ここはトリステイン魔法学院の男子寮の一つの部屋。 ベッドの上で金髪の男女が睨みあっていた。少女の方 はお蝶夫人の様な髪形のモンモランシーで少年の方は ふくよかな体型のマリコルヌである。年頃の男女がベ ッドの上にいるのはある意味普通だが二人の間に愛の 気配は感じられない。当然だろう。何せ、モンモラン シーは後ろ手に縛られているからだ。モンモランシー はマリコルヌに言った。「あんた、離しなさいよ!こ んなことして只で済まされると思ってるの!」しかし、 マリコルヌは「まあ、そう怒らずに。すぐに僕との愛を 感じるようになるさ…」[ギーシュの様にカッコつけて… 全然様になってないわ!]と思った。モンモランシーは 叫んだ。「ギーシュ、助けて!お願いよー!」と精一杯 の声で叫んだ途端、ドアが破られたと思ったらギーシュ が入ってきた。「やあ、マリコルヌ。何してるんだい? 君…」とマリコルヌをじっと見つめる。 「やあ、ギーシュ、モンモランシーが僕としたいと言っ てね…相手をしていたのさ!」と答えた途端、ギーシュ は突然「ふざけた事を言うな!どうせ、ルイズの様に 襲おうとしていたのだろう!!」と大声でマリコルヌを 怒鳴り付け、杖を構えていた。暫く時間が過ぎてモンモ ランシーがふと見るとゴーレムに潰されたマリコルヌが いた。「さあ、モンモランシー行くよ」とギーシュに抱 えあげられモンモランシーはギーシュの部屋に連れられ ていった。 「ど、どうしよう…」モンモランシーはギーシュの部屋 で考えていた。ギーシュがあそこまで怒っているのをモ ンモランシーは今まで見たことが無かった。そして以前 キュルケとルイズの言葉を思い出した。「男はね、好き な女の子を危険から守るとき、今までで一番というくら い激怒するの。つまり、その危険が許せないのね」 「この事か、キュルケとルイズが言ってたのって……」 と呟くとギーシュがやって来た。 「ねえ、ギーシュ。さっきのあれは…」とモンモランシー は口を開こうとするとギーシュは唇を塞いできた。