ゼロの使い魔保管庫
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88 :室内留学 ◆yJjGBLHXE6 :2007/09/26(水) 18:28:30 ID:L2G8hzSq ある虚無の曜日、才人とルイズはトリスタニアの城下町にいた。 ルイズが「ちょっと買いたいものがある」と言う事だった。 「あ~もう!! 中々見つかんないわね〜」 どうやら、お目当てのものが見つからないらしい、さっきから何軒も店を覗き込んでは 唸っている。 才人が飽き始めた頃、露店の主人が不意に声を掛けてきた。 「よう、そこの兄ちゃん。何かつまらなそうにしてるじゃねえですかい」 「あぁ、実際つまんねえ」 「ははは。そんな兄ちゃんにピッタリの滅多に手に入らない代物が手に入ったんだが、ど うだい見てかないかい?」 「へぇ、なにそれ?」 上手いこと話に乗せられた才人はふらふらと露店に近づいていく。 「あ、ルイズはっと」 いつものように怒鳴り散らされるのではと、様子を確かめてみるが、どうやらこちらの 様子には全く気付いていない様子だった。 「あい、らっしゃい」 「おっちゃん、そのシロモノってのはなんだよ?」 「まあまあ、慌てなさんなって。えっと…ほれ、こいつだ」 そういって親父が取り出した小瓶の中には、まるで濁りの無い血液のような、深い赤色 を宿した小さい飴玉のようなものが十粒程度入っていた。 「なんだよこれ?」 「そいつはな『ノーヴォル・ヤマグッティの真珠』ってえマジックアイテムよ」 「……マジックアイテムぅ?」 確かに普通の真珠ではなさそうだし、ましてや只のお菓子であるようにも見えなかった。 「おうよ。いいか、こいつはなぁ……」 89 :ラブ○ぇん ◆yJjGBLHXE6 :2007/09/26(水) 18:29:11 ID:L2G8hzSq …。 ……。 ………。 「…マ、マジで?」 「もし違うってんだったらこの首ちょん切ってくれてやらあ」 「いや、それはちょっと…」 「がはは。ま、それはそうと、どうだい? 今なら新金貨1エキューにまけといてやるよ?」 「よし買ったあ!!」 才人はパーカーのポケットから金貨を取り出して、親父の眼前に突きつけるようにして 差し出した。 「まいどあり〜」 「ちょっとサイト! なにやってんのよ、置いてくわよ〜!!」 才人がポケットに真珠を突っ込んだと同時に少し向こうからルイズが声を飛ばしてくる。 「うわっと! じゃあおっちゃん、じゃあな〜!」 才人はルイズのところへと駆けつけ、そのまま通りの向こうに消えていった。 「あ、あれには催淫効果もあるって言い忘れ……ま、いっか」 いっかじゃないだろう、そこ。 「つ〜わけでさ。買ってきたんだこれ」 「へぇ、相棒も物好きだねぇ」 日が暮れ始めて、学院に帰ってきた才人とルイズ。 ルイズが席を外している間に、才人は喋る大剣デルフリンガーに事の経緯を話していた。 「で? どういう類のもんなんだよ? 相棒」 「えっと、たしかなぁ……」 90 :ラブ○ぇん ◆yJjGBLHXE6 :2007/09/26(水) 18:29:59 ID:L2G8hzSq 『ノーヴォル・ヤマグッティの真珠』 店の親父曰く、これは相手の感情を操作する水系統のアイテムであること。 一粒飲ませるとすぐに作用し、ランダムではあるが相手の感情、つまり性格を変化させ るモノであること。 たいていはその人物の間逆の性格になることが多いらしいこと。 効果時間は半日から1日程度。 そして……。 「…惚れ薬にもなるらしいんだ、これ」 「……うさん臭えなあ、だまされてんじゃね〜のか? 相棒」 「そういうなって。効かなかったらそれはそれだよ。面白そうじゃん」 「ま、好きにしな。で、誰に飲ませるんだい? やっぱりあの貴族の娘っこかい?」 「ん〜、ルイズは何回か見てるしなあ……今回はいいや」 「相棒も大概ひでえなあ…」 半ばデルフリンガーが呆れかけているうちに才人はすっかり考え込んでしまった。 「ん〜むむむ……」 悩み始めてから三十分はたっただろう。ルイズが帰ってこなかったことが唯一の救いである。 「よし!!」 「お、決まったみて〜だな」 「タバサかテファに飲ませてみよう!!」 「どっちさ?」 「そこはまだ決めてない」 「……………………」 [[21-139]]タバサ編へ [[21-684]]テファ編へ
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88 :室内留学 ◆yJjGBLHXE6 :2007/09/26(水) 18:28:30 ID:L2G8hzSq ある虚無の曜日、才人とルイズはトリスタニアの城下町にいた。 ルイズが「ちょっと買いたいものがある」と言う事だった。 「あ~もう!! 中々見つかんないわね〜」 どうやら、お目当てのものが見つからないらしい、さっきから何軒も店を覗き込んでは 唸っている。 才人が飽き始めた頃、露店の主人が不意に声を掛けてきた。 「よう、そこの兄ちゃん。何かつまらなそうにしてるじゃねえですかい」 「あぁ、実際つまんねえ」 「ははは。そんな兄ちゃんにピッタリの滅多に手に入らない代物が手に入ったんだが、ど うだい見てかないかい?」 「へぇ、なにそれ?」 上手いこと話に乗せられた才人はふらふらと露店に近づいていく。 「あ、ルイズはっと」 いつものように怒鳴り散らされるのではと、様子を確かめてみるが、どうやらこちらの 様子には全く気付いていない様子だった。 「あい、らっしゃい」 「おっちゃん、そのシロモノってのはなんだよ?」 「まあまあ、慌てなさんなって。えっと…ほれ、こいつだ」 そういって親父が取り出した小瓶の中には、まるで濁りの無い血液のような、深い赤色 を宿した小さい飴玉のようなものが十粒程度入っていた。 「なんだよこれ?」 「そいつはな『ノーヴォル・ヤマグッティの真珠』ってえマジックアイテムよ」 「……マジックアイテムぅ?」 確かに普通の真珠ではなさそうだし、ましてや只のお菓子であるようにも見えなかった。 「おうよ。いいか、こいつはなぁ……」 89 :ラブ○ぇん ◆yJjGBLHXE6 :2007/09/26(水) 18:29:11 ID:L2G8hzSq …。 ……。 ………。 「…マ、マジで?」 「もし違うってんだったらこの首ちょん切ってくれてやらあ」 「いや、それはちょっと…」 「がはは。ま、それはそうと、どうだい? 今なら新金貨1エキューにまけといてやるよ?」 「よし買ったあ!!」 才人はパーカーのポケットから金貨を取り出して、親父の眼前に突きつけるようにして 差し出した。 「まいどあり〜」 「ちょっとサイト! なにやってんのよ、置いてくわよ〜!!」 才人がポケットに真珠を突っ込んだと同時に少し向こうからルイズが声を飛ばしてくる。 「うわっと! じゃあおっちゃん、じゃあな〜!」 才人はルイズのところへと駆けつけ、そのまま通りの向こうに消えていった。 「あ、あれには催淫効果もあるって言い忘れ……ま、いっか」 いっかじゃないだろう、そこ。 「つ〜わけでさ。買ってきたんだこれ」 「へぇ、相棒も物好きだねぇ」 日が暮れ始めて、学院に帰ってきた才人とルイズ。 ルイズが席を外している間に、才人は喋る大剣デルフリンガーに事の経緯を話していた。 「で? どういう類のもんなんだよ? 相棒」 「えっと、たしかなぁ……」 90 :ラブ○ぇん ◆yJjGBLHXE6 :2007/09/26(水) 18:29:59 ID:L2G8hzSq 『ノーヴォル・ヤマグッティの真珠』 店の親父曰く、これは相手の感情を操作する水系統のアイテムであること。 一粒飲ませるとすぐに作用し、ランダムではあるが相手の感情、つまり性格を変化させ るモノであること。 たいていはその人物の間逆の性格になることが多いらしいこと。 効果時間は半日から1日程度。 そして……。 「…惚れ薬にもなるらしいんだ、これ」 「……うさん臭えなあ、だまされてんじゃね〜のか? 相棒」 「そういうなって。効かなかったらそれはそれだよ。面白そうじゃん」 「ま、好きにしな。で、誰に飲ませるんだい? やっぱりあの貴族の娘っこかい?」 「ん〜、ルイズは何回か見てるしなあ……今回はいいや」 「相棒も大概ひでえなあ…」 半ばデルフリンガーが呆れかけているうちに才人はすっかり考え込んでしまった。 「ん〜むむむ……」 悩み始めてから三十分はたっただろう。ルイズが帰ってこなかったことが唯一の救いである。 「よし!!」 「お、決まったみて〜だな」 「タバサかテファに飲ませてみよう!!」 「どっちさ?」 「そこはまだ決めてない」 「……………………」 [[21-139]]タバサ編へ [[21-684]]テファ編へ
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