ゼロの使い魔保管庫
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345 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:01...
(あー、暇くせー)
ルイズの自室の床に寝そべりながら、才人はため息を吐いた。
(ルイズはなんか「ちょっと出かけてくるわ。あんたは掃除で...
こねーし)
デルフと雑談でもするか、と思いながら、才人が壁に立てか...
を立てて部屋の扉が開いた。
帰ってきたか、と才人が振り向くと、予想通りそこには彼の...
しかし。
(なんか、おかしーな)
才人は内心首を傾げた。
どうも、ルイズの姿に違和感を覚えるのだ。
いや、外見はいつもどおりだ。軽くウェーブがかかった桃色...
才人に比べれば小柄で華奢な体に、最大限控えめに譲歩しても...
べったい胸。
どこからどう見ても、ルイズその人である。
だが、やはり違う。何かが違う。今日のルイズは一味も二味...
と感じていた。
そして、気付いた。
(こいつの、顔)
顔の作りの話ではない。表情だ。
頬を上気させ、口元には薄らと笑みが浮かんでいる。そして...
、熱っぽさを漂わせているのだ。似たような表情を、才人は少...
(これ、前にモンモランシーが作った薬を飲んだときと似てる...
才人が感じた悪い予感は見事に的中する。ルイズは、さり気...
と、呪文をかけたのだ。以前も見たことがある、施錠の呪文だ...
(閉じ込められた――!?)
そう思った瞬間、やや唐突にルイズが動いた。飛び掛ってく...
を通り抜けて、ベッドに腰掛ける。そして、あの熱に浮かされ...
才人を見詰めてくる。
346 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:02...
「才人」
甘い声で囁きながら、ルイズは自分の隣をぽんぽんと叩く。
「おいで」
冗談じゃないこんな状態のルイズの隣になんか座ったら理性...
(あれ)
と、また強い違和感を感じた。
先ほどのルイズの言葉。
(おいで、だって)
おかしい。
まるで、子供か何かに対する呼びかけのようだ。
前に惚れ薬を飲んだときのルイズは、むしろ甘えるように才...
才人が困惑していると、ルイズは急かすように、また自分の...
「どうしたの、才人。おいでってば」
「あ、ああ」
何かがおかしいぞ何かがおかしいぞ、と思いながらも、才人...
それから、数十秒ほど、部屋は沈黙で満たされていた。
ルイズは、予想に反して何もしてこなかったのである。ただ...
これはおかしい。おかしいと、思う。いつものルイズとも違...
(何だろうこれ。何なんだろうこれ)
ひたすら困惑しまくる才人に、不意にルイズが呼びかけた。
「ねえ才人」
「な、なに」
反射的に振り向くと、息のかかりそうな距離にルイズの顔が...
(うわ、何してんのこいつ。間近で見るとやっぱり可愛いし)
混乱する才人を、ルイズは微笑んだまま見つめていたが、や...
(こ、これは、ひょっとしてこのまま両手で頬を挟んでブチュ...
半ば期待しながらそう思った才人だったが、現実は違った。
347 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:03...
ルイズは、撫でたのである。才人の頬を、優しく、愛しげな...
「ル、ルイズ?」
「ねえ、才人」
「な、なんでしょうご主人様」
思わず敬語になってしまう。すると、ルイズは何故か嬉しそ...
「ご主人様、だって」
呟くように言って、さらに才人に顔を近づけてくる。
「ねえ、才人」
「だ、だからなんなんすかご主人様」
何かしら怖いものを感じて、思わず身を引いてしまう才人。...
「かわいい」
一瞬、思考が停止する。
(こいつ、今なんて言いやがりましたか?)
かわいい? かわいいと言ったのか。聞き間違え出なければ...
だが、かわいいだなんて言われたのは、人生で初めてかもし...
「ごめんルイズ。よく聞き取れなかったんだけど」
するとルイズは、息遣いを感じるほどの距離まで、才人の耳...
「かわいい」
やはり、聞き間違えではなかった。言葉の内容もさることな...
「ははは、何言ってんだよルイズ、俺がかわいいだなんて、一...
「照れてるのね」
才人の言葉を遮って、ルイズはますます嬉しそうに言うのだ...
「才人。わたしのかわいい子犬ちゃん。ねえ、聞いてもいいか...
返事を待たずに、ルイズはさらに接近してくる。そして、
「あなたって、どうしてこんなにかわいいの」
囁きながら、なんと才人の顔に舌を這わせたではないか。
(◎※△×◇〜〜!?)
才人の頭はいよいよ混乱した。ルイズを舐めたいと思ったこ...
しかし、頭のどこかで、これはチャンスだという声が響いて...
348 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:04...
(やっちゃえよ)
(いやでもさ、後が怖くない?)
(平気平気。だってルイズから誘ってきたんだし)
(そうかなあ。なんかおかしいってこれ。やめとこうぜ)
(大丈夫だって。やっちゃえやっちゃえ)
(だいたい、こんなちっちゃな娘にかわいいとか言われてよー...
(股間の方はかわいくないってところを見せてやろうぜ)
(うん、そうだね)
脳内才人会議はあっさりと決着がついた。才人はルイズに向...
「こら、じゃれつかないの」
にっこり笑ったルイズが、嗜めるように言った瞬間、才人の...
(押し倒された――!?)
そんな馬鹿な、と思うが、紛れもない事実である。ルイズは...
「もう、いけない子犬ちゃんね」
ルイズはまた、横たわった才人の頬を愛しげに撫で始めた。...
「そんなにご主人様と遊びたいのかしら」
確かにある意味遊びたいと思っていたのは事実であるが、こ...
しかし、才人の内心など無視して、ルイズは才人の頬を撫で...
「もう、才人ったら本当に可愛いわ。そんなに怖がらなくても...
「こ、怖がってなんか」
「本当?」
ルイズは、手を止めないまま屈みこんで、じっと才人の顔を...
「ほら、やっぱり怖いんじゃない。でもいいの、恥ずかしがる...
「ち、違うよ」
「大丈夫。大丈夫よ、才人。何も怖がることなんてないからね」
ルイズの声音はどこまでも優しい。しかし、彼女が自ら言っ...
349 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:06...
(くそっ、なんなんだよこれ、おかしいよ、おかしいだろ)
才人は、ルイズの体を除けようとしてもがいた。しかし、小...
「うふふ。才人ったら、本当に怖がり屋さんなのね。だけど、...
ルイズの甘い囁きを聞いていると、抵抗する意志すら萎んで...
才人は、まるで自分が本当に子犬にでもなっているような錯覚...
「ねえ才人。わたしの小さな子犬ちゃん。今日はねえ、いつも...
「ご、ご褒美だって?」
「そう。何がいい? 何でもいいのよ。一日中遊んであげても...
何でもしてあげる、という言葉に、才人は思わずある図を頭...
(ちょ、バカ、やめろ俺、こんなときにそんなところを)
「あら」
きょとんとした声と同時に、才人の体を撫で続けていたルイ...
そう、すなわち、服の上からはっきりと分かるほどに己の竿...
「もう」
ほんの少し、しかりつけるような声で言いながら、しかしル...
「いけない子」
そう呟きながら、ルイズはぐっと顔を近づけてきて、再び才...
ルイズの舌の感触と荒い息の感触に同時に苛まれ、才人の股間...
「才人ったら、ご主人様に慰めて欲しかったのね。いいわ。な...
ルイズは才人の顔を舐め続けながら、右手で彼の竿を服越し...
浮かされたようになった才人の頭は、まともに働いてくれない...
その内、ルイズが舌なめずりした。
「才人。私の可愛い子犬ちゃん。あなたが望むなら、今夜一晩...
そう言いながら、ルイズは才人のズボンのジッパーを引き下...
350 名前:どっかのアホ[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:09...
通りすがりに投下。改行とかおかしくてもういろいろごめんな...
とりあえずこれで終わりです。気が向いたらまた書かせていた...
532 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/28(金) 01:26...
胸の上に跨ったルイズが、自分に背中を向けるように体勢を...
「ちょ、待てよルイズ」
「ダメよサイト、ご主人様に対してそんな言葉使っちゃ」
ルイズは肩越しに振り返り、咎めるように言ってくる。それ...
「少し、教育してあげなくちゃね」
屹立している陰茎に冷たい感触を感じ、才人は口から飛び出...
ルイズが自分の男根を握っている。それを理解しただけで、...
「また元気になったわね」
こちらに背中を向けたルイズが、からかうような声音で言い...
痛みを感じず、それでいて快感は最高潮という、男なら誰も...
才人はたまらずに息を荒げた。ルイズのおかしそうな笑いが...
「サイトったら、堪え性がないのね」
「だって、それ、反則だってお前」
喋る言葉も途切れ途切れになってしまう。ルイズはそんな才...
「いいのよ、恥ずかしがらなくて。さっきも言ったでしょう、...
包み込むような優しい口調に、才人は一瞬、全身の力を抜い...
安易に快楽に身を投げ出すことができるほど、気楽な状況と...
確かに、ルイズとは何度もこういう行為に発展しかけた仲で...
「頼むから待ってくれよルイズ」
必死に懇願すると、ルイズは少し不満げな顔で振り返った。
「どうしたのサイト。ご主人様に慰めてもらうのが嫌なの」
「いや、それはむしろ願ったり叶ったりというか」
「じゃあいいじゃないの」
「でも、お前変だし」
「なにが」
ルイズは心底不思議そうな顔で首を傾げる。どうやら、自分...
そうやって無言で、しかも自分一人だけが陰部を露出したま...
するとルイズは、やっぱりね、と言わんばかりの笑顔を浮か...
533 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/28(金) 01:26...
「サイト」
甘ったるい声で名前を呼びながら、また胸の上でもぞもぞと...
「大丈夫よ」
才人の苦悩を知ってか知らずか、ルイズはまるで怯える子供...
「怖いことをするんじゃないの。サイトはね、わたしを守るた...
いつものルイズならば絶対に使わないと断言できるほどの、...
「いや、でもさ」
具体的な反論が思いつかず、才人は口ごもる。
今のルイズはおかしい。いちいち確認するまでもなく異常で...
だが、だからと言ってルイズの誘いを頭ごなしに断ることな...
たとえ今、ルイズが薬か何かによって思考に異常をきたして...
いま、才人が一方的にルイズの申し出を拒絶すれば、目の前...
つい先日再会したときにルイズが見せた、痛ましい泣き顔が...
もう、ルイズの泣き顔は見たくない。
才人は心の中で深いため息を吐いた。
(でも、一体どうしたらいいんだ)
この場を切り抜ける口実を、才人は必死に考えた。
頑として拒絶することはもちろんできないが、だからと言っ...
そうやって才人が迷っていると、ルイズは困ったように、あ...
「どうしたの、才人。どこか痛いの」
「あ、いや」
才人は言い訳しようとして、止めた。才人を見つめるルイズ...
嘘を吐くことなど、できるはずがなかった。
「あのさ、ルイズ」
「なあに」
「できれば、こういうのは止めてくれないか」
躊躇いながらも、才人は結局そう言った。ルイズは怒りも泣...
「嫌なの」
「違う、そうじゃなくて」
実際、嫌な訳ではない。
534 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/28(金) 01:28...
「嫌なんじゃなくて、なんていうか、その」
「どうしたの。怒らないから、言ってごらんなさい」
「他に、してほしいことがあるんだ。こういうのじゃなくて」
咄嗟に、そんな言葉が口を突いて出た。ほとんど考えずに言...
問題は、ルイズがどう反応するかだ。まさか泣いたりしない...
「偉いのね、サイト」
何がだろう、と才人が困惑していると、ルイズは上半身を屈...
「ご主人様の体のことを気遣ってくれたんでしょう」
「どういう意味だよ」
「そういうことすると、痛かったり汚れたりするからって。気...
ほんのりと頬を染めて、ルイズが言う。その顔は悶絶しそう...
「でも、大丈夫なの」
「なにがだよ」
「これ、こんな風にしたままで」
ルイズは肩越しに後ろを見やり、こちらに身体を向けたまま...
「苦しいでしょ」
そんなことを言いながら、またさっきのような絶妙な手つき...
「ちょ、おま、やめ」
「え」
ルイズが驚いて振り向いた瞬間、才人の陰茎を撫でていた手...
ヤバイ、と思ったときにはもう遅い。我慢していた射精感が...
亀頭の先端から飛び出た精液が、重い水音と共にシーツを汚...
十数秒ほどの沈黙の後、才人の射精がようやく収まり、陰茎...
「サイトったら、せっかちさんなのね」
才人は泣いた。
535 名前:どっかのアホ[sage] 投稿日:2006/07/28(金) 01:28...
今回はここまでで。また機会がありましたらよろしくお願いし...
844 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:07...
「ねえサイト、いい加減に機嫌直してこっちに来なさいよ、ね」
背後から聞こえてくるルイズの苦笑に応えず、才人は壁を向...
今はもう真夜中だが、昼間あんなことになってから、ずっと...
初めてだった。初めてで、あれだ。顔を見られたくないとい...
とにもかくにも、才人は久しぶりにそういうダメな気分に陥...
「ソーローソーロー、僕はソーロードーテーヤロー」
口からはほとんど全自動で変な歌が垂れ流しになっている。...
「ほら、サイト」
優しい声で後ろから囁かれると同時に、才人の身体がずるず...
ルイズはベッドに腰掛けると、才人を床から引きずり上げて...
「ごめんね、サイト」
普段とは全く違った、穏やかな声音である。ルイズは才人の...
「わたしも初めてだったから。まさか、あんなに早いものだと...
止めの一撃である。才人は訳の分からないことを絶叫しなが...
「サイト、どうしたの」
引っかぶった布団の向こうから、ルイズの驚いた声が聞こえ...
「僕はそんな名前じゃありません! 僕はモグラです、哀れな...
いつもなら、才人がそんないじけた態度を取ろうものなら「...
「あら、可愛い子犬ちゃんが可愛いモグラちゃんになっちゃっ...
と、からかうような口調で言ってきただけである。少しも動...
「サイト」
呼びかけながら、ルイズが布団を持ち上げる。差し込んでき...
「モグラちゃんは光が苦手かしら」
悪戯っぽい声と共に、ルイズが布団の中に潜り込んでくる。...
ルイズは背後から才人を抱きしめてきた。さすがにルイズだ...
「離れろよ」
半ば照れ隠しに弱弱しい抵抗をしてみせたが、ルイズは離れ...
「照れなくてもいいのよ、サイト」
「照れてなんかいねえよ」
「本当」
「本当」
「じゃ、こっち向いて」
それは困る、と才人は思う。頬が熱くなっているのが自分で...
だが、だからと言って振り向かない訳にもいかない。それは...
845 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:09...
仕方なく、才人はルイズに一度腕を解いてもらってから、ベ...
が、何やら気恥ずかしくてルイズの顔を直視できない。
「やっぱり照れてるのねサイト」
「照れてねえって」
「だってお顔が赤いわよ」
「赤くねえよ」
ほとんど拗ねるように言う才人に、ルイズは含み笑いを漏ら...
(クソッ、からかわれっぱなしじゃねーか。面白くねえ)
内心悔しい才人ではあるが、今のルイズを相手にしたら何を...
と言うよりも、反応が読めなくて正直ちょっと怖いぐらいだ。
(いいや、もう寝ちまおう。どうせその内治るだろうし)
半分やけっぱちになりながら、才人は目を閉じる。
「あら、サイト」
ルイズが話しかけてくるが、無視である。これ以上からかわ...
「もうおねむなのかしら」
おねむとか言うな俺はあかんぼじゃねーんだぞと心の中で叫...
「寝ちゃったのね、サイト」
少し寂しそうな声が、閉ざされた視界の向こうから聞こえて...
(へん、ざまーみろってんだ)
と、才人が少々みみっちい達成感を味わったその瞬間、彼は...
驚きで声を上げそうになるのを寸でのところで堪え、薄目を...
「サイト」
子守唄でも歌うような優しい調子で、ルイズが話しかけてく...
「かわいくって勇敢な、わたしだけの子犬ちゃん。大丈夫よ。...
その柔らかい声音を聞いていると、才人は本当に眠くなって...
今のルイズはまるで、彼女の姉であるカトレアのようだと才...
だが、違った。確かにカトレアとも似ているが、今のルイズ...
(母さん)
自然と、もうずっと会っていない母の姿が頭に浮かんでくる。
(あれ、おかしいな。俺、帰れなくて寂しいなんて思ったこと...
もう少しで涙があふれ出しそうなほど、目頭が熱くなってい...
いくら好奇心旺盛で順応性が高いとは言え、やはり才人も元...
自分の胸の奥にこれほどの望郷の念が眠っていたことに、才...
耳に響くルイズの鼓動を聞きながら、才人はいつしか深い眠...
846 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:10...
次に目を覚ましたのは、まだ真夜中という時分だった。
ルイズはまだ才人を抱きしめていたが、目を閉じて健やかな...
月明かりに浮かぶその穏やかな寝顔を見ていると、才人は何...
(やっぱ、このルイズはダメだ)
そっと彼女の腕の中から抜け出し、涙を拭いながら、才人は...
(俺はルイズを守るって誓ったんであって、こいつの優しさに...
どうせ、ルイズがあんな風になってしまったのはまたモンモ...
まだ身体に残っているルイズの温もりにほんの少しだけ名残...
モンモランシーの部屋に着いた才人は、控えめに部屋の扉を...
モンモランシーが出てこなかったら、扉を叩き切ってでも目...
「てめえコラモンモン」
と、勢いのままにモンモランシーに食って掛かろうとした才...
部屋から漏れる頼りない明かりに照らされたモンモランシー...
頬はこけ目は充血し、縦巻きロールの金髪はほつれてぼさぼ...
モンモランシーはしばらくぼんやりしていたが、やがて疲れ...
「なんだ、サイトじゃない。なんか用なの」
この投げやりな対応にも、才人は驚きを隠せなかった。ルイ...
「いや、ちょっとルイズがさ」
なんとなくしどろもどろになりながら才人が言うと、モンモ...
「心配しなくても大丈夫よ。すぐに元に戻るから」
「また一ヵ月後か一年後か分からないって言うんだろ」
「伸びても一週間だと思って。そういう薬なのよ。分かったら...
「それは見なくても分かるけど。なんかあったのかよ」
今やルイズのことと同じぐらいにモンモランシーのことが気...
「なんかあったかって。ええありましたとも。正直、死ぬかと...
「あのさ、悪いんだけど順を追って話してもらえないかそれ」
モンモランシーは少しの間しかめ面をしていたが、やがて諦...
847 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:10...
「今日の昼間、ルイズが来たんだけど」
「ああ、そう言えばどっか出かけてたっけ。お前んとこだった...
「そう」
「なんか、用事でもあったのかルイズの奴」
才人は何気なくそう訊いた。深い意味はなかった。ただ、ル...
しかし、対するモンモランシーの反応は奇妙であった。彼女...
「別に、大したことじゃないわ。それで、ルイズが来たんだけ...
「ああ」
才人も、それ以上は追及しなかった。女同士だし、男には話...
「そのときに紅茶を出したのよね」
「思ったより気が利くんだなお前」
「礼儀って言葉の意味ぐらいは知ってるつもりよ。問題はここ...
モンモランシーは頭痛でもしているかのように額を押さえる...
「あたしが作ってた失敗作の薬を、砂糖と間違えて紅茶にいれ...
「なんで間違えるんだよそんなの」
「最近かなりたくさん薬作ってて、いれる容器がなかったから...
「さっさと捨てとけよ失敗作なんか」
「そう簡単にはいかないわよ。ちゃんと処理しないと危険なん...
モンモランシーの説明はいちいち理屈が通っていた。それ故...
「お前がそんなにいっぱい薬作ってんのが悪い」
「無茶なこと言わないでよ」
「大体、なんでそんな張り切ってんのお前。金なくて材料だっ...
腹立ち紛れにそう言うと、モンモランシーはまた気まずげに...
(なんだ、こいつ)
才人は、得体の知れない気味悪さを覚えた。
(俺に、何か隠そうとしてるのか)
どうもそうらしいが、何を隠そうとしているのかは皆目見当...
誤ってルイズに薬を飲ませてしまったのを隠すならまだ分か...
(なんなんだよ気持ち悪ぃーな)
先ほどとは別種の苛立ちを才人が感じ始めたとき、モンモラ...
「それで、あたしは紅茶飲む前に薬が入っちゃったことに気付...
「ルイズは飲んじまったのか」
「うん。まあ、ルイズとあと一人いたんだけど」
モンモランシーは何故か頬を染めてそう言う。
それが誰かというのも気にはなったが、才人が本当に聞きた...
「で、その薬の効果は」
そう問うと、モンモランシーはわずかに複雑そうな顔をした。
848 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:11...
「その前に、聞いておきたいんだけど」
「なによ」
「ルイズ、どんな感じになっちゃってるの」
「どんなって」
才人は、昼間帰ってきてからのルイズの奇行を思い出す。だ...
「どうでもいいだろそんなの。とにかく変なんだよ」
半ば照れ隠しに、才人は怒鳴った。
するとモンモランシーは腕組みして唸った。
「あれってね」
「ああ」
「強調する薬なのよ」
才人は目を瞬かせた。
「なんだよそれ」
「飲んだ人の性格とか、身体とか、そういう、その人を構成す...
才人は自分があっさりとルイズに組み伏せられたり、ベッド...
あれも、薬の効果でルイズの筋力が増強された結果らしい。
「なんでそんな変なもん作るんだお前は」
「だから失敗だったのよ。最近あんまり寝てなかったもんだか...
「とにかくこっちはいい迷惑なんだ。すぐに治してくれ」
「あたしだってそうしたいんだけど」
モンモランシーは困ったように部屋の中を振り返る。
「ちょっと今、薬を調合できる状態じゃなくてね」
「なんだそりゃ」
「いろいろあるのよ。さっきも言ったけど、薬の効果はせいぜ...
「一週間もあんなルイズに付き合えってのかよ」
才人はうんざりしてそう言った。モンモランシーは少し興味...
849 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:12...
「そんなに大変なのルイズったら」
「おう」
「前のときよりも」
前のとき、とはもちろんあの惚れ薬事件のときのことだろう。
方向性は違うが、あのときと同じぐらいに大変なのは確かで...
どちらにしろ、薬の効果で好かれたり優しくされても嬉しく...
「でもねえ」
モンモランシーはまた疲れたため息を吐き出す。
「あたしだって、解毒剤作れたらすぐにでも作りたいんだけど...
「だから何なんだよさっきから。この部屋じゃ作れないっての」
「ええ。今の状態じゃね」
いちいち、歯切れの悪い返答である。才人は苛立ちながら訊...
「どういう意味よ」
「さっき言ったでしょ、薬飲んじゃったの、ルイズ以外にもう...
「ああ」
「その一人っていうのが」
「僕のことさ」
突然部屋の中から声が聞こえてきたと思った瞬間、暗闇から...
「ちょ、モンモン」
才人は慌てて背中のデルフリンガーに手をかける。部屋に踏...
「やあサイト、こんばんは」
そう言ってウインクしてきたのは、紛れもなくギーシュ・ド...
850 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:13...
彼は部屋においてあった椅子に優雅に腰掛けている。その膝...
「とりあえず、扉を閉めてもらえるかな。外に声が聞こえると...
才人は迷った。どうも、ギーシュもかなりおかしくなってい...
「安心したまえサイト。僕はただ、愛の営みに無粋な邪魔をい...
「愛の営みってお前」
「そう。つまりはこういうことさ」
言うが早いか、ギーシュはモンモランシーの口を塞いだまま...
そこからの展開は実に見事であった。ギーシュは膝の上のモ...
首筋や顔を舌や唇で責めつつ、片手で身体の至るところを愛...
二人は最終的に才人の目の前で交接まで演じてみせた。しか...
「ギーシュ、やめて」
小さく悲鳴を上げるモンモランシーをからかうように、ギー...
「おやおや、そう言いながら随分とよく締め付けてくれるじゃ...
「だって、だって」
羞恥と興奮で顔を赤くしながら、モンモランシーは小さく首...
「気持ちいいんだろう、モンモランシー。何も恥ずかしがるこ...
「でも、サイトだって見てるのに」
「安心したまえモンモランシー。そうやって雌犬のように乱れ...
「ああ、ギーシュ」
甘い声で囁かれ、モンモランシーはついに最後の羞恥心すら...
ギーシュの名を呼びながら、涙と涎を垂れ流して激しく切な...
「ギーシュ、好き、大好き」
「ああ、僕も愛しているともモンモランシー。さあ、また君の...
ギーシュがより一層強く腰を叩きつけると同時に、モンモラ...
ぐったりと床に身を横たえるモンモランシーを満足げに見下...
行為の激しさに比例しているかのように、精液の量も半端で...
「さて、それでは話をしようじゃないか、サイト」
「いや、その前にお前」
まるで出来のいいAVを見ていたみたいだと半ば呆れながら...
「やらしいとこ強調されすぎ」
851 名前:どっかのアホ[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:17...
またふらふらと投下させていただきました。>>532-534の続きで...
前に感想書いてくださった方々、ありがとうございました。
またあんまりエロくないですけど、楽しんで頂ければ幸いです。
たまにはギーシュが主導権握ってたっていいじゃない。
終了行:
345 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:01...
(あー、暇くせー)
ルイズの自室の床に寝そべりながら、才人はため息を吐いた。
(ルイズはなんか「ちょっと出かけてくるわ。あんたは掃除で...
こねーし)
デルフと雑談でもするか、と思いながら、才人が壁に立てか...
を立てて部屋の扉が開いた。
帰ってきたか、と才人が振り向くと、予想通りそこには彼の...
しかし。
(なんか、おかしーな)
才人は内心首を傾げた。
どうも、ルイズの姿に違和感を覚えるのだ。
いや、外見はいつもどおりだ。軽くウェーブがかかった桃色...
才人に比べれば小柄で華奢な体に、最大限控えめに譲歩しても...
べったい胸。
どこからどう見ても、ルイズその人である。
だが、やはり違う。何かが違う。今日のルイズは一味も二味...
と感じていた。
そして、気付いた。
(こいつの、顔)
顔の作りの話ではない。表情だ。
頬を上気させ、口元には薄らと笑みが浮かんでいる。そして...
、熱っぽさを漂わせているのだ。似たような表情を、才人は少...
(これ、前にモンモランシーが作った薬を飲んだときと似てる...
才人が感じた悪い予感は見事に的中する。ルイズは、さり気...
と、呪文をかけたのだ。以前も見たことがある、施錠の呪文だ...
(閉じ込められた――!?)
そう思った瞬間、やや唐突にルイズが動いた。飛び掛ってく...
を通り抜けて、ベッドに腰掛ける。そして、あの熱に浮かされ...
才人を見詰めてくる。
346 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:02...
「才人」
甘い声で囁きながら、ルイズは自分の隣をぽんぽんと叩く。
「おいで」
冗談じゃないこんな状態のルイズの隣になんか座ったら理性...
(あれ)
と、また強い違和感を感じた。
先ほどのルイズの言葉。
(おいで、だって)
おかしい。
まるで、子供か何かに対する呼びかけのようだ。
前に惚れ薬を飲んだときのルイズは、むしろ甘えるように才...
才人が困惑していると、ルイズは急かすように、また自分の...
「どうしたの、才人。おいでってば」
「あ、ああ」
何かがおかしいぞ何かがおかしいぞ、と思いながらも、才人...
それから、数十秒ほど、部屋は沈黙で満たされていた。
ルイズは、予想に反して何もしてこなかったのである。ただ...
これはおかしい。おかしいと、思う。いつものルイズとも違...
(何だろうこれ。何なんだろうこれ)
ひたすら困惑しまくる才人に、不意にルイズが呼びかけた。
「ねえ才人」
「な、なに」
反射的に振り向くと、息のかかりそうな距離にルイズの顔が...
(うわ、何してんのこいつ。間近で見るとやっぱり可愛いし)
混乱する才人を、ルイズは微笑んだまま見つめていたが、や...
(こ、これは、ひょっとしてこのまま両手で頬を挟んでブチュ...
半ば期待しながらそう思った才人だったが、現実は違った。
347 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:03...
ルイズは、撫でたのである。才人の頬を、優しく、愛しげな...
「ル、ルイズ?」
「ねえ、才人」
「な、なんでしょうご主人様」
思わず敬語になってしまう。すると、ルイズは何故か嬉しそ...
「ご主人様、だって」
呟くように言って、さらに才人に顔を近づけてくる。
「ねえ、才人」
「だ、だからなんなんすかご主人様」
何かしら怖いものを感じて、思わず身を引いてしまう才人。...
「かわいい」
一瞬、思考が停止する。
(こいつ、今なんて言いやがりましたか?)
かわいい? かわいいと言ったのか。聞き間違え出なければ...
だが、かわいいだなんて言われたのは、人生で初めてかもし...
「ごめんルイズ。よく聞き取れなかったんだけど」
するとルイズは、息遣いを感じるほどの距離まで、才人の耳...
「かわいい」
やはり、聞き間違えではなかった。言葉の内容もさることな...
「ははは、何言ってんだよルイズ、俺がかわいいだなんて、一...
「照れてるのね」
才人の言葉を遮って、ルイズはますます嬉しそうに言うのだ...
「才人。わたしのかわいい子犬ちゃん。ねえ、聞いてもいいか...
返事を待たずに、ルイズはさらに接近してくる。そして、
「あなたって、どうしてこんなにかわいいの」
囁きながら、なんと才人の顔に舌を這わせたではないか。
(◎※△×◇〜〜!?)
才人の頭はいよいよ混乱した。ルイズを舐めたいと思ったこ...
しかし、頭のどこかで、これはチャンスだという声が響いて...
348 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:04...
(やっちゃえよ)
(いやでもさ、後が怖くない?)
(平気平気。だってルイズから誘ってきたんだし)
(そうかなあ。なんかおかしいってこれ。やめとこうぜ)
(大丈夫だって。やっちゃえやっちゃえ)
(だいたい、こんなちっちゃな娘にかわいいとか言われてよー...
(股間の方はかわいくないってところを見せてやろうぜ)
(うん、そうだね)
脳内才人会議はあっさりと決着がついた。才人はルイズに向...
「こら、じゃれつかないの」
にっこり笑ったルイズが、嗜めるように言った瞬間、才人の...
(押し倒された――!?)
そんな馬鹿な、と思うが、紛れもない事実である。ルイズは...
「もう、いけない子犬ちゃんね」
ルイズはまた、横たわった才人の頬を愛しげに撫で始めた。...
「そんなにご主人様と遊びたいのかしら」
確かにある意味遊びたいと思っていたのは事実であるが、こ...
しかし、才人の内心など無視して、ルイズは才人の頬を撫で...
「もう、才人ったら本当に可愛いわ。そんなに怖がらなくても...
「こ、怖がってなんか」
「本当?」
ルイズは、手を止めないまま屈みこんで、じっと才人の顔を...
「ほら、やっぱり怖いんじゃない。でもいいの、恥ずかしがる...
「ち、違うよ」
「大丈夫。大丈夫よ、才人。何も怖がることなんてないからね」
ルイズの声音はどこまでも優しい。しかし、彼女が自ら言っ...
349 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:06...
(くそっ、なんなんだよこれ、おかしいよ、おかしいだろ)
才人は、ルイズの体を除けようとしてもがいた。しかし、小...
「うふふ。才人ったら、本当に怖がり屋さんなのね。だけど、...
ルイズの甘い囁きを聞いていると、抵抗する意志すら萎んで...
才人は、まるで自分が本当に子犬にでもなっているような錯覚...
「ねえ才人。わたしの小さな子犬ちゃん。今日はねえ、いつも...
「ご、ご褒美だって?」
「そう。何がいい? 何でもいいのよ。一日中遊んであげても...
何でもしてあげる、という言葉に、才人は思わずある図を頭...
(ちょ、バカ、やめろ俺、こんなときにそんなところを)
「あら」
きょとんとした声と同時に、才人の体を撫で続けていたルイ...
そう、すなわち、服の上からはっきりと分かるほどに己の竿...
「もう」
ほんの少し、しかりつけるような声で言いながら、しかしル...
「いけない子」
そう呟きながら、ルイズはぐっと顔を近づけてきて、再び才...
ルイズの舌の感触と荒い息の感触に同時に苛まれ、才人の股間...
「才人ったら、ご主人様に慰めて欲しかったのね。いいわ。な...
ルイズは才人の顔を舐め続けながら、右手で彼の竿を服越し...
浮かされたようになった才人の頭は、まともに働いてくれない...
その内、ルイズが舌なめずりした。
「才人。私の可愛い子犬ちゃん。あなたが望むなら、今夜一晩...
そう言いながら、ルイズは才人のズボンのジッパーを引き下...
350 名前:どっかのアホ[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 05:09...
通りすがりに投下。改行とかおかしくてもういろいろごめんな...
とりあえずこれで終わりです。気が向いたらまた書かせていた...
532 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/28(金) 01:26...
胸の上に跨ったルイズが、自分に背中を向けるように体勢を...
「ちょ、待てよルイズ」
「ダメよサイト、ご主人様に対してそんな言葉使っちゃ」
ルイズは肩越しに振り返り、咎めるように言ってくる。それ...
「少し、教育してあげなくちゃね」
屹立している陰茎に冷たい感触を感じ、才人は口から飛び出...
ルイズが自分の男根を握っている。それを理解しただけで、...
「また元気になったわね」
こちらに背中を向けたルイズが、からかうような声音で言い...
痛みを感じず、それでいて快感は最高潮という、男なら誰も...
才人はたまらずに息を荒げた。ルイズのおかしそうな笑いが...
「サイトったら、堪え性がないのね」
「だって、それ、反則だってお前」
喋る言葉も途切れ途切れになってしまう。ルイズはそんな才...
「いいのよ、恥ずかしがらなくて。さっきも言ったでしょう、...
包み込むような優しい口調に、才人は一瞬、全身の力を抜い...
安易に快楽に身を投げ出すことができるほど、気楽な状況と...
確かに、ルイズとは何度もこういう行為に発展しかけた仲で...
「頼むから待ってくれよルイズ」
必死に懇願すると、ルイズは少し不満げな顔で振り返った。
「どうしたのサイト。ご主人様に慰めてもらうのが嫌なの」
「いや、それはむしろ願ったり叶ったりというか」
「じゃあいいじゃないの」
「でも、お前変だし」
「なにが」
ルイズは心底不思議そうな顔で首を傾げる。どうやら、自分...
そうやって無言で、しかも自分一人だけが陰部を露出したま...
するとルイズは、やっぱりね、と言わんばかりの笑顔を浮か...
533 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/28(金) 01:26...
「サイト」
甘ったるい声で名前を呼びながら、また胸の上でもぞもぞと...
「大丈夫よ」
才人の苦悩を知ってか知らずか、ルイズはまるで怯える子供...
「怖いことをするんじゃないの。サイトはね、わたしを守るた...
いつものルイズならば絶対に使わないと断言できるほどの、...
「いや、でもさ」
具体的な反論が思いつかず、才人は口ごもる。
今のルイズはおかしい。いちいち確認するまでもなく異常で...
だが、だからと言ってルイズの誘いを頭ごなしに断ることな...
たとえ今、ルイズが薬か何かによって思考に異常をきたして...
いま、才人が一方的にルイズの申し出を拒絶すれば、目の前...
つい先日再会したときにルイズが見せた、痛ましい泣き顔が...
もう、ルイズの泣き顔は見たくない。
才人は心の中で深いため息を吐いた。
(でも、一体どうしたらいいんだ)
この場を切り抜ける口実を、才人は必死に考えた。
頑として拒絶することはもちろんできないが、だからと言っ...
そうやって才人が迷っていると、ルイズは困ったように、あ...
「どうしたの、才人。どこか痛いの」
「あ、いや」
才人は言い訳しようとして、止めた。才人を見つめるルイズ...
嘘を吐くことなど、できるはずがなかった。
「あのさ、ルイズ」
「なあに」
「できれば、こういうのは止めてくれないか」
躊躇いながらも、才人は結局そう言った。ルイズは怒りも泣...
「嫌なの」
「違う、そうじゃなくて」
実際、嫌な訳ではない。
534 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/07/28(金) 01:28...
「嫌なんじゃなくて、なんていうか、その」
「どうしたの。怒らないから、言ってごらんなさい」
「他に、してほしいことがあるんだ。こういうのじゃなくて」
咄嗟に、そんな言葉が口を突いて出た。ほとんど考えずに言...
問題は、ルイズがどう反応するかだ。まさか泣いたりしない...
「偉いのね、サイト」
何がだろう、と才人が困惑していると、ルイズは上半身を屈...
「ご主人様の体のことを気遣ってくれたんでしょう」
「どういう意味だよ」
「そういうことすると、痛かったり汚れたりするからって。気...
ほんのりと頬を染めて、ルイズが言う。その顔は悶絶しそう...
「でも、大丈夫なの」
「なにがだよ」
「これ、こんな風にしたままで」
ルイズは肩越しに後ろを見やり、こちらに身体を向けたまま...
「苦しいでしょ」
そんなことを言いながら、またさっきのような絶妙な手つき...
「ちょ、おま、やめ」
「え」
ルイズが驚いて振り向いた瞬間、才人の陰茎を撫でていた手...
ヤバイ、と思ったときにはもう遅い。我慢していた射精感が...
亀頭の先端から飛び出た精液が、重い水音と共にシーツを汚...
十数秒ほどの沈黙の後、才人の射精がようやく収まり、陰茎...
「サイトったら、せっかちさんなのね」
才人は泣いた。
535 名前:どっかのアホ[sage] 投稿日:2006/07/28(金) 01:28...
今回はここまでで。また機会がありましたらよろしくお願いし...
844 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:07...
「ねえサイト、いい加減に機嫌直してこっちに来なさいよ、ね」
背後から聞こえてくるルイズの苦笑に応えず、才人は壁を向...
今はもう真夜中だが、昼間あんなことになってから、ずっと...
初めてだった。初めてで、あれだ。顔を見られたくないとい...
とにもかくにも、才人は久しぶりにそういうダメな気分に陥...
「ソーローソーロー、僕はソーロードーテーヤロー」
口からはほとんど全自動で変な歌が垂れ流しになっている。...
「ほら、サイト」
優しい声で後ろから囁かれると同時に、才人の身体がずるず...
ルイズはベッドに腰掛けると、才人を床から引きずり上げて...
「ごめんね、サイト」
普段とは全く違った、穏やかな声音である。ルイズは才人の...
「わたしも初めてだったから。まさか、あんなに早いものだと...
止めの一撃である。才人は訳の分からないことを絶叫しなが...
「サイト、どうしたの」
引っかぶった布団の向こうから、ルイズの驚いた声が聞こえ...
「僕はそんな名前じゃありません! 僕はモグラです、哀れな...
いつもなら、才人がそんないじけた態度を取ろうものなら「...
「あら、可愛い子犬ちゃんが可愛いモグラちゃんになっちゃっ...
と、からかうような口調で言ってきただけである。少しも動...
「サイト」
呼びかけながら、ルイズが布団を持ち上げる。差し込んでき...
「モグラちゃんは光が苦手かしら」
悪戯っぽい声と共に、ルイズが布団の中に潜り込んでくる。...
ルイズは背後から才人を抱きしめてきた。さすがにルイズだ...
「離れろよ」
半ば照れ隠しに弱弱しい抵抗をしてみせたが、ルイズは離れ...
「照れなくてもいいのよ、サイト」
「照れてなんかいねえよ」
「本当」
「本当」
「じゃ、こっち向いて」
それは困る、と才人は思う。頬が熱くなっているのが自分で...
だが、だからと言って振り向かない訳にもいかない。それは...
845 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:09...
仕方なく、才人はルイズに一度腕を解いてもらってから、ベ...
が、何やら気恥ずかしくてルイズの顔を直視できない。
「やっぱり照れてるのねサイト」
「照れてねえって」
「だってお顔が赤いわよ」
「赤くねえよ」
ほとんど拗ねるように言う才人に、ルイズは含み笑いを漏ら...
(クソッ、からかわれっぱなしじゃねーか。面白くねえ)
内心悔しい才人ではあるが、今のルイズを相手にしたら何を...
と言うよりも、反応が読めなくて正直ちょっと怖いぐらいだ。
(いいや、もう寝ちまおう。どうせその内治るだろうし)
半分やけっぱちになりながら、才人は目を閉じる。
「あら、サイト」
ルイズが話しかけてくるが、無視である。これ以上からかわ...
「もうおねむなのかしら」
おねむとか言うな俺はあかんぼじゃねーんだぞと心の中で叫...
「寝ちゃったのね、サイト」
少し寂しそうな声が、閉ざされた視界の向こうから聞こえて...
(へん、ざまーみろってんだ)
と、才人が少々みみっちい達成感を味わったその瞬間、彼は...
驚きで声を上げそうになるのを寸でのところで堪え、薄目を...
「サイト」
子守唄でも歌うような優しい調子で、ルイズが話しかけてく...
「かわいくって勇敢な、わたしだけの子犬ちゃん。大丈夫よ。...
その柔らかい声音を聞いていると、才人は本当に眠くなって...
今のルイズはまるで、彼女の姉であるカトレアのようだと才...
だが、違った。確かにカトレアとも似ているが、今のルイズ...
(母さん)
自然と、もうずっと会っていない母の姿が頭に浮かんでくる。
(あれ、おかしいな。俺、帰れなくて寂しいなんて思ったこと...
もう少しで涙があふれ出しそうなほど、目頭が熱くなってい...
いくら好奇心旺盛で順応性が高いとは言え、やはり才人も元...
自分の胸の奥にこれほどの望郷の念が眠っていたことに、才...
耳に響くルイズの鼓動を聞きながら、才人はいつしか深い眠...
846 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:10...
次に目を覚ましたのは、まだ真夜中という時分だった。
ルイズはまだ才人を抱きしめていたが、目を閉じて健やかな...
月明かりに浮かぶその穏やかな寝顔を見ていると、才人は何...
(やっぱ、このルイズはダメだ)
そっと彼女の腕の中から抜け出し、涙を拭いながら、才人は...
(俺はルイズを守るって誓ったんであって、こいつの優しさに...
どうせ、ルイズがあんな風になってしまったのはまたモンモ...
まだ身体に残っているルイズの温もりにほんの少しだけ名残...
モンモランシーの部屋に着いた才人は、控えめに部屋の扉を...
モンモランシーが出てこなかったら、扉を叩き切ってでも目...
「てめえコラモンモン」
と、勢いのままにモンモランシーに食って掛かろうとした才...
部屋から漏れる頼りない明かりに照らされたモンモランシー...
頬はこけ目は充血し、縦巻きロールの金髪はほつれてぼさぼ...
モンモランシーはしばらくぼんやりしていたが、やがて疲れ...
「なんだ、サイトじゃない。なんか用なの」
この投げやりな対応にも、才人は驚きを隠せなかった。ルイ...
「いや、ちょっとルイズがさ」
なんとなくしどろもどろになりながら才人が言うと、モンモ...
「心配しなくても大丈夫よ。すぐに元に戻るから」
「また一ヵ月後か一年後か分からないって言うんだろ」
「伸びても一週間だと思って。そういう薬なのよ。分かったら...
「それは見なくても分かるけど。なんかあったのかよ」
今やルイズのことと同じぐらいにモンモランシーのことが気...
「なんかあったかって。ええありましたとも。正直、死ぬかと...
「あのさ、悪いんだけど順を追って話してもらえないかそれ」
モンモランシーは少しの間しかめ面をしていたが、やがて諦...
847 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:10...
「今日の昼間、ルイズが来たんだけど」
「ああ、そう言えばどっか出かけてたっけ。お前んとこだった...
「そう」
「なんか、用事でもあったのかルイズの奴」
才人は何気なくそう訊いた。深い意味はなかった。ただ、ル...
しかし、対するモンモランシーの反応は奇妙であった。彼女...
「別に、大したことじゃないわ。それで、ルイズが来たんだけ...
「ああ」
才人も、それ以上は追及しなかった。女同士だし、男には話...
「そのときに紅茶を出したのよね」
「思ったより気が利くんだなお前」
「礼儀って言葉の意味ぐらいは知ってるつもりよ。問題はここ...
モンモランシーは頭痛でもしているかのように額を押さえる...
「あたしが作ってた失敗作の薬を、砂糖と間違えて紅茶にいれ...
「なんで間違えるんだよそんなの」
「最近かなりたくさん薬作ってて、いれる容器がなかったから...
「さっさと捨てとけよ失敗作なんか」
「そう簡単にはいかないわよ。ちゃんと処理しないと危険なん...
モンモランシーの説明はいちいち理屈が通っていた。それ故...
「お前がそんなにいっぱい薬作ってんのが悪い」
「無茶なこと言わないでよ」
「大体、なんでそんな張り切ってんのお前。金なくて材料だっ...
腹立ち紛れにそう言うと、モンモランシーはまた気まずげに...
(なんだ、こいつ)
才人は、得体の知れない気味悪さを覚えた。
(俺に、何か隠そうとしてるのか)
どうもそうらしいが、何を隠そうとしているのかは皆目見当...
誤ってルイズに薬を飲ませてしまったのを隠すならまだ分か...
(なんなんだよ気持ち悪ぃーな)
先ほどとは別種の苛立ちを才人が感じ始めたとき、モンモラ...
「それで、あたしは紅茶飲む前に薬が入っちゃったことに気付...
「ルイズは飲んじまったのか」
「うん。まあ、ルイズとあと一人いたんだけど」
モンモランシーは何故か頬を染めてそう言う。
それが誰かというのも気にはなったが、才人が本当に聞きた...
「で、その薬の効果は」
そう問うと、モンモランシーはわずかに複雑そうな顔をした。
848 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:11...
「その前に、聞いておきたいんだけど」
「なによ」
「ルイズ、どんな感じになっちゃってるの」
「どんなって」
才人は、昼間帰ってきてからのルイズの奇行を思い出す。だ...
「どうでもいいだろそんなの。とにかく変なんだよ」
半ば照れ隠しに、才人は怒鳴った。
するとモンモランシーは腕組みして唸った。
「あれってね」
「ああ」
「強調する薬なのよ」
才人は目を瞬かせた。
「なんだよそれ」
「飲んだ人の性格とか、身体とか、そういう、その人を構成す...
才人は自分があっさりとルイズに組み伏せられたり、ベッド...
あれも、薬の効果でルイズの筋力が増強された結果らしい。
「なんでそんな変なもん作るんだお前は」
「だから失敗だったのよ。最近あんまり寝てなかったもんだか...
「とにかくこっちはいい迷惑なんだ。すぐに治してくれ」
「あたしだってそうしたいんだけど」
モンモランシーは困ったように部屋の中を振り返る。
「ちょっと今、薬を調合できる状態じゃなくてね」
「なんだそりゃ」
「いろいろあるのよ。さっきも言ったけど、薬の効果はせいぜ...
「一週間もあんなルイズに付き合えってのかよ」
才人はうんざりしてそう言った。モンモランシーは少し興味...
849 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:12...
「そんなに大変なのルイズったら」
「おう」
「前のときよりも」
前のとき、とはもちろんあの惚れ薬事件のときのことだろう。
方向性は違うが、あのときと同じぐらいに大変なのは確かで...
どちらにしろ、薬の効果で好かれたり優しくされても嬉しく...
「でもねえ」
モンモランシーはまた疲れたため息を吐き出す。
「あたしだって、解毒剤作れたらすぐにでも作りたいんだけど...
「だから何なんだよさっきから。この部屋じゃ作れないっての」
「ええ。今の状態じゃね」
いちいち、歯切れの悪い返答である。才人は苛立ちながら訊...
「どういう意味よ」
「さっき言ったでしょ、薬飲んじゃったの、ルイズ以外にもう...
「ああ」
「その一人っていうのが」
「僕のことさ」
突然部屋の中から声が聞こえてきたと思った瞬間、暗闇から...
「ちょ、モンモン」
才人は慌てて背中のデルフリンガーに手をかける。部屋に踏...
「やあサイト、こんばんは」
そう言ってウインクしてきたのは、紛れもなくギーシュ・ド...
850 名前:ご主人様と犬[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:13...
彼は部屋においてあった椅子に優雅に腰掛けている。その膝...
「とりあえず、扉を閉めてもらえるかな。外に声が聞こえると...
才人は迷った。どうも、ギーシュもかなりおかしくなってい...
「安心したまえサイト。僕はただ、愛の営みに無粋な邪魔をい...
「愛の営みってお前」
「そう。つまりはこういうことさ」
言うが早いか、ギーシュはモンモランシーの口を塞いだまま...
そこからの展開は実に見事であった。ギーシュは膝の上のモ...
首筋や顔を舌や唇で責めつつ、片手で身体の至るところを愛...
二人は最終的に才人の目の前で交接まで演じてみせた。しか...
「ギーシュ、やめて」
小さく悲鳴を上げるモンモランシーをからかうように、ギー...
「おやおや、そう言いながら随分とよく締め付けてくれるじゃ...
「だって、だって」
羞恥と興奮で顔を赤くしながら、モンモランシーは小さく首...
「気持ちいいんだろう、モンモランシー。何も恥ずかしがるこ...
「でも、サイトだって見てるのに」
「安心したまえモンモランシー。そうやって雌犬のように乱れ...
「ああ、ギーシュ」
甘い声で囁かれ、モンモランシーはついに最後の羞恥心すら...
ギーシュの名を呼びながら、涙と涎を垂れ流して激しく切な...
「ギーシュ、好き、大好き」
「ああ、僕も愛しているともモンモランシー。さあ、また君の...
ギーシュがより一層強く腰を叩きつけると同時に、モンモラ...
ぐったりと床に身を横たえるモンモランシーを満足げに見下...
行為の激しさに比例しているかのように、精液の量も半端で...
「さて、それでは話をしようじゃないか、サイト」
「いや、その前にお前」
まるで出来のいいAVを見ていたみたいだと半ば呆れながら...
「やらしいとこ強調されすぎ」
851 名前:どっかのアホ[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 02:17...
またふらふらと投下させていただきました。>>532-534の続きで...
前に感想書いてくださった方々、ありがとうございました。
またあんまりエロくないですけど、楽しんで頂ければ幸いです。
たまにはギーシュが主導権握ってたっていいじゃない。
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