X00-42-4
Last-modified: 2008-11-10 (月) 23:01:20 (5644d)
X00-42-3のつづきです。 「姫様、お待たせいたしました」 「いいのですよ。それより本題に入らさせていただきます。アルビオンが現在、トリステインとゲルマニアの領土、及び3国の共同統治になっているのはみなさん御存じですね」 「はい」 「そして、折を見て王権を復活させることになっているのですが、王族の生き残りはティファニアさん唯1人なのです。ですから私は、出来るだけ元の形に戻してお返ししたいのです」 「返す?」 「ええ、その為にサイト殿の領地をアルビオンのトリステイン領にしたのです。他の貴族では、返還に応じないでしょう。現在多くの貴族達が、欲しているのです。ですからサイト殿に『預かって』欲しいのです」 「そう言う事でしたら、お預かりいたします。ですが、俺領地経営なんて出来ませんよ」 「それでしたら心配要りません。信の置ける方を太守に任じてありますから」 「良かった!俺のせいで、他の人が不幸になるのは嫌ですからね」 「サイト殿が領主になって不幸になる人が出るとは思えませんが…では早速ですが、明日就任挨拶に行って下さいまし。太守の方はサウスゴータ城に居られます。今日中に太守宛の手紙をしたためておきますから、今日はこちらでお泊まり下さいまし」 「アルビオンというと先ずラ・ロシェールまで馬で…」 「シルフィードでいく」 「え?いいのか、タバサ」 「いい」 「ありがとう」 ―――――――――――――――――――― 「サイト、何固くなっているのよ、見っとも無いでしょ」 「サイト殿、そんなに緊張なさらないでください。本日の主役なのですから」 「ええ、本当にサイト殿には何度国を救って頂いたか知れません。本当に有難う御座います」 「まあ!それは失礼しました(成程、報告通りの男性ね。娘が心を奪われるのも無理からぬ事ですわね。尤もここにいる女性全員そのようですが。これはやはり例の計画を推し進めて頂きましょう)」 「でもサイト、あんたこういうの慣れないとこれから大変よ」 「あんた、大公になったのよ!これから宮中晩餐会やら舞踏会やら、色々出席しなきゃならないのが増えるんだかんね」 「ゲッ!それはやだなー」 「サイト殿、今更辞退は出来ませんよ」 「だってあんなに大きく顔に書いてあるんですもの。私でもはっきり分かりますわ」 「毎日有る訳ではありませんし、少しづつ慣れて行けば宜しいと思いますわよ」 「毎日は止めてくれー!」 こうして恙無く(?)晩餐会は終了した。 ―――――――――――――――――――――― 魔法学院 「才人達、遅いな」 「あれだけの大手柄だ。晩餐会が開かれたとしても不思議じゃないよ」 「仕方がない。我々だけで始めようじゃないかね」 「我々水精霊騎士隊と魔法学院の栄誉を称え『乾杯!』」 「しかしギーシュ、王政府は随分と大盤振る舞いしたと思わないかい?」 「だよな、隊員全員シュヴァリエか。確かにあり得ないね。そういえば1,2年生からも今後隊員を募ると聞いたんだけど」 「ああ、僕達の戦果を受けて、継続的に水精霊騎士隊の増員、強化を図るそうだ。その為の副隊長2名だそうだ」 「強化って言ってもどうするんだ?」 「とりあえずアニエス殿が、叙勲式まで強化訓練を行いに来るとか言ってたような」 「ちょっと待て、いつ来るんだ?」 「無責任だな、あのサイトが恐れる人物だぞ。俺達殺されるかもしれないんだぞ!」 「ミスタ・グラモン」 「多分、王宮で晩餐会に出席しているんだと思うよ」 「ああ、今日サイトは大活躍なんだぜ。100メイル以上もあるゴールドドラゴン他103頭ものレッサードラゴンを倒したんだぜ。でその結果、大公の爵位と大元帥に叙されたんだ。正式には来週の叙勲式が終わってからだけどね」 「うわー凄い、流石サイトさんです。で御領地は何処なんですか?」 「アルビオンのサウスゴータ地方だよ」 「えー、そんな遠くなんですかー」 「そうですか。そうするとサイトさんは、アルビオンでお暮しになるんですか?」 「それなら良いんですけど、どんどんサイトさん遠い存在になって行きますね」 X00-42-5へつづく |
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