ゼロの使い魔保管庫
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164 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
「おはよー、お姉ちゃん」
「あ、おはようタニア」
朝もやに煙る水場で、二人はいつものように挨拶を交わす。
ウエストウッドの村では、この二人が一番の早起きだ。
家事を一手に担うティファニアと、それを手伝うタニア。
ずいぶん前から、水場で朝一番に顔を洗うのは、この二人にな...
しかし。
「今日は遅刻しなかったねー?」
タニアの言葉に、ティファニアの身体がぎしっ!と音をたてて...
顔も耳まで真っ赤になる。
そう、最近ティファニアは朝一番に水場にこないことがある。
「やややややーねタニア、この前のはたまたまよたまたま」
ぎこちない動きで水場に置いてあるコップに水を注ぎ、赤い顔...
しかしタニアは容赦しない。
「五回続いたらたまたまって言わないんじゃなーい?」
ばしゃっ!
勢い余って、ティファニアは手にしたコップに溜まった水を自...
「あ、ああああああれは疲れてたからっ」
「お兄ちゃんとこで寝るようになってからだよねー?遅刻する...
ぼんっ!
タニアの指摘に、ティファニアの顔面が火を噴く。
「いやあのでもそれはえっとあのそのっ」
まるで伝承の巨人・ヘカトンケイルのように腕をあっちこっち...
そんな自称保護者にタニアはにやりと笑って言った。
「なんならもうちょっとゆっくりしててもいいよ?
朝の準備はしとくからさ」
「いいっ!ちゃんと起きられるからっ!」
どちらが保護者かわからないやり取りである。
しかしティファニアの台詞はこの先、あまり守られることなく...
そう遠くない未来、ウエストウッドの朝餉の準備は、結局タニ...
166 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
たくさんの人数分の料理を作るのは、大変な仕事…というわけで...
汁物は前日に仕込んでおけばいいだけだし、サラダの類も野菜...
あとは、適当に切り分けたパンを各自の皿に盛り分けるだけだ。
とどのつまり、朝餉の準備はパンを切り分けることとスープを...
タニアはサラダを担当し、スープとパンはティファニアが担当...
「ねえお姉ちゃん、今日はどうするの?」
サラダの野菜を細かく切り分けながら、唐突にタニアが聞いて...
今日?なんかあったっけ?
「今日?なんのこと?」
ティファニアは記憶を探ってみる。
誰かの誕生日?それとも何かの記念日だっけ?
どうやら思い当たっていないらしい保護者に、タニアは深いた...
「今日は『聖女の日』だよ?
お兄ちゃんに贈り物しなくていいわけ?」
タニアの言葉に。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
ティファニアは思わず叫んでしまった。
忘れてた。完全に。
当然贈り物など用意してあるはずもなく、ティファニアは慌て...
でも。
「で、でもあれって告白してない女の子のイベントだしっ」
とりあえず言い訳してみる。
だがタニアには通じない。
「…お兄ちゃん可哀そう」
「あ」
「楽しみにしてただろうなー。『聖女の日』にお姉ちゃんから...
「う」
「最近は、恋人同士になってからのほうが『聖女の日』は大事...
「あうあうあうあうあうあうあうあう」
「お姉ちゃん嫌われちゃうかもよ〜?」
「ど、どうしようタニアっ!?どうしよ〜〜〜〜〜??」
泣きそうな顔で、自称保護者はタニアにすがりつく。
言動だけなら、どっちが保護者か分からない。
ホントに、どーしょーもない保護者だこと…。
半分呆れて、タニアは言った。
「どうするもこうするも、今から準備して間に合う贈り物を用...
タニアの指摘は的確であった。
もとよりそうするしか他に道はない。
167 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
「そ、そうよね…。
うん、頑張ってみる」
とりあえず思い直し、ティファニアは贈り物を思案する。
しかし。
「考えるのはいいけどさ。
スープ焦げるよお姉ちゃん」
冷静なタニアの突っ込みに、ティファニアは慌ててスープをか...
その日の朝食のスープは、ほんの少し焦げ臭かった。
結局半日考えて。
どーしよー!
思いつかないよー!
すぐに用意できるもので、サイトが喜びそうなもので、しかも...
用意できるわけないじゃないのっ!
私はお昼の用意をしがてら、台所でぐるぐる回る。
すぐ準備できるものの候補って言ったら。
お料理…くらいしかない。
でもでも、料理が贈り物だって気づいてくれるかなサイトは?
…あれで結構鈍感だし…。
そうこうしていると。
「おねえちゃーん、おなかすいたあー」
エマが、台所の入り口からそう声をかけてきた。
外を見ると、日はすでに傾き始めている。
あ、まずい、お昼出さなきゃ!
「はいはい待っててね、すぐ準備するから」
私は慌ててお昼のシチューをお皿に取り分ける。
うー、こんな事してる場合じゃないのにっ!
結局お昼の後片付けが済むまで、サイトへの贈り物を考える暇...
なるほど、こっちのバレンタインみたいなものなのか。
俺は、タニアが口にした『聖女の日』の解説を、タニア自身か...
「ほーんと、なんにも知らないんだねお兄ちゃんてば」
呆れたようにタニアがそう言う。
…そりゃそうだ。俺元々こっちの世界の人間じゃないんだし。
そんなタニアに俺はいつもの言い訳をする。
「俺の故郷じゃそんなイベントなかったしなあ」
とりあえず万能の言い訳だ。
でも、今日のタニアは何か不満そうだ。
「…知らなかったらスルーするとこだったね?」
顔は笑ってるが目が笑ってない。
…まあ、知らなかったら贈り物が目の前にあっても、その贈り主...
まあいいや、とりあえず。
「そうだな。教えてくれてありがとな、タニア」
俺はタニアのブルネットの髪をくしゃくしゃと撫でると、薪割...
タニアはまだ何か言いたそうだったが、俺が鉈を手にして薪割...
168 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
その夜。
才人が仕事を済ませ、部屋に戻ると。
寝室の円卓の上に、小さな紙が置いてあった。
この数ヶ月の間、才人はティファニアに、読み書きを教えても...
ロサイスに買い物に行く際、読み書きができなくては何かと不...
「ん?どれどれ」
そこにはこう書いてあった。
『贈り物があるから、寝ないで待ってて』
差出人の名前はないが…。
「思いっきりテファの字じゃん…」
このウエストウッドでまともに読み書きができるのは、ティフ...
そして、この丁寧な字は、間違いなくティファニアのもの。
字を習いたての才人でも、それくらいはわかる。
夕食の後にでも、贈り物を渡すつもりなのか。
しかしそれでは。
「…聖女の日の贈り物って、贈り主が直接渡したらたらダメなん...
昼間タニアに聞いた聖女の日のルールを思い出す。
…ひょっとして。
才人の頭脳は一つの可能性を導き出す。
「この手紙が、贈り物の代わり、ってイミかなぁ?」
呟きながら才人が手紙を手にしていると。
ドアをコンコンとノックする音が聞こえた。
この時間にこの部屋のドアをノックする人物は一人しかいない。
ティファニアだ。
才人はいつものようにドアを開けて、ティファニアを部屋に招...
「あ、あの、サイト」
ティファニアは料理をテーブルの上に置くと、急にもじもじし...
あ、そうか。
才人は聖女の日のルールを思い出す。
贈り主を当てないと、いけないんだっけ。
「この手紙、テファが?」
才人のその言葉に、それまで俯いていたティファニアは顔を上...
「う、うん」
そして頷いた。
しかしその直後、少し申し訳なさそうな顔をして。
「でも、ごめんね。時間なくて、大した贈り物、用意できてな...
謝った。
169 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
しかし才人は、そんなティファニアの様子を気にすることもな...
「いいよ、テファが贈り物してくれるってだけで嬉しいし」
にっこりとティファニアに笑いかける。
優しいね、サイト…。
ティファニアはそんな才人の態度に、想い人への愛しさを募ら...
そして二人は、いつものように夕食を採り…。
「ごちそうさま」
「お粗末様でした」
夕食が終わり、ティファニアは夕食以外に持ってきていた、陶...
ティファニアはその小瓶を持ったまま、ベッドの方へ歩いてい...
ランプの明かりに照らされたその頬は、少し赤くなっていた。
「サイト、贈り物渡すから…こっちきて」
才人は言われるまま、ティファニアの前に立つ。
ティファニアは陶器の小瓶を両手で持ったまま、赤い頬で才人...
…なんだろう?あの小瓶がプレゼントなんだろうか?
疑問に思う才人を尻目に、ティファニアはその小瓶の蓋を開け...
その口から香る、甘い香り。
「これ…チョコレート?」
才人は驚いたように言う。
カカオの実を焙煎して作るチョコレートは、ハルケギニアでは...
日本ではポピュラーなおやつだが、栽培技術も流通経路も発達...
才人はそれを、ロサイスへの何度かの買出しによって、知りえ...
「これね…私が自分で作ったの…。
ほんとは、自分でこっそり食べるつもりだったんだよ」
言って、いたずらっぽく舌をぺろりと出す。
「そんな、悪いよ…テファも楽しみにしてたんだろ?」
しかし才人の心配をよそに。
ティファニアはとんでもない行動に出た。
いきなり夜着の前をはだけ、規格外に大きな胸を晒すと。
小瓶に溜まった茶色い液体を、その白い柔肉の双球に、まんべ...
息を呑む才人に、ティファニアは言った。
「これ、全部、サイトが…。
サイトが、食べて、いいから…」
211 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
こ。
これがホントの。
チョコパイってやつですかーーーーーーーーーーーーーーー!?
俺の視線はチョコ塗れのテファの胸に釘付けになる。
鼻息の勢いがマックスになり、俺のホームランバーがズボンが...
やばい限界。もう辛抱たまらん。
俺はそのまま一気にテファを押し倒
「まって、サイト」
?テファの両肩を掴んだ俺の手を、テファ自身が掴んだ。
「ちゃんと、贈り物、食べてから…ね?」
言って、恥ずかしそうに胸の下に両手を入れて、俺のほうに大...
すいません私がわるうございました。
「まずはそのけしからんチョコパイを成敗してからですネー!...
あ、いかん声が。
思わず叫んだ俺を、テファが変な目で見てる。
…ヤベ。やっちゃった。
しかしテファは、くすりと笑うと。
「けしからんかどうかはわかんないけど…。
成敗して♪」
言っていたずらっぽく舌をぺろりと出してみせる。
その仕草に、俺は即座にクライマックスに達した。
「テファーっ!」
俺はチョコ塗れのテファの胸にむしゃぶりついた。
しかし流石は胸革命。一口では収まりません。
するってえと、口に入る範囲を順番に舐め取っていくしかない...
最初は理性がぶっ飛んでいきなり右のてっぺんにいっちゃった...
やっぱここはアレですね。
周りから攻めるべきデスネ!
212 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
な、なんでサイトっていっつもこうなの…?
私は、いつまでたっても終わらないサイトのねちっこい責めに...
「さ、サイトぉ…」
サイトは私の胸についたチョコを、舌で舐めたり、吸い付いて...
最初の一回以外、一度も、その、一番敏感なところを責めてこ...
私はたまらなくなって、サイトの頭を捕まえて、一番感じると...
でも。
サイトはそんな私の思惑を見越してか、私の両手をがっしり握...
「酷いよぉ…サイト…」
涙が出てくる。
じわじわ感じさせられ続けて、私の身体はもう限界だった。
胸の先端で、乳首が千切れそうなくらいはれ上がってる。
股間はもう、お漏らししたみたいにべとべとで…。
「じらさないでよぉ…もう、つらいの…」
私は必死に訴えるけど…。
「テファ、じらされるの好きだろ?」
イヤらしい笑顔でサイトがそんなこと言ってくる。
そ、そんなことないもん…。
私は否定の言葉の代わりに、俯いて頭をふるふると振る。
そんな私の顎を、サイトが軽くつまんで上を向かせた。
「そう?いきなりするより、じっくりじらしたほうが…」
言って、両手で胸を挟み込んで、揉んでくる。
やだぁ…こんな、地味な刺激じゃやぁ…。
そしてサイトは続ける。
「スゴい逝き方してるみたいだけど?」
その台詞に、私の顔は真っ赤になる。
…た、たしかにそうだけど!
で、でもそれはじらされた反動なんだもん…。
じらされるのが好きなんじゃないもん…。
私の中で、何かがキレた。
そんな、意地悪言うんだったら…!
私は油断しきっているサイトの両腕を掴みかえして、無理やり...
「サイトのいじわるっ!」
「えっ!?」
一瞬の早業に、サイトが驚いた顔をする。
ふんだ。もう許さないんだから!
私は膨らんだサイトの股間に目をつけると、一気にズボンを引...
「サイトも、じらされてみればいいのよっ!」
そして私は。
まだチョコの残っている胸の谷間で、彼を包み込んだ。
213 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
うひょおおおおおおお?
こ、コレは正直たまりません!
チョコがローションの代わりになって、テファの胸の谷間を出...
ぬるぬるとした感触と、テファの柔らかい胸の感触に、愚息は...
行かなかった。
「…おしおきなんだから」
ちょっとまってええええええええええええ!そこで止めないで...
テファは俺の息子が限界に近いと見るや、胸の谷間を全開にし...
チョコに完全にコーティングされた俺のホームランバーは、テ...
う、うわ、こ、腰が勝手に動いて…。
テファの胸に吸い寄せられるううううううううう。
しかしテファは身体を引いて、ホームランバーから遠ざかる。
「少しは身をもって反省しなさい!」
半眼でそんなこと言ってくる。
イヤちょっと待ってマジでツラいんですけどこれっ!
か、かと言って自分でコスるわけにもいかないしっ!
しょ、しょうがないここは…。
「ご、ごめんテファ!もうしないから!じらしたりしないから...
情けないけど、謝るしかない。
「ホントにぃ?」
テファは俺の脚の間から、不信の視線を向けてくる。
…うっわ俺信用されてねー。
「ホント、ホントだからっ!」
…ちゃんと逝かせてください。マジつらいっす。
「…しょうがないなあ」
テファはそう言って、にっこり笑うと。
また胸の谷間で、いまかいまかと待ち構える俺のホームランバ...
おおう…なんか一旦間を置かれると…。
さらにキモチイイですネ!
そして、テファはいつものように俺の愚息を胸の谷間でしごき...
「くぅっ…テファっ…」
そして俺はすぐに限界を迎え…。
なかった。
俺の限界を悟ったテファは、またしても俺のブラックバスをキ...
「て、テファぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ」
「…おしおきですっ」
結局、テファの『お仕置き』は、4回ほど続いた。
…情けないことに、4回目のお仕置きで、俺は空中で逝ってしま...
214 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
「たーしーかーに、じらしたほうがスゴいのは認めますっ」
「ふぁい」
行為のあと。
ベッドの上で、裸のまま、珍しく才人はティファニアに叱られ...
あのあと、才人はさんざん焦らされた後、特濃のホワイトチョ...
そして今、才人はいままでの事をさんざんティファニアに叱ら...
「でも、焦らされるのはすっごいつらいの。わかる?」
「わ、わかりましたぁ…」
それはもう身をもって思い知らされた。
自分がティファニアにどんなことをしてきたのか、才人は理解...
「今度から、『焦らさないで』って言ったらじらしちゃダメよ...
まるで出来の悪い生徒をしかる女教師のように、ティファニア...
「…でも、言わなかったときは焦らしていいんだよな?」
才人はそんなティファニアの言葉尻を捕らえる。
ティファニアは一瞬考えた後、赤くなりながら応えた。
「…いいけど…」
ちょ、ちょっとは、ほんのちょっとは焦らされるの好きだし…。
そんなことを考えながら、ティファニアは目の前で無闇に頷い...
そして思い出した。
もう一つ、贈り物があったことを。
「…あのね、サイト。
もう一つ、贈り物があるの」
ティファニアは優しい声でそう言った。
その言葉に、才人は驚いた顔をする。
この上何をプレゼントしてくれるというのだろう。
ティファニアは、そっと下腹部に手を沿えると、言った。
「あのね。
今月、女の子の日が来てないの」
それはつまり。
種の入っていない卵が、排出されていないという意味で。
「え?それってテファ…」
驚く才人に、ティファニアは続ける。
「…名前、どうしよっか?」
母親の優しい笑顔を湛えるティファニアを、才人は優しく抱き...
215 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
そこは、才人が薪割りをしている場所だった。
タニアはそこで、星空を見上げて、手にした毛糸の手袋を広げ...
それは、ウエストウッドの村で、一番大きな手の持ち主に合う...
「ま、最初の『聖女の日』はうまくいかないっていうのが普通...
そう言ってタニアは、空を見上げたまま、その手袋を才人が普...
「ほんと、貧乏籤よね、私ってば」
言いながら、空を見上げたまま、家のほうへ歩いていく。
「そろそろ寝ようかな。
…明日早起きしないと、テファお姉ちゃん完全に遅刻だろうし...
空を見上げたまま、タニアはそう呟いた。〜fin
終了行:
164 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
「おはよー、お姉ちゃん」
「あ、おはようタニア」
朝もやに煙る水場で、二人はいつものように挨拶を交わす。
ウエストウッドの村では、この二人が一番の早起きだ。
家事を一手に担うティファニアと、それを手伝うタニア。
ずいぶん前から、水場で朝一番に顔を洗うのは、この二人にな...
しかし。
「今日は遅刻しなかったねー?」
タニアの言葉に、ティファニアの身体がぎしっ!と音をたてて...
顔も耳まで真っ赤になる。
そう、最近ティファニアは朝一番に水場にこないことがある。
「やややややーねタニア、この前のはたまたまよたまたま」
ぎこちない動きで水場に置いてあるコップに水を注ぎ、赤い顔...
しかしタニアは容赦しない。
「五回続いたらたまたまって言わないんじゃなーい?」
ばしゃっ!
勢い余って、ティファニアは手にしたコップに溜まった水を自...
「あ、ああああああれは疲れてたからっ」
「お兄ちゃんとこで寝るようになってからだよねー?遅刻する...
ぼんっ!
タニアの指摘に、ティファニアの顔面が火を噴く。
「いやあのでもそれはえっとあのそのっ」
まるで伝承の巨人・ヘカトンケイルのように腕をあっちこっち...
そんな自称保護者にタニアはにやりと笑って言った。
「なんならもうちょっとゆっくりしててもいいよ?
朝の準備はしとくからさ」
「いいっ!ちゃんと起きられるからっ!」
どちらが保護者かわからないやり取りである。
しかしティファニアの台詞はこの先、あまり守られることなく...
そう遠くない未来、ウエストウッドの朝餉の準備は、結局タニ...
166 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
たくさんの人数分の料理を作るのは、大変な仕事…というわけで...
汁物は前日に仕込んでおけばいいだけだし、サラダの類も野菜...
あとは、適当に切り分けたパンを各自の皿に盛り分けるだけだ。
とどのつまり、朝餉の準備はパンを切り分けることとスープを...
タニアはサラダを担当し、スープとパンはティファニアが担当...
「ねえお姉ちゃん、今日はどうするの?」
サラダの野菜を細かく切り分けながら、唐突にタニアが聞いて...
今日?なんかあったっけ?
「今日?なんのこと?」
ティファニアは記憶を探ってみる。
誰かの誕生日?それとも何かの記念日だっけ?
どうやら思い当たっていないらしい保護者に、タニアは深いた...
「今日は『聖女の日』だよ?
お兄ちゃんに贈り物しなくていいわけ?」
タニアの言葉に。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
ティファニアは思わず叫んでしまった。
忘れてた。完全に。
当然贈り物など用意してあるはずもなく、ティファニアは慌て...
でも。
「で、でもあれって告白してない女の子のイベントだしっ」
とりあえず言い訳してみる。
だがタニアには通じない。
「…お兄ちゃん可哀そう」
「あ」
「楽しみにしてただろうなー。『聖女の日』にお姉ちゃんから...
「う」
「最近は、恋人同士になってからのほうが『聖女の日』は大事...
「あうあうあうあうあうあうあうあう」
「お姉ちゃん嫌われちゃうかもよ〜?」
「ど、どうしようタニアっ!?どうしよ〜〜〜〜〜??」
泣きそうな顔で、自称保護者はタニアにすがりつく。
言動だけなら、どっちが保護者か分からない。
ホントに、どーしょーもない保護者だこと…。
半分呆れて、タニアは言った。
「どうするもこうするも、今から準備して間に合う贈り物を用...
タニアの指摘は的確であった。
もとよりそうするしか他に道はない。
167 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
「そ、そうよね…。
うん、頑張ってみる」
とりあえず思い直し、ティファニアは贈り物を思案する。
しかし。
「考えるのはいいけどさ。
スープ焦げるよお姉ちゃん」
冷静なタニアの突っ込みに、ティファニアは慌ててスープをか...
その日の朝食のスープは、ほんの少し焦げ臭かった。
結局半日考えて。
どーしよー!
思いつかないよー!
すぐに用意できるもので、サイトが喜びそうなもので、しかも...
用意できるわけないじゃないのっ!
私はお昼の用意をしがてら、台所でぐるぐる回る。
すぐ準備できるものの候補って言ったら。
お料理…くらいしかない。
でもでも、料理が贈り物だって気づいてくれるかなサイトは?
…あれで結構鈍感だし…。
そうこうしていると。
「おねえちゃーん、おなかすいたあー」
エマが、台所の入り口からそう声をかけてきた。
外を見ると、日はすでに傾き始めている。
あ、まずい、お昼出さなきゃ!
「はいはい待っててね、すぐ準備するから」
私は慌ててお昼のシチューをお皿に取り分ける。
うー、こんな事してる場合じゃないのにっ!
結局お昼の後片付けが済むまで、サイトへの贈り物を考える暇...
なるほど、こっちのバレンタインみたいなものなのか。
俺は、タニアが口にした『聖女の日』の解説を、タニア自身か...
「ほーんと、なんにも知らないんだねお兄ちゃんてば」
呆れたようにタニアがそう言う。
…そりゃそうだ。俺元々こっちの世界の人間じゃないんだし。
そんなタニアに俺はいつもの言い訳をする。
「俺の故郷じゃそんなイベントなかったしなあ」
とりあえず万能の言い訳だ。
でも、今日のタニアは何か不満そうだ。
「…知らなかったらスルーするとこだったね?」
顔は笑ってるが目が笑ってない。
…まあ、知らなかったら贈り物が目の前にあっても、その贈り主...
まあいいや、とりあえず。
「そうだな。教えてくれてありがとな、タニア」
俺はタニアのブルネットの髪をくしゃくしゃと撫でると、薪割...
タニアはまだ何か言いたそうだったが、俺が鉈を手にして薪割...
168 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
その夜。
才人が仕事を済ませ、部屋に戻ると。
寝室の円卓の上に、小さな紙が置いてあった。
この数ヶ月の間、才人はティファニアに、読み書きを教えても...
ロサイスに買い物に行く際、読み書きができなくては何かと不...
「ん?どれどれ」
そこにはこう書いてあった。
『贈り物があるから、寝ないで待ってて』
差出人の名前はないが…。
「思いっきりテファの字じゃん…」
このウエストウッドでまともに読み書きができるのは、ティフ...
そして、この丁寧な字は、間違いなくティファニアのもの。
字を習いたての才人でも、それくらいはわかる。
夕食の後にでも、贈り物を渡すつもりなのか。
しかしそれでは。
「…聖女の日の贈り物って、贈り主が直接渡したらたらダメなん...
昼間タニアに聞いた聖女の日のルールを思い出す。
…ひょっとして。
才人の頭脳は一つの可能性を導き出す。
「この手紙が、贈り物の代わり、ってイミかなぁ?」
呟きながら才人が手紙を手にしていると。
ドアをコンコンとノックする音が聞こえた。
この時間にこの部屋のドアをノックする人物は一人しかいない。
ティファニアだ。
才人はいつものようにドアを開けて、ティファニアを部屋に招...
「あ、あの、サイト」
ティファニアは料理をテーブルの上に置くと、急にもじもじし...
あ、そうか。
才人は聖女の日のルールを思い出す。
贈り主を当てないと、いけないんだっけ。
「この手紙、テファが?」
才人のその言葉に、それまで俯いていたティファニアは顔を上...
「う、うん」
そして頷いた。
しかしその直後、少し申し訳なさそうな顔をして。
「でも、ごめんね。時間なくて、大した贈り物、用意できてな...
謝った。
169 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage]...
しかし才人は、そんなティファニアの様子を気にすることもな...
「いいよ、テファが贈り物してくれるってだけで嬉しいし」
にっこりとティファニアに笑いかける。
優しいね、サイト…。
ティファニアはそんな才人の態度に、想い人への愛しさを募ら...
そして二人は、いつものように夕食を採り…。
「ごちそうさま」
「お粗末様でした」
夕食が終わり、ティファニアは夕食以外に持ってきていた、陶...
ティファニアはその小瓶を持ったまま、ベッドの方へ歩いてい...
ランプの明かりに照らされたその頬は、少し赤くなっていた。
「サイト、贈り物渡すから…こっちきて」
才人は言われるまま、ティファニアの前に立つ。
ティファニアは陶器の小瓶を両手で持ったまま、赤い頬で才人...
…なんだろう?あの小瓶がプレゼントなんだろうか?
疑問に思う才人を尻目に、ティファニアはその小瓶の蓋を開け...
その口から香る、甘い香り。
「これ…チョコレート?」
才人は驚いたように言う。
カカオの実を焙煎して作るチョコレートは、ハルケギニアでは...
日本ではポピュラーなおやつだが、栽培技術も流通経路も発達...
才人はそれを、ロサイスへの何度かの買出しによって、知りえ...
「これね…私が自分で作ったの…。
ほんとは、自分でこっそり食べるつもりだったんだよ」
言って、いたずらっぽく舌をぺろりと出す。
「そんな、悪いよ…テファも楽しみにしてたんだろ?」
しかし才人の心配をよそに。
ティファニアはとんでもない行動に出た。
いきなり夜着の前をはだけ、規格外に大きな胸を晒すと。
小瓶に溜まった茶色い液体を、その白い柔肉の双球に、まんべ...
息を呑む才人に、ティファニアは言った。
「これ、全部、サイトが…。
サイトが、食べて、いいから…」
211 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
こ。
これがホントの。
チョコパイってやつですかーーーーーーーーーーーーーーー!?
俺の視線はチョコ塗れのテファの胸に釘付けになる。
鼻息の勢いがマックスになり、俺のホームランバーがズボンが...
やばい限界。もう辛抱たまらん。
俺はそのまま一気にテファを押し倒
「まって、サイト」
?テファの両肩を掴んだ俺の手を、テファ自身が掴んだ。
「ちゃんと、贈り物、食べてから…ね?」
言って、恥ずかしそうに胸の下に両手を入れて、俺のほうに大...
すいません私がわるうございました。
「まずはそのけしからんチョコパイを成敗してからですネー!...
あ、いかん声が。
思わず叫んだ俺を、テファが変な目で見てる。
…ヤベ。やっちゃった。
しかしテファは、くすりと笑うと。
「けしからんかどうかはわかんないけど…。
成敗して♪」
言っていたずらっぽく舌をぺろりと出してみせる。
その仕草に、俺は即座にクライマックスに達した。
「テファーっ!」
俺はチョコ塗れのテファの胸にむしゃぶりついた。
しかし流石は胸革命。一口では収まりません。
するってえと、口に入る範囲を順番に舐め取っていくしかない...
最初は理性がぶっ飛んでいきなり右のてっぺんにいっちゃった...
やっぱここはアレですね。
周りから攻めるべきデスネ!
212 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
な、なんでサイトっていっつもこうなの…?
私は、いつまでたっても終わらないサイトのねちっこい責めに...
「さ、サイトぉ…」
サイトは私の胸についたチョコを、舌で舐めたり、吸い付いて...
最初の一回以外、一度も、その、一番敏感なところを責めてこ...
私はたまらなくなって、サイトの頭を捕まえて、一番感じると...
でも。
サイトはそんな私の思惑を見越してか、私の両手をがっしり握...
「酷いよぉ…サイト…」
涙が出てくる。
じわじわ感じさせられ続けて、私の身体はもう限界だった。
胸の先端で、乳首が千切れそうなくらいはれ上がってる。
股間はもう、お漏らししたみたいにべとべとで…。
「じらさないでよぉ…もう、つらいの…」
私は必死に訴えるけど…。
「テファ、じらされるの好きだろ?」
イヤらしい笑顔でサイトがそんなこと言ってくる。
そ、そんなことないもん…。
私は否定の言葉の代わりに、俯いて頭をふるふると振る。
そんな私の顎を、サイトが軽くつまんで上を向かせた。
「そう?いきなりするより、じっくりじらしたほうが…」
言って、両手で胸を挟み込んで、揉んでくる。
やだぁ…こんな、地味な刺激じゃやぁ…。
そしてサイトは続ける。
「スゴい逝き方してるみたいだけど?」
その台詞に、私の顔は真っ赤になる。
…た、たしかにそうだけど!
で、でもそれはじらされた反動なんだもん…。
じらされるのが好きなんじゃないもん…。
私の中で、何かがキレた。
そんな、意地悪言うんだったら…!
私は油断しきっているサイトの両腕を掴みかえして、無理やり...
「サイトのいじわるっ!」
「えっ!?」
一瞬の早業に、サイトが驚いた顔をする。
ふんだ。もう許さないんだから!
私は膨らんだサイトの股間に目をつけると、一気にズボンを引...
「サイトも、じらされてみればいいのよっ!」
そして私は。
まだチョコの残っている胸の谷間で、彼を包み込んだ。
213 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
うひょおおおおおおお?
こ、コレは正直たまりません!
チョコがローションの代わりになって、テファの胸の谷間を出...
ぬるぬるとした感触と、テファの柔らかい胸の感触に、愚息は...
行かなかった。
「…おしおきなんだから」
ちょっとまってええええええええええええ!そこで止めないで...
テファは俺の息子が限界に近いと見るや、胸の谷間を全開にし...
チョコに完全にコーティングされた俺のホームランバーは、テ...
う、うわ、こ、腰が勝手に動いて…。
テファの胸に吸い寄せられるううううううううう。
しかしテファは身体を引いて、ホームランバーから遠ざかる。
「少しは身をもって反省しなさい!」
半眼でそんなこと言ってくる。
イヤちょっと待ってマジでツラいんですけどこれっ!
か、かと言って自分でコスるわけにもいかないしっ!
しょ、しょうがないここは…。
「ご、ごめんテファ!もうしないから!じらしたりしないから...
情けないけど、謝るしかない。
「ホントにぃ?」
テファは俺の脚の間から、不信の視線を向けてくる。
…うっわ俺信用されてねー。
「ホント、ホントだからっ!」
…ちゃんと逝かせてください。マジつらいっす。
「…しょうがないなあ」
テファはそう言って、にっこり笑うと。
また胸の谷間で、いまかいまかと待ち構える俺のホームランバ...
おおう…なんか一旦間を置かれると…。
さらにキモチイイですネ!
そして、テファはいつものように俺の愚息を胸の谷間でしごき...
「くぅっ…テファっ…」
そして俺はすぐに限界を迎え…。
なかった。
俺の限界を悟ったテファは、またしても俺のブラックバスをキ...
「て、テファぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ」
「…おしおきですっ」
結局、テファの『お仕置き』は、4回ほど続いた。
…情けないことに、4回目のお仕置きで、俺は空中で逝ってしま...
214 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
「たーしーかーに、じらしたほうがスゴいのは認めますっ」
「ふぁい」
行為のあと。
ベッドの上で、裸のまま、珍しく才人はティファニアに叱られ...
あのあと、才人はさんざん焦らされた後、特濃のホワイトチョ...
そして今、才人はいままでの事をさんざんティファニアに叱ら...
「でも、焦らされるのはすっごいつらいの。わかる?」
「わ、わかりましたぁ…」
それはもう身をもって思い知らされた。
自分がティファニアにどんなことをしてきたのか、才人は理解...
「今度から、『焦らさないで』って言ったらじらしちゃダメよ...
まるで出来の悪い生徒をしかる女教師のように、ティファニア...
「…でも、言わなかったときは焦らしていいんだよな?」
才人はそんなティファニアの言葉尻を捕らえる。
ティファニアは一瞬考えた後、赤くなりながら応えた。
「…いいけど…」
ちょ、ちょっとは、ほんのちょっとは焦らされるの好きだし…。
そんなことを考えながら、ティファニアは目の前で無闇に頷い...
そして思い出した。
もう一つ、贈り物があったことを。
「…あのね、サイト。
もう一つ、贈り物があるの」
ティファニアは優しい声でそう言った。
その言葉に、才人は驚いた顔をする。
この上何をプレゼントしてくれるというのだろう。
ティファニアは、そっと下腹部に手を沿えると、言った。
「あのね。
今月、女の子の日が来てないの」
それはつまり。
種の入っていない卵が、排出されていないという意味で。
「え?それってテファ…」
驚く才人に、ティファニアは続ける。
「…名前、どうしよっか?」
母親の優しい笑顔を湛えるティファニアを、才人は優しく抱き...
215 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/...
そこは、才人が薪割りをしている場所だった。
タニアはそこで、星空を見上げて、手にした毛糸の手袋を広げ...
それは、ウエストウッドの村で、一番大きな手の持ち主に合う...
「ま、最初の『聖女の日』はうまくいかないっていうのが普通...
そう言ってタニアは、空を見上げたまま、その手袋を才人が普...
「ほんと、貧乏籤よね、私ってば」
言いながら、空を見上げたまま、家のほうへ歩いていく。
「そろそろ寝ようかな。
…明日早起きしないと、テファお姉ちゃん完全に遅刻だろうし...
空を見上げたまま、タニアはそう呟いた。〜fin
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