X00-42-8
Last-modified: 2008-11-10 (月) 23:01:23 (5617d)
X00-42-7のつづきです。 トリスタニア 才人達が、門を潜ると割れんばかりの歓声が上がった。沿道には市民が詰めかけていた。 「おかしいな、サイトに対する称賛が少なすぎる」 「この間の件の一番の大手柄は、君だ。なのに君への称賛は、僕等の半分位しか無い」 聖徳太子か?こいつ。そういや親しくなった女の子のスリーサイズ全部暗記してるんだっけな。無駄に凄い奴だ。勉強の方に振り向ければ、学年上位に成れるだろうに。 城門に近づくと、ディティクトマジックを掛けられた市民が、中に入って行くのが見えた。 「何でまた?」 「とすると、お前らが負けたら姫様に恥を掻かせるだけで無く、水精霊騎士隊の名誉も地に堕ちる。と」 「自信持つのは良いが、油断してへまやらかすなよ」 城門を潜ると、再び大歓声が上がった。 従って、御前試合用のスペースを差し引いても、1万人からの市民が入る事が出来た。 「これは気合が入るねぇ」 「サイト、僕は嬉しくて仕方ないよ。こんな大勢に、僕の力を知って貰えるんだから」 馬を預け、王宮の前に、集合した。 「ご苦労様です。1時間後に御前試合を開始します。ルールは、1対1、5人1組で3勝した組の勝ちとします。但し、5戦全て行います。何かご質問は?」 「ありません」 「では、対戦順を決めて置いて下さい」 「1番手は誰だ?」 「2番手は俺が行く」 「じゃあ3番手は、僕だね」 「それじゃあ4番手は…」 次々と順番が決まって行った。 才人は、デルフリンガーを抜いて話しかけた。 そして第1試合の時間が来た。 「命が惜しくないんだな、小僧」 「第1試合始め!」 歓声とどよめきが起こった。常人には、ギーシュが踏み込んだら、厳ついメイジが倒れたようにしか見えなかった。 「やるじゃんか、ギーシュ。3連撃なんて」 (見えていたが、あの時もし3人同時に3連撃かまされていたら、死んでたな) ギムリの相手は体躯のいいメイジであった。 「第2試合始め!」 「勝者、水精霊騎士隊ギムリ殿」 才人は、ある疑問を感じた。 「成程ね」 マリコヌルの対戦相手は、20代の美男子だった。どことなくギーシュに雰囲気が似ていた。 「見せて貰おうじゃないか」 「第3試合始め!」 「この『風上のマリコルヌ』に風の見本とは笑止千万、死ぬがいいぃぃぃぃぃ」 対戦相手は、200メイル以上上昇し、ズタボロになって落ちてきた。気を失っていたので、マリコルヌは、レビテーションを掛けた。 モンモランシーが慌てて駆けて来て、治療した。 「勝者、水精霊騎士隊、マリコルヌ殿」 「スクウェアスペル、使っちまったな」 「何て呪文使ってんのよ!姫様にもしもの事があったらどうすんのよ。状況を考えなさいよね、状況を」 「余計な怪我人増やさないでよ」 「えっ?」 次の瞬間ルイズは、物凄い速さで、学院生の中に潜り込んだ。 残りの水精霊騎士隊の隊員達も、いちゃもん諸侯の手勢を蹴散らしていった。 結果は、水精霊騎士隊の全勝であった。
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