一度戻ったアニエスの意識はまた飛びかけた。
「いいかしら。私の導いた結論、今度こそちゃんと聞いてくださいましね」
「は・・・・・・ぁ。それは一体・・・・・・?」
「ええ、それはね・・・・・・」

もったいぶるようにコホンと咳をしたアンリエッタは胸の前に突き出した右手の人差し指を立て、
上品ではあるが年相応に得意げな満面の笑みを浮かべながらこう言った。
「女同士ならノーカウント、ですわ!」
時間が止まった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・あ、あら?」
この間わずか数秒。しかしアニエスにはそれが数十分のように感じられた。

238 名前:アンリエッタとアニエスちゃん 3/6[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 01:09:38 ID:sxUgNSG1
「あ、あの。陛下」
「ねえアニエス。あなたの銃士隊に所属する人の中で恋人のいる方はおられるの?」
「は? さ、さあ。私は隊員のプライベートにまでは口を出さないので・・・・・・」
「そう。じゃあ、任務中でもいつも二人一緒にいるような仲良しな方は?」
「・・・・・・す、数例、存じています」
何となく陛下の言おうとしている事が分かってきた。
「まさかとは思いますが今夜私を呼び出したのは・・・・・・」
「さすがね、アニエス。話が早くて助かるわ」

「ま、お待ちください! ななっ何も私でなくてもっ別にっ他にっ」
「アニエス、さっき言ったわよね。私に出来ることなら何でもするって」
確かに言った。でもそれとこれとは話が違いすぎる。
「そっ、そもそも私なんかこれっぽっちも女らしくありませんし・・・・・・」
女であることは既に捨てている、とは言わなかった。女性だけで構成されている銃士隊。
自分が女王陛下にその隊長を任ぜられている以上、そんな理屈は通らないのだ。
「アニエスは自分を卑下しすぎですわ。あなたはとても・・・・・・綺麗よ」
「あ、う・・・・・・し、しかし。なぜよりによってこの私が」
「このようなこと、他でもない。私の一番信頼するあなたくらいにしか頼めないわ・・・・・・」
「へ、陛下・・・・・・」

アンリエッタ自身の口から語られる、自分をこれほどまで信頼してくださっているという事実。
アニエスは目頭が熱くなるのを感じ、この信頼に応えねばと思った。
・・・・・・しかし一瞬で、それとこれとは話が違うと思い直した。
敵に背を向ける事は恥だ。そう思ってきた。だけど今は話が違う。大体陛下は敵ではない。
アニエスは如何に素早く身を翻して真後ろのドアから外へ飛び出すかについて考えていた。
きっと陛下は何か悪いものに憑かれているのだ。何かの悪い冗談なのだ。
そうだ、だから朝にはいつも通りの陛下に戻ってくれているに違いない。

「だから、ね、アニエス」
す、とアンリエッタが右足を一歩前に出す。今だ!
アニエスは全身の筋肉を瞬時に働かせて身体をひねると扉に駆け寄り、ドアノブに手をかけた。
申し訳ありません陛下。どうか、どうか、陛下のご期待にそえられない私めをお許しください!

239 名前:アンリエッタとアニエスちゃん 4/6[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 01:10:31 ID:sxUgNSG1
そんなことを思いながらノブを回そうとする。だが。
「あ、あれ?」
回らない。鍵はかけていないはずだ。なのに、まるでノブがフェイクの飾りのように動く気配が無い。
なぜ? なぜ? 気持ちが焦る。手に汗が滲み出す。
・・・・・・背後から優しい声。
「万一に備えて・・・・・・ロックの魔法をかけさせてもらいました」

その声に驚いたアニエスが振り向くと、いつのまにか目と鼻の先にアンリエッタの顔があった。
「きゃあああっ!」
あまりに意外な距離にアニエスは悲鳴を上げ、それと同時に反射的に横に避けた。
アンリエッタは穏やかな笑顔を崩さない。それが今のアニエスにはたまらなく怖い。
じり、じり、じり・・・・・・とアニエスは後ろに下がる。アンリエッタは同時に前に出る。
「ねえ、アニエス。どうして逃げるの?」
「ひ・・・・・・ぃ・・・・・・っ」

恐怖に顔が歪んでいくのが分かる。これまでの人生、幾多も恐怖を感じたことはあった。
メイジとの戦いもそうだった。だが、怒りの感情がそれを塗りつぶした。
だけど、ここではその怒る理由が無い。忠誠を誓ったはずのアンリエッタが恐くて仕方がない。
「・・・・・・」
ここが部屋である以上、後ろに下がり続ければやがて端に辿り着く。
「あ・・・・・・っ?」
アニエスは背中にヒンヤリとしたものを感じ、そこが部屋の隅であることを悟った。
それはつまり、この二人きりの鬼ごっこが終わる事を意味する。
「ふふっ・・・・・・つ、か、ま、え、た」
さっきと変わらぬ笑顔のまま、アンリエッタは震えるアニエスの両頬に手を添えた。
アニエスの目からはとめどなく涙が流れている。もはや銃士隊隊長としての面影は微塵も無い。
「あ・・・・・・あぁっ・・・・・・やめ・・・・・・て・・・・・・くだっ」
「ああ、アニエス。可愛い可愛い私のアニエス。泣いているあなたも・・・・・・素敵だわ」
「うっ、うぅっ・・・・・・ぅ・・・・・・んむっ!?」
アンリエッタは右手で溢れる涙をそっと拭い、唇を重ねた。
アニエスの意識はその柔らかいものを感じつつ、ゆっくりと遠のいていった。

240 名前:アンリエッタとアニエスちゃん 5/6[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 01:11:43 ID:sxUgNSG1
身体が熱い。
まるで幼少時に風邪をこじらせた時のような浮遊感。
「ん・・・・・・ぅ・・・・・・」
重い瞼をゆっくりと開けていく。ぼんやりとして視界がなかなか定まらない。
「あら、目が覚めた?」
聞き慣れた声が後ろから聞こえた。
「え? へい・・・・・・か? ・・・・・・ひぃっ」
突然受けた刺激にアニエスの意識は急速に覚醒し、同時に自分の置かれている状況を知った。

「おはよう、アニエス・・・・・・といってもまだ夜だけど」
「え・・・・・・あ、ああ、あ・・・・・・何、を・・・・・・んぅっ」
夜とはいえ、直々に呼ばれる以上寝巻きで行くわけにもいかない。
アニエスは最小限の装備を身に付けてアンリエッタの寝室にやって来た。
それが気絶しているうちに脱がされたらしく、今では素肌に薄布一枚覆うだけになっている。
「ぃ・・・・・・ぁっ」
気絶している間に移動させられたらしく、いつの間にか自分はベッドに座らされており、
その後ろからアンリエッタが密着してアニエスに回した腕を布の中に滑り込ませ、
その中に確かに存在する胸の膨らみを優しい手つきで愛撫していた。
「へ、陛下! なな、何をしておられるのですかっ!」
「何って・・・・・・見ての通り、アニエスの胸を愛してるのですわ」
そう言い、触れる指先に少し力を込める。
「あ、あいっ! い、いけませんっ! そんなふしだらな・・・・・・ひゃうっ」
どうにかここから抜け出さねば。そう思って身体を動かそうとするが力が入らない。
「ふふ・・・・・・アニエスって感じやすいのね」

241 名前:アンリエッタとアニエスちゃん 6/6[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 01:12:32 ID:sxUgNSG1
手の動きは止めず、耳に口を近づけてアンリエッタはアニエスに語りかける。
「ちっ、ちが・・・・・・そん・・・・・・ぁ・・・・・・っ」
ふぅーっと耳に息を吹きかける。
「ひゃぁぁぁっ」
「やっぱり、敏感だわ」
アニエスの身体が力なく跳ねるのを抑えながら、耳たぶを口に含み優しく噛む。
「っ!」

アンリエッタの舌が、なめくじが這いまわるかの如く執拗に、執拗に耳の輪郭を舐め回し、
そこに開いた小さな穴をまるで犯すように舌を差し入れた。
「ちゅっ・・・・・・じゅっ、ぺちゃ、ぴちゃっ・・・・・・ん、はっ・・・・・・」
「や・・・・・・らぇっ・・・・・・こんぁ・・・・・・」
「ぴちゅっ・・・・・・じゅるっ・・・・・・ん、おいしいわ・・・・・・ちゅ、ちゅっ」
「だ、めっ・・・・・・へん、にっ・・・・・・だれ・・・・・・たす・・・・・・けっ」
アンリエッタの口がまるで名残惜しいかのように糸を引きながら耳から離れた。
「そう、ね。そろそろ・・・・・・」
「ぇ・・・・・・?」
アニエスの胸に蠢く細い指は、その強弱こそ変わりこそすれ一瞬たりとも動きを止めていなかった。
「いいわ、アニエス。達しなさい!」
両方の人差し指と親指が、胸の中心に存在する小さな突起を力一杯に摘んだ。
「ひ・・・・・・ぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――っ!」
絶叫と同時にアニエスの意識はふたたび途切れた。

243 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 01:19:31 ID:sxUgNSG1
おかしいぞ元々はニッコリキャーにげられないーでそのまますっ飛ばして
アニエスさんベッドでさめざめ泣いてアン様プハーとタバコをふかすような感じで
ゆるーいもののはずだったのに何でこんな事になっちゃったんでしょうかねと思いつつ
まだ終わってないのだけどもっと泣かせようかやめようかと葛藤しながら見切り発車。

無読点も結構疲れるけどちゃんとやるのとは雲泥の差だね!
261氏に言われた通り妄想だだ漏れで書いたよ!


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Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:56:55 (5639d)

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