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契約(その14) 痴女109号
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「さぁて、それじゃあ第二ラウンド開始といきましょうか?」
そう言いながら、シエスタはにこやかに笑いながら、ルイズの股間からペニスバンドを引き抜いた。それこそ、赤ん坊の腕くらいの太さを持った張型を。
そのディルドーは、ルイズの破瓜の血で真っ赤に染まり、タバサの触手にも劣らぬ禍々しい雰囲気を放っている。だが、それよりも才人は、そんな、湯気すら放つ模造ペニスを誇らしげに掲げ持つ少女の、一部の曇りすらない笑顔の方が、さらに怖かった。
「ミス・ヴァリエールの聖なる処女の血を、今からサイトさんにプレゼントできると思うと、……ふふ……、足が震えるほど興奮しますわ……!」
逆にルイズは、その禍々しい毒気に当てられたかのように、もはやピクリとも動かなかった。激痛のあまり失神したわけではない。深く閉ざされた彼女の瞼からは、まるで高原の岩清水のように、こんこんと涙のしずくが湧き出し続けている。
「……なんで……なんで……こんな……」
眼前で行われて――いや、自分自身が味わって、なお信じ切れぬ過酷な現実。
その絶望を前に、杖と自由を奪われた無力な少女が、一体どれほどの抵抗が可能だったろう?
ルイズはもはや、この場の誰をも、その視界に入れたくは無かった。
才人は、そんなルイズを見て、肋骨が砕け散らんばかりの胸の痛みを感じたが、それでも、必死に目を閉ざす彼女に、少しだけ気が楽になった。これでブザマに辱められる自分の姿を、愛する花嫁に見られずに済む。
だが、そんなルイズを許すほど、女たちが優しいはずも無かった。
「眼を開けなさい、ルイズ」
アンリエッタが低い声で言うが、無論ルイズは素直に従わない。闇の世界に身を浸し、ただ項垂れて泣き続けるのみだ。
しかし、続けて吐かれた女王の言葉は、そんな少女の反応を見越したもののように、むしろ嬉しげでさえあった。
「そうですか……国を預かる女王の命に従わないとあれば、当然厳罰を与えねばなりませんね」
そう言われたところで、ルイズは眼を開かなかった。開ける気も無かった。
が、そんなか細い決意も、続けて聞こえてきた音と悲鳴に、アッサリと砕け散ってしまう。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
聞こえてきたのは少年の悲鳴。
響く物音は――彼女がとてもよく知る――馬上鞭の音。
その悲鳴に、反射的に眼を開けたルイズの視界に飛び込んできたのは、ウェディングドレス姿のアンリエッタが、土下座のような体勢になった全裸の少年の背中に、嬉々として鞭を振るっている姿であった。
無論、彼のその肛門には、深々とタバサの股間から生えた触手が埋まったままだ。おそらく鞭の痛撃の合間に、常人の想像を絶する蠢きで、彼の前立腺に刺激を与えているのだろう。
そんな才人の頭を、床に押し付けているのは、シエスタ。彼女の眼差しは、むしろ女王に向けられ、早くわたしにも鞭打ちをやらせてくれと、そう眼で訴えている。そしてティファニアは、床に押し付けられた才人の耳を、飴玉のようにねぶっている。
「やめてぇぇぇ!! そんな、そんなことしないでぇぇぇぇ!!」
少女の叫びは、少年の悲鳴さえも掻き消し、教会内に響き渡った。
「サイトっ、大丈夫っ!? ねえ、サイトしっかりしてぇぇっ!!」
「うふふふ……主の罪は使い魔の罪。御主人様の代わりに、この可哀想な使い魔さんが罰を強制されるのは、ある意味仕方の無いことでしょう、ルイズ?」
アンリエッタの言葉を、シエスタが引き継ぐ。
「それにおかしいですわ。サイトさんへの鞭打ちは、ミス・ヴァリエールがいつも『お仕置き』と称して、日常的にやっておられたじゃありませんか? それを何故いまさら?」
「っっっっ……!!」
確かに、そう言われては、ルイズとしても口ごもるしかない。彼女の言う通り――むしゃくしゃした時は、取り敢えず才人をぶん殴って憂さ晴らしというのが、彼女の手っ取り早いストレス発散方法だったのは事実なのだから。
さすがに最近は、以前に比べて鞭の出番は減ったが、それでも拳や蹴り・エクスプロージョンなどの虚無魔法といった『暴行』を、才人に対して加える事に、ルイズが躊躇いを覚えた事は、一度も無いと言っていい。
だからこそ、ルイズはいま初めて絶句した。
他者に、理不尽な暴力を振るわれる想い人の姿。そして、これはいつも貴女がやっている事だと言われて、初めてルイズは、日常的に自分が、いかに非道な行為を彼にしているかをまざまざと思い知ったのだ。
そして、真逆の結論を抱くに至った、もう一人の少女・シエスタ。
(――すごい、好きな人を直接イジめるのって……こんなにいいものなんだ……!!)
無論、そういうシエスタが、才人を苛めたことが無いとは思っていない。だが、彼女自身それは、イジメではなく意地悪の範疇に入る行為だと思っている。屈辱やら羞恥やらを強制し、彼を泣かせても、こういう直接的な『暴力』を振るった経験は無かったのだ。
だが……『こちら側』に身を投じて初めてシエスタは、ルイズを理解出来たような気がした。
シエスタは、御付きメイドとして選任されて以降、常にルイズと才人の傍らに身を置き、二人を見守っていたが、それでも理解できなかったのだ。何故ルイズが、命がけで自分を守る才人に、あれほどの虐待を加えることが出来るのか。
だが……。
「陛下、是非わたくしにも、その鞭をお貸し下さいませ」
そう言ったシエスタの瞳は、妖しげな光に潤んでいた。
びっし〜〜〜〜ん!!
びっし〜〜〜〜ん!!
びっし〜〜〜〜ん!!
びっし〜〜〜〜ん!!
「ほぉらっ!! いたいですかっ!? サイトさん痛いですかって訊いてるんですよっ!? ちゃんと答えなさいっ!!」
「やめてぇっ!! おねがいっ!! 何でもするっ!! 何でもシエスタの言う通りするから、だからこれ以上、サイトをいじめないでぇぇっっ!!」
ルイズがそう叫ぶのと、アンリエッタがシエスタの腕を取ったのは、ほぼ同時だった。
「やめなさいっ!! 貴女はサイト殿を殺す気ですかっっ!?」
自分も嬉々として才人を鞭打っていたアンリエッタだったが、半ば恍惚とした表情で、取り憑かれたように馬上鞭を振るうシエスタに、さすがの彼女も正気に戻らざるを得なかったのだろう。
いまや才人の背中は、皮が破れ、肉が覗き、血まみれの状態になっている。激痛のあまり失神したのか、もはや彼はうめき声さえ立てず、先程から突っ伏したまま微動だにしない。
ティファニアやタバサでさえ、シエスタが見せた、この乱心と見紛うばかりの暴行に気を呑まれたように呆然としている。
だが、当のシエスタは、いまだに興奮状態を脱していないようだった。
荒い息を繰り返し、今度は、その不気味に輝く瞳をルイズに定めると、
「ミス・ヴァリエール……いえ、“ルイズ”」
と、そう呼び捨てた。
「貴女が悪いのですよ……サイトさんがこんなひどい罰を受けるのも、全部貴女のせいなのです。貴女がサイトさんを独占しようなんて考えなければ、サイトさんは、こんな目に……こんな酷い目には遇わずに済んだんです……!!」
「わたしの、せい……?」
「そうです。貴女のせいです。だから今度は、貴女が見る番に回らなければならないんです」
見る?
見るとは何を、だ?
こんな、滑稽でおぞましい凌辱劇を、身を持って経験させられた自分に、これ以上、一体何を見ろというか?
ルイズがそう思った瞬間に、シエスタは、才人の身体を引っくり返し、土下座の姿勢から仰向けの体勢に転がした。
すでにタバサの触手は、彼の肛門から抜け出ていたので、シエスタが、才人を転がすのに、何ら妨げるものは無かった。
「っっっ、そんなっっ!?」
ルイズが呼吸を忘れたのも無理は無かった。
ほとんど半死半生の目に遇わせられながら、少年の股間からは、これでもかと言わんばかりに硬くなった肉柱が、へそまで届くほどの勢いを見せていたからだ。
「やっぱり流石ですわサイトさんは……。いえ、そうでなければ嘘というもの」
そう言うと、シエスタはルイズに、にやりと笑いかけ、股間のペニスバンドを外した。
「シエスタ……あんた一体、サイトを、サイトをどうするつもりなの……!?」
「決まっていますわ」
「初夜の晩に男女が行うことと言えば、ただ一つでしょう?」
そう言いながら、シエスタは才人のペニスを掴むと、自らの股間にあてがった。
「もっとも、サイトさんの童貞は、とっくの昔に奪われてしまっていますけどね」
(ついでにわたしの『初めて』も)
そう、心に呟きながら、シエスタは自らの腰を沈める。
ずぶり、という音を立て、さしたる抵抗すらなく、少年の陽根は、彼女の体内深くめり込んだ。
そのシエスタの言葉を聞いて、ルイズの胸中に、あるかなしかの嫉妬の炎が再燃する。
もっとも、シエスタの処女を奪ったのは、才人ではなくタバサだし、才人の童貞を奪ったのは、人間でさえないシルフィードだ。だからルイズが一瞬想像したような“密通”の事実は、なかったのだが、シエスタも、それをバカ正直に告げる気は無い。
「ふはっ、ふひゃひゃひゃひゃひゃ!! しゅごいっ!! こっ、こんなに気持ちのいいもんなんですねぇっ!! サイトさんのモノって!! どうです“ルイズ”!? うらやましいでしゅかぁっ!? だったら、――だったら、うらやましいって言いなさいっ!!」
「……」
ルイズは絶句していた。
無論、羨ましくないと言えば、それは激しく嘘になる。
だが、そこまで欲望に身を任せるシエスタを見て、引いてしまったのも確かだった。
激痛以外、何も感じなかった、さっきのシエスタとの交合。だが、いま才人の体の上で跳ねるように踊り狂う、シエスタの表情はどうだ? 垢抜けないそばかすをまぶした頬でさえ、まるで一流ステージのダンサーのようではないか?
……だが、それにもかかわらず、ルイズの精神は硬直していた。
女の喜びを目の当たりにしていながら、それでいて、少女独特の潔癖感から、肉悦に身を任せるメイドの表情に、ついていけないものを感じざるを得なかったのだ。
――いつだ?
――少なくとも、わたしとシエスタは、同じラインの上に並んでいたはず。なのに、いつ彼女は、こんな、わたしの手の届かないところへ行ってしまったの!?
「では、ルイズ。始めましょうか?」
だから、開いた形で足を固定された鉄棒を踏まれるまで、少女は、二人に気付かなかった。
股間から、おぞましい触手を生やしたタバサと、こけしのような張方を持った女王。
タバサの表情は、相変わらず読めなかったが、一方のアンリエッタは、もはや顔を見るまでも無かった。それほど女王の声は、楽しくて仕方が無いといった気分がにじみ出ていたのだから。
無言で、ルイズの股間に口を寄せるタバサに、少女は恐る恐る尋ねる。
「はじめるって……何を……?」
「さっきメイドが言った」
「え……!?」
その言葉を、アンリエッタが、ルイズの小さな乳首に舌を這わせながら引き継ぐ。
「――第二ラウンド、ですわ。うふふふふ」
そう言われた瞬間、ルイズは股間の小さな小さな入口に、再び侵入者が現れたのを感じた。
虫が這うような気持ち悪さ。
それでいて、舌や指などでは、とうてい真似の出来ない繊細で不規則な動き。
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「やめてえええええええっ!!」
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タバサの触手が、その悲鳴を合図にするかのように、ルイズの膣内に潜り込んでいた。