[[X00-47]]の続きです。 才人は夢を見ていた。それは言うまでもなくルイズの夢である。その夢で才人は魘され目が覚めた。 「・・・・ルイズ・・・」 才人は窓の外を見たが、まだ明け方でほとんどの人は起きていない時間だ。隣を見ると今の主?であるタバサが寝ている。なぜか才人は頬擦りしたいという欲求が沸いた。才人はその欲求に耐え、もう1度寝た。 タバサは目が覚めて隣にいる小さいペットに目をやった。寝言でルイズと言っているを聞いて”今日のお仕置きは・・・あれにしよう”と決めた。 「ん・・・シャルロットさまぁ・・おはようございますぅ・・」 「・・おはよう、サイト」 才人は寝ぼけた声でタバサに挨拶をした。タバサも挨拶をして才人の顎を撫でる。気持ち良さそうに目を細めてその指に頭を預けた。しばらく撫でてタバサは着替えて朝食を取りにいく。 「・・・ルイズ・・・」 才人はルイズのことが気になって仕方がなかった。しかしそれはどうしようもない、自分を召喚したご主人様なのだから。そんなことを考えても今の才人には、会いに行くすべはない、まずこの部屋から出れないのだから。そんなことを思っているとタバサが朝食を取ってきたようだ。 「・・・サイト、ご飯」 「はい、シャルロット様」 タバサは才人を机まで持ってきて朝食をとった。朝食を終えて少し才人は体を動かしていた。才人が運動してる間タバサは床に何やら魔法陣を描いていた。 「サイト、一旦元に戻してあげる」 「本当ですか!?」 「ただし、逃げたりしたら・・・わかってる?」 「う・・・・はい、シャルロット様」 才人がそう言うと才人を床に置いて魔法を解いた。才人が動こうとしたのでタバサが、 「待て、お座り」 そう言うと才人は動けなくなった。”え、何で動けないんだ”混乱している才人をタバサは魔法陣の上においた。 「シャルロット様?何をするつもりですか?」 「これから特殊な魔法をかける。これは若返りの魔法だけど同時に記憶を失う。でも、元に戻る時に記憶は戻り若返ったときの記憶も残る。そしてこの魔法の期限は1日」 何のことやらさっぱりわかっていない才人を放っておいてタバサは魔法を発動させた。 「サイト・・・もう逃がさないから」 その言葉を聞いて才人は気を失った。 白い煙に包まれた部屋にいるタバサは魔法で煙を外に飛ばした。そして魔法陣に目をやるとその真ん中に小さな子供が倒れている。その子供が目を覚ました。 「ん・・・ん?ここ・・どこ?」 「ハルケギニア」 「はるけぎにあ?おねえちゃんだれ?」 「シャルロット」 子供は部屋を見回していた。 「どうしたの?」 「わかんない、何も覚えてない・・・」 泣きそうになったので優しく抱いて頭を撫でた。 「大丈夫、お姉ちゃんがいるからね、サイト」 「さいと?ぼくのなまえ?」 「そう」 そう、この子供はさっき魔法陣にいたあの才人なのである。しかし記憶がないので、自分が誰かもわからない。今はただ自分を知っている、タバサを信じているのだ。 「お姉ちゃん・・・」 「何?サイト?」 上目遣いでタバサを見てきた才人に対してタバサは優しく微笑んだ。 「ずっと一緒にいてくれる?」 「うん、一緒にいるよ」 「一人にしたりしない?」 「うん、一人にしない」 その答えに満足したのか才人はタバサの胸に顔を埋めた。そのまま頭を撫でてくるタバサの手に頭を預けた。