『SAKURA』 作・佐大 一緒にシエスタの故郷に着いた。 そう、この時期になると木にピンク色の花を着けて村を彩るのだという。 もしかしたら…という期待を胸にシエスタ、ルイズと3人で来たのだが正解だったらしい。 「桜だ…。」 「サイト、桜ってなんなの？」 気づいたら声を出していたらしい。 「俺の故郷の花だよ。」 「そうなんだ……」 なにか悲しそうなルイズの横顔。 「ごめんね…サイト。」 「なに謝ってるんだよ。お前のせいじゃないって。」 「サイトさん、ミス・ヴァリエール、そんなところに立ってないで村の人たちと一緒にお花見しましょう!!」 「分かった、今行くよ。」 「ルイズ、早く行こう!!」 ルイズの手を握り走ってシエスタの処へ向かう。 そこでは村中の人達が集まり、大宴会が行われていた。 「シエスタが男を連れてきたぞ。名前はなんていうんだ。」 身体のデカイおっさんが笑って酒をついでくれる。 「平賀 才人です。」 「ひらが…さいとぅ？ 変わった名前だな。」 やっぱりコッチの世界の人には言いづらい名前らしい。 「サイトでいいですよ。」 「そうか、サイト!!今日はシエスタの結婚式の予行練習だ!!」 「えっ…」 後ろを振り返ると 「サ〜イ〜ト〜…」 ルイズがいる。 吹っ飛ばさると思い目を瞑る。 暫く時間が経つが身体に痛みがこない。 暖かい何かが自分を押し倒した。 恐る恐る目を開く。 酔っぱらったルイズが自分の胸にしがみついて何かを喋っている。 「駄目なんだから…シエスタにもタバサにも誰にも…あんたはアゲナイんだから。私のなんだから。」 そっとルイズの頭を撫でる。 ピクっと動く小さい身体。 ルイズを自分の身体から離して大宴会の会場から少し歩いた。 本当ならルイズの傍にずっといるよ…と言ってやりたい。 ここは良いトコロだが故郷に帰りたい気持ちが無くなった訳では無い。 何かある度に思い出す故郷。 桜の木を見上げる。 舞い散る桜の花弁の様にココロは揺れ動く。 テーマ曲 いきものがかり「SAKURA」