X3-590
Last-modified: 2011-05-23 (月) 10:32:57 (4715d)

「……ねぇ、平民」
「……何だ?プラズマ溶断機。身体ずらすな」
「変な呼び方止めてよ。それより、あんだけ居た職人達は何処行ったのよ?」
「今、何人残ってる?」
「連れて来た人数の2割、10人よ」
「おぅ、随分残ったな。流石女王陛下の御威光だ。俺の予想じゃ、1割から5分だったんだが?」
流石にエレオノールがぷるぷる震え出し、叫び出した
「何馬鹿な事言ってるのよ!!あんた、あんだけの職人怒って帰っちゃったじゃない!!此からどうすんのよ!!」
「だから、今言ったろ?大分残ったなって。其に心配ねぇよ。帰ってもグラモンに大量受注来たから、あちらにも仕事ある。想定内だ、想定内」
「…この、この、いい加減にしなさぁ〜〜〜〜〜い!!」
耳元で怒鳴られた才人はそのまま気にせず、鉄の塊に対して、触れた物を粉にする錬金を常時発動させたエレオノールの杖を手事持ち、型を用いて正確に削って行く
エレオノールは才人の身体の前にすっぽりと収まっている
一番加工がし易いと才人が言った為、こうなってしまった
最初はエレオノール一人に任せたのだが、加工能力が不足してた為、後行程の鍛冶職人が不満を表面し、見かねた才人が参加し、あっという間に加工速度が上がった
錬金による粉化の加工速度は、プラズマ溶断やガス切断を上回る加工速度であり、才人は現代日本が羨む加工速度で歯車を成型し、細かい仕上げを鉄鋼職人に引き継がせている
魔法の利便性と職人の持つ正確性を組み合わせた結果である為、どちらが欠けてもそんな結果にはならない
才人が他の職人に歯車加工を任せようとした所、エレオノールが猛然と反発した為、結局才人一人で重要部分を担う事になってしまっている
「なぁ、エレオノールさん」
「何よ?」
「俺じゃ無くても、時計職人なら出来るぞ?」
「嫌よ。私が平民に身体を合わせる?虫酸が走るわ。魔法に冗談抜きで影響するわよ?」
そう言われてしまったら、才人一人でやるしかない
魔力が一番強いのがエレオノールであり、エレオノールの魔力タンクを一番効率的に使えるのが、エレオノール自身ではなく、正確且つ素早い加工が出来る才人である
つまり、現時点では必然な組み合わせでもある
そして言外の意味に気付かない鈍感振りも、才人らしいと言えばらしい
そして職人達が帰ってしまったのは、そんな才人が若くて仕事が出来るからである事を、才人自身は知ってる為、追わなかった
最初から多目に選抜し、勝手にふるいにかかっていった訳である
そんな事を知らないエレオノールとコルベールは最初、頭を抱えた
其で残った職人に聞いたら、ちょっと信じられない答えが返って来たのである
「あ〜貴族の旦那に姐さん。親方がどうして人望無いか信じられないって顔をしてますが、俺達にすりゃ当然ですわ」
「どう言う事かね?」
「親方は仕事が俺達のやってる事の殆どが出来る。言ってる事も正しい。そりゃ、スゲー正しい。ぐぅの根も出ねぇ。でも、それじゃいけねぇ、いけねぇよ」
「はぁ、どういう事かね?」
「つまり、若すぎるんだよ。俺達の中じゃ、この道数十年ってぇベテランが結構居るんだ。でもな、あの親方は俺達の仕事を説明されただけで理解して、更に全部組み合わせて、更に上の次元を命令しやがった」
「しかも、俺達にはさっぱりだけど、俺達には知らねぇ加工方法を、どしどし出しやがる。ありゃ、駄目だ。全員プライド粉々になっちまう。俺達の数十年を否定されて、どうやって気持ち良く仕事が出来るんで?」
「……」
「もう一度言う。親方は悪くねぇ。俺達も悪くねぇ。だが、だからこそ良くねぇ。此処に残ったのは、陛下の義理と、あの親方が何をしでかすか、見届けようとしてる物好きだけだ」
「…そうか」
「しかも、あの兄ちゃん。そんな事慣れっこだな。仕事が出来すぎて、他の職人に嫌われて来たらしい。その態度も良くねぇ。だから、何もかにもムカつくんだ」
「…そうかね。職人同士だと、そういうものなのか」
「しかもあの親方、一人で全部やれって言われたら、本当に一人で全部やるタイプだ。しかも、出来る自信と実力を持ってるから、始末に終えねぇ。ありゃ駄目だ。周りに期待してねぇ。しかも、その態度は間違いじゃねぇ。だから駄目だ。俺達もあの親方の下じゃ、上手く仕事出来る自信はねぇ」
「ありゃ、異次元の仕事だ。何で時計職人が目を見張る加工精度を、鉄鋼や木工で出来るんだ?彼処迄正確な職人、見た事ねぇ」
「才人君は自分を並だと言ってたが?」
「確かに、一個々々は出来る奴は居らぁな。でも、彼処迄広範囲にカバー出来る馬鹿は見た事ねぇ。あれが並なら、あの親方の居た国は、俺達職人にとっちゃあ、正にヴァルハラだ」
「何あいつ、並と言いつつ、職人としても規格外だったの?」
「貴族の姐さん、勘違いしないでくれ。あの親方の仕事は、一つ一つは確かに他の職人でも出来る。つまり並だ。でも他の職人の専門分野を、大抵カバー出来る汎用性の高さが並じゃねぇ。ありゃ、理想を通り越して異常だ」
「つまり、メイジだとすると、全ての属性が、トライアングルだと言って良いと言う事かね?」
「あっしはメイジの事は良く知りませんが、確か超一流がスクウェアでして、その一個下がトライアングルでしたね?」
「その通りだ」
「じゃあ、その考えで構いませんぜ」
「……了解した」
コルベールとエレオノールは顔を見合わせる
4属性がトライアングルのメイジなど、可能性としてはあっても、実際には居ない
そんなメイジが居たら、スクウェア以上の使い手だ
才人の異常性を、二人共正しく認識したのだ
平賀才人は、ハルケギニアに対しての異物であると
職人からしても受け入れられない
懸命にやればやる程、他の人間から距離を開けられ、他の人間に合わせると、手抜きと見られて割に合わない
正に、何処に居ても異端。何処に居ても居場所が無い疎外感、二人には全く想像が出来ない
そして、才人は其に慣れきっていて、相手がどう思おうと、どうでも良いと思っているのを、二人共今までの行動で理解した
思慮が無いのでは無い。嫌われるのが当たり前な環境だったので、無駄な事に気を使う積もりが無いのだと
才人が馴染まない、馴染む積もりが無いのは理由が有るのだと、この時理解したのである
結局、何処までいっても才人の言う通り、異邦人なのだ
決して英雄ではなく、貴族でもなく、欠点だらけの人なのだ
才能や技能は、長所と同時に短所である
決して、恩恵だけはもたらさない

*  *  *

コルベール、ギーシュ、キュルケは一度モンモランシ家の竜籠を用いて学院に戻り、コルベール班として、ボイラーの組み立て作業に入る事になる
エレオノールが土魔法で建築し、才人と共に加工小屋を製作するのとは別の行動を取る
グラモンからボイラー用の鉄鋼材料が届き、才人の図面の指示通りに、組み立てる作業である
細かい配管を所定の形状に合わせて加工し、錬金で銅同士を融合し、更に浄化と固定化と硬化をかける
最も、浄化類は無くても構わないが最高強度を上げる為や、メンテナンス間隔を広げる為と、才人に説明されている
細い配管類は組合わさると洒落にならない重量であり、レビテーションでボイラー外板に降ろし、一枚板形成したステーで、炉壁に炎の錬金で石灰と珪素を被覆材にして融合する
正に魔法での完全溶接作業であり、錬金の不純物精製の欠点を補う形である
どちらが有効かは、メイジの技能による為何とも言えないが、炎の錬金は作業者の質に関わらず、一定の成果が出るのが利点である
一定の成果を重視する才人は、魔法に迄作業毎に指定している
此で数日の作業になってしまった
最初にロケット弾製作した当時より格段の進行度で有るのは、その時に全員経験を積んだからのと、銅を用いた錬金の為、比較的作業が容易なのと、炎の錬金効果によるものである
「ふぅ、終わった。後は火室出力調整弁と火室ブロー弁の組み立てと、給炭機の組み立てと、外付け部品の組み立てだな」
「全くダーリンの設計って、何やってるか解らないわ。此、何の意味が有るの?」
「キュルケ、全部終わったら、種明かししてくれるだろうね。さぁ、次の作業だ」
「君達にも、給金払わないと駄目だな、此は」
「あぁ、僕は良いよ。グラモンに仕事が増えて景気良くなったって、父上や兄上が喜んでるよ。其に較べれば、小さい小さい」
「私は一括で請求しようかしら?ほら、出来た時のが楽しみじゃない?」
二人共、何だかんだで楽しんでるらしい
コルベールは思わず綻んだ
「済まないね二人共、ゼロ級が出来たら、一番最初に乗せる事を約束するよ」
「頼むわよ、ミスタ」

*  *  *
此方はモンモランシで水車小屋を製作中の才人班
水車小屋は全部で10
基礎加工棟と作業棟に分かれ、基礎加工棟は作業機械の精度を上げる為にある
中では、リンクや歯車、ベルトを用いて、職人達が機械を組み合わせ中だ
重量物は、動滑車を用いて昇降させる力仕事である
才人達は組み立て前の部品加工であり、基本的に二人きりだ
モンモランシーが、皆に食事の差し入れに召し使い達と共に、舟を用いてやって来ては戻っている
今の所は順調らしいが、川も増水してる為、水車のロックは毎日の点検が欠かせない
そんな中、エレオノールはついつい才人に寄りかかってしまう
顔をを見ると常に真剣で思わず赤面し、身体は才人が作業し易い用に勝手に触られ、結構無理な態勢で才人に支えられ、才人はそれらを無視し、ひたすら目の前に集中する
エレオノールは毎日パニック寸前だ
「ちょっと平民、胸触ってる、胸」
「知らね。ちょっと態勢動かしただけだ」
確かに態勢的に辛い
『嘘つけぇ!?ち、乳首をさりげなく腕で擦ってない?絶対そうでしょ?ねぇ?勘違いじゃないよね?』
多分勘違いだ
「いや、ちょっと!?腰、腰ぃぃぃぃぃ!?」
「腰は作業の要だ。文句言うな!!」
『お願い、勘弁して。何で毎日、こんな、え、えっちな事』
才人は作業に没頭してるだけである……多分
才人の股間が尻に当たると、あの時を思い出して、勝手に身体がウズき出し、自分自身ではどうにもならないのだ
完全に生殺し状態で有るが、実は才人もそうで有る事を、エレオノールは知っている
後ろに、あの熱い塊が当たるのである
男で有るのでエレオノールの肢体と香りに反応してしまうのは、至極当然である
当たるとつい、尻が勝手に動いてしまう
『痩せ我慢しちゃって、このこの』
才人は作業中は一切無視するので、効果は不明だ
何か、レティシアの言ってる通りになってる感じがして、多少腹が立たないでもない
其に才人は、仕事を始めると時間を無視する
粉にする錬金の出力は小さく、イメージも簡単な為、魔力消費も少ないせいで誰でも出来る
まだ後5棟分の部品加工が待っている
「平民、そろそろお昼」
エレオノールが左手で懐中時計を才人のパーカーのポケットから取り出し、時刻を確認する
懐中時計はエレオノールのだが、才人のポケットに放り込んでいる
この平民は、仕事に夢中になると時間を忘れる為、持てとエレオノールが放り込んでいる
「解った。もうちょい我慢してくれ、今良い所なんだ」
「解ったわよ」
ちょっとだけ、気持ち良くて辛い時間が伸びる
才人が加工し終わると、エレオノールに声を掛けた
「……良し、終わりっと」
「ふぅ〜〜〜〜〜」
エレオノールはそのまま才人に全体重を預け、思わず才人が受け止めつつ尻餅を付く
トスン
「おっと、流石に足腰に来たか」
エレオノールも当然ガタガタだ
立とうとしても、細身で耐久力の低いエレオノールでは、身体に力が入らない
毎日ガタガタになりながら、エレオノールは弱音も吐かずに才人に合わせているのである
「お疲れさん。午前の部、終了」
才人の上で座りながら、エレオノールは身体の力を抜くと、才人が支える
「毎日……悪いな」
「ふん………こんだけやってんだから、絶対に成功させなさい」
あくまで挑戦的な顔と口調で言い、才人は顔が綻ぶ
「あぁ、そうだな」
「こら、動くな、椅子」
「はい?」
才人が背もたれの有る腰掛けに腰を移動すると、エレオノールが抗議する
「良いから椅子は動かない!!」
「…ウィ」
『どうにも、ヴァリエールの血統には、勝てそうに無いな……』
才人がそう思ってると、才人に背もたれし、才人の腕を腹の上で重ね、エレオノールはそのまま眼を閉じた
どうやら、本気で仮眠をとる積もりらしい
魔力回復の為だと判り、才人は何も言わずに、黙って従った

*  *  *
ガチャ
「才人、ミスヴァリエール、お昼……」
モンモランシーが入ると、エレオノールが才人の上で才人を背もたれにして寝ており、才人もつられて寝ている
ツカツカ歩み寄ると、エレオノールは寝ているにも関わらず、才人の手を股間に導いて行くのを、モンモランシーは見てしまった
「二人共、お昼!!」
大声で呼びかけ、エレオノールはびくりとする
「ひゃ、ひゃい!!」
そして、モンモランシーを見ると、睨む
「………見た?」
「…何の事かしらね?」
「そ、其なら良いわ。平民、起きなさい。お昼よ」
「ん、んあ。お、有り難うなモンモン」
そう言って才人は起きると、エレオノールをどかし、三人で昼食を始める
「コルベール先生の方は順調みたいだな」
「基礎棟はどうだった?」
「もうすぐで仕上がるって、差し入れした時に聞いたわ。後二人共、今日は早仕舞いした方が良いわよ。ラグドリアン湖方面が雨雲で暗い」
「ここら辺は洪水起きそうよ?どうしても、水の勢いある所って指定したんだから、しょうがないんだけど」
「判った、ヤバそうならそうすっか」
「そうね」
二人して頷き、モンモランシーが去り際に才人に声を掛ける
「才人」
「ん?何だ?」
そのまま才人にキスし、頭を完全にモンモランシーが抱き締め、才人の舌に舌を遠慮なく侵入させ、エレオノールに見せ付ける
チュッ、チュグ、ニュル
エレオノールは呆然と見る
たっぷりとした後、モンモランシーは才人に艶の有る声で言い放った
「愛してるわ、才人。モンモランシを助けてくれて有り難う。今日は納屋に行くね。ここ、こんなになってるのに、相手出来なくてご免なさい。私、対面ばかりで何も出来ない自分が嫌になるわ」
「なっなっなっ。私の前で、な、何してるの?」
「愛の語らいよ、おばさま。いえ、おこさまかしら?」
そう言って、モンモランシーは外に出る
『何か知らんけど、あの子悪魔が出たって事は、どうなってんだ?』
エレオノールを見ると、わなわなしながら才人を睨んでいる
「わわわ私の目の前で、いい度胸じゃない、平民」
「俺からしたか?」
「そんなの問題じゃなぁぁぁい!!」
バキッ!!
思い切り張り倒される才人
「……ってぇ。一体何なんだよ?」
「あんたなんか大嫌いって、再認識しただけよ。仕事を再開しましょ」
「……あぁ、糞、理不尽だな。なんでこう女ってのは、機嫌がころころ変わるんだ?」
才人は悪態付きつつも立ち上がり、またしゃがむとエレオノールも定位置にしゃがむ
そのまま、エレオノールが才人の腕を無理矢理身体に押さえ付け、才人はそんなエレオノールに戸惑いながら、作業を開始した
エレオノールの澄んだ声の詠唱は才人の耳を擽り、匂いと感触は才人に無視を許さず、ついつい勃ってしまう
だが、作業に集中してしまえば気にならない
そのまま、エレオノールの魔力が切れる迄作業する二人、作業中はほぼ無言だ
作業に集中していると扉から大量の水が流れ込み、二人を押し流した
ザザー
水が加工中の歯車をゆっくり押し倒し、運悪くエレオノールの足が挟まり、水中でエレオノールがもがき、才人が無理矢理歯車を起こし、抜く
浮力のお陰で何とかなった
だが、水は非常に冷たく、一気に体温が奪われ、水に揉まれた二人から、体力を一気に奪い取る
何とか才人がエレオノールを引き上げると、そのまま肩に抱え、洪水が有るとの事で非常用に設置してた中二階に避難する
「ゼェ、ゼェ」
「足、大丈夫か?」
エレオノールはコクリと頷き、杖を抱き抱えてガタガタ震えている
「あ、濡れた服脱がないと。エレオノールさん」
才人が声を掛けると、エレオノールが叫び出した
「寄るなぁ!!」
思わず才人が止まる
「来るなぁ!!寄るなぁ!!平民は此方向くなぁ!!あんたなんか………大嫌いだぁ!!」
「突然どうしたんだよ?事故だろ?」
「違う違う違う!!あんたのせいだぁ〜〜〜!!」
ガタガタ震えながら、叫ぶエレオノール
「あ、悪かったよ、確かに早仕舞いしなかった俺のミスだ」
「あんたなんか死んじゃえ!!」
「一体何なんだよ?今はとにかく服脱がないと」
才人は既に上半身を脱いでおり、エレオノールはちらりと見た瞬間朱をさし、またプイッとそっぽを向く
どうにもこうにも、才人には訳が解らない
とりあえず、部品に被せる為に置いておいた布を広げ、エレオノールに被せる
ぱさ
「水が引く迄釘付けだ。とにかく脱げ」
エレオノールは濡れた服を纏ったまま、その上に布を纏いガチガチ震えながら首を振る
「馬鹿、布迄濡れるだろう?何で言う事聞かない?」
「平民がいる、平民がいる、平民がいる。駄目、駄目、駄目よ、絶対に駄目。こんな屑に、こんなのに」
ガチガチ震えながら、エレオノールはぶつぶつ言っており、とうとう才人がキレた
「いい加減にしろ!!」
「ひっ!!」
思わずエレオノールが首をすくめる
そんなエレオノールに近付き、才人はエレオノールを自分に向かせる
「何で震えてるか解るだろ?俺と違って、体温維持が出来て無いんだ?このままじゃヤバいんだよ」
「だ、だからって」
「良いから脱いで、その布纏ってろ」
才人がそう言うので、仕方なくもぞもぞしだし、全ての衣服を下着事脱ぎ、才人が其を絞って、磔に干す
特に下着類は勝負下着であり、常にこんなの着てるのかと、才人は呆れる
そして、才人も全て脱ぎ、同じく濡れた服を干すと、そのまま別の布にくるまった
だが、エレオノールの震えは一向に収まらず、ガタガタ震えっぱなしだ
「ち、このままじゃマズイな」
エレオノールがびくりとする
其は、裸同士で才人と肌を合わせる事になる
「だ、駄目。其だけは駄目。お願い、近寄らないで」
ずりずりと、痛む足で少しずつ才人と距離をとり、布の中で杖を構える
既に精神力は先程の水鉄砲時の直前に切れた
それでもエレオノールは構える
「ヤバいのは解ってるだろ?」
「駄目、近付かないで。それ以上近寄ったら………イル・アース・デル・ソーン……」
パタン
精神力が切れ、気絶するエレオノール
「ったく、何が駄目なんだよ。まぁ、確かに俺は男だし、警戒するのも判らんでも無いけどよ」
溜め息を付きつつ、才人は行動に出る
*  *  *
エレオノールが眼を覚ますと、暖かいモノに包まれていた
先程の氷の様な状態とは雲泥の差で心地が良く、匂いも男の匂いでくんくん吸うと、下半身が熱くなり、胸の先端が硬くなる
そのまま、まどろみに任せ、腰を動かし始める
才人と一緒に作業する様になって以来、エレオノールが寝る時にハマっている行動だ
暖かいモノに腰をぶつけると気持ちが良い
更に硬いモノが丁度ぶつかって来た
其が欲しい所に絶妙に当たる為、エレオノールは更に腰をぬるぬると動かす
既に股間からは、ぬるぬるしたモノが溢れ、硬いモノにまぶされ、非常に心地よい
そのまま、この肌に舌を這わせ、舐め取る
汗の塩味と先程の水の味が混じる
腰の動きが加速し、遂にエレオノールは絶頂してしまう
「はうぅ!?」
ビクッビクッ
そして一発イッたので、とりあえず覚醒する
「あれ?私?」
「……起きたか?」
「えっ!?」
暗闇の中、肌を重ねた相手は才人だったらしい
「な、何で平民と?」
「悪いが気絶した後、あれじゃ危ないから、こうした」
「こっこっこっ」
「あんまり動くな、やりたくなる」
才人の上でぐねぐねと動き、才人を使ってオナニーしてたのに気付き、顔を真っ赤にする
「良いから離れなさい」
「また震えるだろ?」
そう言って、才人はエレオノールを抱き締め、エレオノールは才人の胸に収まる
「はっ、あっ、馬鹿、何してんのよ?」
股間の硬いのは、あれだ。この前見た奴で、何時も本人の意思と反対の行動を取る暴れん棒だ
『とりあえず、これ、こうかしら?』
先程と同じ様に、才人の物を自身の女で擦る
「あれから何れくらい?」
「……水没した懐中時計は一応動いてっけど、暗闇で解らん。水は引いてない。まだ音がする」
「そう、孤立しちゃったわね」
クチュクチュ
だんだんと股間から溢れた液体で音がなりだし、エレオノールの身体からも、牝の匂いが強烈に漂い始める
目の前の男に反応してるのだ
「あのね、エレオノールさん」
「何よ?」
「今、どんな状況か解る?」
「平民が強姦しようとしてるわ。なんて可哀想な私」
そう言って、入り口を才人の先端に合わせる
完全に本能の行動だ
「ねぇ、平民」
「何だよ?」
「事故よね?」
「…事故だな」
「じゃあ、しょうがないわね」
そう言うと、エレオノールはそのまま腰を下ろし、才人を迎え入れる
「あっはっ、入ったぁ、ヒゥッ!?」
散々焦らされた才人が、最奥に到達すると、あっさり射精する
ビクビク
初めての射精に反応し、エレオノールも勝手に身体が奥に留まる様に腰が落ち、初めての感触に何故か身体が歓喜に震える
「な、何これ?気持ち良いの、止まらない!!」
後は、エレオノールは身体が命ずるままに、動き出し、才人も応じる
「へいみん、運動すれば、あったかくなるよね?」
「はっはっ、そうだな」
グチュグチュ
エレオノールの腰は才人を完全に捕えて離さない
才人の武器がエレオノールの膣を縦横に暴れ、エレオノールは非常に短い間隔で痙攣を繰り返す
「こんなの、こんなの、だめ、だめ、へいみんがまた来た、熱いの来たぁ!!」
ビクッビクッ
エレオノールが痙攣し、射精を受け止める
「へいみん、きらい、だいっきらい。へいみんなんかきらい」
口ではそう言うものの、身体は完全に求めている
才人が腰を抑えて突き上げると、エレオノールはまだ濡れてる髪を振り乱し、更に甘い声を出す
「へいみん、へいみん、へいみん、またくる、なんかくる!?」
ドクン
才人が射精すると同時にまた痙攣する
「フゥー、フゥー、フゥー」
既に頭の中は湯だっている
「へいみんきらい、きらいきらいきらい。だいっきらい!!」
「ああもう、黙れ!!」
チュッ
才人がエレオノールの唇を奪い、エレオノールは熱心にまさぐりながら、また腰を動かし始める
膣はさっきから、うねりっぱなしだ
グチュグチュグチュ
精液と愛液が混ざり、ひわいな音をたて、エレオノールはその快楽に堕ちていく
『あぁ、お母様。貴女の言う通りでした。寝相の悪い男に気をつけろと。私、どうしようもなく、お母様の娘でした』
身体からもたらされる反応は、この男が欲しいと雄弁に語っている
エレオノールはそのまま全力で才人を求め、才人は其に応じ、夜が更けていった

*  *  *
朝になり、小屋の中にも光が差し込み、明るくなった所でエレオノールは目が覚めた
下半身はぬるぬるしており、平民のが入りっぱなしだ
腹の中に、平民が注いだ分が満たされてるのが解る
どうやら、この数日分を全て搾り出してしまったらしい
「私……こんなに好きモノだったの?」
転がってた杖を握ると、魔力が満ち満ちてるのが解り、其だけ感情が満たされたのだけは解る
何の感情が満たされか迄は、ちょっと考えたくない
そのまま、平民の胸にぽふって倒れ、呟いた
「あんたなんか嫌い。大っ嫌い。絶対に嫌い。こんな平民だなんて、あり得ない。事故よ、強姦よ、レイプよ」
そう言って、寝てるのに硬いままの才人の上で、また腰をうねり出した
「はっはっはっ、早く……起きなさいよ。私が望んでやってるみたいじゃない」
グチュグチュグチュ
結合部からいやらしい音が漏れ、そのままエレオノールは高みに登っていく
「はっはっはっは、嫌いよ。平民なんか嫌い。あくっ!?」
エレオノールが痙攣し、そのまま才人にまた倒れる
「ふぅ、嫌いなのよ。あんたなんか、嫌い嫌い大っ嫌い。何で私があんたに奉仕なんかしてんのよ?ヴァリエール舐めんじゃないわよ」
「……はいはい、嫌いな男の上で何やってんの?淑女の中の淑女様?」
びっくりしてエレオノールが平民の顔を覗き込み、ばつが悪そうに顔を背ける
「……何時から起きてたの?」
「その前に挨拶だろ?お早う、エレオノールさん」
「……おはよう、平民」
「起きたのは、淑女様が大嫌いな男の上で、腰を振りまくったせいだね」
エレオノールはプイッとそっぽを向いたまんまだ
「で、強姦されたいのか?」
「ふ、ふざけんじゃ無いわよ。あんたが、今ずっとしてるじゃない」
ずっと平民を昨晩から入れっぱなしで、エレオノールが応じる
「ふぅん」
才人が身体を起こすと布をはだけ、エレオノールを持ち上げ、離す
ちゅぽん
「寒。あ、やぁ。何勝手に離れてんのよ?」
エレオノールが抗議するが、そんなエレオノールを布を敷いた床にうつ伏せにし、尻を持ち上げる
「あ、やだ!!こんな格好。私、獣じゃない!!」
膣口から、才人の精が大量に溢れ、しみ一つ無い白い肌と中のピンクのコントラストに才人はそのまま挿入する
ニュプププ
膣が空いた時の空気が漏れ、そのまま奥に入ると、エレオノールが反応する
「あひっ!?」
パンパンパン
「あっあっあっあっ!?ヒグッ!?」
一気に持っていかれ、本人の意思とは裏腹に身体が跳ね回り、其を才人の腕が細い腰をがしりと掴み、決して逃がさず、そのまま射精迄持っていく
パンパンパン
「いやぁ!?今突いちゃ駄目!!駄目!!だめぇ!!」
「出るぞ」
パン、ドクン
そのまま才人が奥に射精し、エレオノールが身体を硬直させ、崩れる
才人はそんなエレオノールに被さり、軽く腰を動かす
「フゥフゥフゥフゥ」
「……どうだった?」
「平民なんか……キライ」
そう言って、才人の唇に唇を重ね、才人は其に応じる
暫く相手の舌を二人共堪能し、そのまま才人は後ろからエレオノールを抱えつつ、もう一度布にくるまる
流石に萎えた武器は、エレオノールから離れた
くるまれた布の中で、エレオノールは才人に身体を預けて無言だ
才人は布の合わせ面を左手を出して抑え、エレオノールが甲のルーンに気付き、問い正す
「平民、このルーン」
「使い魔のルーンだよ」
「そう使い魔の……ちょっと良く見せて……ガン・ド・アー・ル・ヴ………ガンダールヴ!?」
「へぇ、流石アカデミーだなぁ。一発で読まれた」
「まさか……あんた……あの……始祖の使い魔!?」
「流石博学。正解」
「ちょちょっと待ちなさい。あんたが伝説の使い魔?じゃあ、伝説が蘇ったの?」
「そうらしいねぇ」
才人は興味無さげに応じる。確かに才人には、伝説なんかはどうでも良いのだ
「ま、俺の強さの殆どはこのルーンのお陰。実際の俺の強さは、エレオノールさんには遠く及ばない」
「ふ……ふん。まぁ良いわ。何処の馬の骨とも解らない男より、ガンダールヴの方がずっと良いわ」
「何だよ。やな感じ。やっぱりこのルーンか」
すると、エレオノールは才人の右手を胸に持っていく
「ふん、なら右手でやれば良いでしょ?使い魔の刻印そんなに嫌い?」
「刻まれてみてから言ってくれ。関係無い能力無理矢理付与されて喜べる程、俺は始祖と神とやらに、恩を感じてない」
「……損な性分ね」
「そうだな。出来れば、自力でこういう事はしたかった」
そのまま、才人はエレオノールの胸を揉みしだき、エレオノールが感触に身体を預け、眼を閉じる
「今は………そうでしょ?」
「……経緯には、関係してるんだ」
「違うわよ。断じて、そんなルーンなんかに、私の……貞操が左右されたりするもんですか!?」
「決闘時に、此無いと死んでたんだけど?」
すると、エレオノールがハッとする
「……そっか、そうよね」
「もう、この話は無しで」
エレオノールはこくりと頷くと、そのまま才人に身体を預けた

*  *  *


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Last-modified: 2011-05-23 (月) 10:32:57 (4715d)

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