ハルバードです。
二つ目を書かさせていただきます。
もうすでに駄文量産機 になっていますが、
それに関しては目をつぶって読んでいただけると うれしいです。



        〜可哀相な兄弟〜 


数十年前、ガリア王国の王宮にとても仲の良い王兄弟がいた。
おやつや玩具も平等にわけて喧嘩もせず、いつも笑い合って暮らしていた。

ところが魔法の勉強が始まったその日から少しずつ何かが壊れていった。
成長していく内に俺は生まれついた時から俺とシャルルは平等ではない事に気付いていった。

俺は何をやっても、どんなに努力しても凡人以下なのにシャルルは何をやってもほとんど努力せずにうまくやってのける。

俺は何一つ魔法が使えないのにシャルルはどんどん新しい魔法が使えるようになる。

そんな俺にシャルルは、
「兄さんはまだ目覚めてないだけなんだよ。」
と励ましてくれた。

俺は少し救われたような気がした。

………実際には何一つ救われてないというのに。                俺達がまた少し成長していくと、シャルルがますますなんでもできるようになっていった。 俺にとっては自慢の弟だった。時々、シャルルが羨ましくて仕方がない自分が情けなくて、一人で泣いていた。悔しくて母を恨んでいた。なぜ弟に溢れんばかりの才能を与え、なぜ自分には一切才能を与えてくれなかったのか!弟のほんの少しの才能を与えてくれたらッ!いらない子なんかじゃなかったのに!            もう皆は何をやってもダメな俺を見限って離れていってしまっていた。友達だと信じていた人も離れていった。母でさえも、もう自分だけには笑いかけてはくれなかった。でも反対に弟は両親に笑いかけられ、大切にされ、シャルルこそ次の王にふさわしいと言われいつも褒められていた。シャルルの回りには友人や家臣がいつもいて楽しそうだった。        家臣や父に馬鹿にはされても誰も守ってはくれなかった。俺の味方は俺とシャルルだけだ。シャルルの「兄さんはいつかもっとすごい事ができるよ。」という励ましも、うれしい反面、俺は兄の癖に弟に何一つやってやれない事が悔しくて仕方がなかった。 その夜、俺は頭をひねってシャルルより自分の優れている所を泣きながら探していた ……。あるはずのないと分かっている のに。                                そしてまた数年後。父王が倒れた。 そして、いよいよ俺達の中から、   次の王を決める時がきた。二人の王子のみを枕元に呼んだ。俺達は緊張しながら枕元に立ち、父王の言葉を待った。小さく弱々しく父王は二人に告げた。「…………… 次王はジョゼフと為す。」         今でもとても信じられない言葉だ。 宮中の誰もがシャルルこそふさわしいと思っていたのだから。しかし、それでも、父王は自分を王に決めた。例えいくらボケていようがそんな事は関係ない。俺は今まで生きてきた惨めな人生で初めてとてつもない歓喜が 体中に溢れていた。まるで世界が表情を変えたかのようだった。自分にやっと弟より優れている所が出来たのだから!今まで弟を見てしてきた悔しい思いがようやくシャルルにも分からせてやれる!俺はシャルルがどんな顔で悔しがっているのか気になり、横目で盗見た。そして絶望に叩き落とされた。                 「おめでとう。   兄さんが王になってくれて、本当に良かった。僕は兄さんが大好きだからね。僕も一生懸命協力する。一緒にこの国を素晴らしい国にしよう」 なんの嫉妬も邪気も皮肉もこめられていなかった。   ただ、一回でいいから、悔しい思い を味合わせたかっただけなのに。 自分の存在価値が欲しかっただけなのに!認めさせたかっただけなのに!なぜ…………… なんでせっかく手に入れた自分の存在価値をつぶしたのだ?!             そして      今までシャルルに感じなかった感情が俺の心に生まれていた。          数日後 兄の手により、弟は殺された。      俺とのすれ違いがシャルルの命を殺した。シャルルの純粋な優しさが俺の心を殺した。…………       コンコンコンコンとドアをノックする音が聞こえる。この叩き方を許しているのは自分の使い魔だけだ。「入りたまえ。余のかわいいミューズよ。」ドアが開き使い魔が入ってくる。「ジョゼフ様?何を書いておられるのですか?」   と尋ねてきた。   「ああ、少し昔の事を思い出してな。本に挟まっていた幼き頃の書きかけの日記を見つけたので暇潰しに今日までの日記を若干省略しながら書いておったのだ。」「そうでしたか。」ふと疑問に思い尋ねる。「そういえば、余に何か用があったのではないのか?」笑いながら聞く。すると、すぐに謝りだした。「も、申し訳ございません!」ひざまづいていた使い魔を立たす。「よいよい。で用件は?」     「ありがとうございます。モリエール夫人が南薔薇花壇にてお待ちです。」そうか。まぁそろそろあの薔薇花壇も壊そうと思っていた所だ。        …行くか。       「わかった。今行く。」                            〜数十年後〜 久々にこの日記を見つけた。せっかくだからこの数十年、何があったのか書こうと思う。 まず……うーむ。困った。色々な事がありすぎて何から書けばいいかわからん。そうだな… 。とりあえず、世界を潰そうとしたあの戦争で信じられないものを見た。たしかに殺した筈のシャルルが生きていた。死んだのは影武者だったらしい。出合い頭に思いっきりぶん殴られた。かなり久しぶりに兄弟喧嘩をした。…シャルロットには悪い事をした。シャルルとの話し合いで戦争するのはやめた。おお、そういえば 聖エイジス32世がたまたま弾に当たって死んだ。あいつはどうやら虚無の力でハルケギニアを手に入れようとしていたらしい。俺も人の事言えないがくだらん事を企む奴だった。シャルルとのわだかまりも溶けた俺は、王座をシャルルにくれてやった。うちのイザベラがギャーギャー騒いでいたが。俺にはもう必要ないからなぁ。黙らすのには苦労した。これからはもう少しイザベラと関わって生きていかなければ。俺みたいにはもうさせない。            サイトと話して俺は随分変わったと思う。前よりも毎日が楽しくなったサイトは俺にも存在価値がある事に気付かしてくれた。そういえばうちのイザベラも随分変わった。前はヒステリーだったらしいが、サイトと出会ってからは今ではおしとやかになったそうだ。いったいなにしたのやら。あとは…そうそう。シャルロットとサイトが結婚した。もうすぐ子供も生まれるそうだ。幸せになることを祈っている。それにしてもあのメイドの殺気はすごかった。ついでにあの桃髪の兄弟は、フラれたらしい。まぁあれだけ酷い扱いしたら当然だな。 トリステインの女王とあのハーフエルフの兄弟の説得によりエルフとも和解して、貿易も自由にできるようになった。ロマリアの新教皇はあのジュリオとやらに決まった。国の貧民達はトリステインとガリアで救うそうだ。  それからアンドバリの指輪をサイトにやった。約束していたとか。俺はミューズと結婚した。まぁ色々な事があったが俺達は幸せになった 俺の心はいつの間にかからっぽではなくなっていた。                   この世界も   悪く無い。          ……………コンコンコンコン。ガチャ。「あなたーごは…何書いているの?」    「ああちょっと日記を書いていた。」       「ご飯だから早く来て下さいよ ?」「ああ今行く。」ガチャ。パタン。   さて、明日は久しぶりにサイト達に合いにでも行こう。

「ん?日記がもう一杯だな。じゃ。明日新しい日記を買ってこさせるかな。」

 〜終〜



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