ゼロの使い魔保管庫
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魔法を使う小人 ※14巻、ブリミル&サーシャネタです。14巻未読の方はそちらを先に読んでおく事をオススメします※ 「おねえちゃん、できたよ!」 「あら、上手ね」 連日続いた雨が晴れ、久しぶりに日差しの戻った初夏の日のニダベリールの村。 久しぶりの日光を存分に浴びようと、老いも若きも関係なしに、屋外で日の光を浴びている。 エルフであるサーシャも例外ではなかった。 ひさしぶりの日光を楽しむのに、種族は関係ない。 だが彼女は意図的に人間たちの輪から外れ、別の場所で日光浴を楽しんでいた。 人間を蛮人、と呼び、嫌っているから…ではない。 自分が、人間の輪に入っていったら、きっとその和を乱してしまう。村の人間ですら、ましてや同じ種族ですらない自分が、あの輪に入っていい道理が見当たらなかったからだ。 しかし。 人気のない花畑で日光浴をする彼女に、話しかけてきた人間がいた。 引っ込み思案のノルンである。 その小さな少女は、いつもブリミルの傍にいる、使い魔のエルフに、少し照れながら話しかけたのだった。 「おねえちゃん、花輪のつくりかたしってる?」 ノルンは普段自分たちのために戦っているブリミルに、贈り物がしたい、という。 だから花輪をつくってあげたいというのだが、ノルンは花輪の作り方を知らない。 そして、他の女性たちは忙しそうで、とてもそんなことを聞きにいけそうにない。 そこでサーシャに白羽の矢を立てたのであるが。 「…私ってそんなヒマそう?」 少し意地悪げに言ってみるサーシャ。 ちょっと大人気ないな、なんて思いながら。 しかし、ノルンはぶんぶんと首を振った。 「おねえちゃん、優しそうだもん」 その言葉にサーシャの目が点になる。 「は?いっつもブリミルを蹴っ飛ばしたり殴ったり、ヴァリヤーグとやりあってるのに? どこが?」 その疑問に、ノルンは間髪いれずに応えた。 「私たちのために戦ってくれてるし、それに、ブリミルさんみたいなぽーっとしたひとのガンダールヴやってるし」 なるほど。 その答えを聞いて、思わずサーシャは納得し。 そして、笑い出す。 「あははははははは!そうよね、あんな間抜けの蛮人のガンダールヴをするなんて、とんでもなく心が広くないとできないわね確かに!」 そして、続けた。 「いいわ、教えてあげる。でも私が教えたってのはナイショよ?」 「うん!」 そして二人は、仲良く花輪を作り始めるのである。 出来た白い花の花輪を、ノルンは嬉しそうに眺める。 サーシャはその笑顔を見て、自分も嬉しくなる。 母親って、こんな気持ちなのかな。 などと思ってみたりもする。 そしてノルンは、意外な行動に出る。 「はい、いつもありがとう!」 「え…?」 ノルンは、花畑に腰を下ろすサーシャの頭に、自分の作った花輪を載せる。 呆気に取られるサーシャに、ノルンは続ける。 「ブリミルのお兄ちゃんと、私たちを守ってくれてありがとう!」 「え?え?でもこれってブリミルにあげるんじゃ」 確かにノルンはそう言っていた。 サーシャのその言葉にノルンが応える。 「ううん、ブリミルのお兄ちゃんには、私があげるよりおねえちゃんがあげたほうがよろこぶと思うから」 「な、な、な」 軽く赤くなって思わず言葉に詰まるサーシャ。 『な、なんで私があんな蛮人に!』と言おうと思ったが、ノルンの中に芽生えた「優しいおねえちゃん」のイメージを崩したくなかった。 そんなふうにサーシャが逡巡していると。 「それじゃ、ブリミルのお兄ちゃんにはおねえちゃんから花輪あげてね!約束だよ!」 一歩的に言い放ち、ノルンは走り去ってしまう。 「あ、ちょっと待って…」 花畑に一人取り残されたサーシャ。 花輪の冠をかぶって、突然の不意打ちに気の抜けた彼女は、まるで恋に落ちた花の妖精のようだった。 そして、その夜。 しかたない、ノルンのお願いだし、ほんっっっっとはものすっっっっっごくイヤなんだけど!と思いながら。 サーシャは花輪をブリミルにあげることにした。 高貴な種族のエルフが、例え蛮人ととはいえ、交わした約束を違えるわけにはいかない。 サーシャは、ブリミルのテントを訪れていた。 「ねえ、蛮人。ちょっといいかしら」 テントの入り口から、そう呼びかける。 すると中から、ブリミルが勢いよく出てきた。 あっという間に接近する顔と顔。 思わずサーシャの顔が真っ赤になる。 「近いわよバカッ!」 どこ! 思わず拳が飛ぶ。 その一撃でテントの中に舞い戻り、尻餅をついてしまうブリミル。 サーシャは自分の条件反射にしまった、と軽く後悔し。 そして謝罪の言葉を述べる。 「いきなり出てこないでよ蛮人!」 …あれ? しかしブリミルはそんなことは慣れっこなのか、構わず続ける。 「ちょうどよかったよサーシャ!実は今日、どうしても君に頼みたい事があって!」 「実験だったらお断りよ」 しかし結局、人のいいサーシャは、そう言いながらもブリミルのテントに入っていく。 それが、もう戻れない道だと知らないまま。 話を聞き終わったサーシャは真っ赤な顔で固まっていた。 その目の前では、用件を話し終えたブリミルがサーシャの返答を待っている。 それはまるで、曲芸を上手くできた犬が、主人のお褒めの言葉を待っているようだ。 そして、サーシャはすうっ、と軽く息を吸って。 その動作に、それが叱咤の言葉だと分かるや、ブリミルは身体を縮こまらせる。 「何考えてんのよ、ばかー!」 同時に美しい足での蹴りが飛ぶ。 ブリミルは上手く衝撃を吸収し、ベッドに突っ込むだけの被害に留めた。普段からの突っ込み慣れである。 サーシャは蹴りを放ったあと、腰に手をあて、真っ赤な顔でブリミルの前に立つ。 「よよよよよよ、よりにもよって、こここここここ『子作り』?私と子作りしようって? おおおおおおおお思い上がるのもたいがいにしときなさいよ、このへんたい蛮人ッ!」 「ちょ、ご、誤解だよサーシャ! 僕はただ、エルフと人間の異種族交配ができないかな、と思って!」 「そそそそそそそそれが子作りだって言ってんじゃないのよ!何考えてんのよもう!信じらんない!」 そしてへんたい蛮人馬鹿あほまぬけ色魔ロリコン、などと罵倒の言葉がえんえん続く。 しかし、ブリミルはまじめな顔になると、言った。 「よく聞いて欲しい、サーシャ。このままだと、僕たちはたぶんヴァリヤーグに負ける」 「…え」 いままでそんな弱音を吐くことはなかったブリミルが、急にそんな事を言い出すとは。 罵詈雑言を並べ立てていたサーシャは、思わず言葉を止め、ブリミルの言葉に耳を傾ける。 「その最大の要因は、数だ。僕たちマギ族も、君達エルフ族も、ヴァリヤーグに較べて圧倒的に数が少ない」 「だから…何だってのよ。戦力で勝ればいいじゃない」 「違うんだ。今勝っても、未来で負けるだろう。どれだけ頑張っても、僕らにヴァリヤーグを殲滅することはできない。 残ったヴァリヤーグは再び数を増やし、僕らの子孫を襲うだろう。 未来に禍根を残さないためにも、ヴァリヤーグは根絶やしにしなきゃいけない。 そのためには、彼らが増える以上に、僕らも数を増やさないといけない。 そのためには、人間とエルフの垣根を取り払わないといけないと思うんだ」 「…まさか、あなた。一つの種族を、この世から消し去ろうっていうの!? そんなの、大いなる意思が許すはずないじゃないの!」 「なら君は、その大いなる意思に従って滅びを享受するのか」 ブリミルの顔が、今までよりずっと真剣なものになる。 サーシャの言葉が完全に止まる。 「今のまま行けば、この世界は遠からず、ヴァリヤーグの跋扈する世界になる。 その世界に平穏はないし、ヴァリヤーグは容赦なくほかの生き物を滅ぼし、この世界を死の世界に変えるだろう。 僕はいやだ。そんな世界にしたくない。 僕はこの世界が、人間が、エルフが、君が好きだ。たぶん、君の言う『大いなる意思』よりもずっとね」 さらりと混ざった告白のような言葉に、サーシャの頬が怒り以外の朱に染まる。 そして、サーシャは反撃に出る。 「…あなたは悪魔だわ。大いなる意思はきっとあなたを許しはしない…」 「いいよ別に。見えもしない、触れもしないようなものなんかより、僕はサーシャに怒られる方がよっぽど怖い」 その反撃は更に強い言葉であっさりと潰される。 そして、ブリミルは立ち上がり。 サーシャを、容赦なく抱き締めた。 サーシャは動けない。…動きたくなかった。 しかし、言葉は勝手に抵抗を続ける。 「…私はこれからも大いなる意志に従う。だから、あなたのような悪魔を許しはしないわ」 「悪魔でいいよ。サーシャを、この世界を守れるなら、神も大いなる意思も糞喰らえだ」 目と目が合う。 サーシャの瞳はこれ以上ないほど潤み、頬が上気している。 気付いた時には、唇を合わせていた。 それは、エルフにとって契約の証。 唇を合わせた者と添い遂げるという、契約の証だった。 「契約の証…ずるい、やっぱり悪魔だわあなた…」 「いやなら破棄しちゃえばいいよ。ガンダールヴも契約も、大いなる意思だって神だって、人の意思を縛ることは出来ない」 「じゃあ、私の意志を返してよ。この悪魔め…」 「イヤだね。自分で取り返せばいいじゃない」 「ばかっ…」 今度はサーシャから、ブリミルの唇を奪う。 その勢いで、二人はベッドにもつれ込む。 二人はベッドの上で何度も何度も、契約を交わした。 ベッドの上でサーシャの白い裸体が、明かりの消えた薄暗いテントの闇を、切り裂いていた。 白い肢体は均整が取れていて、余計な脂肪は一切ない。 ただ、女性を主張する部分にはしっかりと脂肪がついていた。 「こういうところは人間と一緒なんだね」 「…なんでこんな時までそんなの観察してんのよ、ばか」 覆いかぶさりながら自分の身体を観察する悪魔を、サーシャは睨みつける。 ブリミルは軽く笑うと、サーシャの、男にとって最も魅力的な部分に口付けた。 白い丘の頂でぷっくりと膨らんだ、桃色の真珠。 「あっ…」 肌に刻まれる契約に、サーシャの喉が踊る。 ブリミルはその声に気をよくすると、今度は空いたもう片方の肉丘に手を伸ばす。 あくまで優しく、丁寧に、その肉の塊をもみほぐす。 その刺激に反応して、サーシャの先端が硬くなってくる。 「はぁ、あ…悪魔、悪魔だわ…こんなの…」 契約より先の行為には、悪魔が潜むと大いなる意思の教えにはあった。 その先の行為は、甘美な誘惑のみが存在し、溺れれば即ち堕落へと繋がる悪魔の行為だと。 サーシャには、その意味が今こそ痛いほど判っていた。身をもって判らされていた。 「あ、あ、あ、だめ、だめになるっ…!わたしが、だめになっちゃう…!」 胸だけで違う世界に行きそうになりながら、ベッドの上でサーシャはくねる。 しかし。 その手前で、ブリミルは手を止める。 「…え?や…だ、なんでやめるの…?」 不意に離れた温もりに、サーシャは顔を上げる。 すると。 立てられた膝の間。 一番女性として大事な、子作りの場所を、ブリミルが注視していた。 「や、やだ、何見てんのよ!」 「とろとろだね」 サーシャの怒声にもめげず、ブリミルは観察結果を述べる。 サーシャのそこは、行為を受け入れるための粘液を、惜しげもなく分泌していた。 そして、牡を受け入れるべく、ひくひくと蠢いていた。 「こんなになってるってことは、感じてるんだサーシャ?」 「ち、ちちち違う!感じてなんか!」 「へーえ?じゃあこれはなんだろね?」 ぐちゅ! 「ひ!」 すさまじい快楽の電流と共に、濡れそぼった女性器にブリミルの指が突き刺さる。 それだけで、サーシャの意識は軽く暗転した。 ぐちゅぐちゅ。 とろとろに融けたサーシャを、ブリミルの指が出入りする。 その度に淫らな水音が響き、サーシャがどうしようもなく感じている事を証明していた。 「エルフって敏感なんだね。マギ族はこんなにならないって本には書いてあったけど」 「だ、から、こんな、あくま、あくまなのにぃっ!」 堕ちる。堕ちていく。 ブリミルの行為に、サーシャは身も心も解けかけていた。 そして。 「あっあっあっあっあっ!だ、だめ、だめぇ、これ以上、や、やだ、もうだめえ!」 ぶちゅ…。 サーシャの絶頂の直前。 糸すら引いて、ブリミルの指がサーシャから引き抜かれる。 まるで名残惜しいと言わんばかりにサーシャの腰が動き、指の動きを追従した。 「え…や…なんでぇ…やだぁ…」 さきほどより高い絶頂の直前で放り出され、涙と涎で顔をぐちゃぐちゃにしながら、サーシャはブリミルを見つめる。 ブリミルは、普段のしかえしとばかりに、にっこり笑って言った。 「だってやだって言ったじゃない、サーシャはさ」 「え…」 「嫌がってることを人にするのはよくないって大いなる意思は言ってるんだよね?サーシャ?」 「だ、だけどっ…」 「サーシャがして欲しいことを言わなきゃ、僕は何もできないなあ」 言いながら、手に絡みついたサーシャの蜜を見せ付けるように弄ぶ。 心が折れる。折れていく。 「鬼、悪魔っ…!」 「悪魔でいいよ。悪魔らしいやり方で、やらせてもらうよ」 「…ばか、へんたい…」 「そ、それはさすがに…」 完全に折れたエルフの娘は。 真っ赤になりながら、蛮人に向けて足を開いて。 「して。してほしいの…。いっぱい、してほしいの…」 おねだりを、した。 桜色に染まった肌が、美しい均整の取れた肌に艶を沿え、発情して潤んだ瞳と真っ赤な頬が、サーシャがまだ乙女であることを想像させた。 そして。 引き締まった足の間で、真っ赤に充血し、まるで食虫植物のように、ひくひくと蠢きながら粘液を零し、牡を誘うサーシャの牝。 あまりに扇情的な光景に、ごくり、とブリミルの喉が鳴る。 そのままブリミルはサーシャに覆いかぶさる。 「サーシャ。いいんだね?」 「うん。でも、やさしくして…。しないと怒る…」 「約束するよ。全身全霊で優しくする」 「嘘ついたら嫌いになるから…」 言って、サーシャの方から抱きついて、最後の『契約』をする。 それを合図に、ブリミルは己の剣でサーシャを貫いた。 ずずずず…ぶちぃ! ゆっくりとだが確実に。 ブリミルの牡が、サーシャの処女膜を突き破る。 しかし、サーシャは痛みを訴えない。 目を閉じ、痛みと襲い来る快感に耐えている。 「痛い?」 「きかないでよっ…ばかぁっ…」 「ごめん。痛いんだね…じゃあこのまま…」 一番奥で動きを止め、行き止まりでぐりぐりと腰を動かす。 その瞬間、サーシャの視界に、虹が走る。 「ひっ!だめっ、それだめっ!」 「え?ご、ごめん痛かった?」 「ちあうの、へんに、なるのっ…!」 きゅ、とブリミルに抱きつき、訴える。 それが痛みからでないと確信したブリミルは。 ぐにゅ。 「ひぃぃ!」 先ほどと同じように、腰を捻ってサーシャに刺激を与える。 「へんになっちゃうくらいキモチイイんだ?ねえ?」 「やだぁっ、ひ!こんな、こんなのぉ!」 必至にブリミルに抱きつき、トんでいきそうな快感にサーシャは耐える。 処女とは思えないほどの感じようだった。 確かに、エルフという種族の特質かもしれなかったが。 ブリミルは、思ったことを口にする。 「初めてなのにこんなに感じるなんて、エルフって意外と淫乱な種族?」 「ちがっ、ばんじんのっ、くせにぃ、ひぃ!」 「ああ、エルフがじゃなくてサーシャが?サーシャが淫乱で変態さんなんだ?」 「やぁ!ひぁ!ちがっ、あくまっ、あくまぁっ!」 言葉で責めると、きゅうきゅうとサーシャのそこはブリミルを締め付ける。 どうやらこの娘は、言葉で責められると弱いようだ。 「悪魔でいいよ。こんな可愛いサーシャが見れるなら、僕は悪魔にでもなんにでもなってみせるさ…ほらっ」 「やぁ!かわい、とか、いっちゃやらぁ…!」 優しい言葉にサーシャの膣がきゅうううう、とよりきつくブリミルを締め付ける。 彼女には、責めるより、甘い言葉がよく効く。 ならば、弱点を責めるまで。 ブリミルはサーシャの長い耳の傍で、優しく言葉を囁く。 「いくらでも言ってあげる。サーシャは可愛い。すっごい可愛い。世界で一番可愛い」 「いやぁ!こんなぁ!わたしぃ、だめぇ、だめになるのぉ!ひぃ!」 サーシャの中がびくびくと痙攣を始める。 絶頂の前触れだ。 ブリミルはさらにきつく、サーシャの奥を押し込む。 ぐに! 「ひ、いく、いっちゃう、だめぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!」 「くっ、僕ももうだめだっ…!」 きゅうううううううーっ! どくどくどくどくっ…! サーシャの最後の締め付けに、ブリミルはありったけの子種をサーシャの子宮にぶちまけた。 目を醒ますと。 バカ面でぐがぐがと、ブリミルが隣で眠っていた。 思わず拳でブン殴りそうになり…サーシャは思いとどまる。 そして拳の代わりに、その間抜け面の頬にキスをする。 「悪魔め」 その言葉とは裏腹に、彼女の顔は優しい笑顔で、慈愛に満ちていた。 「エルフと人間の交わり…か」 可能性としては悪くない。 数の少ない種族同士で、交配できれば、数を増やすのも可能。 確かに純粋さは失われるが。 世界は常にそうやって、姿かたちを変えるのだと、大いなる意思の教えにはある。 「私たちがその最初になれるのかな…」 言って、隣でぐがぐが眠る主人を見下ろす。 サーシャは彼を起こさないようそっとベッドを降りる。 そして、服を着こむと。 昨日作った花輪を、そっとブリミルの胸板の上に置いた。 「とりあえず、それが契約の証よ。逃げたら承知しないからね」 まだ眠りの中にいるブリミルに背を向けて、テントから出て行く。 ちょうど、朝日が昇るところだった サーシャの目に、その朝日はどんな宝石よりも美しく映った。 「きれい…」 六千年前のガンダールヴは、真の契約を果たして変わり始めた世界の朝日に、目を細めたのだった。〜fin
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魔法を使う小人 ※14巻、ブリミル&サーシャネタです。14巻未読の方はそちらを先に読んでおく事をオススメします※ 「おねえちゃん、できたよ!」 「あら、上手ね」 連日続いた雨が晴れ、久しぶりに日差しの戻った初夏の日のニダベリールの村。 久しぶりの日光を存分に浴びようと、老いも若きも関係なしに、屋外で日の光を浴びている。 エルフであるサーシャも例外ではなかった。 ひさしぶりの日光を楽しむのに、種族は関係ない。 だが彼女は意図的に人間たちの輪から外れ、別の場所で日光浴を楽しんでいた。 人間を蛮人、と呼び、嫌っているから…ではない。 自分が、人間の輪に入っていったら、きっとその和を乱してしまう。村の人間ですら、ましてや同じ種族ですらない自分が、あの輪に入っていい道理が見当たらなかったからだ。 しかし。 人気のない花畑で日光浴をする彼女に、話しかけてきた人間がいた。 引っ込み思案のノルンである。 その小さな少女は、いつもブリミルの傍にいる、使い魔のエルフに、少し照れながら話しかけたのだった。 「おねえちゃん、花輪のつくりかたしってる?」 ノルンは普段自分たちのために戦っているブリミルに、贈り物がしたい、という。 だから花輪をつくってあげたいというのだが、ノルンは花輪の作り方を知らない。 そして、他の女性たちは忙しそうで、とてもそんなことを聞きにいけそうにない。 そこでサーシャに白羽の矢を立てたのであるが。 「…私ってそんなヒマそう?」 少し意地悪げに言ってみるサーシャ。 ちょっと大人気ないな、なんて思いながら。 しかし、ノルンはぶんぶんと首を振った。 「おねえちゃん、優しそうだもん」 その言葉にサーシャの目が点になる。 「は?いっつもブリミルを蹴っ飛ばしたり殴ったり、ヴァリヤーグとやりあってるのに? どこが?」 その疑問に、ノルンは間髪いれずに応えた。 「私たちのために戦ってくれてるし、それに、ブリミルさんみたいなぽーっとしたひとのガンダールヴやってるし」 なるほど。 その答えを聞いて、思わずサーシャは納得し。 そして、笑い出す。 「あははははははは!そうよね、あんな間抜けの蛮人のガンダールヴをするなんて、とんでもなく心が広くないとできないわね確かに!」 そして、続けた。 「いいわ、教えてあげる。でも私が教えたってのはナイショよ?」 「うん!」 そして二人は、仲良く花輪を作り始めるのである。 出来た白い花の花輪を、ノルンは嬉しそうに眺める。 サーシャはその笑顔を見て、自分も嬉しくなる。 母親って、こんな気持ちなのかな。 などと思ってみたりもする。 そしてノルンは、意外な行動に出る。 「はい、いつもありがとう!」 「え…?」 ノルンは、花畑に腰を下ろすサーシャの頭に、自分の作った花輪を載せる。 呆気に取られるサーシャに、ノルンは続ける。 「ブリミルのお兄ちゃんと、私たちを守ってくれてありがとう!」 「え?え?でもこれってブリミルにあげるんじゃ」 確かにノルンはそう言っていた。 サーシャのその言葉にノルンが応える。 「ううん、ブリミルのお兄ちゃんには、私があげるよりおねえちゃんがあげたほうがよろこぶと思うから」 「な、な、な」 軽く赤くなって思わず言葉に詰まるサーシャ。 『な、なんで私があんな蛮人に!』と言おうと思ったが、ノルンの中に芽生えた「優しいおねえちゃん」のイメージを崩したくなかった。 そんなふうにサーシャが逡巡していると。 「それじゃ、ブリミルのお兄ちゃんにはおねえちゃんから花輪あげてね!約束だよ!」 一歩的に言い放ち、ノルンは走り去ってしまう。 「あ、ちょっと待って…」 花畑に一人取り残されたサーシャ。 花輪の冠をかぶって、突然の不意打ちに気の抜けた彼女は、まるで恋に落ちた花の妖精のようだった。 そして、その夜。 しかたない、ノルンのお願いだし、ほんっっっっとはものすっっっっっごくイヤなんだけど!と思いながら。 サーシャは花輪をブリミルにあげることにした。 高貴な種族のエルフが、例え蛮人ととはいえ、交わした約束を違えるわけにはいかない。 サーシャは、ブリミルのテントを訪れていた。 「ねえ、蛮人。ちょっといいかしら」 テントの入り口から、そう呼びかける。 すると中から、ブリミルが勢いよく出てきた。 あっという間に接近する顔と顔。 思わずサーシャの顔が真っ赤になる。 「近いわよバカッ!」 どこ! 思わず拳が飛ぶ。 その一撃でテントの中に舞い戻り、尻餅をついてしまうブリミル。 サーシャは自分の条件反射にしまった、と軽く後悔し。 そして謝罪の言葉を述べる。 「いきなり出てこないでよ蛮人!」 …あれ? しかしブリミルはそんなことは慣れっこなのか、構わず続ける。 「ちょうどよかったよサーシャ!実は今日、どうしても君に頼みたい事があって!」 「実験だったらお断りよ」 しかし結局、人のいいサーシャは、そう言いながらもブリミルのテントに入っていく。 それが、もう戻れない道だと知らないまま。 話を聞き終わったサーシャは真っ赤な顔で固まっていた。 その目の前では、用件を話し終えたブリミルがサーシャの返答を待っている。 それはまるで、曲芸を上手くできた犬が、主人のお褒めの言葉を待っているようだ。 そして、サーシャはすうっ、と軽く息を吸って。 その動作に、それが叱咤の言葉だと分かるや、ブリミルは身体を縮こまらせる。 「何考えてんのよ、ばかー!」 同時に美しい足での蹴りが飛ぶ。 ブリミルは上手く衝撃を吸収し、ベッドに突っ込むだけの被害に留めた。普段からの突っ込み慣れである。 サーシャは蹴りを放ったあと、腰に手をあて、真っ赤な顔でブリミルの前に立つ。 「よよよよよよ、よりにもよって、こここここここ『子作り』?私と子作りしようって? おおおおおおおお思い上がるのもたいがいにしときなさいよ、このへんたい蛮人ッ!」 「ちょ、ご、誤解だよサーシャ! 僕はただ、エルフと人間の異種族交配ができないかな、と思って!」 「そそそそそそそそれが子作りだって言ってんじゃないのよ!何考えてんのよもう!信じらんない!」 そしてへんたい蛮人馬鹿あほまぬけ色魔ロリコン、などと罵倒の言葉がえんえん続く。 しかし、ブリミルはまじめな顔になると、言った。 「よく聞いて欲しい、サーシャ。このままだと、僕たちはたぶんヴァリヤーグに負ける」 「…え」 いままでそんな弱音を吐くことはなかったブリミルが、急にそんな事を言い出すとは。 罵詈雑言を並べ立てていたサーシャは、思わず言葉を止め、ブリミルの言葉に耳を傾ける。 「その最大の要因は、数だ。僕たちマギ族も、君達エルフ族も、ヴァリヤーグに較べて圧倒的に数が少ない」 「だから…何だってのよ。戦力で勝ればいいじゃない」 「違うんだ。今勝っても、未来で負けるだろう。どれだけ頑張っても、僕らにヴァリヤーグを殲滅することはできない。 残ったヴァリヤーグは再び数を増やし、僕らの子孫を襲うだろう。 未来に禍根を残さないためにも、ヴァリヤーグは根絶やしにしなきゃいけない。 そのためには、彼らが増える以上に、僕らも数を増やさないといけない。 そのためには、人間とエルフの垣根を取り払わないといけないと思うんだ」 「…まさか、あなた。一つの種族を、この世から消し去ろうっていうの!? そんなの、大いなる意思が許すはずないじゃないの!」 「なら君は、その大いなる意思に従って滅びを享受するのか」 ブリミルの顔が、今までよりずっと真剣なものになる。 サーシャの言葉が完全に止まる。 「今のまま行けば、この世界は遠からず、ヴァリヤーグの跋扈する世界になる。 その世界に平穏はないし、ヴァリヤーグは容赦なくほかの生き物を滅ぼし、この世界を死の世界に変えるだろう。 僕はいやだ。そんな世界にしたくない。 僕はこの世界が、人間が、エルフが、君が好きだ。たぶん、君の言う『大いなる意思』よりもずっとね」 さらりと混ざった告白のような言葉に、サーシャの頬が怒り以外の朱に染まる。 そして、サーシャは反撃に出る。 「…あなたは悪魔だわ。大いなる意思はきっとあなたを許しはしない…」 「いいよ別に。見えもしない、触れもしないようなものなんかより、僕はサーシャに怒られる方がよっぽど怖い」 その反撃は更に強い言葉であっさりと潰される。 そして、ブリミルは立ち上がり。 サーシャを、容赦なく抱き締めた。 サーシャは動けない。…動きたくなかった。 しかし、言葉は勝手に抵抗を続ける。 「…私はこれからも大いなる意志に従う。だから、あなたのような悪魔を許しはしないわ」 「悪魔でいいよ。サーシャを、この世界を守れるなら、神も大いなる意思も糞喰らえだ」 目と目が合う。 サーシャの瞳はこれ以上ないほど潤み、頬が上気している。 気付いた時には、唇を合わせていた。 それは、エルフにとって契約の証。 唇を合わせた者と添い遂げるという、契約の証だった。 「契約の証…ずるい、やっぱり悪魔だわあなた…」 「いやなら破棄しちゃえばいいよ。ガンダールヴも契約も、大いなる意思だって神だって、人の意思を縛ることは出来ない」 「じゃあ、私の意志を返してよ。この悪魔め…」 「イヤだね。自分で取り返せばいいじゃない」 「ばかっ…」 今度はサーシャから、ブリミルの唇を奪う。 その勢いで、二人はベッドにもつれ込む。 二人はベッドの上で何度も何度も、契約を交わした。 ベッドの上でサーシャの白い裸体が、明かりの消えた薄暗いテントの闇を、切り裂いていた。 白い肢体は均整が取れていて、余計な脂肪は一切ない。 ただ、女性を主張する部分にはしっかりと脂肪がついていた。 「こういうところは人間と一緒なんだね」 「…なんでこんな時までそんなの観察してんのよ、ばか」 覆いかぶさりながら自分の身体を観察する悪魔を、サーシャは睨みつける。 ブリミルは軽く笑うと、サーシャの、男にとって最も魅力的な部分に口付けた。 白い丘の頂でぷっくりと膨らんだ、桃色の真珠。 「あっ…」 肌に刻まれる契約に、サーシャの喉が踊る。 ブリミルはその声に気をよくすると、今度は空いたもう片方の肉丘に手を伸ばす。 あくまで優しく、丁寧に、その肉の塊をもみほぐす。 その刺激に反応して、サーシャの先端が硬くなってくる。 「はぁ、あ…悪魔、悪魔だわ…こんなの…」 契約より先の行為には、悪魔が潜むと大いなる意思の教えにはあった。 その先の行為は、甘美な誘惑のみが存在し、溺れれば即ち堕落へと繋がる悪魔の行為だと。 サーシャには、その意味が今こそ痛いほど判っていた。身をもって判らされていた。 「あ、あ、あ、だめ、だめになるっ…!わたしが、だめになっちゃう…!」 胸だけで違う世界に行きそうになりながら、ベッドの上でサーシャはくねる。 しかし。 その手前で、ブリミルは手を止める。 「…え?や…だ、なんでやめるの…?」 不意に離れた温もりに、サーシャは顔を上げる。 すると。 立てられた膝の間。 一番女性として大事な、子作りの場所を、ブリミルが注視していた。 「や、やだ、何見てんのよ!」 「とろとろだね」 サーシャの怒声にもめげず、ブリミルは観察結果を述べる。 サーシャのそこは、行為を受け入れるための粘液を、惜しげもなく分泌していた。 そして、牡を受け入れるべく、ひくひくと蠢いていた。 「こんなになってるってことは、感じてるんだサーシャ?」 「ち、ちちち違う!感じてなんか!」 「へーえ?じゃあこれはなんだろね?」 ぐちゅ! 「ひ!」 すさまじい快楽の電流と共に、濡れそぼった女性器にブリミルの指が突き刺さる。 それだけで、サーシャの意識は軽く暗転した。 ぐちゅぐちゅ。 とろとろに融けたサーシャを、ブリミルの指が出入りする。 その度に淫らな水音が響き、サーシャがどうしようもなく感じている事を証明していた。 「エルフって敏感なんだね。マギ族はこんなにならないって本には書いてあったけど」 「だ、から、こんな、あくま、あくまなのにぃっ!」 堕ちる。堕ちていく。 ブリミルの行為に、サーシャは身も心も解けかけていた。 そして。 「あっあっあっあっあっ!だ、だめ、だめぇ、これ以上、や、やだ、もうだめえ!」 ぶちゅ…。 サーシャの絶頂の直前。 糸すら引いて、ブリミルの指がサーシャから引き抜かれる。 まるで名残惜しいと言わんばかりにサーシャの腰が動き、指の動きを追従した。 「え…や…なんでぇ…やだぁ…」 さきほどより高い絶頂の直前で放り出され、涙と涎で顔をぐちゃぐちゃにしながら、サーシャはブリミルを見つめる。 ブリミルは、普段のしかえしとばかりに、にっこり笑って言った。 「だってやだって言ったじゃない、サーシャはさ」 「え…」 「嫌がってることを人にするのはよくないって大いなる意思は言ってるんだよね?サーシャ?」 「だ、だけどっ…」 「サーシャがして欲しいことを言わなきゃ、僕は何もできないなあ」 言いながら、手に絡みついたサーシャの蜜を見せ付けるように弄ぶ。 心が折れる。折れていく。 「鬼、悪魔っ…!」 「悪魔でいいよ。悪魔らしいやり方で、やらせてもらうよ」 「…ばか、へんたい…」 「そ、それはさすがに…」 完全に折れたエルフの娘は。 真っ赤になりながら、蛮人に向けて足を開いて。 「して。してほしいの…。いっぱい、してほしいの…」 おねだりを、した。 桜色に染まった肌が、美しい均整の取れた肌に艶を沿え、発情して潤んだ瞳と真っ赤な頬が、サーシャがまだ乙女であることを想像させた。 そして。 引き締まった足の間で、真っ赤に充血し、まるで食虫植物のように、ひくひくと蠢きながら粘液を零し、牡を誘うサーシャの牝。 あまりに扇情的な光景に、ごくり、とブリミルの喉が鳴る。 そのままブリミルはサーシャに覆いかぶさる。 「サーシャ。いいんだね?」 「うん。でも、やさしくして…。しないと怒る…」 「約束するよ。全身全霊で優しくする」 「嘘ついたら嫌いになるから…」 言って、サーシャの方から抱きついて、最後の『契約』をする。 それを合図に、ブリミルは己の剣でサーシャを貫いた。 ずずずず…ぶちぃ! ゆっくりとだが確実に。 ブリミルの牡が、サーシャの処女膜を突き破る。 しかし、サーシャは痛みを訴えない。 目を閉じ、痛みと襲い来る快感に耐えている。 「痛い?」 「きかないでよっ…ばかぁっ…」 「ごめん。痛いんだね…じゃあこのまま…」 一番奥で動きを止め、行き止まりでぐりぐりと腰を動かす。 その瞬間、サーシャの視界に、虹が走る。 「ひっ!だめっ、それだめっ!」 「え?ご、ごめん痛かった?」 「ちあうの、へんに、なるのっ…!」 きゅ、とブリミルに抱きつき、訴える。 それが痛みからでないと確信したブリミルは。 ぐにゅ。 「ひぃぃ!」 先ほどと同じように、腰を捻ってサーシャに刺激を与える。 「へんになっちゃうくらいキモチイイんだ?ねえ?」 「やだぁっ、ひ!こんな、こんなのぉ!」 必至にブリミルに抱きつき、トんでいきそうな快感にサーシャは耐える。 処女とは思えないほどの感じようだった。 確かに、エルフという種族の特質かもしれなかったが。 ブリミルは、思ったことを口にする。 「初めてなのにこんなに感じるなんて、エルフって意外と淫乱な種族?」 「ちがっ、ばんじんのっ、くせにぃ、ひぃ!」 「ああ、エルフがじゃなくてサーシャが?サーシャが淫乱で変態さんなんだ?」 「やぁ!ひぁ!ちがっ、あくまっ、あくまぁっ!」 言葉で責めると、きゅうきゅうとサーシャのそこはブリミルを締め付ける。 どうやらこの娘は、言葉で責められると弱いようだ。 「悪魔でいいよ。こんな可愛いサーシャが見れるなら、僕は悪魔にでもなんにでもなってみせるさ…ほらっ」 「やぁ!かわい、とか、いっちゃやらぁ…!」 優しい言葉にサーシャの膣がきゅうううう、とよりきつくブリミルを締め付ける。 彼女には、責めるより、甘い言葉がよく効く。 ならば、弱点を責めるまで。 ブリミルはサーシャの長い耳の傍で、優しく言葉を囁く。 「いくらでも言ってあげる。サーシャは可愛い。すっごい可愛い。世界で一番可愛い」 「いやぁ!こんなぁ!わたしぃ、だめぇ、だめになるのぉ!ひぃ!」 サーシャの中がびくびくと痙攣を始める。 絶頂の前触れだ。 ブリミルはさらにきつく、サーシャの奥を押し込む。 ぐに! 「ひ、いく、いっちゃう、だめぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!」 「くっ、僕ももうだめだっ…!」 きゅうううううううーっ! どくどくどくどくっ…! サーシャの最後の締め付けに、ブリミルはありったけの子種をサーシャの子宮にぶちまけた。 目を醒ますと。 バカ面でぐがぐがと、ブリミルが隣で眠っていた。 思わず拳でブン殴りそうになり…サーシャは思いとどまる。 そして拳の代わりに、その間抜け面の頬にキスをする。 「悪魔め」 その言葉とは裏腹に、彼女の顔は優しい笑顔で、慈愛に満ちていた。 「エルフと人間の交わり…か」 可能性としては悪くない。 数の少ない種族同士で、交配できれば、数を増やすのも可能。 確かに純粋さは失われるが。 世界は常にそうやって、姿かたちを変えるのだと、大いなる意思の教えにはある。 「私たちがその最初になれるのかな…」 言って、隣でぐがぐが眠る主人を見下ろす。 サーシャは彼を起こさないようそっとベッドを降りる。 そして、服を着こむと。 昨日作った花輪を、そっとブリミルの胸板の上に置いた。 「とりあえず、それが契約の証よ。逃げたら承知しないからね」 まだ眠りの中にいるブリミルに背を向けて、テントから出て行く。 ちょうど、朝日が昇るところだった サーシャの目に、その朝日はどんな宝石よりも美しく映った。 「きれい…」 六千年前のガンダールヴは、真の契約を果たして変わり始めた世界の朝日に、目を細めたのだった。〜fin
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