X00-42-9
Last-modified: 2008-11-10 (月) 23:01:26 (5645d)
X00-42-8のつづきです。 叙勲式 御前試合の興奮が冷めやらぬなか、才人達の叙勲が始まった。 最初に才人、次レイナール、アニエス、水精霊騎士隊、魔法学院生の順で行われた。 そして叙勲式が滞りなく終わり、馬屋の方へ行こうとした時、アニエスに呼び止められた。 「サイト、お前を先頭に市中パレードを行う」 「衛兵から城門の外に中に入り切れ無かった市民が大勢いてな、叙勲式を観閲出来なかったため、このままでは暴動が発生する危険が大きいと報告が有ってな、急遽決まった」 「やらなくっちゃいけないんですよね?やっぱり」 「サイト、君が羨ましいよ。大観衆の中を先頭で行けるんだから」 「いい、サイト。あんたは大公で大元帥なんだから絶対へらへら笑っちゃ駄目だかんね。だからといって、しかめっ面も駄目。威風堂々、凛とした表情でいなさい」 「それってどういう顔?」 「私がか?」 「期待に添えられるか分からぬが」 「サイト、この表情よ、この表情」 「なら、出来る限り努力しなさい」 そして才人を先頭に市中パレードが行われた。沿道は、市民で埋め尽くされ、建物の上からは、紙吹雪が舞い、歓声と万歳三唱が響き渡った。 パレードには、およそ2時間ほど掛かった。 そんな才人にアニエスは、更に大きな追い打ちをかけた。 「今、王宮内である計画が進行中だ」 「女王陛下と貴様の結婚だ」 「それだけでは無く、ミス・ヴァリエール・ティファニア嬢・シャルロット姫殿下を貴様の妾として、トリステイン・アルビオン・ガリアを結びつける計画だ」 「とんでもなく無茶苦茶な計画じゃないすか。とても成功するとは思えませんが」 「でもルイズ達が承諾する筈有りませんよ」 「へ?!」 「アニエス、後はもう私達の気持ち次第って言う事?」 「でも姫様こんなの承諾するとは思えないんですけど」 「でも『もう女王の顔しか見せませぬ』って言われましたけど」 「じゃあ枢機卿や皇太后陛下は、姫様の気持ち気付いてたんすか?」 「でもこれってハルケギニア中から非難されませんか?」 「テファ、あんたはどう思う?」 「私は、それで構わない」 「ちょっ、何言ってんの。あんた」 「ちょっ、テファあんたまで」 「私は、嫌よ!サイトは、私だけの使い魔なんだから」 「嫌よ、嫌。絶対嫌」 「でも、でもでも」 「でも結婚とかって個人の自由じゃないのか」 「え?!俺も?」 「いや、そうかもしんねけど、これはちょっと」 「そんな筈ねぇじゃねえか」 「でも俺は、ルイズが受けなければ、受ける訳にはいかない」 「………受けるわ」 「タバサの言う通りよ。だから受けるのよ」 「君達の意思は聞き届けた。それでは失礼する」 「後悔しないか?」 ガリア王宮 「ゲームの下準備ですね」 「畏まりました」 「ミューズ」 「オークション会場で遊んで来い。ヨルムンガント3体使ってな。但し、駒は壊すなよ」 ロマリア法王庁 「聖下、密偵より連絡が入りました」 「先ず、トリステインの方からです。3週間後にドラゴンのオークション。それと水面下で女王陛下とサイトとの結婚話が進行中のみならず二人の担い手とシャルロット姫殿下を妾にする計画だそうです。次にガリアですが、ジョゼフ王は、オークション会場を襲撃する模様です。例のヨルムンガントを3体使用との事です」 「聖戦の為には、そして始祖の遺言のためには、その計画修正しなければいけませんね。その為にジョゼフ王の襲撃計画を利用しましょう」 「如何なさいます?」 「先ず、聖戦する金が無いと言わせない為に、オークションで高額落札しましょう」 「そして私自ら会場に赴き、襲われます。そこをガンダールヴに救出して貰い、重婚許可を与えて、正式に全員と結婚して貰います。式はアクイレイアで挙げて貰いましょう。後は、私の計画通り、事を進めて行きましょう」 「畏まりました」
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