ゼロの使い魔保管庫
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どきどき異端審問!(ティファニア・完結編)〜正しいペットの躾け方〜 ティファニアが溜息をつかなくなった事に最初に気付いたのは、タニアだった。 それは、ある朝の朝食の給仕の際。 普段は装甲騎士団の面々に囲まれながら物憂げに朝食を採るティファニアだったが、その日はなんと、満面の笑顔で朝食を採っていたのである。 それどころか、普段は挨拶くらいしか交わさず、一方的に喋り続けるベアトリスに対し、 『おはよう、ヴィヴィ。素敵な朝ね。…あら?リボンが曲がっていてよ?』 などと曲がったリボンを直す余裕すらあったのである。 こりゃなんかあったな、と勘付いたタニアは、早速ティファニアの部屋のベッドメイキングを、友達になったメイドに代わってもらうことにした。 「さー吐け。全部吐け」 部屋に戻ったティファニアを待っていたのは、ジト目のタニアだった。 「え?え?な、何をかな?」 迫り来るジト目のメイドに、ティファニアは思わず後ずさる。 その部屋は自分のためにあてがわれた部屋だというのに、思わず出て行ってしまいそうになるくらい。 その退路を塞ぐべく、タニアは扉の前に回りこみ、扉を後ろ手に閉めてしまう。 「とぼけない。お兄ちゃんとどうなった?」 息がかかりそうなほど近づくタニア。 しかし。 その直後、それが致命的な失敗だという事に気付く。 『お兄ちゃん』の辺りでティファニアの頬が桜色に染まり始め、そして、台詞が終わる頃には目尻が垂れ下がっていた。 やばいまずいこれは。 「え?え?え?サイトとどうなったかって? …そんなに聞きたい?」 しまったなんか変なスイッチ入った。 桜色に染まった頬に手を当て、ニヤニヤ笑顔でこちらを見つめる元保護者の視線に、タニアはやばいものを感じた。 しかし時既に遅く。 鼻先の、息がかかりそうな距離で不自然に恥らうティファニアの目は、既に目の前の獲物をロックオンしていた。 話す気マンマンである。 イヤがる相手から聞き出すのがその手の話の醍醐味なのに、のろけ混じりにえんえん話されるソレは、苦痛でしかない事をタニアは知っていた。 そしてその次の瞬間、救いがやってきた。 扉の隙間から入り込んできた黒い影が突然、ティファニアの頭を直撃する。 「あら?」 一瞬、ティファニアはフシギそうな顔をしたが。 すぐにぽてん、とその場に倒れこんでしまう。 今がチャンス、とばかりにタニアは部屋を逃げ出す。 その際、柱の影でこちらを見ている青い髪のヘンな女を見かけたが、その時は気にも留めていなかった。 目を醒ました私は気付いていた。 私の中に、何かが入ってきた事に。 それは、私の中で蠢いて、心に干渉しようとしてきている。 …私は、本能的にそう考えていた。 …私が、記憶を、心を操る『虚無の担い手』だからかもしれない。 その『何か』は、どうやら私の心の力を欲しているらしい。 …なんだろ、この感じ。 その『何か』が蠢くたび、私の中に妙なキモチが浮かぶ。 誰にも、会いたくない。 …まさか。 私はある可能性に行き当たる。 それはウエストウッドで読んだ御伽噺。 その物語に出てきたのは、お姫様に取り付いた、心を喰らう影。 心を食われたお姫様は、暗い塔の中に閉じこもり、全ての人との接触を絶ってしまう。 それを心配した恋仲の王子様が、姫の張り巡らせた防衛網をかいくぐって、熱いキスで助けてくれるというお話。 その『影』が実在したのかも。 きっとそうだ。 でも。 誰にも会いたくないなんて、そんなことは絶対、ない。 だって私は逢いたい。 サイトに。私の…飼い主様に。 だって、サイトに逢わないと寂しいもん。 前の、サイトに告白する前の時とは違う、そう、例えて言うなら『満たされない』カンジ。 私の心は、身体は、それを覚えてしまった。 だから、サイトに逢わないなんて。 ありえない。 そう思うと、心の中から沸きあがる衝動が、薄くなっていく。 そして思いつく。 そうだ。きっと、サイトならなんとかしてくれる。 サイトに逢えば、こんなキモチ、消し飛ぶ。 それに…ちゃんと説明すれば、サイトが、御伽噺の王子様みたいに…キス…。 ヤダ私ったら何考えてるのかしら…!もうもう! …とりあえず、私は。 サイトに、逢いに行くことにした。 心の中に、妙なモヤモヤを抱えながら。 才人とシルフィードは、二人一緒に最後の『呪印』の被害者であるティファニアを捜していた。 しかしシルフィードはティファニアが『呪印』に取り憑かれるところを直接見たわけではないという。 ティファニアの部屋に『呪印』が入って行くのを目撃しただけだという。 その後、ブルネットのメイドがそこから立ち去って行くのを見たが、そのメイドには特に異常は見られなかったらしい。 「また見てるだけなのかお前は」 「生死を賭けるのは男の仕事なのねー!」 訳の分からん理屈をぶちあげながら、シルフィードは捜索を続ける。才人も仕方なく、その後に続く。 二人が人気のない裏庭に差し掛かった瞬間。 「あ、サイトー!」 どこからともなく、鈴を転がすような声が聞こえてきた。 「テファ?」 才人が声のした校舎のほうを振り向くと。 規格外の胸を凶暴に弾ませながら、金髪のハーフエルフが駆けてきた。 そのティファニアを見たシルフィードの顔が疑問に歪む。 「あれ?どーしてあの娘、サイトに寄ってくるの?」 才人は、当然予想されるある可能性を指摘する。 「…ひょっとして、テファには取り憑いてないんじゃねえの?」 シルフィードはティファニアが『呪印』に憑依されるところを目撃していない。 才人がそう考えるのも当然だった。 「おかしいのね。そんなはずないのね。『呪印』が魔力を持った女の子を見逃すはずがないのね」 「でもさあ、現にテファが」 「はぁ、はぁ。私がどうしたの?」 二人の議論が始まる前に、ティファニアは才人の前にやってきていた。 「あー、えっとだなあ」 直接本当の事を言ったもんかどうしたもんか、と才人が言葉を濁していると、その隙にシルフィードは説明を始めてしまう。 「そこの巨乳娘!『呪印』憑依容疑者として取り調べるのねー!」 しかし説明になっていない。 ごっちん。 才人の拳骨が、シルフィードの脳天に振り下ろされる。 「話がいちいち唐突なんだよお前は」 「痛いのね酷いのね!ぼーりょくはんたいなのねー!」 「こーでもしないと止まらないだろお前」 「ひどいのね差別なのね韻竜虐待なーのねー!」 二人の漫才に、いよいよもってティファニアの顔は怪訝に歪む。 そのティファニアの中で、新たな衝動が生まれた。 サイトに…触れたい。 それはあまりにも自然で、本人も、そうしたいと思っていた。 だから、それが『呪印』による強制だとは思わなかった。 「あの…サイト?」 漫才を続ける二人に、ティファニアの声はとどかない。 少しむっとして、ティファニアは行動に出る。 己の中からの衝動に、突き動かされるまま。 「もう!無視しないでっ」 ぎゅむ。 背後から、遠慮なく才人に抱きつく。 「え、ちょ。テファ?」 突然のティファニアの行動に、驚く才人。 その瞬間。 ティファニアの中から『呪印』が抜け出し、才人へと移ろうとしたのを、シルフィードは見逃さなかった。 「サイト!その娘から離れるのね!」 「え?」 しかしその叫びは遅く。 居心地の悪いティファニアの中から飛び出した『呪印』は、とりあえず目の前にいた人間に取り憑いてしまった。 そう、才人にである。 そして、取り憑かれた才人は。 その場にばたん、とくずおれたのだった。 まずいのねやばいのねたいへんなのねーっ! 『呪印』がサイトに入っちゃったのね! と、とりあえずお姉さまにれんら…。 ………………………………シルフィまだ死にたくないのね。 おねえさまにバレたらおしおきじゃすまないのね!韻竜のお作りにされちゃうのね! 「サイト?大丈夫?サイトっ?」 っていうか元凶はこの娘なの!この娘に責任を取らせるのね! 「サイトはしばらく起きないのね。その間に準備をするのね」 「え?それってどういう…」 間抜け面で乳牛娘がそんな事聞いてくる。 うんと。説明はめんどくさいからとりあえず手伝わせるのね。 「問答無用なのね!とりあえずサイトをそのへんの倉庫に運ぶのね!」 なんでか知らないけどこの娘には『呪印』は取り憑けないみたいだから、この娘に運ばせるのね。 「あ、は、はい」 エルフの娘はそう返事すると、サイトの肩をかついでひきずっていく。 そして、シルフィ達は倉庫に入ったのね。 うーんと、オスに『呪印』が取り憑いたらどうなるかよくわかんないから…。 とりあえず、アレを試す事にします。 そして倉庫の中を見ると、頑丈そうな椅子を発見。 エルフの娘に言ってサイトをその椅子に座らせると、シルフィは縄と布を取り出したの。 どっから取り出したなんて野暮な事はいいっこなしなのねー! さてこっからが本番なのね。 「さーこの縄でサイトを椅子に縛り付けて、目隠しするのね!」 …今、ものすごい呆れた顔されたけど気にしないことにします。 とりあえず、サイトをコーフンさせないとダメなのね! しょーがないから、シルフィはエルフの娘に事情を説明しましたまる。 才人が目を醒ますと、世界が闇に包まれていた。 「えっ、何?」 どうやら感触からして、布か何かで目隠しをされているらしい。 しかも、頑丈な椅子か何かに、縄で縛り付けられているらしく、身動きが取れない。 そして。 やけに肌寒い。というより、肌に布が当たる感触がしない。 つまり全裸である。 全裸で目隠しをされて、椅子に縛り付けられているのだ。 状況が飲み込めない才人だったが、奇妙な違和感を覚えていた。 こんな状況なのに、ちっとも焦っていない自分に。 そんな才人の耳に、聞きなれた声が響いた。 「お目覚めなのねサイト。とりあえず今の状況を説明するのね」 シルフィードの声だった。 そして、シルフィードは相変わらずの意味不明な言葉でで状況を説明する。 とりあえず、内容を要約すると。 才人に、『呪印』が取り憑いてしまったために、椅子に縛りつけたらしい。 つまり。 「…ってことは…?」 「そう、今度はサイトがイタヅラされる番なのねー!」 「ま、まてまてまて!俺お前にどーこーされるのなんてカンベンだぞ!」 実際このアホ竜に何かされることを想像するとぞっとしない。 しかし、それは杞憂だった。 「シルフィはなーもしないのね。するのはそこの淫乱エルフなのね」 「…淫乱ってひどい…」 その鈴を転がすような声は、才人の足元から聞こえた。 「え、テファ?」 「いま、助けてあげるからね…サイト…」 才人の誰何の声には応えず、ティファニアはくったりと力なく垂れ下がる才人の一物を優しく両手で包み込む。 「うわっ」 その柔らかい刺激は、目隠しと拘束により、背徳的に高められていた。 『呪印』によって抑えられた性感を昂ぶらせるほどに。 少しずつ硬くなっていく柔らかい肉棒を、ティファニアは右手で竿を握り、左手で先端の返しをこすり、刺激を与える。 「くぁ…!」 その刺激に、才人の腰が浮きそうになる。 股間の一物はその間にも、どんどん硬くなっていく。 やがて先端から先走りすらもれ始め、その硬さが限界に達する。 「うぁ…なんだこれっ…」 感じている才人を見上げるティファニアの瞳は、すでにとろんと蕩けていた。 「サイト…もっと、よくしてあげる…」 言うや否や、ティファニアはブラウスの胸元のボタンを外す。 内側から肉の張力に押され、ブラウスは勝手に横にずれる。 ティファニアは露になった白い双球で、まっすぐ天を衝く才人の肉棒を挟み込む。 そしてそのまま両手で胸を挟み込み、胸が歪に歪むほどぐにぐにと圧力をかける。 「うあぁあっ…!」 才人の背筋がそる。 極上の柔らかさを持つティファニアの胸での奉仕は、『呪印』の影響下ですら、才人の官能を容赦なく刺激していた。 しかし、まだ『呪印』が出てくる兆候はない。 「まだ足りないっぽいのね。もっとエロくするのね」 後ろで行為を見守るシルフィードがティファニアに指示を飛ばす。 …もっと、いやらしいこと…。 ティファニアはその言葉に考えをめぐらせる。 そして行動に出た。 胸の谷間の一番奥で挟み込んでいた肉棒を、先端で挟み、胸の間から才人が飛び出るようにする。 それを、首を曲げて唇の先端で咥え込む。 「はうぁ!」 びくん!と才人の身体が震える。 刺激が強まったと判断したティファニアは、さらにちゅうちゅうと唾液の音を響かせながら、胸をぐにぐにと歪ませながら。才人に刺激を与える。 そして。 「あ、うぁ、も、もうだめだぁっ」 限界を告げる才人の声とともに。 「あ!出たのね!」 才人のみぞおちの辺りから、黒い影が飛び出す。 それは勢いよく、シルフィードの横を抜けて倉庫の外へ逃げ出す。 「あ、待て!逃がさないのね!」 シルフィードは才人から飛びだした『呪印』を追いかけて、倉庫を出て行ってしまった。 倉庫に残されたのは。 白濁の粘液に顔中汚されたペットと、その飼い主。 荒い息をつく才人の目隠しを、ティファニアは外す。 才人の開かれた太股の上に座って、どろどろに汚れた発情した顔で。 「て、テファ…?」 発情した笑顔でうっとりと自分を見つめるティファニアに、才人は呼びかける。 ティファニアは、そんな才人に言った。 「ねえ、サイト…。サイトは私の飼い主様なんだから…。 ちゃんと、面倒みなきゃ、ダメなんだよ…?」 言いながら、短いスカートをたくしあげる。 そこには。 すでに涎を垂らした金色の恥毛に覆われた性器が、はくはくと蠢いて牡を待ち構えていた。 ティファニアは才人の返事も待たず、腰を上げて才人の一物をまたぐ。 「サイト…して、いい…?」 ご飯を目の前意しておあずけを食っている犬の表情で、ティファニアは懇願する。 完全にいきりたっている才人が、それを断るはずもなく。 「テファの好きにしなよ」 しかし、その台詞はどうやらお気に召さなかったらしい。 ティファニアは軽く頬を膨らませ、眉をへの字にまげて言った。 「ちがうでしょ」 「え?」 「わたしは、おあずけされてるペットなんだよ…? 飼い主様が言う事、違うでしょ…?」 飼い主にペットが指示するのもなんだかな、と思った才人だったが。 「わかったよ…じゃあ。 『よし』」 望んだとおりの言葉を聞けたので、ティファニアは嬉しそうに微笑むと、一気に腰を落とした。 ぐちゅり、と卑猥な音をたて、ティファニアの牝は最奥まで才人を咥え込む。 「あっぁっあっ…!サイトの、きたぁ…!」 白濁に塗れ、これ以上ないほど幸せそうな笑顔で、ティファニアは淫欲に蕩ける。 そのまま腰を揺すり、上下に動かしながら、才人を貪る。 腰が上下するたび、ティファニアから漏れた果汁が、倉庫の床に染みを作る。 「いいのっ、サイトぉ、キモチ、いいのぉ!」 快楽のあまり身動きの取れない主人に抱きつき、ティファニアは快楽の歌を謳う。 すると。 才人のちょうど目の前で、凶悪なももりんごが暴れまわるわけで。 才人はぴんととがったその桜色の先端に、かじりついた。 「きひぃ!」 その瞬間、ティファニアの背筋が反り返り、膣内の締め付けが増す。 意識がホワイトアウトしそうな快楽の電流にしかし、ティファニアの腰は動きを止めない。 もっと…もっと…欲しい。 獣欲に突き動かされるまま、ティファニアは囀る。 「あっあっあっ…おっぱい、いいのぉ、もっといじめてぇ…!」 その言葉に、才人は、遠慮なくその柔らかい乳房に噛み付く。 歯型の残りそうな強さの噛み付きに、ティファニアの官能は応える。 ぎゅうぎゅうと才人の頭と肉棒を締め上げ、快楽に呆ける。 「やらぁ!いたいのっ、キモチイイのっ、だめなのぉ!いっちゃうのぉ!」 限界を告げ、ティファニアはより一層強く激しく腰を振る。 そして。 ティファニアを最奥まで突き上げた瞬間、才人が限界まで引き絞られる。 そして、どくどくとティファニアの体の中に、牡の迸りがこだまする。 「あ、あっついの、サイトの、いっぱいぃ…」 ティファニアは子宮を満たす熱さに満足しながら、才人に身体を預けたのだった。 #br 結局。 俺はその後、二回ほどテファに付き合わされた。 縄を外されて、前から一回、後ろから一回。 …これで今日何回目だよ…。 さすがにしんどい。もう寝たい。 俺は、ルイズのところに戻る事にした。 テファにそう言うと、 「じゃあ、また寂しくなったら構ってもらいにいくから。ちゃんと相手してくんないと泣いちゃうぞ」 とか言ってきた。 …いやまあ可愛いんですけどね?正直今の俺は寝ることで頭が一杯なわけで…。 たぶん、ルイズはまだ授業中だから帰ってないし、3時間くらいは寝れるはず。 …その前に厨房行って生卵もらってこよ…。 そして俺は、絶叫を耳にする。 なんだアホ竜か。 もう構う気もおきねーよ…。 はてさて。 結論から言うならば、『呪印』は無事に三匹回収されたのであるが。 無事に済まなかったのは風韻竜である。 厨房から調味料を盗んだとか、図書館で暴れたとか言われ、そのお鉢は全部飼い主に回ってきた。 更にその上、飼い主は先の行いの償いを使い魔にさせる気マンマンだったのである。 三匹の『呪印』を回収して浮かれていたアホ竜に、本気になった飼い主から逃れるはなく。 杖で徹底的にぼこられ、氷漬けにされ、額にインクででかでかと『アホ竜』と書かれ、塔のてっぺんに三日三晩幽閉されたそうな。 「なんでなのねーっ?理不尽なのねー!!」 『大いなる意思』を理解できても、『お約束』という世の中の理が理解できないシルフィードであった。〜fin
タイムスタンプを変更しない
どきどき異端審問!(ティファニア・完結編)〜正しいペットの躾け方〜 ティファニアが溜息をつかなくなった事に最初に気付いたのは、タニアだった。 それは、ある朝の朝食の給仕の際。 普段は装甲騎士団の面々に囲まれながら物憂げに朝食を採るティファニアだったが、その日はなんと、満面の笑顔で朝食を採っていたのである。 それどころか、普段は挨拶くらいしか交わさず、一方的に喋り続けるベアトリスに対し、 『おはよう、ヴィヴィ。素敵な朝ね。…あら?リボンが曲がっていてよ?』 などと曲がったリボンを直す余裕すらあったのである。 こりゃなんかあったな、と勘付いたタニアは、早速ティファニアの部屋のベッドメイキングを、友達になったメイドに代わってもらうことにした。 「さー吐け。全部吐け」 部屋に戻ったティファニアを待っていたのは、ジト目のタニアだった。 「え?え?な、何をかな?」 迫り来るジト目のメイドに、ティファニアは思わず後ずさる。 その部屋は自分のためにあてがわれた部屋だというのに、思わず出て行ってしまいそうになるくらい。 その退路を塞ぐべく、タニアは扉の前に回りこみ、扉を後ろ手に閉めてしまう。 「とぼけない。お兄ちゃんとどうなった?」 息がかかりそうなほど近づくタニア。 しかし。 その直後、それが致命的な失敗だという事に気付く。 『お兄ちゃん』の辺りでティファニアの頬が桜色に染まり始め、そして、台詞が終わる頃には目尻が垂れ下がっていた。 やばいまずいこれは。 「え?え?え?サイトとどうなったかって? …そんなに聞きたい?」 しまったなんか変なスイッチ入った。 桜色に染まった頬に手を当て、ニヤニヤ笑顔でこちらを見つめる元保護者の視線に、タニアはやばいものを感じた。 しかし時既に遅く。 鼻先の、息がかかりそうな距離で不自然に恥らうティファニアの目は、既に目の前の獲物をロックオンしていた。 話す気マンマンである。 イヤがる相手から聞き出すのがその手の話の醍醐味なのに、のろけ混じりにえんえん話されるソレは、苦痛でしかない事をタニアは知っていた。 そしてその次の瞬間、救いがやってきた。 扉の隙間から入り込んできた黒い影が突然、ティファニアの頭を直撃する。 「あら?」 一瞬、ティファニアはフシギそうな顔をしたが。 すぐにぽてん、とその場に倒れこんでしまう。 今がチャンス、とばかりにタニアは部屋を逃げ出す。 その際、柱の影でこちらを見ている青い髪のヘンな女を見かけたが、その時は気にも留めていなかった。 目を醒ました私は気付いていた。 私の中に、何かが入ってきた事に。 それは、私の中で蠢いて、心に干渉しようとしてきている。 …私は、本能的にそう考えていた。 …私が、記憶を、心を操る『虚無の担い手』だからかもしれない。 その『何か』は、どうやら私の心の力を欲しているらしい。 …なんだろ、この感じ。 その『何か』が蠢くたび、私の中に妙なキモチが浮かぶ。 誰にも、会いたくない。 …まさか。 私はある可能性に行き当たる。 それはウエストウッドで読んだ御伽噺。 その物語に出てきたのは、お姫様に取り付いた、心を喰らう影。 心を食われたお姫様は、暗い塔の中に閉じこもり、全ての人との接触を絶ってしまう。 それを心配した恋仲の王子様が、姫の張り巡らせた防衛網をかいくぐって、熱いキスで助けてくれるというお話。 その『影』が実在したのかも。 きっとそうだ。 でも。 誰にも会いたくないなんて、そんなことは絶対、ない。 だって私は逢いたい。 サイトに。私の…飼い主様に。 だって、サイトに逢わないと寂しいもん。 前の、サイトに告白する前の時とは違う、そう、例えて言うなら『満たされない』カンジ。 私の心は、身体は、それを覚えてしまった。 だから、サイトに逢わないなんて。 ありえない。 そう思うと、心の中から沸きあがる衝動が、薄くなっていく。 そして思いつく。 そうだ。きっと、サイトならなんとかしてくれる。 サイトに逢えば、こんなキモチ、消し飛ぶ。 それに…ちゃんと説明すれば、サイトが、御伽噺の王子様みたいに…キス…。 ヤダ私ったら何考えてるのかしら…!もうもう! …とりあえず、私は。 サイトに、逢いに行くことにした。 心の中に、妙なモヤモヤを抱えながら。 才人とシルフィードは、二人一緒に最後の『呪印』の被害者であるティファニアを捜していた。 しかしシルフィードはティファニアが『呪印』に取り憑かれるところを直接見たわけではないという。 ティファニアの部屋に『呪印』が入って行くのを目撃しただけだという。 その後、ブルネットのメイドがそこから立ち去って行くのを見たが、そのメイドには特に異常は見られなかったらしい。 「また見てるだけなのかお前は」 「生死を賭けるのは男の仕事なのねー!」 訳の分からん理屈をぶちあげながら、シルフィードは捜索を続ける。才人も仕方なく、その後に続く。 二人が人気のない裏庭に差し掛かった瞬間。 「あ、サイトー!」 どこからともなく、鈴を転がすような声が聞こえてきた。 「テファ?」 才人が声のした校舎のほうを振り向くと。 規格外の胸を凶暴に弾ませながら、金髪のハーフエルフが駆けてきた。 そのティファニアを見たシルフィードの顔が疑問に歪む。 「あれ?どーしてあの娘、サイトに寄ってくるの?」 才人は、当然予想されるある可能性を指摘する。 「…ひょっとして、テファには取り憑いてないんじゃねえの?」 シルフィードはティファニアが『呪印』に憑依されるところを目撃していない。 才人がそう考えるのも当然だった。 「おかしいのね。そんなはずないのね。『呪印』が魔力を持った女の子を見逃すはずがないのね」 「でもさあ、現にテファが」 「はぁ、はぁ。私がどうしたの?」 二人の議論が始まる前に、ティファニアは才人の前にやってきていた。 「あー、えっとだなあ」 直接本当の事を言ったもんかどうしたもんか、と才人が言葉を濁していると、その隙にシルフィードは説明を始めてしまう。 「そこの巨乳娘!『呪印』憑依容疑者として取り調べるのねー!」 しかし説明になっていない。 ごっちん。 才人の拳骨が、シルフィードの脳天に振り下ろされる。 「話がいちいち唐突なんだよお前は」 「痛いのね酷いのね!ぼーりょくはんたいなのねー!」 「こーでもしないと止まらないだろお前」 「ひどいのね差別なのね韻竜虐待なーのねー!」 二人の漫才に、いよいよもってティファニアの顔は怪訝に歪む。 そのティファニアの中で、新たな衝動が生まれた。 サイトに…触れたい。 それはあまりにも自然で、本人も、そうしたいと思っていた。 だから、それが『呪印』による強制だとは思わなかった。 「あの…サイト?」 漫才を続ける二人に、ティファニアの声はとどかない。 少しむっとして、ティファニアは行動に出る。 己の中からの衝動に、突き動かされるまま。 「もう!無視しないでっ」 ぎゅむ。 背後から、遠慮なく才人に抱きつく。 「え、ちょ。テファ?」 突然のティファニアの行動に、驚く才人。 その瞬間。 ティファニアの中から『呪印』が抜け出し、才人へと移ろうとしたのを、シルフィードは見逃さなかった。 「サイト!その娘から離れるのね!」 「え?」 しかしその叫びは遅く。 居心地の悪いティファニアの中から飛び出した『呪印』は、とりあえず目の前にいた人間に取り憑いてしまった。 そう、才人にである。 そして、取り憑かれた才人は。 その場にばたん、とくずおれたのだった。 まずいのねやばいのねたいへんなのねーっ! 『呪印』がサイトに入っちゃったのね! と、とりあえずお姉さまにれんら…。 ………………………………シルフィまだ死にたくないのね。 おねえさまにバレたらおしおきじゃすまないのね!韻竜のお作りにされちゃうのね! 「サイト?大丈夫?サイトっ?」 っていうか元凶はこの娘なの!この娘に責任を取らせるのね! 「サイトはしばらく起きないのね。その間に準備をするのね」 「え?それってどういう…」 間抜け面で乳牛娘がそんな事聞いてくる。 うんと。説明はめんどくさいからとりあえず手伝わせるのね。 「問答無用なのね!とりあえずサイトをそのへんの倉庫に運ぶのね!」 なんでか知らないけどこの娘には『呪印』は取り憑けないみたいだから、この娘に運ばせるのね。 「あ、は、はい」 エルフの娘はそう返事すると、サイトの肩をかついでひきずっていく。 そして、シルフィ達は倉庫に入ったのね。 うーんと、オスに『呪印』が取り憑いたらどうなるかよくわかんないから…。 とりあえず、アレを試す事にします。 そして倉庫の中を見ると、頑丈そうな椅子を発見。 エルフの娘に言ってサイトをその椅子に座らせると、シルフィは縄と布を取り出したの。 どっから取り出したなんて野暮な事はいいっこなしなのねー! さてこっからが本番なのね。 「さーこの縄でサイトを椅子に縛り付けて、目隠しするのね!」 …今、ものすごい呆れた顔されたけど気にしないことにします。 とりあえず、サイトをコーフンさせないとダメなのね! しょーがないから、シルフィはエルフの娘に事情を説明しましたまる。 才人が目を醒ますと、世界が闇に包まれていた。 「えっ、何?」 どうやら感触からして、布か何かで目隠しをされているらしい。 しかも、頑丈な椅子か何かに、縄で縛り付けられているらしく、身動きが取れない。 そして。 やけに肌寒い。というより、肌に布が当たる感触がしない。 つまり全裸である。 全裸で目隠しをされて、椅子に縛り付けられているのだ。 状況が飲み込めない才人だったが、奇妙な違和感を覚えていた。 こんな状況なのに、ちっとも焦っていない自分に。 そんな才人の耳に、聞きなれた声が響いた。 「お目覚めなのねサイト。とりあえず今の状況を説明するのね」 シルフィードの声だった。 そして、シルフィードは相変わらずの意味不明な言葉でで状況を説明する。 とりあえず、内容を要約すると。 才人に、『呪印』が取り憑いてしまったために、椅子に縛りつけたらしい。 つまり。 「…ってことは…?」 「そう、今度はサイトがイタヅラされる番なのねー!」 「ま、まてまてまて!俺お前にどーこーされるのなんてカンベンだぞ!」 実際このアホ竜に何かされることを想像するとぞっとしない。 しかし、それは杞憂だった。 「シルフィはなーもしないのね。するのはそこの淫乱エルフなのね」 「…淫乱ってひどい…」 その鈴を転がすような声は、才人の足元から聞こえた。 「え、テファ?」 「いま、助けてあげるからね…サイト…」 才人の誰何の声には応えず、ティファニアはくったりと力なく垂れ下がる才人の一物を優しく両手で包み込む。 「うわっ」 その柔らかい刺激は、目隠しと拘束により、背徳的に高められていた。 『呪印』によって抑えられた性感を昂ぶらせるほどに。 少しずつ硬くなっていく柔らかい肉棒を、ティファニアは右手で竿を握り、左手で先端の返しをこすり、刺激を与える。 「くぁ…!」 その刺激に、才人の腰が浮きそうになる。 股間の一物はその間にも、どんどん硬くなっていく。 やがて先端から先走りすらもれ始め、その硬さが限界に達する。 「うぁ…なんだこれっ…」 感じている才人を見上げるティファニアの瞳は、すでにとろんと蕩けていた。 「サイト…もっと、よくしてあげる…」 言うや否や、ティファニアはブラウスの胸元のボタンを外す。 内側から肉の張力に押され、ブラウスは勝手に横にずれる。 ティファニアは露になった白い双球で、まっすぐ天を衝く才人の肉棒を挟み込む。 そしてそのまま両手で胸を挟み込み、胸が歪に歪むほどぐにぐにと圧力をかける。 「うあぁあっ…!」 才人の背筋がそる。 極上の柔らかさを持つティファニアの胸での奉仕は、『呪印』の影響下ですら、才人の官能を容赦なく刺激していた。 しかし、まだ『呪印』が出てくる兆候はない。 「まだ足りないっぽいのね。もっとエロくするのね」 後ろで行為を見守るシルフィードがティファニアに指示を飛ばす。 …もっと、いやらしいこと…。 ティファニアはその言葉に考えをめぐらせる。 そして行動に出た。 胸の谷間の一番奥で挟み込んでいた肉棒を、先端で挟み、胸の間から才人が飛び出るようにする。 それを、首を曲げて唇の先端で咥え込む。 「はうぁ!」 びくん!と才人の身体が震える。 刺激が強まったと判断したティファニアは、さらにちゅうちゅうと唾液の音を響かせながら、胸をぐにぐにと歪ませながら。才人に刺激を与える。 そして。 「あ、うぁ、も、もうだめだぁっ」 限界を告げる才人の声とともに。 「あ!出たのね!」 才人のみぞおちの辺りから、黒い影が飛び出す。 それは勢いよく、シルフィードの横を抜けて倉庫の外へ逃げ出す。 「あ、待て!逃がさないのね!」 シルフィードは才人から飛びだした『呪印』を追いかけて、倉庫を出て行ってしまった。 倉庫に残されたのは。 白濁の粘液に顔中汚されたペットと、その飼い主。 荒い息をつく才人の目隠しを、ティファニアは外す。 才人の開かれた太股の上に座って、どろどろに汚れた発情した顔で。 「て、テファ…?」 発情した笑顔でうっとりと自分を見つめるティファニアに、才人は呼びかける。 ティファニアは、そんな才人に言った。 「ねえ、サイト…。サイトは私の飼い主様なんだから…。 ちゃんと、面倒みなきゃ、ダメなんだよ…?」 言いながら、短いスカートをたくしあげる。 そこには。 すでに涎を垂らした金色の恥毛に覆われた性器が、はくはくと蠢いて牡を待ち構えていた。 ティファニアは才人の返事も待たず、腰を上げて才人の一物をまたぐ。 「サイト…して、いい…?」 ご飯を目の前意しておあずけを食っている犬の表情で、ティファニアは懇願する。 完全にいきりたっている才人が、それを断るはずもなく。 「テファの好きにしなよ」 しかし、その台詞はどうやらお気に召さなかったらしい。 ティファニアは軽く頬を膨らませ、眉をへの字にまげて言った。 「ちがうでしょ」 「え?」 「わたしは、おあずけされてるペットなんだよ…? 飼い主様が言う事、違うでしょ…?」 飼い主にペットが指示するのもなんだかな、と思った才人だったが。 「わかったよ…じゃあ。 『よし』」 望んだとおりの言葉を聞けたので、ティファニアは嬉しそうに微笑むと、一気に腰を落とした。 ぐちゅり、と卑猥な音をたて、ティファニアの牝は最奥まで才人を咥え込む。 「あっぁっあっ…!サイトの、きたぁ…!」 白濁に塗れ、これ以上ないほど幸せそうな笑顔で、ティファニアは淫欲に蕩ける。 そのまま腰を揺すり、上下に動かしながら、才人を貪る。 腰が上下するたび、ティファニアから漏れた果汁が、倉庫の床に染みを作る。 「いいのっ、サイトぉ、キモチ、いいのぉ!」 快楽のあまり身動きの取れない主人に抱きつき、ティファニアは快楽の歌を謳う。 すると。 才人のちょうど目の前で、凶悪なももりんごが暴れまわるわけで。 才人はぴんととがったその桜色の先端に、かじりついた。 「きひぃ!」 その瞬間、ティファニアの背筋が反り返り、膣内の締め付けが増す。 意識がホワイトアウトしそうな快楽の電流にしかし、ティファニアの腰は動きを止めない。 もっと…もっと…欲しい。 獣欲に突き動かされるまま、ティファニアは囀る。 「あっあっあっ…おっぱい、いいのぉ、もっといじめてぇ…!」 その言葉に、才人は、遠慮なくその柔らかい乳房に噛み付く。 歯型の残りそうな強さの噛み付きに、ティファニアの官能は応える。 ぎゅうぎゅうと才人の頭と肉棒を締め上げ、快楽に呆ける。 「やらぁ!いたいのっ、キモチイイのっ、だめなのぉ!いっちゃうのぉ!」 限界を告げ、ティファニアはより一層強く激しく腰を振る。 そして。 ティファニアを最奥まで突き上げた瞬間、才人が限界まで引き絞られる。 そして、どくどくとティファニアの体の中に、牡の迸りがこだまする。 「あ、あっついの、サイトの、いっぱいぃ…」 ティファニアは子宮を満たす熱さに満足しながら、才人に身体を預けたのだった。 #br 結局。 俺はその後、二回ほどテファに付き合わされた。 縄を外されて、前から一回、後ろから一回。 …これで今日何回目だよ…。 さすがにしんどい。もう寝たい。 俺は、ルイズのところに戻る事にした。 テファにそう言うと、 「じゃあ、また寂しくなったら構ってもらいにいくから。ちゃんと相手してくんないと泣いちゃうぞ」 とか言ってきた。 …いやまあ可愛いんですけどね?正直今の俺は寝ることで頭が一杯なわけで…。 たぶん、ルイズはまだ授業中だから帰ってないし、3時間くらいは寝れるはず。 …その前に厨房行って生卵もらってこよ…。 そして俺は、絶叫を耳にする。 なんだアホ竜か。 もう構う気もおきねーよ…。 はてさて。 結論から言うならば、『呪印』は無事に三匹回収されたのであるが。 無事に済まなかったのは風韻竜である。 厨房から調味料を盗んだとか、図書館で暴れたとか言われ、そのお鉢は全部飼い主に回ってきた。 更にその上、飼い主は先の行いの償いを使い魔にさせる気マンマンだったのである。 三匹の『呪印』を回収して浮かれていたアホ竜に、本気になった飼い主から逃れるはなく。 杖で徹底的にぼこられ、氷漬けにされ、額にインクででかでかと『アホ竜』と書かれ、塔のてっぺんに三日三晩幽閉されたそうな。 「なんでなのねーっ?理不尽なのねー!!」 『大いなる意思』を理解できても、『お約束』という世の中の理が理解できないシルフィードであった。〜fin
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