X00-42-20
Last-modified: 2008-11-10 (月) 23:01:12 (5638d)
X00-42-19のつづきです。 オークション前日 アカデミーに以前依頼されていた、鎧の先行試作品が水精霊騎士隊の数だけ出来上がったとの連絡を受け、今日才人は、水精霊騎士隊と一緒に王宮に出向いた。 「いやあ我々水精霊騎士隊に最新の鎧を下賜して頂けるとは、期待の大きさに身が引き締まる思いだよ」 「知らねぇ、只調べられただけだから」 王宮 「水精霊騎士隊、王命により只今参上致しました」 試着している鎧を見て才人は吹いた。 「貴方の鎧を目標に作成して来たんだから、似てるのは仕方ないでしょ」 「形だけの訳ないでしょ。ま、貴方には分からないでしょうけどね」 「すいません、ルイズのお姉様。一寸宜しいでしょうか?」 「この鎧、僕達で少し手を加えても宜しいでしょうか?」 「いえ、硬化と固定化を掛けるだけです」 「成程、もし其れが上手くいけば、大幅な防御力向上になるわね。でも其れには検証の必要が有るわね」 ギーシュ達は、レイナールの指示の下、鎧に硬化と固定化を掛けた。 「サイト、鎧に斬り付けてくれたまえ」 「多分ね。最悪死ななければ、何とかなるだろうし」 「ま、サイトの腕に期待するよ。只力を抜き過ぎないでくれよ。検証にならないから」 「じゃあ行くぞ!失敗したらレイナールを恨めよ」 才人は、デルフリンガーを握りしめた。 「き、斬れねえ?」 「おでれーた。小僧共てーしたもんだ。表面部分に硬化を掛けて剣圧を分散させたのか。成程、こいつあ斬れねえや」 「相棒に分かりやすく言うとだな、刃の部分なら斬れるが、胴体部分じゃ斬れねえだろ」 「詳しく説明してやるよ。硬化を掛けた表面で衝撃を受けた瞬間鎧全体に力を分散させて、掛かっていない内側で力を吸収したんだよ。だから斬れなかったんだ」 「其の上、4系統のスクウェアメイジによる固定化を掛けられている。更にアカデミーの工夫で風石を利用して露出部分を防御する仕掛けがあるな。元々高い防御力がこれらの工夫で人間相手なら無敵に近いな」 「その剣、何なの?」 「駄目です!こいつがいないといざという時大変なんですから」 「それにしてもその鎧は、凄いぜ。相棒の鎧が無ければ間違いなくハルケギニア最強の鎧だあね」 「相棒がこの鎧を斬ろうと思ったら、ゴールドドラゴンアーマーの助力か娘っ子の『ラグナ・ブレイド』が必要だあね」 「其処まで凄いのかよ!俺もそうだが分不相応な鎧だよな」 「そうですかねえ」 「畏まりました」 隊員達は、アニエスに宿舎に案内された。 「アニエスさん、俺の部屋は?」 「帰っちゃ駄目ですか?」 「そういう訳なのでこいつは預かっておくぞ」 「相棒、死ぬなよ。相手が一度に5人じゃ大変だが相棒なら出来る」 「つべこべ言うな、これは貴様の運命だと思って、全員悦ばせろ」 「いいから、さっさと入れ」 |
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