宿に着くと、ルイズは事情を書いた手紙を書き、アンリエッタに送る
才人はベッドで起き上がれずに居たが、モンモランシーが自分以外を追い出した為、傍に居るのは、モンモランシーだけである
宿に着くと、ルイズは事情を書いた手紙を綴り、アンリエッタへと送る
才人はベッドから起き上がれずに居たが、モンモランシーが自分以外を追い出した為、傍に居るのは、モンモランシーだけである
曰く、
「ルイズ達が居ると、才人が平気な顔して無理するから駄目」
各々心当たりが有りすぎる為、素直に従い食事に降りて行った
「モンモン、毎回済まないねぇ」
「それは言わない約束でしょ。おとっつぁん」
「ネタについて来るとは」
才人は笑う
「すぐに冗談にするから読めるわよ」
「まだまだ修業が足りないか」
「冗談は此処まで。私には、全部話しなさい。何をやったら、此処まで全身をイジメられるの?」
「言わなきゃ駄目か?」
「誰にも言わないから安心しなさい。サイレンスも周囲にかけてある。私はあんたの主治医よ」
「誰にも言わないから安心しなさい。サイレントも周囲にかけてある。私はあんたの主治医よ」
「相棒、俺っちも気になる。ガンダールヴなのに、何でそんなに運動でダメージを残す?」
デルフが抜け、話かける
「魔法だよ」
「才人、使えるの?」
「正確には俺じゃない。村雨の力を借りてる」
「どういう事でぇ?」
「デルフ、ガンダールヴは心の震えで強さが変わるんだろう?だから、心の震えが高まってた時なら使えると思ったのさ。村雨は杖にもなるからな」
「デルフ、ガンダールヴは心の震えで強さが変わるんだろう? だから、心の震えが高まってた時なら使えると思ったのさ。村雨は杖にもなるからな」
「どういう魔法?」
「モンモンは、人間の身体が、通常時は身体が壊れない様に、全開で動かない様、枷が付いてるって話は知ってるか?」
「今、初めて知ったわよ。それは才人の国の医学?」
「そう。其を利用して、水魔法で肉体の枷を無理矢理外して、壊れるレベルで動かした」
「そう。それを利用して、水魔法で肉体の枷を無理矢理外して、壊れるレベルで動かした」
「枷自体は脳内麻薬の分泌量で制御出来る程度。原理さえ知れば、ドットで出来る」
「効果時間は?」
「今回は一秒程度。心の震え次第」
「スペルは?」
「教えない」
「何でよ?」
「枷を外して無理矢理動くんだ。モンモンが使ったら死ぬぞ。ガンダールヴだから、この程度で済んでる」
「成程。才人専用スペルね」
「魔法衛士隊なら、使えんじゃねぇかな?」
「教える?」
「まさか、ワルドみたいなのに使われたら、為す術無く瞬殺されるわ。使った後、相手も死ぬかもしれんけど」
「それにガンダールヴの力を乗せたせいで、心の震えの許容量越えた運動で、ダメージ溜めたのか。相棒、馬鹿だねぇ」
「それにガンダールヴの力を乗せたせいで、心の震えの許容量越えちまって、ダメージ溜めたのか。相棒、馬鹿だねぇ」
「俺もそう思う。此処まで、反動酷いとは思わなかったわ」
「ぶっつけ本番なんかでやるからだ。アホウ」
「本番じゃないと、閃かないから仕方ねぇ」
「ねぇ、才人」
「なんだ?」
「これからも使う気?」
「必要な時にはね」
「あんたの場合、やるなと言ってもやるか」
ふぅと、溜め息を付く
「じゃあ、私から忠告。それに耐えられる肉体になるよう、鍛えなさいな。重要なのは耐久力よ」
「どうやるんだ?」
「一番手っ取り早いのは、私とのエッチね」
「嘘言うな」
「乗せられなさいよ馬鹿。普段時に使って、壊れないレベルで負荷をかけ続ければ、耐えられる様になるわよ。最初は今みたいに地獄よ」
「乗せられなさいよ馬鹿。普段から使って、壊れないレベルで負荷をかけ続ければ、耐えられる様になるわよ。でも最初は今みたいに地獄だと思うわよ」
「敢えて使えと?」
「但し、傍に私が居る事。ポーションと魔法でケアしないと駄目」
「但し、傍に私が居る時だけにする事。ポーションと魔法でケアしないと駄目」
「そうか、解った。宜しく頼む」
「此で、あんたは私から離れられない」
「これで、あんたは私から離れられない」
くすくすとモンモランシーは笑う
「……はめたな?」
「あ〜ら、私はきちんとした助言したわよ?そんな無茶な事するんじゃ、水メイジ要るもの。其とも、私以外のメイジに頼む?」
「あ〜ら、私はきちんとした助言したわよ? そんな無茶な事するんじゃ、水メイジ要るもの。それとも、私以外のメイジに頼む?」
「いや、こんな事はモンモン以外に頼めん」
「私の部屋が近くなったわね」
「……完全に俺の負けだな、こりゃ」
「宜しくね、私の愛しい人」
「宜しくだ、俺の子悪魔モンモン」
「あら、子悪魔も素敵ね。二つ名変えようかしら?」
クスクス笑うモンモランシー
そのまま、才人にキスをする
そして詠唱を始め、終わると服を脱がせ、才人に身体を密着させながらポーションを塗る
そして詠唱を始め、魔法での治癒が終わると服を脱がせ、才人に身体を密着させながらポーションを塗る
「ん、おっきくなった」
「…何故か息子に入念に塗ったろ?」
「これ、ローションにもなるのよね」
服を脱ぎ、才人に乗る
「待て、モンモン」
「覚悟決めてないんでしょ?嫌よ」
「覚悟決めてないんでしょ? 嫌よ」
「違う、そうじゃない。もう覚悟は決めた。やる時は俺が押し倒したい。今は身体が言う事効かない」
「凄い嬉しい。でも駄目、もう待てない。ルイズが完全にあんたに転んだ。私と一緒で、あんた以外見えてない」
「妊娠が怖いの?なら、あんたの前でこれ飲むね。避妊薬よ」
「妊娠が怖いの? なら、あんたの前でこれ飲むわ。避妊薬よ」
「そんなの迄、持ってんのか」
「私謹製の薬、香水以上の一番の売れ筋商品よ」
「学院内で?」
「此だけは、学院内外で」
「これだけは、学院内外で」
「キュルケも?」
「キュルケは微熱。私からは香水しか買わないわ。ああ見えて、守る所は守ってる。結構純情なのよ」
「意外だな」
「そうね、私も、私が先にこうなるとは思わなかったわ」
才人を自分の花弁にあてがい、ゆっくりと腰を沈める
才人は途中でつっかかりを感じるが、其を突き抜け、最奥に自身が到達したのを感じる
才人は途中でつっかかりを感じたが、それを突き抜け、最奥に自身が到達したのを感じる
「は、あ、嘘。初めてなのに、気持ち良い。駄目、こんなの耐えられない」
「うぁ、こんなのすぐに出ちまう」
モンモランシーの中が才人を包み、才人の射精を導くべく蠕動し、子宮口が才人の鈴口にキスをし、精を飲む為に吸引をする
才人は堪らず射精をする
びゅくっびゅくっびゅくっ
才人の射精に合わせ、モンモランシーも才人を抱き締め痙攣する
「ふぅふぅふぅ。何で避妊薬が売れるのか、解っちゃった。其とも、あんた相手だから?」
「ふぅふぅふぅ。何で避妊薬が売れるのか、解っちゃった。それとも、あんた相手だから?」
「……あのさ。何かした?」
「何もしてないわ。あんたが中で沢山で、私はもう、一杯一杯」
「何もしてないわ。あんたで中が沢山で、私はもう、一杯一杯」
「あのうねりと吸引は反則だ」
「経験有るの?」
「商売相手な」
「商売女相手な」
「私、凄い?」
「あぁ、凄い」
「それ全部、あんたのモノよ」
「嬉しいね」
二人はキスを重ねる
モンモランシーの鞘に収まった才人の刀は、勢いを少しも緩めない
「全然萎えねえ」
「凄い固くて元気ね、ふふふ」
モンモランシーはゆっくり腰を動かし始めるが、直ぐに限界を迎える
「や、何でこんなに良いのよ。これじゃ、あんたに溺れちゃう!!も、だめぇっ!?」
「や、何でこんなに良いのよ。これじゃ、あんたに溺れちゃう!! も、だめぇっ!?」
モンモランシーの絶頂と共に、才人はまた射精する
「其はっ、此方のっ、セリフっ、うぅ」
「それはっ、此方のっ、セリフっ、うぅ」
才人はモンモランシーの尻を掴み、しっかりと固定する
「ん゛〜〜〜〜〜」

「つ、疲れた」
「……ごめん、残ってた体力絞り取っちゃった」
「短時間で5発は流石にキツイ」
「こんな短時間で5発は流石にキツイ」
「だってだって、凄い良いんだもん」
「そりゃ良かった。で、いつ離れるの?」
「明日の朝」
「あの………飯は?」
「………忘れてた」
「モンモン、離れたくないのは解ったけど、飯食わせてくれ」
「解ったわ。スタミナ食でタバサ並で良い?」
「どんだけ体力付けさせる気だ?」
「私が足腰立たなくなる位かしら?」
「……デルフぶん回す方が楽だな」
才人は苦笑する
「フフ。じゃ、持って来るわね」
今まで鞘に収まった所から、才人の刀が抜け、ドロリと血と共に白い露が垂れる
服を着、サイレンスを解くと、階下から大歓声が聞こえる
今まで収まっていた鞘から、才人の刀が抜け、ドロリと血と共に白い露が垂れる
服を着、サイレントを解くと、階下から大歓声が聞こえる
「なんだ?盛り上がってんな」
「注文するついでに、様子見てくる」
「モンモン」
「何?」
「垂れたまんまで行くつもりか?」
「そうよ、悪い?」
「多分、俺が殺される」
「そうはならないわよ。殺されるのは私」
「解ってるなら、処理しろよ」
「あんたのモノになるのに、恥ずかしい事なんて一つも無いもの」
「はぁ、何でこんなに度胸有るんだか。とにかくこっち来い」
才人はハンカチを取り出し、モンモランシーから垂れる自身の精を拭き取る
「はいてねぇ。確信犯だろ?」
「バレたか」
モンモランシーは舌を出す
「全く、一番手強いな。ほら、パンツ履いて」
「履いただけじゃ、垂れるもの」
「じゃあ、浄化」
「絶対嫌」
「はぁ、仕方ねぇ。此挟め」
「はぁ、仕方ねぇ。これ挟め」
才人はショーツにハンカチを重ねる
「何か厚ぼったい」
「我慢しろ」
「才人」
「何だ?」
「いつメイドにハンカチ貰ったの?」
「出発前」
「持って無かったんだ」
「あぁ」
「何で私に言わないのよ?」
「何でって言われてもなぁ。シエスタが世話を焼いてくれるのは、こっち来てからずっとだし」
「これ、メイドの手縫いよ」
「解るのか?」
「えぇ」
「それって凄いの?」
「女心に本当に疎いのね」
「女心だけは本当に疎いのね」
「悪かったな」
「あんたはそれで良いのよ。下手に知ったら、あんたじゃなくなるわ」
「…俺の知らない所で、凄い事になってる?」
「それはもう」
「俺は一体何をした?」
「あんたが私達の所に来た。それだけよ」
モンモランシーは笑う
「はぁ、訳解らん」
頭をがしがしかく才人
「じゃあ、行って来るわね」
パタン
「……遂にやっちまったなぁ」
「後悔か?相棒」
「後悔か? 相棒」
「確実にしがらみになっちまった」
「帰りてぇか?相棒」
「帰りてぇか? 相棒」
「此処に居るにしても、挨拶無しだったからな」
「…そうか」
「……味噌汁と白いご飯、食いてぇなぁ」

直ぐに降りず、扉の前で声を聞いたモンモランシーは涙を流す
「……絶対、才人が住み易い様にするんだから。私一人じゃ無理でも、皆となら……」
涙を拭き、階段を降りる
食堂兼酒場はお祭り騒ぎになっている
その中心に居るのは、モンモランシーの旅の連れ
テーブルの上には、予算オーバー確定の料理と酒がふんだんに有る
「ちょっと、こんなに酒と料理頼んで、支払いどうすんのよ?」
「あ〜、心配ないない」
キュルケが話す
「ほら、この宿、ワルドに旅費押し付けた所でしょ?其を見てた時のマスターと客達がさ、今回も面白い事してくれたら、酒は客達が払うって言って、食事はマスターが払うって言ってくれたのよ」
「ほら、この宿、ワルドに旅費押し付けた所でしょ? それ見てた時のマスターと客達がさ、今回も面白い事してくれたら、酒は客達が払うって言って、食事はマスターが払うって言ってくれたのよ」
「誰がそんな芸したのよ?」
「あの二人よ」
キュルケが指した場所に、ルイズとタバサが何かやり取りをしている
顔の紅潮具合から、呑んでるのが解る
「一体何やってんの?」
「才人が襲撃者とワルドとやった時の話。もう二人ともノリノリで、タバサやルイズのあんな所、初めて見るわ」
「タバサが才人が襲撃者とやった時の話。 ルイズはワルドとやった時の話。もう二人ともノリノリで、タバサやルイズのあんな所、初めて見るわ」
「それが何でウケてるの?」
「才人の行動って非常識で、奇想天外でしょ?其れで締める所は締めるから、大人版イーヴァルディだって大ウケ」
「才人の行動って非常識で、奇想天外でしょ? なのに締める所は締めるから、大人版イーヴァルディだって大ウケ」
「客が客を呼んで大変な事になっちゃった。其れでマスターは大入りに喜んで、テーブルの上の料理になった訳。私も現場見たかったわ。私も本気になろうかしら?」
「これ以上増えるのはちょっと、私の取り分減るじゃない」
「あら、治療とは言え、一人占めする人の言葉とは思えないわね」
「本気?」
「タバサの本気相手を取る積もりは無いわ。ルイズの本気相手なら取るけど」
「両方じゃない」
「そうなのよねぇ。だから悩んじゃうの。才人って罪な男よね」
「そうね。しかも自覚無しの鈍感よね」
「貴女のポーカーフェイスのが、ずっと性悪よ。才人の抱き心地は良かった?」
「全身にポーション塗った時に抱いたけど、凄い良かったわ」
「あら、それだけかしら。太ももに垂れてるわよ」
「その手は食わないわよ」
「あらら、手強いわね」
「だって、才人がきちんと処理してくれたもの」
「それなら、確かに大丈夫よね………今、凄い事言わなかった?」
「あら、そうかしら?」
「あくまで、白をきるのね」
「違うわよ。愛されたのを、隠す積もりが無いだけよ」
「ルイズが聞いたら発狂するわね」
「この程度で発狂するんじゃ、この先大変よ。私は、一人占めするのは諦めてるもの」
「ご立派」
キュルケは肩をすくめる
「所でギーシュは?」
「才人の英雄譚聞いて、最初は皆で興奮してたけど、新しい客がある程度来ると繰り返してるから、今は彼処」
フォークで指した場所に、ヴェルダンデと共に居る
「良いんだ、僕は今回役に立たたなかったから、次は才人に肩を並べるんだ。呑もうヴェルダンデ」
「良いんだ、僕は今回役に立たたなかったから、次は才人と肩を並べるんだ。呑もうヴェルダンデ」
「あらら、作戦会議での意見とか、最後にレビテーションで救ったのを、忘れてるのかしら?」
「ほら、タバサの援護やルイズを立てるのに較べたらね。貴女も見てきたら?面白いわよ」
「ほら、タバサの援護やルイズを立てるのに比べたらね。貴女も見てきたら? 面白いわよ」
「才人に食事持って行かないと」
「それ位なら私がやるわよ」
「ねぇ、キュルケ」
「何?」
「ゲルマニアに味噌汁ってある?」
「何それ?」
「私も解んない。才人の国の料理みたい」
「じゃあ、才人に届けるついでに聞いておくわよ」
「それは止めて」
「何でよ?」
「立ち聞きした奴だし、驚かせたいの」
「解ったわよ。だからそんな顔しない」
「有り難うキュルケ」
「じゃあ、行って来るわね」
両手に盆を持ち、キュルケは階段を上がって行く
モンモランシーがルイズ達を見ると、ルイズが自身に礼をする才人を演技してる
「…それでね、此処でこうやって礼をして、清楚にして可憐なる主に、御身が使い魔が申し上げるって言って、もうキャーなの」
「シルフィードと使い魔交換して」
窓の外で中を見てた、シルフィードを杖で指すタバサ
「きゅい!?きゅいきゅいきゅい!?」
大量の涙を流すシルフィード
窓の外から中を見てた、シルフィードを杖で指すタバサ
「きゅいっ!? きゅいきゅいきゅい!?」
滝のような涙を流すシルフィード
「ぶわっはっはっは、ドラゴンより人間の使い魔のが良いんかよ」
「い・や・よ。あたしのサイトはあたしだけのなんだからぁ」
両手を頬に合わせ身体をくねらせるルイズ
其を見た観客から爆笑の渦
「……此は確かに面白いわ。二人の掛け合いなんて初めて見たわ」更に場面は移る
「それで相手が分身して。その相手の一人がこう突いて来て、こうしゃがんで、手に持った大剣を床に指したと思ったら、腰に挿してた刀を一瞬で抜いて相手をズバッ」タバサをワルドに見たて、杖を剣の様に振るい、才人の剣技を真似するルイズ
それを見た観客から爆笑の渦
「……これは確かに面白いわ。二人の掛け合いなんて初めて見たわね」更に場面は移る
「それで相手が分身して。その相手の一人がこう突いて来て、こうしゃがんで、手に持った大剣を床に刺したと思ったら、腰に挿してた刀を一瞬で抜いて相手をズバッ」タバサをワルドに見たて、杖を剣の様に振るい、才人の剣技を真似するルイズ
「もうすんごい速くて、相手も斬られたの気付かない位で」
おぉ〜と声が入る
「それでね、凄い長生きなインテリジェンスソード迄、初めて見る剣技で、この斬撃は何だって聞いたら」
「居相抜刀、刀で出来る最速の抜刀術。刀と剣を一緒にするなって言って、やっぱりキャーなのぉ」
またまた頬に両手を添えて、身体をくねらせるルイズ
「やっぱり、使い魔交換して」
「きゅい〜きゅい〜きゅい〜」
此処でまた爆笑の渦
「アッハッハッハ、これ面白過ぎ、後日のネタに出来るわね」
夜は騒がしく更けてゆく

「ダーリン、入るわよ」
「あれ?キュルケか、モンモンはどうした?」
「夕食とってるわよ」
「そうか。お、スゲー豪勢な料理だな」
「タバサとルイズのおかげね。あの二人が芸見せて、マスターと客盛り上げたのよ」
「タバサもルイズもそんな事出来るのか。チクショウ、見てぇな」
「多分、ダーリンにだけは、見せないと思うわよ」
「何でだよ?」
「アレは、女としては見せられないわね」
「客には良いのか」
「ダーリンじゃなければ、良いのよ」
テーブルをベッドの傍に寄せ、料理を載せる
「何だそりゃ?さてと、頂きます」
「何だそりゃ? さてと、頂きます」
両手を合わせてから食事を始める
「ダーリン。その手を合わせる合図は何?」
「ん?ムグムグ。此は俺の国の食前にする習慣だよ。生きとし生ける者を、自らの血肉にする為の、感謝の証だよ。キュルケも、こちらの宗教で感謝の祈りを捧げるだろ?」
「ん?ムグムグ。これは俺の国の食前にする習慣だよ。生きとし生ける者を、自らの血肉にする為の感謝の証だよ。キュルケも、こちらの宗教で感謝の祈りを捧げるだろ?」
「そうなんだ。私はあまり熱心な方じゃ無いのよね。ダーリンって、結構信心深いんだ」
「ん〜。それもちと違う感じだな。食べ物を食べないと生きていけないから、食料に対して感謝の念を抱くのは普通だと思うぞ?だから、美味しく頂く為の合図だな」
「ん〜。それもちと違う感じだな。食べ物を食べないと生きていけないから、食料に対して感謝の念を抱くのは普通だと思うぞ? だから、美味しく頂く為の合図だな」
「本当にダーリンて、面白いわよね」
「そうか?ムグムグ」
「そうか? ムグムグ」
「えぇ」
「…ご馳走様でした」全て食べた後、手を合わせる
「食べる速さはタバサ並ね、この量食べるのも凄いわ。食後の合図も有るの?」
「あぁ、有るよ。この一言で、料理になった食材、料理を作った人に感謝するのさ」
「凄い、教会の感謝の祈りより簡潔で、幅も広いわね。私も使って良い?」
「ん?良いよ。教会の祈りはしないのか?」
「ん? 良いよ。教会の祈りはしないのか?」
「長ったらしいから嫌いなのよ、あれ。料理冷めちゃうじゃない」
「確かに料理人と料理に対する侮辱だな。飯は美味しく食べる義務がある」
「其処まで言う?」
「当然だ」
「普通、其処まで言わないわよ」
「食いたい物が食えない時には、身に染みるんだよ」
「……そうなんだ」
「済まん、しけた話しちまった。忘れてくれ」
「良いのよ。私も貴族だから、そういうのに困った事無いから、逆に新鮮なの」
「それは解る。俺も国に居た時は、全然解らなかったからな。きちんとやり始めたのは、こっちに来てからだ」
「へぇ、そうなんだ」
「そうなのよ。さてと、下にも行きたいけど、モンモンには無理して動くなって言われてるし、体力回復の為に寝ますか」
「添い寝しようか?」
「一番大事な人が出来た時の為に、取っておきなさい」
「あら、手を出すの?」
「そんな元気は無いよ」
「じゃあ、なんで?」
「非情時以外に、そゆ事は乙女はしてはイケマセン」
「あら、私は微熱よ」
「灼熱になっちゃう相手を探しなさい、それじゃオヤスミ」
布団を被る才人、キョトンとするキュルケ
「あら、一本取られたわ」
皿を片付け、部屋を出る
「モンモランシーが言ってた通りね。本当に手強いわ。ミスタと同じ位面白いわね」
階段を降りると、まだ馬鹿騒ぎは続いていた
「跳ぶ、跳ぶ才人」
タバサがよれよれ浮いて居る
其を指して大爆笑する客
それを指して大爆笑する客
「私の援護で、更に高く跳ぶ才人」
少し高くなったが、よれ具合は更に酷くなる
「は、腹痛ぇ。も、勘弁」
「ギャハハハハ。そんなんじゃ、撃ち落とされちまうぜ」
「そして、ゴーレムに着地」
ルイズの頭にとんと乗る
「ちょっと、頭に乗んないでよ!!」
「そういう事言う子は、お尻ぺんぺん」
「そんな事言う子は、お尻ぺんぺん」
降りたタバサが、ルイズをレビテーションで浮かせ、片手で抱える
「な、ちょっと」
「才人は捕まえた敵にお尻ぺんぺん」
ルイズの尻を杖で軽くはたく
「や〜め〜て〜!!悪のりし過ぎよ、タバサ」
「や〜め〜て〜!! 悪のりし過ぎよ、タバサ」
客は腹を抱えて大爆笑する
「・・・駄目だこりゃ」
キュルケは天井を仰いだ

*  *  *

翌朝、動ける様になった才人は、ギーシュと共に階下に降りると、既に4人が座っていた
翌朝、動ける様になった才人が、ギーシュと共に階下に降りると、既に4人が座っていた
「お、おはよう。早いな、皆」
ビクッ
ルイズとタバサが何故か硬直する
「ん?どうしたんだ、二人共?」
「ん? どうしたんだ、二人共?」
「お、おはようサイト」
「…おはよう才人」
「やぁ、昨日は凄い活躍だったね二人共」
ギーシュが喋り出した瞬間、風に吹き飛ばされる
「な、何するんだ、タバサ」
ルイズが踏み付け、冷たい声を出す
「やぁ、昨日は凄い活や」
そこまで言った瞬間、風に吹き飛ばされるギーシュ
「な、何するんだい、タバサ」
地面に倒れたギーシュをルイズが踏み付け、冷たい声を出す
「昨日は呑みすぎて記憶が飛んだの。アンダスタン?」
「サ、サー!!イエスサー!!マム」
「サ、サー!! イエスサー!! マム」
ギーシュはあまりの気迫に即答する
其を見たキュルケとモンモランシーは、笑いを噛み殺している
「何をしてるんだ?あの二人は?」
それを見たキュルケとモンモランシーは、笑いを噛み殺している
「何をしてるんだ? あの二人は?」
「何でもない」
タバサが即答する
二人が席についた所で才人達も注文し、待ち時間に話かける
「そう言えば、ルイズとタバサがやってた芸って何?」
「え、え〜と、呑み過ぎて憶えて無いのよね。タバサはどう?」
「…私も呑み過ぎて憶えて無い」
「そうか、キュルケやギーシュは?」
「ダーリン寝た後、しこたま呑んだせいで憶えて無いのよ、モンモランシーに二日酔い治して貰った所」
「僕も活躍したのは解るんだけど、やっぱり呑んでたせいかな?良く憶えてないや」
「僕も活躍したのは解るんだけど、やっぱり呑んでたせいかな? 良く憶えてないや」
「モンモンは?」
「食べた後、すぐに寝ちゃったわ。疲れてたしね」
才人にウィンクし、才人は冷や汗をかく
「何だ、皆憶えて無いのかよ。損したなぁ」
「あぁ、アンタが昨日の…」
「あぁ、アンタ昨日の…」
スパッ
通りすがりの客が、才人に話かけようとすると、頬に傷が出来る
「あら、かまいたちかしらね」
モンモランシーが側により、治癒のスペルを唱えながら囁く
「今話かけたら、死ぬわよ?」
「今話しかけたら、死ぬわよ?」
完全に青ざめた表情で頷き、客は一気に後ずさる
それ所か、テーブルもずらす客達が続出し、才人達のテーブルを中心に空白地帯が出現した
「ありゃ?何で空白地帯が出来たんだ?狭いだろうに」
「ありゃ? 何で空白地帯が出来たんだ? 狭いだろうに」
「そういう気分なんじゃない?」
「どういう気分だよ?」
才人はハテナマークを連発させてると、ウェイターが料理を持って来る。その身体は完全に震えている
「お、お待たせしました」
「お、どうも。風邪ですか?」
「そんな所です」
「お客さんに移すと悪いから、休んだ方が良いですよ」
「お客さんに移すと悪いから、休んでた方が良いですよ」
「お気遣い、有り難うございます」
ウェイターは皿をテーブルに移すと去って行く
ウェイターは皿をテーブルに置くと逃げるように去って行く
「よっしゃ来た。では」
「「頂きます」」
才人とキュルケが声を合わせ、両手を合わせ、食べだす
毎回祈りを欠かさないルイズやモンモランシーは、キュルケを見る
「キュルケ、何今の?」
「才人もしたでしょ?才人の国の食事前の感謝の祈りよ」
「才人もしたでしょ? 才人の国の食事前の感謝の祈りよ」
「あれだけ?」
「あれだけで、生きとし生けるモノが、己の血肉になる事に感謝と、料理を作った人に対する感謝も捧げるんですって」
「サイト、何で教えてくれないのよ?」
ルイズやタバサ、モンモランシー迄、恨みがましい目をする
「んぐ。だって、ルイズはきちんと祈り捧げてたじゃん」
「こっちの祈りの方が良いわね。何より温かくて美味しい状態で食べられるわ」
キュルケはサクサク食べる
「才人。どうやるんだい?」
「ギーシュもかい?簡単だよ。こうやって両手を合わせて、『頂きます』って言うだけさ」
「ギーシュもか? 簡単だよ。こうやって両手を合わせて、『頂きます』って言うだけさ」
「へぇ、そりゃ簡単だ。頂きます」
ギーシュが両手を合わせて祈りを捧げる
「「「い、頂きます」」」
三人も慌てて同じ様にする
「無理して合わせんで良いぞ」
「いい良いのよ」
「あら、本当に簡単で良いかも」
「…こっちのが良い」
「ま、良いか。ご馳走様でした」
先に食べ終わった才人が、両手を合わせて祈りを捧げるのを見る
「サイト。今のは?」
「食べ終わった後の感謝だよ。食材と、其を作った料理人と、美味しく頂いた上での感謝だね」
「食べ終わった後の感謝だよ。食材と、それを作った料理人と、美味しく頂いた上での感謝だね」
美味しくの部分を強調して話す
「本当に?流石に、其処まで感謝を捧げる事はしてない」
「本当に? 流石に、其処まで感謝を捧げる事はしてない」
ルイズは才人の習慣に感心する
「ご馳走様。本当に凄いわよね。たった一言に、沢山の意味が詰まってるんだもの」
「ご馳走様。こりゃ良いや、僕も使っても良いかい?」
「ああ、構わんぞ」
「ご馳走様。今日から、お祈り此方にしようかしら?」
「…ご馳走様」
「ご、ご馳走様」
「始祖に対する祈りはどうした?」
才人は苦笑する
「始祖に対する祈りも込めれば良いのよ」
ルイズはあっさり答える
「お、成程ね。頭良いな、ルイズ」
「此なら矛盾しないから、使っても良いでしょ?」
「これなら矛盾しないから、使っても良いでしょ?」
「あはは、決まりだね、才人」
才人は苦笑して頷いた

*  *  *

シルフィードで王宮に着くと、迎えの者が飛んで来る。手紙で事情を知ってるのか、直ぐにアンリエッタの側に案内される
但し、案内されたのはルイズと才人だけであり、他の者は別室で待機である

アンリエッタの私室の前では、アニエスが待機している
「あぁ、この前のアニエスさんだっけ?」
「あぁ、この前の、アニエスさんだっけ?」
「貴様か才人」
微笑を浮かべるアニエス
「うん、やっぱり綺麗だ」
「私にその様な事言うのは、貴様位だ。この軟派男」
案内役がアニエスの微笑に驚く
勤務中に、笑いを浮かべるアニエス自体珍しいのだが、ルイズも才人も其には気付かない
勤務中に、笑いを浮かべるアニエス自体珍しいのだが、ルイズも才人もそれには気付かない
でも、ルイズは才人が他の女を褒めた事自体が、シャクに障る
「姫様に用事が有るのよ。通して」
ぶすっとした態度で、アニエスに言うルイズ
「ちょっと待て。殿下、ミスヴァリエールとその使い魔が、到着なさいました」
「通しなさい」
「はっ」
アニエスが扉を開け、ルイズと才人が中に入る
扉が閉まると、アンリエッタがサイレンスをかける
此で中の会話は外に漏れない
「あれ?そういや俺、得物取り上げられなかったな」
扉が閉まると、アンリエッタがサイレントをかける
これで中の会話は外に漏れない
「あれ? そういや俺、得物取り上げられなかったな」
「使い魔さんは良いんですよ」
「何ででしょう?姫様」
「私達に何があっても、使い魔さんが守って下さるのでしょう?私のルイズ」
「何ででしょう? 姫様」
「私達に何があっても、使い魔さんが守って下さるのでしょう? 私のルイズ」
「そそその通りですが、でも」
「あら、手紙を拝見したけど、報告はたった三行で、それ以外は使い魔さんの話でびっしり10枚程、埋まってたではありませんか」
「何やってんだよ、ルイズ?」
「姫様!?それは内緒と、きちんと書いたじゃないですか!?」
「姫様!? それは内緒と、きちんと書いたじゃないですか!?」
クスクス笑って、ルイズの反応を楽しむアンリエッタ
「今後の対策も練らないとならないので、アニエスにも見せました」
「……まさか、あれ全部ですか?」
「えぇ、勿論です。私に気付かない情報でも、アニエスには気付くかも知れませんからね」
「えぇ、勿論です。私に気付かない情報でも、アニエスは気付くかも知れませんからね」
あわわわわと、ルイズは泡を食い始める
「お前、一体何書いたんだ?」
「そうですね、アニエスが笑ってたのを、私が初めて見た位のモノですわ」
「アニエスさんって、笑わないの?」
「少なくとも、私は見た事有りませんわ」
「先程、笑いかけられたけどなぁ」
「少なくとも、私は見た事有りませんでしたわ」
「さっき笑いかけられたけどなぁ」
「そんな事が出来るのは、恐らく使い魔さんだけでしょう。私では無理です」
「勿体無いねぇ。あんな美人なのに」
「では、貴方がお嫁にしたら如何でしょう?」
「俺は異邦人で平民ですよ。姫様」
「あら、案外すんなりいくかも知れませんよ。アニエスに並べる殿方は居りませんので」
「ササササイトは私の使い魔です。私の傍に居なきゃならないんです!!滅多な事言わないで下さい!!」
「あら、案外すんなりいくかも知れませんよ? アニエスに並べる殿方は居りませんので」
「ササササイトは私の使い魔です。私の傍に居なきゃならないんです!! 滅多な事言わないで下さい!!」
ルイズが堪らずに叫ぶ
「本当に、使い魔さんが来てからは変わりましたね。私のルイズ」
クスクス笑うアンリエッタ
「では、そろそろ本題に入りましょう。ルイズ、手紙の報告は事実ですか?」
「はい、ワルドがレコンキスタに通じており、ウェールズ王子以下王党派が壊滅。アルビオンは、レコンキスタの勢力圏になりました」
「はい、ワルドがレコンキスタに通じており、ウェールズ王子以下王党派全員を殺害。アルビオンは、レコンキスタの勢力圏になりました」
「依頼した件は?」
「手紙を渡し読んで頂けましたが、返事はノー。民を残しては行けない、気持ちだけは頂くと。私の事は忘れて欲しい、君に愛されて嬉しかったと」
「‥‥‥あの人らしいですね」
アンリエッタは溜め息をつく
「解りました。では、其を確認出来たので、此方をお二人に渡します」
「何ですか?これ?」
「解りました。では、それを確認出来たので、此方をお二人に渡します」
「何ですか? これ?」
「ルイズ、貴女には私付きの女官を正式に命じます。王宮内を自由に出入り出来る、許可証です」
「使い魔さん。確かサイト=ヒラガでしたよね?」
「えぇ、そうです」
「貴方には、トリステイン国内の武装許可証です。王宮でも軍事拠点でも自由に武装出来ます。ワルドを退けた実績を鑑み、何かあった時に、困らない様にしました」
「もしかして、既に発布済み?」
「勿論です」
「あぁ、だからか」
才人は納得する
「それと、此は今回の依頼の報酬になります。きちんと、人数分用意してるので、皆に渡してあげて下さい」
「それと、これは今回の依頼の報酬になります。きちんと、人数分用意してるので、皆に渡してあげて下さい」
金貨の入った袋が5袋
「あれ、姫様。一袋足りないのでは?」
「ルイズは一足先に、仲間の所に渡して来て下さい。使い魔さんには、まだ話が有りますので、報酬もそれと一緒に渡します」
「ひひひ姫様」
「何ですか?ルイズ」
「何ですか? ルイズ」
「ササササイトと二人きりだなんて、ゆゆゆ」
「少し頭を冷やしなさいな。ルイズ=フランソワーズ。本当に二人きりで、話さないと駄目なのです」
「し、失礼しました、姫様。では先に」
扉を開け、ルイズは退出する
「渡すのが遅れました。姫様、此方は遺品と遺髪になります。どうか受け取って、弔って頂けないでしょうか?」
「あの人の‥‥ですか?」
「はい」
「看取って下さったと聞いてますが、遺言は?」
「……他に、恋をしなさいと」
「‥‥いつも、私の気持ちは無視するのですね」
「申し訳有りません。気持ちは伝わると言いながら、結局は守れませんでした。俺の仕事は失敗です」
「‥‥責任、取って下さい」
「何なりと」
「‥‥胸で、泣かせて下さい」
「はい」
涙を溜めたアンリエッタが、才人の胸に飛び込み、嗚咽する
「うっ、うっ、うっ、あぁああああああ」
才人は片手で抱き、片手を頭に持っていき、落ち着く迄、無言で撫で続けた
才人は片手で抱きよせ、片手を頭に持っていき、落ち着く迄、無言で撫で続けた

「…落ち着きました?」
「ヒック、いいえ、まだです。まだこのままで」
「解りました」
才人の胸に当ててた手が背中に回り、豊かな胸が才人に押し付けられる
その感触は、男には到底耐えられるレベルを越えている
その感触は、男には到底耐えられるものではない
「あの〜姫様?」
「‥‥はい」
「もしかして、泣き止んでません?」
「そんな事は有りませんよ」
才人はその返事を聞いた瞬間、両肩に手をかけ、無理矢理剥がす
「あん」
「あ〜姫様。胸で泣くのは責任を取るので構いませんが、慰めは責任の内に入ってませんよ?」
「じゃあ、責任に含めて下さいまし」
「駄目」
「ずるいですわ、ずるいですわ。ルイズばっかり。私には、使い魔さんみたいな人は周りに居ないんですよ。アニエスもです」
「なんて、手紙に書いてたんですか?」
「詳しくは乙女の秘密です。ですが私もアニエスも二人して共通した感想は、『ずるい』ですわね」
「本当に何書いたんだ?あんにゃろめ」
「本当に何書いたんだ? あんにゃろめ」
「アニエスのあんな所、初めて見ました。私以上に、手紙を熱心に読み込んで『こんな男が居るんだな』って」
「へぇ、あれ?まさか、さっきのも結構マジ?」
「へぇ、あれ? まさか、さっきのも結構マジ?」
「アニエスからは、断らないと思いますよ。ねぇ、アニエス」
「殿下。途中でサイレンスを解くのはどうかと」
「殿下。途中でサイレントを解くのはどうかと」
いつの間にか、室内にアニエスが入っている
「あら、つい」
サイレンスをかけなおし、ロックを追加する
サイレントをかけなおし、ロックを追加する
アニエスは顔が幾分紅い
「照れてるのも可愛いね」
「貴様は何故、そういう事をすらすら言う?ロマリアの男か貴様?」
「貴様は何故、そういう事をすらすら言う? ロマリアの男か貴様?」
「いやぁ、アニエスさんは、反応が可愛いくてつい」
更に紅くなるアニエス
「ずるいですわ、ずるいですわ。私にはそんな事言ってくれませんの?」
「姫様は、言われ慣れてるんじゃないですか?」
「使い魔さんから聞きたいのです」
「凄く可愛いですよ、姫様」
「本当に?」
「勿論」
「嬉しいですわ」
そのまま才人に身体を預ける
「さっき泣いた雀がなんとやら……か」
「さっき泣いた烏がなんとやら……か」
才人は肩をすくめる
「‥‥遺言に従おうと、頑張ってるんですの」
「すいません、気付きませんでした」
才人は黙って従う
「アニエスも、使い魔さんの隣にいらして」
「ですが」
「命令です」
「はっ」
「使い魔さんの上着、邪魔ですわね」
アンリエッタはデルフとジャケットを脱がせて、ベッドに放り投げた
「え〜と(どうしろと?)」
「済まないが、私はこんな事をした事が無いのだが」
「無理し「私の様に、身体を預ければ良いのです」
「解りました。では」
才人の発言を無視し、アニエスも才人に身体を預ける
「両手に花ですわね」
「綺麗過ぎて困ります」
「殿下はともかく、私はそんな事無いぞ」
「アニエスさんは美人だよ」
「貴様はまたそういう」
「まぁまぁ」
アンリエッタとアニエスの抱き寄せ、軽く撫でる
アンリエッタとアニエスを抱き寄せ、軽く撫でる
ベッドに三人腰掛けた状態で、二人とも声も出さず、ただ身を預けた

暫くすると、才人が身体をそっと離す
「何だ?もう終わりか?」
「何だ? もう終わりか?」
「もっと、して下さいまし」
「……仲間が待ってます」
「そうだったな。では此方も本題だ。剣を抜け、才人」
「はい?」
「アニエスが、使い魔さんの剣技を見たいそうです」
「ああ、だから入って来たのか」
才人はベッドからデルフを取り、抜く
「モッテモテだな、相棒」
「どうすりゃ良いんだ、俺は」
「全部食っちまえば良いんじゃね?」
「デルフの貞操観念めちゃくちゃだな」
「ブリミルん時から、一夫多妻なんざ普通だぜ」
「一夫一婦のが変なのか?」
「あのふざけた教会が出来てからだよ。何がブリミルの教えだ。ブリミル自身が多妻だっつの」
「そりゃ、確かに矛盾してるな」
「其処のインテリジェンスソード」
「デルフリンガーだよ。剣士の姉ちゃん」
「貴様、破戒的な事を言ってないか?」
「何言ってんだ。相棒を物欲しそうにしてる、姉ちゃん達みたいなのを解決する、最高の策じゃねぇか」
「何言ってんだ。相棒を物欲しそうに見てる、姉ちゃん達みたいなのを解決する、最高の策じゃねぇか」
「……貴様」
「言っておくけどな、相棒を独り占めなんざしてみろ。殺し合い所か、戦争が起きるぜ」
「それ程か?」
「それ程だ。だから、剣士の姉ちゃんの目は狂いは無い。俺っちが保証すんぜ」
「剣ごときに保証されてもな」
「アニエスさん。デルフは6000歳な。人間なぞより、遥かに叡知を持ってるよ」
「本当か!?」
「おぅよ」
アンリエッタは考え込む
「‥‥なら、良いのかしら?」
「さて、お喋りは此処まで、行くぞ才人」
「だとよ、デルフ」
「おう、姉ちゃんは剣士としては中々だぁね。だけど、相棒の前じゃねぇ」
アニエスから仕掛けるが、才人と一合合わせて剣を落とす
「な!?」
「アニエスに剣のみで勝てる者等、トリステインでは居ませんよ?」
「ああこれ、使い魔の能力であって、俺自身の実力じゃないです。武器を持たなきゃ、只の人ですよ」
「アニエスに剣のみで勝てる者等、トリステイン軍中探しても居ませんよ?」
「ああこれ、使い魔の能力であって、俺自身の実力じゃないんです。武器を持たなきゃ、只の人ですよ」
才人はあっさり種明かしをする
「其でも凄いな。イアイと言うのも見せてくれないか」
「それでも凄いな。イアイと言うのも見せてくれないか」
「じゃあ、アニエスさん、その剣替えはある?」
「有るぞ」
「じゃあ、剣を真っ直ぐ両手で立てて」
「こうか?」
「うんそう。いくよ」
デルフを床に刺し、村雨に手をかけ抜刀し、鞘に収める。抜き手は、二人には見えない
周りに霧が舞い、剣が気付いた様に両断され、床に落ちる
周りに霧が舞い、剣が今気付いた様に両断され、床に落ちる
「……何だ、今のは?」
「ん?居相の抜き打ちだけど?」
「ん? 居相の抜き打ちだけど?」
「……全然見えなかった」
「凄いですわ」
剣先に居たアニエスはぞっとし、アンリエッタはほぅと紅くなる
「殿下、絶対味方にするべき人物です。敵対した場合、メイジですら敗北必至なのは、元魔法衛士隊隊長が立証してます」
「私も同意見です。アニエス、その為に動くのに躊躇いは有りますか?」
「いいえ、全く」
「では命じます。使い魔さんと仲良くなりなさい」
「はい?」
「具体的には恋人、愛人でも良いですね」
「で、殿下?」
「子供が出来れば完璧でしょう」
「本人の前で商品の品定めかい」
才人は強かさに苦笑する
「あら、後暗い事をしても、使い魔さんは軽く見抜くと書いてましたので、本人の前のが良いと判断しました」
「あら、後暗い事をしても、使い魔さんは軽く見抜くと書いてありましたので、いっそ本人の前のが良いと判断しました」
「姫様もスゲーな。これが帝王教育の賜って奴かね?」
「ですが、私は」
「今、躊躇いは無いと言ったでしょう?其とも、使い魔さんは好みでは有りませんか?」
「今、躊躇いは無いと言ったでしょう? 其とも、使い魔さんは好みでは有りませんか?」
「そ、そんな事は……」
「姫様」
「何でしょう?使い魔さん」
「何でしょう? 使い魔さん」
「アニエスさんを余りイジメないでくれ」
「いつもからかわれてるのは、私の方ですのよ。たまには良いじゃないですか?」
「へぇ、アニエスさんもやるねぇ」
「で、命令を承けるのですか?承けないのですか?」
「で、命令を承けるのですか? 承けないのですか?」
「……承りました」
「では、仲良くして下さいね」
「はい」
「使い魔さん、今欲しいモノは何でしょう?」
「実は剣技の基礎が全くでして、其を学べる機会が欲しいと」
「そういう事なら、私に任せろ才人」
「其処で抱きつけば良いのですよ、アニエス」
「殿下!!」
アニエスは真っ赤な顔して叫ぶ
「しがらみ追加だな、相棒」
「……そうみたいだな」
「では、此方は報酬です。皆には内緒ですよ、皆の3倍入ってます」
「へ?何で?」
「此からどんどん物要りでしょう?子供とか」
「へ? 何で?」
「これからどんどん物要りでしょう? 子供とか」
「…姫様マジっすか?」
近付いて耳打ちで話しかける
「本当は私が行きたいのですが、それは出来ぬ身ですので、私の腹心のアニエスをお願いします。とても素晴らしい女性ですの。中々素直になれないのが欠点でして」
耳打ちを返す
「解りました」
「殿下、具体的にはどの様にします?」
「アニエスには、王宮と学院を往復して貰いましょう。私の護衛は他の銃士を付けます」
「使いの竜騎士も付けますので、銃士隊の必要な任務以外は、なるべく使い魔さんと仲良くなるようにして下さい」
「使いの竜騎士も付けますので、銃士隊の必要な任務以外は、なるべく使い魔さんと仲良くなるよう努力して下さい」
「それと、使い魔さんは女性に人気が有る様なので、他の女性と険悪にならない様にして下さい」
「そうそう、使い魔さんにベッドに誘われたら、断ってはイケマセンよ」
最後の部分に、アニエスはがくりと肩を落とす
「前途多難だ」
「同感」
「相棒と居ると、本当に面白れぇ」

*  *  *

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