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純情乙女(?)フーケ ツンデレ王子
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――ヴェストリの広場にて、サイトがギーシュのワルキューレを打ち負かした
その噂は貴族・平民を問わず学院内に瞬く間に広まった。
もちろん教師陣にもである。
「あの子、サイトとか言ったかしら。平民なのにメイジに勝つだなんて…」
トリステイン魔法学院長オールド・オスマンの秘書ミス・ロングビルも例外では無かった。というよりも、彼女は彼等の決闘をオールド・オスマンに報告した後、放っておけと言われたにも関わらずその全貌を見届けようと広場まで来ていたのだ。
「サイト!」
彼を呼び出したルイズが駆け寄る。
「お待ちなさい」
ミス・ロングビルの通る声に、その場に居合わせた皆が静まり返った。
「彼の怪我はわたくしが診ます。あなた方は今すぐ教室に戻りなさい」
――貴族同士の決闘はご法度となっているが、相手が平民であれば構わないのではないか。
野次馬の中からそんな声が聞こえたが、それに構う事なくサイトを担ぎ上げる。
「教室に戻りなさい!」
再度声を高らかに言い観衆を追いやると、ミス・ロングビルは医務室へと向かっていった。
「ふぁあ〜…あれ、ここは…?」
俺が目覚めたのは、ベッドの上だった。
――夢だったのか
そう思った時だった。扉が開き、見たことの無い女性が現れた。いや、1度か2度見たことがあるかもしれない。
「気が付きました?調子はいかがかしら?」
「あの、えっと…」
「当学院長秘書のロングビルですわ」
ロングビル?外国人か?
そういえば見覚えの無い物ばかりが並んでるよな、この部屋…
「俺は何でここに…」
「あら、覚えていらっしゃらないの?
ミスタ・グラモンとの決闘で受けた傷が原因で、3日間眠っていたのですわ」
げ、3日も寝てたのかよ。
「でも貴方、強いんですね」
「いや、それほどでも…」
「ねぇ、どこで剣を習ったのか教えて頂けませんこと?」
彼女はしなを作ってウィンクすると、そう聞いてきた。
(そうは言ってもな、勝手に身体が動いただけだし)
しかし俺は、何となくその事は未だ言わない方が良い様な気がしたのだ。
考え込んでいると彼女はベッドに腰掛け、俺に寄りかかってきた。
「教えて頂けるなら、お礼はしますわ」
「そう言われましても…」
サイトが言葉を濁したのを、焦らしているとでも解釈したのだろうか。
彼に掛かっていた布団を捲ると、彼女はサイトのズボンの上から彼の股間を弄り始めた。
「わたくし、強い殿方に弱いんですの。
貴方が望むならこの身体を捧げても構いませんわ」
その時、サイトの思考は思いもよらない方向へと独走し始めた。
もはや彼自身にも止める事は不可能だった。
「じゃあロングビルさん、コイツを鎮めてもらえますか?」
そう言って自らズボンを下ろすと、そこには3日も気を失っていた所為なのかはたまたギーシュとの立会いで身の危険を感じた為なのか、いつもより遥かに膨張した逸物が顔を覗かせたではないか。
わずかに逡巡するも、顔には打って変わって淫らな笑みを浮かべるミス・ロングビル。サイトのそれに手を沿わすと、ゆっくりと上下に動かし始めた。
「やっぱ自分でするより気持ち言いや」
それに微笑んで答えると、彼女は更なる刺激を与えようと脈打つ肉杭に顔を近づける。サイトもそれを見て彼女が何をしようとしているのか理解したのだろう。
彼女が舌を出して先端から溢れ出る透明な液を舐め取ろうとしたのだが、サイトはそれに待ったを掛けた。
「待って下さい」
「……?」
「折角だから、貴女も脱いでくれませんか?」
さすがにこれにはミス・ロングビルも躊躇を示した。
今は昼間で、生徒達は授業中なのだ。
だが、にやにやと自分を見詰めるサイトを見て、彼女は決心を固めたらしい。
杖を取りサイレントとロックの呪文を唱えると、身に着けている衣類を床に落とし始めた。
パンツに指を掛けたところでサイトに止められた。
「それは履いたままでいいですよ」
さすがに恥ずかしいのか頬をほんのりと桜色に染め、彼女は行為の続きへと戻っていく。
「そのまま俺の顔を跨いでください」
ちらりと視線をやると、サイトは今だニヤニヤといやらしい笑みを張り付かせたまま当たり前の様に淡々と言っているではないか。
(我慢よ我慢、何としてもコイツの強さの秘密を聞き出すのよ)
媚びる様な表情を作り、ミス・ロングビルはサイトの言う通りの格好になる。
所謂69の格好である。
「こ、これでいひゃん」
上半身を起こし彼へと顔を向けて尋ねようとするが、最後まで言う事は出来なかった。サイトが彼女の下着越しにクレヴァスへ口を付けたのだ。
「ロングビルさんって結構エッチなんだね。こんなにして」
「んんー」
「それに、おしっこの味もするよ」
「い、言わないで…」
さすがに耐え切れなかったのか、顔を上げ更に頬を上気させるとモジモジと身を捩る。しかしその反応はサイトの牡を更に悦ばせる結果しか生まなかった。
「ほら、口が休んでますよ」
「ん…ぁあむ…」
ミス・ロングビルは腰を僅かに振りながらも、口を大きく開けて目前の餌を咥え込む。口腔内で舌を使い鈴口を刺激したり唇を窄めて竿へと刺激を送ったりと、彼女は考え付く限りの奉仕を続けていた。
サイトは負けてはいられないと彼女のパンツをずらすと、濡れて光沢を持つ陰毛を舌で掻き分けスリットを露わにする。空いた手で彼女の臀部を揉みしだき、徐々にその奥に息づく窄まりへと侵略を進めていった。
「んふー、だめ、そこは…」
しかし、サイトは聞こえていないのか、はたまた聞こえていて敢えて聞こえないふりをしているのか、それを止めようとはしない。
「お願い、そこは止して」
サイトの肉棒をギュッと握り締め懇願する。
彼女の声色があまりにも悲痛であった為、サイトはアヌスへの攻撃を中断する。蜜を溢れさす魅惑のクレヴァスへと集中する事にした様だ。
「…ぁああ…だめ、そんなにされたら…ぁあああああ」
ミス・ロングビルは一際大きく嬌声を上げたかと思うと、自ら陰部をサイトの顔へと押し付けながらビクッと身を震わせた。
「はぁ…はぁ…」
「……」
「先にイかされちゃうなんて…もぅ、いけない人」
やわやわと手を動かして刺激を与えながら、彼女はうっとりとした目でサイトに視線を送る。そして体制を入れ替えると、今度は彼の足を跨ぐように立ち上がった。
「今度は…」
言いかけながら彼女はサイトの腰の辺りまで歩を進めると、膝を付き片手をサイトのものへと添える。自身と彼をすり合わせて狙いを定めると、彼に見せ付けるかのようにゆっくりと腰を落とし始めた。
「んっ…ぁ…」
ミス・ロングビルはサイトを根元まで咥え込むと、彼の服をたくし上げてその胸板を露わにした。
「ロングビルさん…」
一番敏感な部分を温かく包み込まれたサイトは、初めての感覚に少女の様に喘ぎを漏らしながら相手の名を口にした。
「ふふ、もしかして…初めて?」
サイトの胸板にしなだれかかり、片方の乳頭を口で、もう片方を親指と人差し指で刺激しながら、器用に腰を動かしている。
「実は…そうなんだ」
「じゃ、いっぱい感じて…ね♪」
優しく囁くと、彼女はそっとサイトへと口付ける。
軽く唇を合わせるだけに留めると、彼女は身を起こして更に動きに激しさを加えだした。
「…あっ…ああっ…イきそう…あぁ…なのね」
徐々に表情から余裕が消えうせるサイトに、ミス・ロングビルは喘ぎながらも切れ切れに尋ねる。
サイトといえば、言葉を発したと同時に果ててしまいそうなのか、ただ小刻みに首を動かして頷くのみであった。
「…い…いいわ…そのまま…出させてあげる」
ミス・ロングビルはそれまでの上下運動に加えて更に腰をグラインドさせると彼の射精を促していく。
「…で、出る!!」
ガクンガクンと身を振るわせてミス・ロングビルの膣内へ数億という子種を吐き出すサイト。
(ふふ、良く見たらこの子、結構可愛いじゃない)
荒い息を吐きながらも満足そうなサイトの表情に、そんな想いが湧き上がってくる。既にそんな感情は捨て去ったつもりで居た彼女は、戸惑いを隠せないままにサイトに口付ける。お互いに息が荒くなっている為に口はぴったりと閉ざされておらず、ミス・ロングビルの舌はサイトの口腔内へと容易く進入して行った。
「…ん…ぁむ…んむ…」
ややしてから唇を外した2人の間には、窓から入ってくる日差しに照らされて銀色に光る橋が架かっていた。
未だ一部は繋がったままの状態で、2人はベッドの上で抱き合ったままだ。
「そろそろ、教えてくれる?」
密事を過ごした事により、彼女の喋り方はそれまでとは考えられない程に砕けたものとなっていた。
「教えるって言っても…」
サイトは決心を固めると、真実を話し始めたのだった。
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それから暫くしたある日の事。
土くれの二つ名を持つフーケは、中庭の茂みに身を潜めて一部始終を見守っていた。ルイズの魔法で、宝物庫の辺りの壁にヒビが入ったのだ。しかも、その隣に彼が吊るされているではないか。
「待ってて、今助けるから」
ゴーレムを出現させ、ルイズとキュルケの後ろから姿を出させる。だが、予想に反して逃げ出したのは1人だけ。
「逃げろ、ルイズ!」
「使い魔を見捨てて逃げるようなメイジはメイジじゃないわ!」
その言葉がフーケの耳にも聞こえてきた。
――ズキン
(――っ)
一瞬フーケと、ゴーレムの動きが止まる。
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その隙を付いてシルフィードがサイトとルイズを咥えると、上空へと身を翻した。
ゴーレムは我を取り戻すと宝物庫の壁を崩し、そこからフードを目深に被った
フーケが入り込む。時をおかずに出てきたフーケは、腕に何やら大きな箱を抱えていた。
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(やっぱり貴方と闘わなくちゃいけないのね)
それまで様子を伺っていたミス・ロングビルは、サイトが『破壊の杖』を使ってゴーレムを打ち砕いたのを見て取ると、悲しそうに溜息を吐き姿を表した。
そして当初の目的通り、サイトの手から破壊の杖を取り上げたのだ。
「ご苦労さま」
彼女は心に強い痛みを感じながら、彼らに正体を暴露し始める。
「貴方とは…闘いたくなかったわ」
しかし、『破壊の杖』の本来の使用方法を知っているサイトに叶うはずも無く、土くれのフーケは捕まってしまう。
(貴方になら…貴方に捕まるなら私…)
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こうして、『破壊の杖』事件は終焉を迎えたのだった。
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END