翌日、シエスタは眼を覚ましたが寝不足だった。何故なら昨夜 テファと祈りを捧げた後、部屋に戻ったのだがずっと考え込んで いたのだ。正直言うとサイトが自分を選ばずにルイズを選んだ事 を悔しくも無かったし、ルイズに対する嫉妬心も無かった。 何故ならずっと二人の側にいたシエスタは最初から分かっていた からだ。「サイトさんがミス・ヴァリエールを選ぶのは当然の事。 だって、サイトさんがミス・ヴァリエールをずっと好きだったの と一緒でミス・ヴァリエールもずっとサイトさんを思っていたん だもの」強くそう思いだしたのはつい数日前だ。そう、サイトの 相棒、デルフが壊れてしまったドラゴンとの戦いのあった翌日。 サイトの死を恐れたルイズが[世界扉」を使ってサイトを地球に 送り返した時だ。あの時、ルイズはサイトに対し、偽りの笑顔を 見せていたがサイトの姿が消えた途端、大粒の涙を流していたか らだ。「只の使い魔としかサイトさんを見ていなかったら自分が 死んでもサイトさんが助かればいいという選択はできないわ」と 思った。アンリエッタやタバサならサイトが死のうが構わずにリ ーヴ・スラシルの力を使わせていたはずだからだ。