ゼロの使い魔保管庫
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アトリア ぺとるーしゅか氏 #br ~-------------- ~〜お人形さん〜 ~-------------- 「は? 私が……メイド?」 アンリエッタ女王陛下の自室に呼び出された私、アニエスは思わず間抜けな声を出してしまう。 「そうです。最近益々貴族達の反感を買うようになってしまったので、いつ命を狙われてもおかしくありません」 「そこで貴女には魔法学院にてメイドのなんたるかを学んできて頂きたい」 陛下の言葉を宰相のマザリーニ殿が引き取った。因みに自室であるが寝室ではないので宰相がいてもおかしくはない。 ない、のだが。どこか引っかかる。いつもと違う。 「いや、でしたら警護の者を増やすなりすればよろしいのでは? 私がメイドをやる理由が」 私は当然の疑問を口にする。 百歩譲って、陛下の戯れごとならまだわかる。 嫌だけど。 だが、本来それを止めるはずの宰相がここにいて、且つ賛同しているのはどういうことだ? 私を警護の任から解いて、学院に行かせる理由がわからない。 「貴族達がいつ、王宮に勤めるメイド達を買収し私の暗殺を計るかわかりません。 ですから貴女にはメイドについて学んでいただき、もしもの時に護衛兼メイドにもなれるようにしてほしいのです。」 「学ぶと同時に、どこで狙われそうかの調査と、簡単な料理も作れるように ……毒を盛られる可能性もあるのでな」 「な、なるほど」 ここまでの理由があるならやらねばなるまい。 私は陛下の剣なのだから。 「やってくれますね。アニエス」 「はっ」 「因みに、このことは機密なので貴女が銃士隊の隊長、アニエスであることはくれぐれもバレないように。 名前はアネットという偽名で届け出てあります」 「わ、わかりました」 「では、頼みましたよ」 「御意」 どうやら心してかかる必要がありそうだ。二つの意味で。 そんなことを考えつつ私は陛下の自室を後にし、出発の準備に向かった。 ~* * * * * * * * * * * * * * * 数刻後。 流石に馬に乗って行くわけにもいかず、不馴れな馬車を頼んで魔法学院へとやって来た私は学院長室へと通された。 格好も鎧などではなく田舎の娘の一般的なもので、変装用に眼鏡をつけていたりする。 慣れない格好に戸惑いつつも、これからのことを考えた。 (挙動などでバレてもいかんし、口調なども改めなくてはならんな……) 「書類は受け取っておるよ。アネット君、だったね」 「は、はい」 書類と私を見比べるかのように見つめられる。 私のことを知らないことから考えて、オスマン氏にもバレてはいけないようだ。 何度か顔を合わせたことがある相手だ。迂濶なことは言えないな。 「うん? 君、どっかで会ってないかの?」 いきなり核心をつかれた。 「いえ、そんなことはないと思う……のでございます、はい」 クッ、変な言葉遣いなのは自分でもわかるのだが、急には直しようがない。 とにかく表面上は知らぬふりをしておかなければ。 必死に冷静さを保とうとする私な対して、オスマン氏はその長い髭をいじりながら呟く。 「ふむ、わしはこと女性に関しては一度会えば名前も覚えているはずなんじゃが……」 なんという嫌な能力を……。 話を反らさなくては。 「ひ、人違いじゃありませんこと?」 この口調もなんか違うな。だが今はそれを直している暇は無さそうだ。 「そうかのぉ」 何かがひっかかる、そういった表情である。 窓から差し込む陽射しを背に受け、学院長の迫力が更に増した気さえする。 暫しの無言。 それでもどうやら、何とかなった。彼はまた書類の方を目がいったのだ。 「ふむ……」 ふぅ、と彼に気づかれぬように溜め息をつく。 さて、今の内に状況を再確認しておこうか。 私の名はアニエス……じゃない。アネット。メイドの見習いとして学院にやって来た。 注意しなければならないのは、学院長のオスマン氏、ルイズ、サイト、シエスタ、それに今はティファニアも此処にいたのだったな。 眼鏡をかけているから大丈夫だとは思うが、顔を知られているので用心しといて損はない。 やるべきことは、メイドについて学びつつ、メイドが暗殺をしようとするときどういった方法があるのかの考察と多少料理が作れるように……だったな。 眼鏡の位置を直しつつ、オスマン氏の方を伺う。まだ書類に目を通しているようだ。 意外に時間がかかるものだな。平民の審査など有って無いようなものかと思っていたのだが。 しかし書類に何が書かれているのか私は事前に見ていない。聞かれたらどう答えるか慎重に考える必要がありそうだな。 そんなことを思っていると、学院長の足元に鼠が寄ってきた。 「おぉ、モートソグニルや、調査が終わったかね」 話から察するに彼の使い魔らしい、彼が手を差し出すと登っていった。 そして彼の肩にくるとちゅうちゅうと鳴く。 「さすが、我が友じゃ」 学院長そう言ってナッツを一つ与えた。どうやら話は通じているらしい。 「して、結果は」 また鼠は鳴いた。私にはさっぱり鳴き声の違いがわからないのだが、彼には通じたようだ。 「なにっ、真紅となっ! それは確認せねば」 変わった―――。 一瞬にしてオスマン氏の眼光が変わった。 先程までののんびりした様子がどこにもない、まるで獲物を狙うようなそんな目だ。 とても百歳を超えるような爺さんには見えない。 私の全身を舐めるように、視線が刺さってくる。 私の内側を覗こうとしているのだろうか。 (真紅とはなんだ?) そうすると気になってくる先程の台詞。 真紅とは何を意味するのか、普通に考えれば只の色でしかない。 しかし、二人だけに通じる暗号だったら? だとしたら真紅は何かの暗喩なのかもしれない。 真紅。真紅と聞いて私がまず連想するのは血と炎だ。まぁ幼い頃に焼き付いたイメージがそうさせるのだろう。 ここで血だとすると『私が危険人物だ』という警告か、私から血の臭いがするということか。 どちらにせよ窮地に立たされたことには変わりはない。 こればかりは他の可能性に賭けるばかりだが。 迂濶に動いて警戒されても不味い。オスマン氏の行動を待つ。 「ところでアネット君」 「は、はいっ」 気づけばオスマン氏は立ち上がりこちらへと歩を進めていた。 「メイドのメイドたる所以はどこにあると思うかね?」 何の問いかけだろうか? あの眼光の後の行動だ、意味があるに違いない。 そう思い、考えてみるも上手い答えなど見つからない。 いや、全く検討もつかないと言った方が正しいか。 「どうかね?」 「っ―――!!」 私の尻に手の感触が―――。 ぴったりと吸い付くように動かないが間違いない、学院長が触れている。 (試しているのか) 私は一つの考えに至る。 なるほどこうして、私が暴れるようなら私を学院に入れずに排除するつもりなのだろう。 それならば、私は迂濶に動くわけにもいくまい。 未だに動かずにただ私の臀部に当てられた手の感触に嫌悪感を覚えるが、私は待つ。 「君の考えを聞かせてほしいんじゃが」 そんなことを言いながら不躾に私の臀部を撫ではじめた。 最初は指先だけで、弾力を確かめているのか、ふにふにと押すように。 それが徐々に大胆さを増していき、手のひら全体を使って撫でる動きになる。 「あの、私にはわかり―――んっ!」 私の返答を待っていたのだろう、タイミングを見計らって私の尻は揉みこまれた。 揉まれた瞬間に背筋に寒気に似た何かが走ったような感覚がした。 突如与えられた強めの刺激に思わず声が出てしまう。 いつもなら痣ができようが切傷ができようが何ともないのに、こんなことで声をあげるとは我ながら情けない。 「アネット君、考えるんじゃない。感じるんじゃ」 か、感じる? どうやって? メイドの所以は感じることができるものなのだろうか。 尻の谷間に中指を這わせ、なぞりあげられる感覚に身を震わせながらも必死に考える。 「ひっ、くぅぅ」 「感覚に身を委ねるように!」 身を……委ねる? わからない。私には理解することが出来ないのだろうか。所詮私には無理な命令だったのだろうか。 オスマン氏の中指が徐々に前に延びてきているのを、何となく感じながら私は耐えた。 そう。抵抗してはならないのだ。 メイドは学院長に絶対服従。私も学院に入るためには甘んじてその恥辱を受けよう。 そう固く自分に言い聞かせ、ただその場に立ちつくす。 「それにしてもこの感触、久方ぶりじゃのう……」 「んぁっ!」 感慨に耽るようにそう呟きながら彼は私のスカートを捲りあげていく。 「だ、だめぇ」 「ほっほ、これはまた」 慌てて手で抑えようとするも既に遅く、後ろだけ私の下着が露になってしまった。 (ッ――――――!!) 誰にも見られたことがないのに。こんな、こんな老人に。 恥ずかしさに顔が熱くなる。 「ぷりぷりじゃのぉ」 「くっ……」 これで薄い生地一枚しか彼の手と私を阻むものがなくなった。 オスマン氏の手の生々しい感触が下着越しに伝わってくる。 皺のある、乾いた手。だが、その動きは衰えることを知らないみたいだ。 表面は手全体で撫でさするように、谷間は指で執拗に擦られる。 「ん……んぁ」 「ほほっ、濡れておるのかの?」 彼の指摘通り、私の秘処は快楽の証である液体を溢していた。 はっとして股を閉じようとするが時既に遅い。彼の指は私のアソコを捉えて離さなかった。 むしろ太ももで彼の手を挟むだけになってしまっている。 言葉もでない。既に状況が私のキャパシティを超えている。 ―――私はこんなに弱かったのか。 今はただ、早く終わってほしいと願うのみだった。 くちゅ、くちゅと時折私の秘処から漏れる音が私の脳を溶かしていく。 霞がかかったように考えがまとまらない。 気づけば私はオスマン氏の机に手をついて彼の愛撫にされるがままになっていた。 なんともはしたない、自分の恰好。 「長年の夢が、今叶う」 彼はそう言って私の下着を寄せ始めた。 (何を……?) 下着の生地を中央に寄せた彼はそれをクイと上に持ち上げた。 当然、下着の生地はできるだけ上に登ろうと迷走するが、私の身体が邪魔で思うようにいかない。 「ほれほれ」 「んぁっ」 そこで彼が小刻みに震わせることで生地の動きが活発になる。 動きに自由ができた生地はとある場所を見つけた。 それは一番上に行けるところ。私の大切な場所。 Tバック状態の完成である。 「あ、あっ、ゃあっ!」 「おお、どんどん食い込んでいく」 オスマン氏の手の振動が私の秘処を、淫蕾を細かく刺激していく。 その度に下着が私の秘処に食い込み、その度に私は望まぬあえぎ声をあげた。 なんとか刺激を弱めようと爪先立ちになるが人の腕には敵うわけもない。 むしろ彼の劣情を刺激するだけだった。 「汁が溢れておる、舐めとってしまわんとな」 「ひっ―――!」 学院長は腕はそのままに、舌をのばして垂れていく私の愛液を受け止めた。 生暖かいざらついた舌の感触を覚える。 もともと太ももの内側は刺激に弱い。 舌先が当たっただけでもピクリと反応してしまった。 それだけには止まらず舌先は私の秘処をめがけて、つつとなぞりあがってきた。 「ぁぁぁぁあああああ!!」 「素晴らしい、なんという逸材じゃ」 私の愛液を味わいながら彼はそう漏らした。 彼の湿った吐息がさらに近く、臀部を撫でる。 (気持ち、わるいぃ……) 「んぁあっ、あっ」 「いい匂いじゃ、若返る」 うっとりと呆けた様子で宣うオスマン氏。 調子にのったらしい彼はより強く私の下着を引っ張った。 「まだまだ」 「やめろぉ…アソコに食い込んで」 「“アソコ”とはどこかの? アネット君」 「そんな、言えにゃぁぁぁああ!!」 (私の矜持が……) 今度は私の細やかなプライドさえも奪いにきた。 貴族の云々は未だに理解できないが、使えるべき主君に認められ、抜擢された。 それが私をここまで動かしてきたのだ。 (それを、この男はッ!) 「言えぬわけがなかろう?」 さも当たり前のようにそういうオスマン氏。 その彼の目の前で、手をつき下着が丸見えの尻を見せつけている私。 屈辱的過ぎる。これでは私が誘っているみたいではないか。 未だ、私の秘処を下着越しに擦ってくる指にいちいち反応してしまう自分が憎い 。 「く、……んっ、んっ」 「もしや、言葉を知らぬのか? それもまたよしッ!」 何かよくわからないが、一層気合いの入ったオスマンは、私の尻を握るほどに揉みこむ。 「ふぁっ―――」 「第一印象はきつい目で近より難い感じを受ける。しかし、エロイことには疎く、男のされるがままになってしまう。……素晴らしい! 私の好みど真ん中ではないか! おぉ、今こそ始祖ブリミルに感謝の祈りをささげねばなるまい。これほどの女性を与えてくださるとは……」 とりあえず色々とツッコミたい所があるんだが、……突っ込まれたくないので無視しておく。 それより、いつまでこの審査は続くのだろうか。 この学院のメイドたちは全員これをクリアしたのか? だとしたら以前までの見方を改めなければならないだろう。 そんなことを考えていた私を無視して、オスマン氏は私の耳もとに顔を寄せてくる。 「私色に染めてしんぜよう」 余りの気持ち悪さに体が強張る。首筋や頬に怖気が走った。 こんなやつに気をやるつもりなど毛頭ない。メイドに身をやつそうとも、心は陛下の剣なのだ。 「わ、私は」 「まずは―――」 「んっ、くぅぅぅ」 臀部を撫でる右手をそのままに、左手をじわじわと上半身へと運んだ。 下腹部などを擦りつつ、上昇を続けた左手はある一点で止まる。 「ここかの」 そこは、女性特有の膨らみを持つ母性の象徴、胸。 オスマン氏はそれを服の上からやんわりと揉み始めた。 「ここの名前は?」 「あ、ゃぁ……」 「働く気はないのかの?」 「む、む」 「んん?」 「む、胸……」 「ちっがぁぁぁぁあああああう!」 「ひゃっっ」 大声を出されるのと同時に胸を強く握られ、苦悶の声がでてしまう。 何が違うというのだ……。胸は胸だろう? 「ここはの、“おっぱい”じゃ」 「おっぱい?」 「ノンノンノン。“おっぱい”」 「お、おっぱ―――」 「もっと可愛らしく!」 「おっぱいぃん」 「よし!」 納得の出来だったのか背後でうんうんとうなずくオスマン氏。 正直さっぱりなのだが。揉みこまれて変な声になってしまったし。 学院長の手によって服ごと形を変えられる自分の胸。こんなことで身体が熱くなるなんて。 「次は例文じゃ、〜〜〜〜と、申してみよ」 「そ、そんな」 「メイドの代わりはいくらでもおるでの」 学院長の告げた言葉は私の想像を超えたものだった。 胸を揉みしだかれ秘処をなぞられ、ぼやけた頭でもわかるほど、淫らで変態的。 おおよそ普通の会話ではでてきそうにないような、そんな言葉。だが、言わなければ……わたしは……へいかの……ちゅるぎ。 「わ、わたしはいま、オスマンさまにおっぱいをむにゅむにゅもまれてぇ、はしたなくてぃくびをたたせてます。 おま〇こも、ちょくせつさわってもらえないのにあつくて、ぐちゅぐちゅおしるをたらしてるへんたいですぅぅ。 どうかこのち〇ぽぐるいなあにえすに、あなたさまのにくぼうでおしおきをしてくださいぃぃぃぃ!!!」 「ほっほ。仕方ないのぉ」 バタンッ 「学院長っ! あなた何をしているんですかっ!?」 「み、ミス・シュヴルーズ……これはだな……」 「メイドに手をだすなとあれほど申しましたでしょう!? 早く仕事に戻って下さい」 ……………………どうやら、おわったようだ。 安堵のため息と共にある言葉が漏れてくる。 「……コンプリート」 ~* * * * * * * * * * * * * * * 一方、王宮では 「で? 陛下。本当の目的をお聞かせ願いたい」 二人だけとなった部屋で、マザリーニはアンリエッタに問いただしていた。 「言ったではありませんか」 「たかが銃士隊の一人を学院に送った程度で機密にする必要がありますまい。他に理由があるのでしょう?」 アンリエッタは暫く考えるふりをした後、白状した。 「余興ですわ」 「は?」 「アニエスの慌てふためく姿が見てみたいのよ。サイト殿にはもう伝えてありますし 、面白いことになるでしょう」 「……はぁ」 そういうわけでアニエスのメイド生活が始まった。
タイムスタンプを変更しない
アトリア ぺとるーしゅか氏 #br ~-------------- ~〜お人形さん〜 ~-------------- 「は? 私が……メイド?」 アンリエッタ女王陛下の自室に呼び出された私、アニエスは思わず間抜けな声を出してしまう。 「そうです。最近益々貴族達の反感を買うようになってしまったので、いつ命を狙われてもおかしくありません」 「そこで貴女には魔法学院にてメイドのなんたるかを学んできて頂きたい」 陛下の言葉を宰相のマザリーニ殿が引き取った。因みに自室であるが寝室ではないので宰相がいてもおかしくはない。 ない、のだが。どこか引っかかる。いつもと違う。 「いや、でしたら警護の者を増やすなりすればよろしいのでは? 私がメイドをやる理由が」 私は当然の疑問を口にする。 百歩譲って、陛下の戯れごとならまだわかる。 嫌だけど。 だが、本来それを止めるはずの宰相がここにいて、且つ賛同しているのはどういうことだ? 私を警護の任から解いて、学院に行かせる理由がわからない。 「貴族達がいつ、王宮に勤めるメイド達を買収し私の暗殺を計るかわかりません。 ですから貴女にはメイドについて学んでいただき、もしもの時に護衛兼メイドにもなれるようにしてほしいのです。」 「学ぶと同時に、どこで狙われそうかの調査と、簡単な料理も作れるように ……毒を盛られる可能性もあるのでな」 「な、なるほど」 ここまでの理由があるならやらねばなるまい。 私は陛下の剣なのだから。 「やってくれますね。アニエス」 「はっ」 「因みに、このことは機密なので貴女が銃士隊の隊長、アニエスであることはくれぐれもバレないように。 名前はアネットという偽名で届け出てあります」 「わ、わかりました」 「では、頼みましたよ」 「御意」 どうやら心してかかる必要がありそうだ。二つの意味で。 そんなことを考えつつ私は陛下の自室を後にし、出発の準備に向かった。 ~* * * * * * * * * * * * * * * 数刻後。 流石に馬に乗って行くわけにもいかず、不馴れな馬車を頼んで魔法学院へとやって来た私は学院長室へと通された。 格好も鎧などではなく田舎の娘の一般的なもので、変装用に眼鏡をつけていたりする。 慣れない格好に戸惑いつつも、これからのことを考えた。 (挙動などでバレてもいかんし、口調なども改めなくてはならんな……) 「書類は受け取っておるよ。アネット君、だったね」 「は、はい」 書類と私を見比べるかのように見つめられる。 私のことを知らないことから考えて、オスマン氏にもバレてはいけないようだ。 何度か顔を合わせたことがある相手だ。迂濶なことは言えないな。 「うん? 君、どっかで会ってないかの?」 いきなり核心をつかれた。 「いえ、そんなことはないと思う……のでございます、はい」 クッ、変な言葉遣いなのは自分でもわかるのだが、急には直しようがない。 とにかく表面上は知らぬふりをしておかなければ。 必死に冷静さを保とうとする私な対して、オスマン氏はその長い髭をいじりながら呟く。 「ふむ、わしはこと女性に関しては一度会えば名前も覚えているはずなんじゃが……」 なんという嫌な能力を……。 話を反らさなくては。 「ひ、人違いじゃありませんこと?」 この口調もなんか違うな。だが今はそれを直している暇は無さそうだ。 「そうかのぉ」 何かがひっかかる、そういった表情である。 窓から差し込む陽射しを背に受け、学院長の迫力が更に増した気さえする。 暫しの無言。 それでもどうやら、何とかなった。彼はまた書類の方を目がいったのだ。 「ふむ……」 ふぅ、と彼に気づかれぬように溜め息をつく。 さて、今の内に状況を再確認しておこうか。 私の名はアニエス……じゃない。アネット。メイドの見習いとして学院にやって来た。 注意しなければならないのは、学院長のオスマン氏、ルイズ、サイト、シエスタ、それに今はティファニアも此処にいたのだったな。 眼鏡をかけているから大丈夫だとは思うが、顔を知られているので用心しといて損はない。 やるべきことは、メイドについて学びつつ、メイドが暗殺をしようとするときどういった方法があるのかの考察と多少料理が作れるように……だったな。 眼鏡の位置を直しつつ、オスマン氏の方を伺う。まだ書類に目を通しているようだ。 意外に時間がかかるものだな。平民の審査など有って無いようなものかと思っていたのだが。 しかし書類に何が書かれているのか私は事前に見ていない。聞かれたらどう答えるか慎重に考える必要がありそうだな。 そんなことを思っていると、学院長の足元に鼠が寄ってきた。 「おぉ、モートソグニルや、調査が終わったかね」 話から察するに彼の使い魔らしい、彼が手を差し出すと登っていった。 そして彼の肩にくるとちゅうちゅうと鳴く。 「さすが、我が友じゃ」 学院長そう言ってナッツを一つ与えた。どうやら話は通じているらしい。 「して、結果は」 また鼠は鳴いた。私にはさっぱり鳴き声の違いがわからないのだが、彼には通じたようだ。 「なにっ、真紅となっ! それは確認せねば」 変わった―――。 一瞬にしてオスマン氏の眼光が変わった。 先程までののんびりした様子がどこにもない、まるで獲物を狙うようなそんな目だ。 とても百歳を超えるような爺さんには見えない。 私の全身を舐めるように、視線が刺さってくる。 私の内側を覗こうとしているのだろうか。 (真紅とはなんだ?) そうすると気になってくる先程の台詞。 真紅とは何を意味するのか、普通に考えれば只の色でしかない。 しかし、二人だけに通じる暗号だったら? だとしたら真紅は何かの暗喩なのかもしれない。 真紅。真紅と聞いて私がまず連想するのは血と炎だ。まぁ幼い頃に焼き付いたイメージがそうさせるのだろう。 ここで血だとすると『私が危険人物だ』という警告か、私から血の臭いがするということか。 どちらにせよ窮地に立たされたことには変わりはない。 こればかりは他の可能性に賭けるばかりだが。 迂濶に動いて警戒されても不味い。オスマン氏の行動を待つ。 「ところでアネット君」 「は、はいっ」 気づけばオスマン氏は立ち上がりこちらへと歩を進めていた。 「メイドのメイドたる所以はどこにあると思うかね?」 何の問いかけだろうか? あの眼光の後の行動だ、意味があるに違いない。 そう思い、考えてみるも上手い答えなど見つからない。 いや、全く検討もつかないと言った方が正しいか。 「どうかね?」 「っ―――!!」 私の尻に手の感触が―――。 ぴったりと吸い付くように動かないが間違いない、学院長が触れている。 (試しているのか) 私は一つの考えに至る。 なるほどこうして、私が暴れるようなら私を学院に入れずに排除するつもりなのだろう。 それならば、私は迂濶に動くわけにもいくまい。 未だに動かずにただ私の臀部に当てられた手の感触に嫌悪感を覚えるが、私は待つ。 「君の考えを聞かせてほしいんじゃが」 そんなことを言いながら不躾に私の臀部を撫ではじめた。 最初は指先だけで、弾力を確かめているのか、ふにふにと押すように。 それが徐々に大胆さを増していき、手のひら全体を使って撫でる動きになる。 「あの、私にはわかり―――んっ!」 私の返答を待っていたのだろう、タイミングを見計らって私の尻は揉みこまれた。 揉まれた瞬間に背筋に寒気に似た何かが走ったような感覚がした。 突如与えられた強めの刺激に思わず声が出てしまう。 いつもなら痣ができようが切傷ができようが何ともないのに、こんなことで声をあげるとは我ながら情けない。 「アネット君、考えるんじゃない。感じるんじゃ」 か、感じる? どうやって? メイドの所以は感じることができるものなのだろうか。 尻の谷間に中指を這わせ、なぞりあげられる感覚に身を震わせながらも必死に考える。 「ひっ、くぅぅ」 「感覚に身を委ねるように!」 身を……委ねる? わからない。私には理解することが出来ないのだろうか。所詮私には無理な命令だったのだろうか。 オスマン氏の中指が徐々に前に延びてきているのを、何となく感じながら私は耐えた。 そう。抵抗してはならないのだ。 メイドは学院長に絶対服従。私も学院に入るためには甘んじてその恥辱を受けよう。 そう固く自分に言い聞かせ、ただその場に立ちつくす。 「それにしてもこの感触、久方ぶりじゃのう……」 「んぁっ!」 感慨に耽るようにそう呟きながら彼は私のスカートを捲りあげていく。 「だ、だめぇ」 「ほっほ、これはまた」 慌てて手で抑えようとするも既に遅く、後ろだけ私の下着が露になってしまった。 (ッ――――――!!) 誰にも見られたことがないのに。こんな、こんな老人に。 恥ずかしさに顔が熱くなる。 「ぷりぷりじゃのぉ」 「くっ……」 これで薄い生地一枚しか彼の手と私を阻むものがなくなった。 オスマン氏の手の生々しい感触が下着越しに伝わってくる。 皺のある、乾いた手。だが、その動きは衰えることを知らないみたいだ。 表面は手全体で撫でさするように、谷間は指で執拗に擦られる。 「ん……んぁ」 「ほほっ、濡れておるのかの?」 彼の指摘通り、私の秘処は快楽の証である液体を溢していた。 はっとして股を閉じようとするが時既に遅い。彼の指は私のアソコを捉えて離さなかった。 むしろ太ももで彼の手を挟むだけになってしまっている。 言葉もでない。既に状況が私のキャパシティを超えている。 ―――私はこんなに弱かったのか。 今はただ、早く終わってほしいと願うのみだった。 くちゅ、くちゅと時折私の秘処から漏れる音が私の脳を溶かしていく。 霞がかかったように考えがまとまらない。 気づけば私はオスマン氏の机に手をついて彼の愛撫にされるがままになっていた。 なんともはしたない、自分の恰好。 「長年の夢が、今叶う」 彼はそう言って私の下着を寄せ始めた。 (何を……?) 下着の生地を中央に寄せた彼はそれをクイと上に持ち上げた。 当然、下着の生地はできるだけ上に登ろうと迷走するが、私の身体が邪魔で思うようにいかない。 「ほれほれ」 「んぁっ」 そこで彼が小刻みに震わせることで生地の動きが活発になる。 動きに自由ができた生地はとある場所を見つけた。 それは一番上に行けるところ。私の大切な場所。 Tバック状態の完成である。 「あ、あっ、ゃあっ!」 「おお、どんどん食い込んでいく」 オスマン氏の手の振動が私の秘処を、淫蕾を細かく刺激していく。 その度に下着が私の秘処に食い込み、その度に私は望まぬあえぎ声をあげた。 なんとか刺激を弱めようと爪先立ちになるが人の腕には敵うわけもない。 むしろ彼の劣情を刺激するだけだった。 「汁が溢れておる、舐めとってしまわんとな」 「ひっ―――!」 学院長は腕はそのままに、舌をのばして垂れていく私の愛液を受け止めた。 生暖かいざらついた舌の感触を覚える。 もともと太ももの内側は刺激に弱い。 舌先が当たっただけでもピクリと反応してしまった。 それだけには止まらず舌先は私の秘処をめがけて、つつとなぞりあがってきた。 「ぁぁぁぁあああああ!!」 「素晴らしい、なんという逸材じゃ」 私の愛液を味わいながら彼はそう漏らした。 彼の湿った吐息がさらに近く、臀部を撫でる。 (気持ち、わるいぃ……) 「んぁあっ、あっ」 「いい匂いじゃ、若返る」 うっとりと呆けた様子で宣うオスマン氏。 調子にのったらしい彼はより強く私の下着を引っ張った。 「まだまだ」 「やめろぉ…アソコに食い込んで」 「“アソコ”とはどこかの? アネット君」 「そんな、言えにゃぁぁぁああ!!」 (私の矜持が……) 今度は私の細やかなプライドさえも奪いにきた。 貴族の云々は未だに理解できないが、使えるべき主君に認められ、抜擢された。 それが私をここまで動かしてきたのだ。 (それを、この男はッ!) 「言えぬわけがなかろう?」 さも当たり前のようにそういうオスマン氏。 その彼の目の前で、手をつき下着が丸見えの尻を見せつけている私。 屈辱的過ぎる。これでは私が誘っているみたいではないか。 未だ、私の秘処を下着越しに擦ってくる指にいちいち反応してしまう自分が憎い 。 「く、……んっ、んっ」 「もしや、言葉を知らぬのか? それもまたよしッ!」 何かよくわからないが、一層気合いの入ったオスマンは、私の尻を握るほどに揉みこむ。 「ふぁっ―――」 「第一印象はきつい目で近より難い感じを受ける。しかし、エロイことには疎く、男のされるがままになってしまう。……素晴らしい! 私の好みど真ん中ではないか! おぉ、今こそ始祖ブリミルに感謝の祈りをささげねばなるまい。これほどの女性を与えてくださるとは……」 とりあえず色々とツッコミたい所があるんだが、……突っ込まれたくないので無視しておく。 それより、いつまでこの審査は続くのだろうか。 この学院のメイドたちは全員これをクリアしたのか? だとしたら以前までの見方を改めなければならないだろう。 そんなことを考えていた私を無視して、オスマン氏は私の耳もとに顔を寄せてくる。 「私色に染めてしんぜよう」 余りの気持ち悪さに体が強張る。首筋や頬に怖気が走った。 こんなやつに気をやるつもりなど毛頭ない。メイドに身をやつそうとも、心は陛下の剣なのだ。 「わ、私は」 「まずは―――」 「んっ、くぅぅぅ」 臀部を撫でる右手をそのままに、左手をじわじわと上半身へと運んだ。 下腹部などを擦りつつ、上昇を続けた左手はある一点で止まる。 「ここかの」 そこは、女性特有の膨らみを持つ母性の象徴、胸。 オスマン氏はそれを服の上からやんわりと揉み始めた。 「ここの名前は?」 「あ、ゃぁ……」 「働く気はないのかの?」 「む、む」 「んん?」 「む、胸……」 「ちっがぁぁぁぁあああああう!」 「ひゃっっ」 大声を出されるのと同時に胸を強く握られ、苦悶の声がでてしまう。 何が違うというのだ……。胸は胸だろう? 「ここはの、“おっぱい”じゃ」 「おっぱい?」 「ノンノンノン。“おっぱい”」 「お、おっぱ―――」 「もっと可愛らしく!」 「おっぱいぃん」 「よし!」 納得の出来だったのか背後でうんうんとうなずくオスマン氏。 正直さっぱりなのだが。揉みこまれて変な声になってしまったし。 学院長の手によって服ごと形を変えられる自分の胸。こんなことで身体が熱くなるなんて。 「次は例文じゃ、〜〜〜〜と、申してみよ」 「そ、そんな」 「メイドの代わりはいくらでもおるでの」 学院長の告げた言葉は私の想像を超えたものだった。 胸を揉みしだかれ秘処をなぞられ、ぼやけた頭でもわかるほど、淫らで変態的。 おおよそ普通の会話ではでてきそうにないような、そんな言葉。だが、言わなければ……わたしは……へいかの……ちゅるぎ。 「わ、わたしはいま、オスマンさまにおっぱいをむにゅむにゅもまれてぇ、はしたなくてぃくびをたたせてます。 おま〇こも、ちょくせつさわってもらえないのにあつくて、ぐちゅぐちゅおしるをたらしてるへんたいですぅぅ。 どうかこのち〇ぽぐるいなあにえすに、あなたさまのにくぼうでおしおきをしてくださいぃぃぃぃ!!!」 「ほっほ。仕方ないのぉ」 バタンッ 「学院長っ! あなた何をしているんですかっ!?」 「み、ミス・シュヴルーズ……これはだな……」 「メイドに手をだすなとあれほど申しましたでしょう!? 早く仕事に戻って下さい」 ……………………どうやら、おわったようだ。 安堵のため息と共にある言葉が漏れてくる。 「……コンプリート」 ~* * * * * * * * * * * * * * * 一方、王宮では 「で? 陛下。本当の目的をお聞かせ願いたい」 二人だけとなった部屋で、マザリーニはアンリエッタに問いただしていた。 「言ったではありませんか」 「たかが銃士隊の一人を学院に送った程度で機密にする必要がありますまい。他に理由があるのでしょう?」 アンリエッタは暫く考えるふりをした後、白状した。 「余興ですわ」 「は?」 「アニエスの慌てふためく姿が見てみたいのよ。サイト殿にはもう伝えてありますし 、面白いことになるでしょう」 「……はぁ」 そういうわけでアニエスのメイド生活が始まった。
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