『アメリカンジョーク風ゼロの使い魔』
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白昼の学院の庭。二人は相変わらずにぎやかである。
「だからそうじゃないって言ってるでしょ。
あんたねえ、一体何遍言ったら分かるのよ。」
「ったく、なんでこういっつもやかましいかなあ。
相変わらずチビで能力ゼロのくせに。」
「ごご御主人様に何て口の利き方!このバカ犬〜〜っ!」
そこにたまたま居合わせたコルベールが二人をたしなめた。
「こらこら、君たちの口論はいつも聞くに堪えない。
喧嘩するほど仲が良いとは言うが、せめてもっと穏当な表現を使いたまえ。」
「んな事言われても…。じゃ先生、どう言えば良いんですか?」
「そうだな。今後は政治的に正しい表現を使ったらどうかね。
『垂直方向に試練を受けている』とか、『能力が自然数にすら達しない』
とか、『頭脳に努力を要する犬』とか、そういった表現だよ。」
なるほどと納得した二人。
「分かりました。これから気を付けます。
ありがとうございます、頭髪が残酷な状態になっている先生。」