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たたかいのあとで せんたいさん
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注意事項
※エロ抜きです
※原作改悪です
※壊れてます(キャラと作者が)
以上の注意点に気をつけて読まれよ。
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ある日のガリア王宮、グラン・トロワ。
ロマリア軍壊滅の任に失敗し、シェフィールドはガリア王ジョゼフの前で頭を垂れていた。
「で、お前は私がそのようなつまらぬ報告を聞く耳を持っているとでも?」
あくまで酷薄に、ジョゼフは目の前の花壇の花にじゃれつく、虻に注視したまま己が使い魔にそう返す。
まるで、自分にとって大事なのは、お前よりもこの虻である、と言わんばかりに。
ぎり、とシェフィールドの歯が悔しさにきしむ。
しかし。
彼女には、あの敗北の原因がわかっていた。
それは、絆。
使い魔と主の絆が足りないから。
この主と、より強い絆を持つには、どうすればいいか…。
シェフィールドは帰路の最中、ずっと考えていた。
そして出た答え。
「…ジョゼフ様がいけないのです」
シェフィールドの台詞に、それまで微動だにしなかったジョゼフの眉がぴくん、と動く。
「…今のは虻の羽音か?奇妙な言葉に聞こえたが」
「…そうよ、構ってくれないジョゼフさまがいけないのよっ…!」
その声はいつもの冷酷なミョズニトニルンの声ではなく。
泣きそうな少女の震えた声だった。
使い魔の異常な行動に、ジョゼフは思わず振り向いた。
そこには。
何故かやたら胸元を強調したメイド服に身を包み、なんでか眼鏡をかけた、おさげ髪の。
泣きそうな顔の、シェフィールドがいた。
地面にぺたんと腰を下ろし、ジョゼフを見上げる形だ。
ちなみに幻術を操る宝玉でもって、ジョゼフのストライクゾーンの服に化けている。
ジョゼフの目が点になる。
「…あっちの使い魔は、さんざん主人にいぢりたおされて幸せそうなのに…。ジョゼフさまはぜんぜんかまってくれないんだモン…。
勝てるわけないじゃないですかぁ…」
言って、イヤイヤと首を振る。
おさげがその首の動きに合わせてふるふると揺れる。
くは、とジョゼフの喉から息が漏れる。
「…なのにそんなイヂワル言われると…。
ミューズ、悲しくなっちゃう」
言って、本当に泣きそうな顔で、ジョゼフを見上げる。
ついでに強調された胸の谷間も見せ付けてみたりする。
ぴろろろろろろろろろろろろろろろろろろろろ…………ぼかーん♪
ジョゼフの中で何かのメーターが吹っ切れた。
「そんなにいぢって欲しいのなら…」
「は、はいっ」
「この世が終わるまでいぢりたおしてやるわーっ!」
「やんっ、ここはお外ですよジョゼフさまっ♪」
そして、この後、二組の虚無と使い魔による、バカップル対決でガリアとロマリアの戦いには終止符が打たれるのだが。
一人の常識を保っていた半エルフの少女が、この件に関わったすべての人間の記憶を開戦まで戻し、歴史を救ったという。
だがしかしこの戦いの記録は一部の愛好家によって書面にて残されてしまい、『歴史の守り手』と称される彼女の子孫が、黒歴史として封印したという。