ゼロの使い魔保管庫
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15 名前:聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日...
部屋で本を読みながら気を紛らわせていると、ドアをノックす...
期待に胸を膨らませ、私はドアに駆け寄る。
ドアを開けると、そこには私の予想通りのひとが、満面の笑顔...
その首には、私が一生懸命編んだ…マフラーが。
そのマフラーは飾りも何も入れていない、ただ毛糸を編んだだ...
だって、時間がなかったし。私は基本的な編み方しか知らなく...
それを、なんの変哲もない紙袋に入れて、彼の部屋の前に置い...
誰からの贈り物かなんて、とてもじゃないけどわかりっこない。
…だけど。
だけど、彼には伝わったんだ。
これを贈ったのが私だって。
私は嬉しくて、何も言えなくなる。
そんな私を、彼は優しく抱きしめてくれて…。
「おねーさまー、いい加減起きるのねー」
そこで夢は醒めた。
タバサは生まれて初めて、『聖女の日』に贈り物をしようと決...
相手はもちろん才人。
タバサが贈り物に選んだのは、マフラー。
決心してから聖女の日まで日がなかったし、他にいいアイデア...
そして、前日までに、なんとか半分までは編み上げた。
残りの半分は、徹夜で仕上げて、当日の午前中に才人に届ける...
のだが。
慣れない作業と緊張から、タバサはつい居眠りをしてしまい…。
マフラーは未完成のまま、聖女の日はすでに半分が過ぎ去って...
タバサは慌てて窓の外を見る。
外はバケツをひっくり返したような大雨。当然日は指していな...
窓の近くで居眠りしていたのにもかかわらず、タバサが夜明け...
タバサは慌てて手元を確認する。
三分の二程度は完成しているマフラー。
しかし寝ぼけながら編み進めたために、最後の三分の一は編み...
どうしよう。
タバサは青ざめる。
このままだと、生まれて初めての聖女の日の贈り物が、台無し...
どうしよう。
タバサは手の中のマフラーの出来損ないを持て余したまま、呆...
どうしよう。
今から完成させたとして、できるのは夕刻以降。それから、才...
それどころか、他の女からの贈り物が才人の下に届く可能性の...
タバサの中の冷静な部分は、以上の結果から、結論を導き出し...
諦めよう。…また、来年もあるし。
でも。
来年も…彼はここに、いるのだろうか。
来年も…自分はここに、いられるのだろうか。
そんな不安が、タバサを揺り動かす。
そして、タバサは。
出来損ないのマフラーを抱えて、聖女の日のタブーを犯す決心...
16 名前:聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日...
部屋でボーっとしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
…ルイズか?昨日言ってた届け物がどーとかって。
聖女の日の曰くをギーシュ達に聞いていた俺は、期待半分、不...
ドアを開けると、そこには俺の予想外の人物が、俯いて立って...
…シャルロットだ。
って、まさかシャルロットも聖女の日のイベントってやつかー...
ん?まてよ?聖女の日の贈り物は贈り主をわかんないよーにす...
…じゃあまさか、シャルロットは俺に義理渡しにきたわけ?
ちょっと俺ががっかりしていると、突然。
シャルロットが泣き出した。
え、ええええええええーーーー??
ま、まてまて、こんなとこでシャルロット泣いてたら、まるで...
俺は慌ててシャルロットを部屋の中に引き込むと、ドアを閉じ...
部屋の中に入っても、シャルロットは泣き止まない。
どーしたんだ一体…?
俺はそんなシャルロットの前に屈むと、泣き続けるシャルロッ...
「なあシャルロット、どうしたんだよ?」
そんな俺に、嗚咽交じりの声でシャルロットは答えた。
「…聖女の日の贈り物…」
言ってシャルロットが差し出してきたのは、扁平な毛糸の塊。
…よく見るとマフラーに見える。編みかけの。
なんでかっていうと、マフラーとして使うには短いし、その半...
…ひょっとしてこれが?
「これ、俺にプレゼントしてくれるつもりだったのか?」
そう尋ねた俺に、ふるふるとシャルロットは頭を振った。
「…まだ、途中…」
言って、また目じりに大粒の涙を溜める。
わ、まてまてまて!
「ちょ、なんで泣くんだよっ!?」
俺の問いかけに、シャルロットは泣くのを止めて、とつとつと...
俺のために聖女の日の贈り物をしようと決心したこと。
その贈り物にマフラーを選んだこと。
そして、昨日徹夜で仕上げようとして、眠り込んでしまったこ...
そっか、そういうことかぁ…。
17 名前:聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日...
「ありがとうな、シャルロット」
俺はそう言って、シャルロットの手からマフラーもどきを奪い...
シャルロットは驚いた顔をして、俺を見つめた。
「俺のために一生懸命編んでくれたんだろ?
聖女の日とかそんなの関係なしに、嬉しいよ」
そう言った俺に、しかしシャルロットは顔を曇らせた。
「…だめなの」
え?
「…贈り物をして…。
…ちゃんと贈り主を当ててもらわないと…意味がない…」
言って、また泣きそうになる。
…ったくしょーがねえなあ、女の子って生き物はー。
俺は泣きそうになっているシャルロットを優しく抱きしめた。
俺の腕の中で、シャルロットが驚いた顔をする。
「『真実の愛』だっけ?
じゃあ代わりに、こういうのはどうだ?俺からも何か、贈り...
俺の言葉に、シャルロットはまだ不満げだ。
…もう一押し、してみるか。
「俺の故郷じゃ、こういう日の贈り物には贈り物で返すのが基...
もちろん、贈り主はわかるようにして。それでお互いの愛を...
まあ、今俺に贈れる物なんてないけど…。
そうだ、シャルロットの言うことなんでも聞く、ってのはど...
まあシャルロットならムチャ言わないだろうしな。
そう言った俺を、シャルロットは驚いた顔で見つめ…。
そして、泣きそうな顔のまま、聞いてきた。
「それがサイトの愛、なの…?」
すいませんねえ安っぽい愛で。
「モノがよければそうするけど?」
しかし俺のその提案に、シャルロットは首を振った。
「それでいい…」
そして、俺の胸板に顔を埋めてきた。
…ふう、ようやくご機嫌が直ったかぁ。
「じゃあ、まずどうすればいいかな?お姫様」
俺の質問に。
「…キス、して…」
シャルロットは、小声でそう応えた。
そして、とんでもない台詞を続けたのだ。
「…押し倒して…」
73 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
才人は固まった。
…キスまではいい。
当たり前ではあるが、いきなり押し倒すことをリクエストされ...
「あのねシャルロット?」
才人の言葉にしかし、タバサは下から才人を上目遣いに見上げ...
「…なんでも言うこと聞くって言った」
不満そうに眉をへの字に曲げて、そう言い放った。
…いやまあたしかにそうだけどもさ。
「…ホント、えっち好きだなあ、シャルロットは?」
才人は、人差し指をタバサで額をこつんと小突くと、わざと意...
するとタバサは赤くなって一瞬顔を背けたが、すぐにもう一度...
「…えっちが好きなんじゃない」
言って、一瞬の早業で才人にぎゅうっ、っと抱きつく。
「…サイトが、すきなの…」
思わぬカウンターパンチであった。
その一撃は才人のテンプルを見事直撃し、彼の貧弱な理性をTKO...
才人は即座にタバサを床に押し倒すと、乱暴にその小さな唇を...
「サイト…」
唇を開放されたタバサは、とろけた視線で、才人をじっと見つ...
すでに、心も身体もすっかりできあがっていた。
覆いかぶさる才人の首にそっと手を回して、彼の目に映りこん...
お互いの吐息が頬を焦がす。タバサの理性も、徐々に獣に支配...
しかし、才人の吐息は、すぐに言の葉に変わった。
「シャルロット、で、次は?」
…え。
甘い痺れにとろけかけていたタバサの意識が、少し、覚醒する。
「次にして欲しいこと言ってくれなきゃ?」
にやにやとイヤらしい笑顔を貼り付けて、才人はタバサの上で...
つまり、才人はこう言いたいのだ。
して欲しいこと全部言わなきゃ、してあげないよ?
…うー、いじわる…。
タバサは非難を込めて半眼で才人にガンを飛ばしたが。
「シャルロットがしたくないんならしょうがないなあ」
言って、首に絡みついたタバサの腕を解いて立ち上がろうとす...
74 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
「あ、やっ…!」
タバサは慌てて腕に力を込めて、才人に抱きつく。
そんなタバサを満足そうに見つめると、才人は勝ち誇ったよう...
「さ、シャルロットのして欲しいこと、言ってごらん?」
…この、へんたい…。
泣きそうな顔で才人に抱きついたまま、タバサは非難の視線を...
しかし、才人の言葉に抗えるだけの力は今のタバサにはなく。
「服、脱がせて…」
真っ赤になって顔を逸らしながら、才人に要求を告げるしかな...
サイトは私の言うがまま、私の服を脱がせ始めた…。
左手で私を抱えたまま、器用に右手でスカートのホックに手を...
無防備になった私の下半身はそのままで…。今度は、上着のボタ...
ひとつ、ひとつ、ボタンが外されていくたびに、私の鼓動が跳...
…ボタンがぜんぶ、外れた…。
少し冷たい外気に、肌が直接触れる。
でも、大丈夫…。
今から、サイトが、いっぱいあっためてくれるから…。
でも。
そこで才人の動きが止まった。
「全部、脱がせなくてもいいよな?」
え?どういう意味…?
サイトは私の服を前だけはだけさせて、そこで動きを止めてい...
全部脱がせてって、言わなきゃダメなのかな…。
はやくサイトに弄って欲しい私は、それを言葉にしようとした。
でもその言葉は、サイトの言葉で打ち消された。
「…このままでも、いじれるしな?」
…もう、えっちなんだから…。
私は彼のその言葉に、無言で頷いた。
75 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
うむ。やはり半脱ぎは正義である。
頬を染めて、シャルロットが俺の下から俺を見つめている。
はだけたYシャツの下からのぞく白い肌とかわいらしい桜色のポ...
その下には、薄い水色のショーツと、そこから伸びる白いニー...
正直たまりません。
しかし、俺は今にも襲い掛かりそうになる自分をかろうじて押...
「ほら、シャルロット。
して欲しいこと、言ってごらん?」
俺の言葉に、シャルロットは赤くなって視線を逸らす。
まだ吹っ切れてないかー?
でも。
そ れ が ま た い い。
シャルロットは、視線を逸らしたまま、小声で言った。
「…いじって…」
うんうん、俺だって早くいじりたいよ?でもね?
「もうちょっと、わかりやすく、具体的に言って欲しいなあ?」
シャルロットは俺の台詞に、ぐっ、と一瞬何かが詰まったよう...
「私の感じるところ…いじって…」
言ってきた。
…んーまあ、もう少しダイレクトにエロ語で言って欲しかったん...
まあ、及第点ってことにしときますか?
「よくできました♪」
俺はそう言って、もうすでに硬くなっているシャルロットの小...
「あんっ」
可愛い声を上げて、俺の頭を抱えるシャルロット。
…正直、動きにくいデス。
…あそっか、手が自由だから邪魔されんのか。
そこで俺は。
「…あっ…」
頭に回されたシャルロットの手を引き剥がし、その両手の指に...
シャルロットの顔が、嬉しそうに綻ぶ。
…ま、女の子がこういうの嬉しいのは分かってるけど。
なんかちょっと気に病めるな。
拘束するためだしなー。
なんて俺が考えていると、シャルロットが次の要求を口にしよ...
…少し、サービスしてやるかな。
俺はシャルロットがそれを口にする前に、シャルロットの唇を...
76 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
才人のキスと、優しく絡められた指に、タバサの心は完全に溶...
素直になろう。
ここにいるのは、今、二人だけ…。
そう思った瞬間、タバサの喉から自然に声が転がり出た。
「ぱんつ…脱がせて…」
その要求に、才人は絡ませていた指を解くと、タバサの腰に手...
薄い布の上からタバサの細い腰に才人の指が触れたとき、タバ...
才人はそのままその湿った薄い布をタバサの脚から抜き取る。
そして、もう一度タバサに覆いかぶさる。
「それじゃ…?」
言おうとした才人の唇を、タバサが人差し指で塞ぐ。
そして、自ら眼鏡を外し、素顔で才人をじっと見つめて、言っ...
「サイトのおちんちんで…私を奥まで、犯して…」
その言葉に、才人は。
自らをズボンの前から引き出し、タバサの秘裂を一気に奥まで...
互いの両手の指を絡めると、タバサの唇を乱暴に塞いだ。
77 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
聖女の日の次の日、タバサに会いに行った。
うまくいったかしらあの娘?
彼女の部屋の前に着き、私はドアをノックする。
「はーい、誰なのー?」
あれ、この声は。
タバサの使い魔、シルフィードの声。
「私よ。キュルケ」
私の声に、シルフィードは扉を開けてくれて…。
いきなり抱きついてきた。
「よかったのねー!お姉さまが壊れちゃったのねー!」
へ?タバサが壊れた???
ま、まさか…!サイトにふられれてっ…!?
私は慌てて部屋の中に駆け込む。
すると。
…これダレ?
寝巻きのまま、枕を抱えてもんのすごい満面の笑みをたたえた...
「…タバサ?」
私が名前を呼ぶと。
もんのすごいキモいにやにや顔でタバサがこっちを向く。
…私の背中をイヤな汗が流れ落ちる…。
「ねーねー聞いて聞いてキュルケーっ!」
枕を放したタバサがおもいっきり飛びついてきた。
…壊れたってこういうことかーっ!!
そして私は目線でシルフィードに疑問をぶつける。
「し、しらないのねー!お祝いだってお酒飲んだらこうなっち...
な、なるほどうまくはいったわけね?
で、でもこんなになるくらい飲むなんて…。
よく見ると、ベッドサイドには私でもめったに飲まない強い銘...
これが原因か!
「あのねあのねあのね、昨日、サイトがねっ」
「ああもうわかったから落ち着きなさいな!聞いてあげるから...
しかし、私の声はタバサには届いていなかったみたいで。
そして、そのあと小一時間、私は雨あられとおのろけを喋りま...
終了行:
15 名前:聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日...
部屋で本を読みながら気を紛らわせていると、ドアをノックす...
期待に胸を膨らませ、私はドアに駆け寄る。
ドアを開けると、そこには私の予想通りのひとが、満面の笑顔...
その首には、私が一生懸命編んだ…マフラーが。
そのマフラーは飾りも何も入れていない、ただ毛糸を編んだだ...
だって、時間がなかったし。私は基本的な編み方しか知らなく...
それを、なんの変哲もない紙袋に入れて、彼の部屋の前に置い...
誰からの贈り物かなんて、とてもじゃないけどわかりっこない。
…だけど。
だけど、彼には伝わったんだ。
これを贈ったのが私だって。
私は嬉しくて、何も言えなくなる。
そんな私を、彼は優しく抱きしめてくれて…。
「おねーさまー、いい加減起きるのねー」
そこで夢は醒めた。
タバサは生まれて初めて、『聖女の日』に贈り物をしようと決...
相手はもちろん才人。
タバサが贈り物に選んだのは、マフラー。
決心してから聖女の日まで日がなかったし、他にいいアイデア...
そして、前日までに、なんとか半分までは編み上げた。
残りの半分は、徹夜で仕上げて、当日の午前中に才人に届ける...
のだが。
慣れない作業と緊張から、タバサはつい居眠りをしてしまい…。
マフラーは未完成のまま、聖女の日はすでに半分が過ぎ去って...
タバサは慌てて窓の外を見る。
外はバケツをひっくり返したような大雨。当然日は指していな...
窓の近くで居眠りしていたのにもかかわらず、タバサが夜明け...
タバサは慌てて手元を確認する。
三分の二程度は完成しているマフラー。
しかし寝ぼけながら編み進めたために、最後の三分の一は編み...
どうしよう。
タバサは青ざめる。
このままだと、生まれて初めての聖女の日の贈り物が、台無し...
どうしよう。
タバサは手の中のマフラーの出来損ないを持て余したまま、呆...
どうしよう。
今から完成させたとして、できるのは夕刻以降。それから、才...
それどころか、他の女からの贈り物が才人の下に届く可能性の...
タバサの中の冷静な部分は、以上の結果から、結論を導き出し...
諦めよう。…また、来年もあるし。
でも。
来年も…彼はここに、いるのだろうか。
来年も…自分はここに、いられるのだろうか。
そんな不安が、タバサを揺り動かす。
そして、タバサは。
出来損ないのマフラーを抱えて、聖女の日のタブーを犯す決心...
16 名前:聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日...
部屋でボーっとしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
…ルイズか?昨日言ってた届け物がどーとかって。
聖女の日の曰くをギーシュ達に聞いていた俺は、期待半分、不...
ドアを開けると、そこには俺の予想外の人物が、俯いて立って...
…シャルロットだ。
って、まさかシャルロットも聖女の日のイベントってやつかー...
ん?まてよ?聖女の日の贈り物は贈り主をわかんないよーにす...
…じゃあまさか、シャルロットは俺に義理渡しにきたわけ?
ちょっと俺ががっかりしていると、突然。
シャルロットが泣き出した。
え、ええええええええーーーー??
ま、まてまて、こんなとこでシャルロット泣いてたら、まるで...
俺は慌ててシャルロットを部屋の中に引き込むと、ドアを閉じ...
部屋の中に入っても、シャルロットは泣き止まない。
どーしたんだ一体…?
俺はそんなシャルロットの前に屈むと、泣き続けるシャルロッ...
「なあシャルロット、どうしたんだよ?」
そんな俺に、嗚咽交じりの声でシャルロットは答えた。
「…聖女の日の贈り物…」
言ってシャルロットが差し出してきたのは、扁平な毛糸の塊。
…よく見るとマフラーに見える。編みかけの。
なんでかっていうと、マフラーとして使うには短いし、その半...
…ひょっとしてこれが?
「これ、俺にプレゼントしてくれるつもりだったのか?」
そう尋ねた俺に、ふるふるとシャルロットは頭を振った。
「…まだ、途中…」
言って、また目じりに大粒の涙を溜める。
わ、まてまてまて!
「ちょ、なんで泣くんだよっ!?」
俺の問いかけに、シャルロットは泣くのを止めて、とつとつと...
俺のために聖女の日の贈り物をしようと決心したこと。
その贈り物にマフラーを選んだこと。
そして、昨日徹夜で仕上げようとして、眠り込んでしまったこ...
そっか、そういうことかぁ…。
17 名前:聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日...
「ありがとうな、シャルロット」
俺はそう言って、シャルロットの手からマフラーもどきを奪い...
シャルロットは驚いた顔をして、俺を見つめた。
「俺のために一生懸命編んでくれたんだろ?
聖女の日とかそんなの関係なしに、嬉しいよ」
そう言った俺に、しかしシャルロットは顔を曇らせた。
「…だめなの」
え?
「…贈り物をして…。
…ちゃんと贈り主を当ててもらわないと…意味がない…」
言って、また泣きそうになる。
…ったくしょーがねえなあ、女の子って生き物はー。
俺は泣きそうになっているシャルロットを優しく抱きしめた。
俺の腕の中で、シャルロットが驚いた顔をする。
「『真実の愛』だっけ?
じゃあ代わりに、こういうのはどうだ?俺からも何か、贈り...
俺の言葉に、シャルロットはまだ不満げだ。
…もう一押し、してみるか。
「俺の故郷じゃ、こういう日の贈り物には贈り物で返すのが基...
もちろん、贈り主はわかるようにして。それでお互いの愛を...
まあ、今俺に贈れる物なんてないけど…。
そうだ、シャルロットの言うことなんでも聞く、ってのはど...
まあシャルロットならムチャ言わないだろうしな。
そう言った俺を、シャルロットは驚いた顔で見つめ…。
そして、泣きそうな顔のまま、聞いてきた。
「それがサイトの愛、なの…?」
すいませんねえ安っぽい愛で。
「モノがよければそうするけど?」
しかし俺のその提案に、シャルロットは首を振った。
「それでいい…」
そして、俺の胸板に顔を埋めてきた。
…ふう、ようやくご機嫌が直ったかぁ。
「じゃあ、まずどうすればいいかな?お姫様」
俺の質問に。
「…キス、して…」
シャルロットは、小声でそう応えた。
そして、とんでもない台詞を続けたのだ。
「…押し倒して…」
73 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
才人は固まった。
…キスまではいい。
当たり前ではあるが、いきなり押し倒すことをリクエストされ...
「あのねシャルロット?」
才人の言葉にしかし、タバサは下から才人を上目遣いに見上げ...
「…なんでも言うこと聞くって言った」
不満そうに眉をへの字に曲げて、そう言い放った。
…いやまあたしかにそうだけどもさ。
「…ホント、えっち好きだなあ、シャルロットは?」
才人は、人差し指をタバサで額をこつんと小突くと、わざと意...
するとタバサは赤くなって一瞬顔を背けたが、すぐにもう一度...
「…えっちが好きなんじゃない」
言って、一瞬の早業で才人にぎゅうっ、っと抱きつく。
「…サイトが、すきなの…」
思わぬカウンターパンチであった。
その一撃は才人のテンプルを見事直撃し、彼の貧弱な理性をTKO...
才人は即座にタバサを床に押し倒すと、乱暴にその小さな唇を...
「サイト…」
唇を開放されたタバサは、とろけた視線で、才人をじっと見つ...
すでに、心も身体もすっかりできあがっていた。
覆いかぶさる才人の首にそっと手を回して、彼の目に映りこん...
お互いの吐息が頬を焦がす。タバサの理性も、徐々に獣に支配...
しかし、才人の吐息は、すぐに言の葉に変わった。
「シャルロット、で、次は?」
…え。
甘い痺れにとろけかけていたタバサの意識が、少し、覚醒する。
「次にして欲しいこと言ってくれなきゃ?」
にやにやとイヤらしい笑顔を貼り付けて、才人はタバサの上で...
つまり、才人はこう言いたいのだ。
して欲しいこと全部言わなきゃ、してあげないよ?
…うー、いじわる…。
タバサは非難を込めて半眼で才人にガンを飛ばしたが。
「シャルロットがしたくないんならしょうがないなあ」
言って、首に絡みついたタバサの腕を解いて立ち上がろうとす...
74 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
「あ、やっ…!」
タバサは慌てて腕に力を込めて、才人に抱きつく。
そんなタバサを満足そうに見つめると、才人は勝ち誇ったよう...
「さ、シャルロットのして欲しいこと、言ってごらん?」
…この、へんたい…。
泣きそうな顔で才人に抱きついたまま、タバサは非難の視線を...
しかし、才人の言葉に抗えるだけの力は今のタバサにはなく。
「服、脱がせて…」
真っ赤になって顔を逸らしながら、才人に要求を告げるしかな...
サイトは私の言うがまま、私の服を脱がせ始めた…。
左手で私を抱えたまま、器用に右手でスカートのホックに手を...
無防備になった私の下半身はそのままで…。今度は、上着のボタ...
ひとつ、ひとつ、ボタンが外されていくたびに、私の鼓動が跳...
…ボタンがぜんぶ、外れた…。
少し冷たい外気に、肌が直接触れる。
でも、大丈夫…。
今から、サイトが、いっぱいあっためてくれるから…。
でも。
そこで才人の動きが止まった。
「全部、脱がせなくてもいいよな?」
え?どういう意味…?
サイトは私の服を前だけはだけさせて、そこで動きを止めてい...
全部脱がせてって、言わなきゃダメなのかな…。
はやくサイトに弄って欲しい私は、それを言葉にしようとした。
でもその言葉は、サイトの言葉で打ち消された。
「…このままでも、いじれるしな?」
…もう、えっちなんだから…。
私は彼のその言葉に、無言で頷いた。
75 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
うむ。やはり半脱ぎは正義である。
頬を染めて、シャルロットが俺の下から俺を見つめている。
はだけたYシャツの下からのぞく白い肌とかわいらしい桜色のポ...
その下には、薄い水色のショーツと、そこから伸びる白いニー...
正直たまりません。
しかし、俺は今にも襲い掛かりそうになる自分をかろうじて押...
「ほら、シャルロット。
して欲しいこと、言ってごらん?」
俺の言葉に、シャルロットは赤くなって視線を逸らす。
まだ吹っ切れてないかー?
でも。
そ れ が ま た い い。
シャルロットは、視線を逸らしたまま、小声で言った。
「…いじって…」
うんうん、俺だって早くいじりたいよ?でもね?
「もうちょっと、わかりやすく、具体的に言って欲しいなあ?」
シャルロットは俺の台詞に、ぐっ、と一瞬何かが詰まったよう...
「私の感じるところ…いじって…」
言ってきた。
…んーまあ、もう少しダイレクトにエロ語で言って欲しかったん...
まあ、及第点ってことにしときますか?
「よくできました♪」
俺はそう言って、もうすでに硬くなっているシャルロットの小...
「あんっ」
可愛い声を上げて、俺の頭を抱えるシャルロット。
…正直、動きにくいデス。
…あそっか、手が自由だから邪魔されんのか。
そこで俺は。
「…あっ…」
頭に回されたシャルロットの手を引き剥がし、その両手の指に...
シャルロットの顔が、嬉しそうに綻ぶ。
…ま、女の子がこういうの嬉しいのは分かってるけど。
なんかちょっと気に病めるな。
拘束するためだしなー。
なんて俺が考えていると、シャルロットが次の要求を口にしよ...
…少し、サービスしてやるかな。
俺はシャルロットがそれを口にする前に、シャルロットの唇を...
76 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
才人のキスと、優しく絡められた指に、タバサの心は完全に溶...
素直になろう。
ここにいるのは、今、二人だけ…。
そう思った瞬間、タバサの喉から自然に声が転がり出た。
「ぱんつ…脱がせて…」
その要求に、才人は絡ませていた指を解くと、タバサの腰に手...
薄い布の上からタバサの細い腰に才人の指が触れたとき、タバ...
才人はそのままその湿った薄い布をタバサの脚から抜き取る。
そして、もう一度タバサに覆いかぶさる。
「それじゃ…?」
言おうとした才人の唇を、タバサが人差し指で塞ぐ。
そして、自ら眼鏡を外し、素顔で才人をじっと見つめて、言っ...
「サイトのおちんちんで…私を奥まで、犯して…」
その言葉に、才人は。
自らをズボンの前から引き出し、タバサの秘裂を一気に奥まで...
互いの両手の指を絡めると、タバサの唇を乱暴に塞いだ。
77 :聖女の日〜タバサの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/21(水) ...
聖女の日の次の日、タバサに会いに行った。
うまくいったかしらあの娘?
彼女の部屋の前に着き、私はドアをノックする。
「はーい、誰なのー?」
あれ、この声は。
タバサの使い魔、シルフィードの声。
「私よ。キュルケ」
私の声に、シルフィードは扉を開けてくれて…。
いきなり抱きついてきた。
「よかったのねー!お姉さまが壊れちゃったのねー!」
へ?タバサが壊れた???
ま、まさか…!サイトにふられれてっ…!?
私は慌てて部屋の中に駆け込む。
すると。
…これダレ?
寝巻きのまま、枕を抱えてもんのすごい満面の笑みをたたえた...
「…タバサ?」
私が名前を呼ぶと。
もんのすごいキモいにやにや顔でタバサがこっちを向く。
…私の背中をイヤな汗が流れ落ちる…。
「ねーねー聞いて聞いてキュルケーっ!」
枕を放したタバサがおもいっきり飛びついてきた。
…壊れたってこういうことかーっ!!
そして私は目線でシルフィードに疑問をぶつける。
「し、しらないのねー!お祝いだってお酒飲んだらこうなっち...
な、なるほどうまくはいったわけね?
で、でもこんなになるくらい飲むなんて…。
よく見ると、ベッドサイドには私でもめったに飲まない強い銘...
これが原因か!
「あのねあのねあのね、昨日、サイトがねっ」
「ああもうわかったから落ち着きなさいな!聞いてあげるから...
しかし、私の声はタバサには届いていなかったみたいで。
そして、そのあと小一時間、私は雨あられとおのろけを喋りま...
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