X00-46
Last-modified: 2009-04-10 (金) 01:13:19 (5489d)
魂縛 #1『葬儀』 作・佐大 足元には自分の身体がある。 花に囲まれた自分の身体。 そうだ。 俺、平賀才人は死んだんだ。 ルイズ、シエスタ、タバサ、姫様…… コルベール先生、ルイズの親父まで来てくれてる。 嬉しいケド、複雑だ。 ルイズ…ごめんな。 約束したのに。 ピンクの髪を撫でようとしたが、通り抜けてしまった。 見ることしかデキナイんだな。 真っ赤に眼を腫らして大きいお腹を気遣いながら背筋を伸ばして俺の身体に向かって何かを読み始めた。 「サイト、聞こえてるんでしょ?」 あぁ、聞こえてる。 「最初は平民が使い魔なんて…って思ってた。酷い事もいっぱいした。」 最初は理不尽なご主人さまだったよなぁ〜。 「でも彼方は私を命をかけて守ってくれた。」 「そんな姿に私は心魅かれていった。」 そーだよな。いつの間にか、俺もお前の事を好きになってた。 「最後の約束以外は全部…全部、守ってくれた。」 「貧乏でも良い…一緒に幸せな家庭を築こう。って約束…」 ルイズの膝が崩れた。 「何で勝手に死んじゃうのよ…」 「私はもっと一緒に居たかった…」 俺もだよルイズ。でも出来ないんだよ… 「もっと沢山、沢山…話しもしたかった。甘えたかった…」 「お腹の子供はどうするのよ…あんたの顔すら知らずに育つのよ」 「ずっと一緒にいてよ…帰って来てよ…。」 「サイト…」 ごめんルイズ。 もうお迎えが来たみたいだ。 魂だけの身体が足元から光の粉になっていく。 「私の傍にいて…」 |
|