ゼロの使い魔保管庫
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竜が啼く夜に #br 「はぁ、まったくやってらんねぇよ」 トリステイン魔法学院の洗濯場で才人はズタボロになって座り込んでいた、理由はいつもと変わらない、不器用な主の照れ隠しと言う名の愛の鞭のせいである。 だがいくらなんでもこれはないだろう、と才人は思う。勢いとは言え体中に青痣や生傷をこさえるほどの“オシオキ”は正直勘弁して欲しかった。 しかし無理もない、とも才人は思う。彼の主も好きで才人を虐待している訳ではないのだから。 「やっぱ耐えるしかねぇよなぁ……」 これほどの傷を体に刻みながらもそう言えてしまうあたり、重症である。 だがいくら惚れているとは言え鬱屈した思いは溜まっていく、だからある夜思わずタバサの使い魔であるシルフィード相手に愚痴をこぼしてしまったのも仕方がないことだったのだろう。 愚痴を零す才人と聞いているのかいないのかよく分からない態度できゅいきゅいと啼き声をあげるシルフィード。 才人がマルトーから貰った賄いの一部を愚痴の相手をする駄賃としてシルフィードに提供した為か、一人と一匹の付かず離れず関係はそれなりに長い期間続いた。 とある事件をきっかけとしてシルフィードが話せることが分かってからも、その関係に変化はなかった。 ――そんなある日である。 「ひどいのね! いくなんでもサイトが可哀相なのね! しょうがないからシルフィが癒してあげるのね」 「お、おい……」 何時になく恥ずかしげな様子のシルフィードの声に才人は思わず後ずさる、無理もない。今の今までシルフィと話していたと思ったらシルフィの居るはずの木立ち奥から全裸の女性が現れたのだから。 「おっ、お前、シルフィードか?」 「そうなのね、きゅい。あんまりにもサイトが可哀相だからシルフィが体で慰めてあげるのね!」 その言葉に才人は思わず噴出した。 「いいい、一体何を!?」 「ぜーんぶおねえさんがやってあげるのね! サイトははそこで待っててるーるーるー」 そう言うとシルフィはゆっくりとその場に体を横たえ…… #br #br 「ああ、凄いよシルフィ。汁がこんなに」 「きゅい、言わないで。恥ずかしいのね、きゅ、きゅい……」 「でも本当によかったのか? 痛いんじゃないのか?」 「サイトの為ならこのくらいの痛みなんともないのね!」 「どうサイト? シルフィの体おいしい?」 「ああ、シルフィ、凄く……上手いよ。すごく歯ごたえがあって、油が乗ってて、肉の味が凄く、濃い」 ありがとうなのねー、と笑うシルフィを前にサイトはシルフィの体(の一部)にむしゃぶりつく。 焚き火で焼いて表面に塩を振っただけだけだと言うのに、今口にしている肉の味は才人にはまるで天上の神々の食事のようだ。 鶏の腿肉にも似た触感の肉を噛み締めると肉汁と共に溶けた油が舌の上で踊る、触感は鶏に似ていると言うのに味は牛肉よりもなお濃厚な野味に溢れ、そして一切臭みがない。 「しかし良かったのか? 尻尾を切ってしまうだなんて……」 才人の問いにシルフィードは笑って答えた。 「別にいいのね、それに切れてもまた生えてくるのね!」 才人の脳裏にタバサのおしおきからトカゲのように尻尾を切って逃げるシルフィードの姿が浮かび、そして消えた。
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竜が啼く夜に #br 「はぁ、まったくやってらんねぇよ」 トリステイン魔法学院の洗濯場で才人はズタボロになって座り込んでいた、理由はいつもと変わらない、不器用な主の照れ隠しと言う名の愛の鞭のせいである。 だがいくらなんでもこれはないだろう、と才人は思う。勢いとは言え体中に青痣や生傷をこさえるほどの“オシオキ”は正直勘弁して欲しかった。 しかし無理もない、とも才人は思う。彼の主も好きで才人を虐待している訳ではないのだから。 「やっぱ耐えるしかねぇよなぁ……」 これほどの傷を体に刻みながらもそう言えてしまうあたり、重症である。 だがいくら惚れているとは言え鬱屈した思いは溜まっていく、だからある夜思わずタバサの使い魔であるシルフィード相手に愚痴をこぼしてしまったのも仕方がないことだったのだろう。 愚痴を零す才人と聞いているのかいないのかよく分からない態度できゅいきゅいと啼き声をあげるシルフィード。 才人がマルトーから貰った賄いの一部を愚痴の相手をする駄賃としてシルフィードに提供した為か、一人と一匹の付かず離れず関係はそれなりに長い期間続いた。 とある事件をきっかけとしてシルフィードが話せることが分かってからも、その関係に変化はなかった。 ――そんなある日である。 「ひどいのね! いくなんでもサイトが可哀相なのね! しょうがないからシルフィが癒してあげるのね」 「お、おい……」 何時になく恥ずかしげな様子のシルフィードの声に才人は思わず後ずさる、無理もない。今の今までシルフィと話していたと思ったらシルフィの居るはずの木立ち奥から全裸の女性が現れたのだから。 「おっ、お前、シルフィードか?」 「そうなのね、きゅい。あんまりにもサイトが可哀相だからシルフィが体で慰めてあげるのね!」 その言葉に才人は思わず噴出した。 「いいい、一体何を!?」 「ぜーんぶおねえさんがやってあげるのね! サイトははそこで待っててるーるーるー」 そう言うとシルフィはゆっくりとその場に体を横たえ…… #br #br 「ああ、凄いよシルフィ。汁がこんなに」 「きゅい、言わないで。恥ずかしいのね、きゅ、きゅい……」 「でも本当によかったのか? 痛いんじゃないのか?」 「サイトの為ならこのくらいの痛みなんともないのね!」 「どうサイト? シルフィの体おいしい?」 「ああ、シルフィ、凄く……上手いよ。すごく歯ごたえがあって、油が乗ってて、肉の味が凄く、濃い」 ありがとうなのねー、と笑うシルフィを前にサイトはシルフィの体(の一部)にむしゃぶりつく。 焚き火で焼いて表面に塩を振っただけだけだと言うのに、今口にしている肉の味は才人にはまるで天上の神々の食事のようだ。 鶏の腿肉にも似た触感の肉を噛み締めると肉汁と共に溶けた油が舌の上で踊る、触感は鶏に似ていると言うのに味は牛肉よりもなお濃厚な野味に溢れ、そして一切臭みがない。 「しかし良かったのか? 尻尾を切ってしまうだなんて……」 才人の問いにシルフィードは笑って答えた。 「別にいいのね、それに切れてもまた生えてくるのね!」 才人の脳裏にタバサのおしおきからトカゲのように尻尾を切って逃げるシルフィードの姿が浮かび、そして消えた。
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